崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

京都大教授山中伸弥にノーベル賞

2012年10月09日 04時48分43秒 | エッセイ
京都大山中伸弥教授(50)がノーベル賞を受賞した。おめでたいことである。日本では今、日中韓関係が閉塞している中で快挙として喜ばしいことである。新聞号外、特殊インタビュー番組が祝っている。当然主人公の本人のインタビューが一番注目される。「iPS細胞」の説明を聞いても分かりにくい。スポーツをよく知らない人でもメダルだけに歓声をあげ、喜ぶ人が多くいると似てる。私は幸いにソウル大学校のファンウソク元教授の事件記事からiPSへの予備知識を持っている。
 山中教授のインタビューを聞いてみると誠実に、また自然に「感謝」を語っておられる。通例の「皆さんのお陰さまで」式ではなく、数百人の研究者たちの協力、数万人ほどいる競争的な研究者などへの感謝の言葉にはiPSのすばらしさをよく知らなくとも人格賞にも相応しいと感ずる。iPSとは幹細胞を作る初期化(Stem cells, known as induced pluripotent cells, or iPS cells)といい、それが医学へ貢献できるという。
 山中伸弥教授のインタビューを聞きながら京都学派の研究組織と国家の支援のコラボレーションが有効であったことを推測する。幹細胞Stem cells というとソウル大学校の黄禹錫ファンウソク元教授の「サイエンス誌2005年6月17日号」に偽りの報告事件があったことを思い浮かべる。当時の記事では、本人は罷免、研究組織は弱体化されたことを報じているが、それだけではなく信頼を失ったことがもっと残念である。もう一つ山中伸弥氏と対照的な田中慎弥氏の「もらってやる」という生意気インタビューも思い出す。極端に対照的なインタビューを国民が受け入れているのが日本である。
 一人あるいは一つの集団が成し遂げたことでもそこには研究蓄積やさまざまな協力によって大成功が可能であり、その結果を人類全体が受けることになるのである。
 
 Working with mice, Dr. Yamanaka discovered in 2006 that the reprogramming is accomplished by just four specific gene control agents in the egg. The agents, known to biologists as transcription factors, are proteins made by master genes to regulate other genes. By injecting the four agents into an adult cell, Dr. Yamanaka showed that he could walk the cell back to its primitive, or stem cell, form.
Stem cells generated by this method, known as induced pluripotent cells, or iPS cells, could then be made to mature into any type of adult cell in the body, a finding with obvious potential for medical benefits.
Many biologists hope that Dr. Yamanaka’s technique will be the gateway toward generating replacement tissues from a patient’s own cells for use against a wide variety of degenerative diseases. For the moment, that remains a distant prospect. But the cells have already proved useful in studying the genesis of disease. Cells generated from a patient are driven to form the tissue that is diseased, enabling biologists in some cases to track the steps by which the disease is developed.(New York Times)