崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

死を喜ぶ国民

2011年10月22日 05時46分00秒 | エッセイ
リビアの独裁者カダフィーが殺害された。下水道のような穴に隠れていて逃げようとしたという。指導者であった人の死を喜ぶ国民が熱狂するお祭り風景が映っている。中には悲しんでいる人もいるかもしれないが、国際的にビッグニュースになっており、大きいメッセージがある。クーデターで権力を掌握して独裁、その42年間「狂犬」として数多くエピソードを残した。韓国の諺で「権不十年」(権力は10年は続かない)といわれるが、王朝の王権は数百年も続いて、北朝鮮では3代も続く例になろうとしている。
 昨日直木受賞作家の古川氏のお宅に邪魔して「東亜大学東アジア文化研究所」の墨書き看板をいただいた。彼は軍事政権の時韓国を訪問した話をした。当時独裁者の朴正熙大統領の暗殺について質問された。李承晩大統領から軍事政権の朴、全、廬の時代について簡単に触れて、「人間朴正熙」について調査して書いたことを説明した。作家である古川氏にそれに関する小説を書くように勧めた。「第四共和国」というドラマがあると話すと、40時間でも一緒に見たいと言いながら笑った。朴正熙大統領の暗殺と民主化の道のりは激しく長かった。韓国歴史にもっとも貴重な時期に私は生きたことになる。(写真は向かって左端から古川、櫛田学長、私、毎日新聞支局長)