崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「天皇生前退位」

2016年07月16日 05時16分39秒 | 旅行
 大学には教員同士の授業参観があり、昨日は私の授業に参観者が来られた。それは授業法など互いに見て参考にして改善するという趣旨である。それは規則や規制による参観であって自由意思によるものではない。校内では研究会や講演会を行っても関心は少ない。自ら研究会などで学ぼうという自由意識は弱いのではないかと思われる。昨日日本文化論の日本憲法の特徴の講義に経済学者と歴史学者の二人の同僚が授業参観に参加して嬉しかった。
 先週の「日韓の法比較」に参加した学生たちの感想文を読み上げ、学生自ら補助説明などからはじめた。私が「天皇と王」について天皇とは皇族という血縁による世襲heritage、そして即位という継承successionという二つのルールによって成り立っている伝統的な制度であると3分スピーチをし、日本語の理解、意見交換の時間を5分ほどおいてから学生たちの意見を聞いた。中国の学生は中国での「古い皇帝制」をなぜ日本がもっているのか、韓国の学生は「天皇は神か」と質問があった。象徴天皇といわれているのに天皇自身が「生前退位の意向」と言うニュース。いったいこれはどういうことなのか。天皇はの国民か、公務員か、定年退職か、辞職かなど。象徴天皇と巧みに言わせ戦争責任も逃れてきた天皇の象徴性が無くなるのか。日本国の最も基礎である天皇の規定の憲法改正も必要であろうか。宮内庁の山本信一郎次長が「そうした事実は一切ない。陛下は憲法上のお立場から、皇室典範や皇室の制度に関する発言は差し控えてこられた」と完全否定した。当然であろう。しかし真意を知らずメディアは先行して元号さえ考え騒いでいる。学生は「珍しい」「おかしい」という。