崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

伝道集会「Love Sonata」

2014年05月16日 05時06分48秒 | エッセイ
 韓国・「セウォル号」事故調査が明らかにしたことによれば清海鎮海運が所属している兪炳彦元セモ会長一家がキリスト教福音浸礼会(救援派)と関連があり、汚職に関与していた疑いで捜査中であるという。救援派は1992年に大韓キリスト教長老会から「異端」と規定された。捜索に宗教弾圧だと信徒たちが反抗している。船沈没事故は実質的オーナーである実業家の兪氏が間接的原因になったとみている。長老会が「異端」と決めたことであり、それはキリスト教であればイエスキリストを否定するか、教主自身が同等な存在とかによって宗教的に決められるが、一般的にな反社会的犯罪性の宗教団体のように思われる。捜索は拡大しているようであるが宗教的な配慮は必要であろう。
 日本ではオウム真理教や韓国のキリスト教など宗教団体が犯罪集団のように思われる傾向がある。こんな状況の中で昨夜下関市民会館大ホールで韓国オンヌリ教会の伝道集会「Love Sonata」が行われた。ピンク色の名札を掛けている人たちが入口の両側に立って歓迎する。その列の中を照れくさく感じながら歩いて入室、超満員であった。三階の後ろ一番末席に座った。全景が見えてよかった。世界最大教会のソウルヨイド純福音教会の礼拝の様子を思い出した。有名歌手シンスボン、ベージェチョル、フルート演奏のソンソルナム、キムヨンミの蝶子夫人のアリアなど素晴らしい音楽にクリスチャンらしいコメントが少しずつ入った音楽会だった。そこに登場したのはオンヌリ教会の牧師の李氏、長い説教が始まった。近い人と関係が悪いのは壁がある。神様を通して日韓和解すべきであるという宣教説教である。簡単な話を感情をこめて繰り返し。その上通訳が同様なしぐさで繰り返す。バイリンガルの私には話し方のトーンの高音、速さ、繰り返しなどが耳さわりにも感じた。
 韓国キリスト教から見ると日本は宣教が一番難しいという。宣教上日本は問題地域とも思われる。そこにオンヌリ教会が思い切って伝道集会を行った。日本のキリスト教当事者にとって大きい意味がある。伝道にも消極的で引き籠るような聖職者が多く、宣教活動がうまくいってない人も多い。反省すべきであろう。日本の信者たちへ昨夜の伝道集会は刺激的であったと言える。その意味では成功的であったいえる。しかし日本に伝道しようとしたら日本的な説教方式も研究して来るべきである。ただ韓国式の熱情(?)の説教、感情的に盛り上げようとすることには反感を感じる人もいるに違いない。音楽会「Love Sonata」と思って参加した人たちにとって伝道集会は驚き、反感を起こしたのではないかと周囲の雰囲気からも気になった。日本では説教が感情的な雰囲気ではなく、理解が得られるようにしなければならない。