崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

留学生 

2010年04月16日 05時16分48秒 | エッセイ
 留学生たちが大学に新気運を持たせるようである。私は自分の留学時代を思い出して日本語を全く知らずに苦労したことを思う。今の留学生は韓国の「韓流」を背後にしているが、私は独裁軍事政権の貧乏な韓国を背負ってきたのとは対照的である。中国からの留学生も経済成長の富裕層からの留学生であるというイメージがある。しかし私は留学生の少ない時代に視線を引くようであった。今の留学生は日常的であり、親しさも感じられている。
 将来には留学生という制度や観念が無くなるのではないかと思う。特に下関辺りでは地理的にも韓国と近く日本の国内の学生たちとそれほど変わらないことになり、極一般化され日常的になるかもしれない。国境、国籍、国語などの境界をなくすか、越境への政策を取るべきである。日本人の韓国や中国への留学は相対的に極端に少ない。日本が先進国だというイメージからくる格差も薄くなり、無くなるかもしれない。日韓の留学生が日常的に相互に往来しながら混在する時代を想像する。そこへ対備して国家主義ではない普遍的な人間教育へとより知恵を絞ってほしい。