崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

戦争証言

2011年12月09日 05時35分48秒 | エッセイ
 昨夜(12月8日NHKBSプレミアム9:00〜10:50)「戦争証言スペシャル:運命の22日間〜千島・サハリン(樺太)はこうして占領された〜」をみた。先日椿プロ製作社の金本麻理子氏から手紙で放送予定を知らせていただいた。昨夜は3回目の放送であった。8月15日から9月5日までの22日間、千島列島・サハリンでの戦争について元兵士、民間人、韓国人、朝鮮人、米ソの高官などの証言で、昔の敵たちも日本人も今は涙で後悔している映像をみて戦争を起こした国家に対して憤慨を強く感じた。特に拙著の『樺太朝鮮人の悲劇』でテーマになった瑞穂事件も若干映った。朝鮮人がソ連のスパイだというデマが流れ、殺さなければ殺されるという思いで日本人が朝鮮人、男女子供を含む27人を残酷に殺害してソ連軍によって処罰された事件であるが、一般視聴者はこの映像だけでは理解できないと思う。しかし私にはその張本人の一人である栗山正二氏が証言したことがショックであった。すでに高齢に達している証言者一人一人の証言から偽りのない真実が伝わってきて、彼らのつらい体験に心が痛かった。