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一日一句(1224)







秋の風邪引かれててんやわんやかな






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一日一句(1223)







友だちといふといへども秋の風






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一日一句(1222)







鈴虫は星のかけらの音したり






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詩的断章「黒い給水塔」







黒い給水塔




なぜ 言いようのない不安な
気分になったのだろう
なぜ 不幸だったのだろう
その給水塔は ひかり
の関係で 真っ黒 に見えた
まだ
小学校へ上るまえ
父は 日曜になると 自転車の
うしろへ わたしを乗せて
よく小学校へ連れて行った
いまと違って
校門は 開きっぱなしで
ちいさかったわたしは
キョロキョロするばかり

来年から 小学校だからな
若い父は 嬉しかったのだろう
聲は はずんでいた
来年は ここへ通うんだぞ

わたしは
楽園を追われた気分で
父のうしろから
屋上に聳え立つ
巨大な給水塔を
見上げていた
大きく
黒く
冷たく
突き刺さる

いま 思うと
あれが   世界の 
最初の 悪意 だったのだろう
巨大で
聳え立ち 真っ黒で
笑わないもの
それは
暴力なのである

五十年がすぎた
いま
あの給水塔を
怖れることはなくなったが
塔は心に宿って
わたしは   すっかり
聳え立ち 真っ黒で
笑わない もの 

死んだ父が 
塔を指して
百日紅が咲いている
と言う  
突然 花は
真っ赤に
燃えて   あのときの
いまのままに







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一日一句(1221)







やはらかき欅のひかり涼新た






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一日一句(1220)







しんとして踊の前の天しづか






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詩的断章「ごはんだよー」







ごはんだよー





わたしにむけられた この言葉を
いったい 何回 聞いただろう
そう思って 
数えてみたことがある
そして すぐに止めた
それは 生きてきた日の数と
ほぼ重なる

五十四年八カ月

一万九千九百七十一日

二万回は越えているだろう
二万回の「ごはんだよー」は なかなか である

一万九千九百七十一日

あんなことも こんなことも そんなことも
この数字の中にあるのだが
あのひとも あの子も あいつも
あの野郎も あの馬鹿も 
この数字のどこかにいるのだが

このわたしだけが いない
二万回も呼ばれたのに
わたしは
まだ
応えていない
夢の中では
わたしは
いつも
だれかほかのひとなのである







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一日一句(1219)







処暑の地を坐ることより始めけり






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一日一句(1218)







処暑の地は影なき空の影ばかり






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一日一句(1217)







その後の処暑の綾瀬のひかりかな






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