崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

ワカメスープ

2010年04月09日 05時14分52秒 | エッセイ
ソウルの姉から4月12日の家内の誕生日のお祝いにワカメなどが送られてきた。ワカメや海苔などの海藻を食用とする習慣はほぼ日本と朝鮮半島にしかない。韓国が日本に比べ、三倍以上に多食している。その海苔の日韓文化については今週発行の「東洋経済日報」に書いたのでここでは省略するが、この海藻を食べる習慣がある中国でも海苔は食べない。海藻食文化は日本と朝鮮半島だけの共通文化と言える。最近は中国でも日本からの養殖技術の導入により食べられるようになっている。
 しかしその海藻食文化は具体的にみると異なる点が多い。その一つが朝鮮半島でのワカメスープである。韓国では誕生日にワカメのスープを飲む習慣がある。韓国ではお産の産婦と誕生日はワカメスープを飲むというのは必然ともいえる。ワカメスープは滑りが良く、お産の安全のためとか、鉄分が多いなど民間に伝わる説もある。また日常生活で子供に失望した時の母が「あなたを生んでワカメスープを飲んだことを後悔する(내가 너를 낳고 미역국을 먹은 것이 후회스럽다)」という。
しかしワカメスープは滑りが良いことから試験などには禁食のものでもある。「付く」(合格)のために餅はたべても、ワカメスープは禁物である。不合格を「ワカメスープを食べた(미역국을 먹었다)」と表現することもある。