崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「禁止文化」

2016年07月20日 05時47分21秒 | 日記
 道路標示などは国際化されているがその一つに韓国で「走ると死ぬ」(달리면 죽는다)という脅迫的な標語がオーストラリアにもあると指摘した人がいる。板門店観光の道路の両側には禁止、禁域などの看板がズラッと並んでいる。日本では「ありがとうございます。」など柔らかい表現が多く、トイレには「清潔に使っていただいてありがとうございます」というものもある。また電車の優先席に「席をゆずらなかった。言い訳ばかり考えた」(交通道徳会)と心理的に圧迫する標語もある。禁止は否定的であり拒否感があり、多くの営業所では「禁止」から「専用」へ変えた。
 私が住んでいるところには100坪ほどの小さい公園がある。そこに犬を連れて散歩に行くことがある。ボールを投げつけてはいけない、犬は放してはいけない、その他、犬の糞処理なども含め10個ほどの禁止事項を書いた看板が付いている。こどもたちはボールをもって静かに座っていることを望んでいるのかと思った。私は規制規定天国の日本だと思ってしまう。日本人はこのような「禁止文化」の中で育っておとなしく、静かな国民性に作られたのか、また、それによって精神的障害を持っている人も多いのではないかとも考える。