崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

危険な民族主義

2015年03月06日 06時25分59秒 | 旅行
イスラム国の殺害ニュースのようなことが昨日韓国から発信された。駐韓米国大使が朝食講演の前に果物ナイフで襲われた。犯行者の男性は現場で逮捕された。彼は連行されながら独立運動家のように叫び、自己PR「光復70周年」を迎え「韓米合同戦争訓練中止」「戦争反対」を発信した。彼が持って入ったビラでは、「軍事主権のないことが悲痛だ」という。過去にも公開席上で「日本の天皇を殺さなければならない」「地球上で米国は消えなければならない」など過激な発言をしたという。このニュースを聞いた私の印象はISISからの外信のようであった。「韓国民族主義」が危険な岸壁に立っている。「戦後70周年」記念に再武装化現象が東アジアで起きている。
 日本では子供など弱者殺し、差別による自殺などが多いが、いま国際的にはテロが大問題である。その中ではこの事件は幼稚な犯行と思われるかもしれない。しかしこの事件は過激派、右翼、ナショナリズム、国粋主義などが如何に怖いかを悟らせると見なければならない。韓国では伊藤博文氏をはじめ多くの日本人を暗殺あるいは未遂だったりして、民族的英雄化してきた経緯がある。私はその時代に生まれ戦後は「愛国、一致団結、国民総和」などの言葉は耳馴れてきた。今度キム氏自信は犯行とは思わず、あくまでも愛国行為だと主張している。このような行為は個人に限らず国家の正当性や軍備政策に関わっている。中国は日本の死者儀礼に反抗しながら、韓国の歴史認識主張とは逆に現実に生きている人へ脅威、つまり軍備増額で挑発をしている。日本も防衛強化などで緊張が高まっている。平和運動主義者が怖くなった。
*写真は文化日報「歴史認識」