崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

リー・クアンユー(李光耀)氏死去

2015年03月28日 04時59分36秒 | 旅行
先日シンガポールの書店で彼の病気に関する本が並んでいて英雄化されているのを感じた。人の命は天にあり、建国の父と呼ばれるリー・クアンユー(李光耀)氏もこの世を去った。2015年3月23日死去,ご冥福を祈る。「開発独裁者」としても世界的に尊敬されている。私は植民地研究プロジェクト(代表青木保氏)により3回ほどシティツアーをしながら調査をしたのが1996年12月クリスマスの時であった。私はシンガポールで二人の人物を発見した気がした。一人はイギリス植民支配者のラッフルズであり、もう一人は植民地遺産をもって発展させた李光耀である。彼は中国からイギリス植民地シンガポールに移民し、英語教育を受けた。ラッフルズ学院とラッフルズ大学で学んで、イギリスに留学し、ケンブリッジ大で法律学を専攻し弁護士となった。イギリスの植民地支配から完全独立させるのに功績がある。リー氏は「つばを吐いたり、ガムを噛んだり、ハトに餌付けをしたりした300万人のシンガポール市民を罰する」と言ったことで有名であるが、私はそれもラッフルズの影響だと思った。清廉な政治体制を貫かれた。さらにもう一人を指折るなら朴正熙である。
先日は戦前シンガポールに住んでいたある韓国人の調査のために行ってきた。イギリス植民地であった遺産を植民地語である英語で観光案内する国を歩きながら侵略と植民地という歴史を利用していると感じた。矛盾した人生、矛盾した歴史を体感したのである。その矛盾を超えるのは自由と正義、人々の福祉と幸福、平等である。同じ中国人であっても「大国の中国」(中華人民共和国?)と「小国の中国」(シンガポール)の人は大きく対比される。私は韓国のシャーマンの歌の中に「中国は大漢国、我が国は小漢国」という歌詞を思い出す。それは本当に考えるべきことであろうと思っている。