崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「兄弟の江」

2007年05月07日 07時04分05秒 | エッセイ
 韓国の小説「兄弟の江」の訳文を読む。1ページ当たり5個くらいの漢字語などがわからない。辞書なくては完全に理解できない。日本に来て20年近くてもこれしか力がないのかと嘆く。特に関心を引くところがある。舞台は韓国慶尚道密陽であり、牛の仲買いと牛市場の話が出る。私の父親は牛の仲買い人であった。38度線を往来しながら北鮮牛を南鮮に売る商売人であった。子供の時から牛の出入を観察した。我が家の牛小屋には2頭しか入らない。牛が暴れて眠れない夜もあった。美味しいそうに食べる煮詰めたえさの中から豆を取って牛と一緒に食べたこともある。父は牛に針で病気を治してあげたりしていた。また牛の喧嘩を仲裁させる事も出来た。私は父が金持ちで広く名前が知られていることに誇りを持っていた。しかし中学生の時姉から牛の商売人は社会的には両班の仕事ではないので「言わないで」といわれた時にはかなりショックであった。