崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「学問と人生の明暗」

2008年07月12日 06時18分39秒 | エッセイ
今日国立民族学博物館で私が植民地朝鮮朝鮮の民俗学について発表をする。特に京城帝国大学の教授であった秋葉隆の学問と人生を分析評価しようと思っている。秋葉は私の生まれ故郷の楊州を現地調査をしていた。私は大学時代から自分の故郷の調査をし、彼の研究論著から学び、それを深めてきた私の研究背景がある。
 秋葉は比較的客観的視野から学問的な業績を積み上げてきた日本人として戦後韓国においても評価されてきた。しかし最近彼の未発表の原稿などがフランス(パリ)で大量に見つかった。私はパリ大学のギレモズ教授を訪ねてそれを見せて頂いた。戦争中の彼の放送用の原稿も読み、彼の植民地主義者としての言動を発表した。それによって彼の「学問と人生の明暗」が浮き彫りになった。
 植民地を生きてきた多くの人はこのような明暗があるはずである。ただ戦後韓国人全部が「反日愛国者」として、日本人全部が「反戦主義者」のように色染められているだけである。彼の明暗は植民地時代を生きてきた多くの人物像の象徴に過ぎないと思っている。