聖火リレーの中継が中国への人権問題に対する抗議も映し出している。大国の中国が簡単に倒れるとは思われないが、このような抗議活動が中国の民主化や人権改善には役に立つと思う。チベット問題は内政になるかもしれないが、人権問題は内政を超えて普遍的な問題であるから他国からも干渉ができると思う。日本は中国の人権問題に従来黙っているのが常であり、今度も例外ではない。倫理は国家には無いようである。個人の倫理としては裏切ることは最低だと言われるがアメリカや日本などは台湾との国交を断絶して中国と国交を結んだ。しかしアメリカは時々中国の人権問題などについて発言しているが、日本は一切発言しない。日本国には国家の倫理が無いように思われる。日本では隣家の子供の迫害には怒るが、国家レベルになると隣国の問題に黙っているということはどういうことであろうか。日本もチベット問題について人権問題として発言すべきである。
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そういう意味で、私はむしろ倫理や道徳をやかましく説くような歪んだパターナリズムを持つ国家に、余程危険性を感じます。
近代国民国家の最も重要なことは、国民の生命、財産を守ることであり、それを脅かすような相手に対しては、容赦の無い手段で国益を追求するべきだと思っております。そうではあるのですが、中国共産党の面子をいかに立てつつ、彼らの暴虐を如何に諫めるかを考えるのが政治というものではないでしょうか。
日本の国益を考えた時、フランスのサルコジ大統領のようにけたたましい挑発を日本がするのが適切とも思えません。その結果、中国が万一内戦状態に陥ったり、大規模な争乱が起きたとき、恐らく日本や韓国には数十万単位の難民が押し寄せるでしょう。その意味で、対岸の火事であるヨーロッパ諸国と同じスタンスなど、期待する方が無理ではないでしょうか。
日本政府の内部でどのような葛藤があるのか伺い知れませんが、胡錦涛の訪日時には当然チベット問題も議題にあげると、外務省の官僚も明言したとの報道もあり、むしろ私は冷静に事態を静観したいと思います。
国家が倫理を持っべきではないと前提にすると教育もできなく、したがって個人も倫理を持たないようになる。そして国益だけを追求する国家になっては困る。また偽りの「正義」を持つことこそ危険であろう。barrett_hutter氏のコメントによってより深く考えるようになったのだ。