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フランス語の俳人たち:Bill Bilquin(10)

■旧暦5月4日、金曜日、

(写真)夏の壁

早朝から起きて語学講座を聴く。つもりだったが、昼まで眠り込む。珈琲を淹れて脱力。新聞を読んで仕事。このところ、また、耳鳴りがひどくなっているので、ランパルのフルートを終日かけている。夕方から兼業へ。




je ne t'ai rien dit
mais tu rougis doucement
crépuscule


ぼくはきみに何も言わなかったが
きみは次第に顔を赤らめていく

黄昏


■こういう人の機微は、フランス語ではこういうのか、と面白かった。とくに、時間の感覚を違えることで、少し前のことと現在のことが、「今」に統合されてゆく様子がよく出ているように思った。

Bill Bilquinの俳句は、これですべて検討した。面白のもあり、つまらんものもあり。当たり前か。ただ、欧州の言語構造の内部で自己完結せずに、日本語の俳句の発想でフランス語俳句を書いたとしたら、新鮮なものができるんじゃないだろうか。これは、英語でもドイツ語でも言える。

英独仏の俳句に共通するのは、散文的で説明的ということだが(おそらく、これが、欧文文体の特徴でもあろう)、これを全部排除してしまったら、面白いものができるんじゃないか。欧文翻訳の影響を受けた日本語の新興俳句や前衛俳句(あるいは現代詩全般を含めてもいい)が、翻訳の名詞を多用したり散文的になるのは、当然ともいえる。その成否は、具体的な作品に即さないとなんとも言えないだろうけれど。

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