崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

映画『八重子のハミング』試写会

2016年07月13日 05時29分32秒 | エッセイ
 映画『八重子のハミング』試写会に我が夫婦が招待された。地元出身監督の佐々部清氏作、出演者は升毅、高橋洋子、梅沢富美男、文音、中村優一、二宮慶多、安倍萌生、辻伊吹、朝加真由美、月影瞳、井上順ほかそうそうたるメンバー。高齢化社会の介護の実状を記録映画風に撮ったという。私は監督とは古川薫氏の紹介で面識があるだけである。下関では地元の出身ということでプライドをもっていていろいろな行事に彼は参加する。日韓交流をテーマとした映画『チルソクの夏』は住民に土着したようである。今度の映画は主に萩が舞台になっているが下関や小倉などでもロケし、協賛応援者も多い。その中には私の友人である穴見幹男氏と娘のめぐみ氏がいる。めぐみ氏は東京芸大出身のピアニスト・作曲家であり、主題曲を提供し、「ひまわり」(介護物品会社)が支援している。
 下関に長く住んでいて私の人脈は広がっていることを感ずる。しかしネットワークが切れることもある。それは切られるというより切るようなものである。私は恩返しという伝統倫理はあまり気にしてないが、私自身は恩は返すようにしている。ある人のことである。彼には協力し、人生で2度運命を変える大きな援助をしたことがあるが、いまだに知人であり友人になれない。一回も彼から感謝の言葉も恩返しのようなものも受けた覚えがない。私から積極的に声かけることをしないでいるうちに縁が切れたようになった。人は死ぬ前に情を切るという。深まらない人間関係は切る。それは切ることにより切り花のような美しさに表現することである。穴見氏とは延々と友人関係が続く。彼が関わっているので試写会に参加する。