崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

国際シンポでの基調講演「東アジアにおける韓国学」

2012年10月07日 05時03分48秒 | エッセイ
 日中韓が国境問題で緊張している。戦後史を見ると関係が良い時は例外的であった。最近のような緊張関係が長く続くのかと憂いを持っていたが表面的には、平常に戻ったかのようにも感じられる。昨日の「毎日新聞」の世論調査によると韓国では日本への親しみは減っていないという。ただ韓国人の関心が中国へ傾斜していくようである。この緊張関係の中で中国のある大学で11月2日3日に開かれる国際シンポでの基調講演「東アジアにおける韓国学」を頼まれて発表文を考えている。政治的な国家主義ナショナリズムを越えて文化的に対処すべきだと考えている。
 19世紀後半から日本は近代化と西洋化が先進、主導してアジアを侵略あるいは植民地化し、太平洋戦争を起して敗戦した。その日本が経済大国になった。活力のある日本は発展モデルとして注目されてきた。韓国は日本をモデルとして真似たりしていたが、独創的な別の発展モデルを世界的に発信するようになった。韓国人の関心は日本から離れるのではなく、日本も含めて多様化している。日本も日中韓だけではなくひろく脱東アジアから東南アジアへ、北東アジアへ、アフリカへとより強い関心を広げていくべきであろう。