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往還日誌(108)






■11月17日、金曜日、さいたまの山茶花。

11月も下旬に入ってきた。今月と来月は、ライフワーク関連で、ルカーチの原稿の締め切り、ニコの仕事、TB-LB Theoryのアップデートと、3つの課題があり、週末はかなり忙しい。

日頃、散文で、ガザに関連する情報を調べたり書いたりしているが、ガザで、もう一回、詩の力をもう一度呼び出そうと、きのう、寝る前に決めて、おおよそのコンセプトをメモして、きょう、仕事が終わってから、一気に書き上げた。5、6回推敲してほぼ完成させた。「GAZA――ここに『ある』こと」。

第4詩集は、カバーの印刷で、壁にぶつかり、七月堂のCさんが、いろいろ、考えてくださっている。ちょっと、特異なカバー印刷になった。帯文は、詩人の野村喜和夫さんにお願いして、快く引き受けてくださった。

王朝の和歌は、西行や実朝など、一部の歌人を除いては、古今集と新古今集を読むくらいだが、先日、式子内親王の歌を、読み直してみて――知らない歌もずいぶんあったが、その深い孤独に改めて打たれた。式子内親王は、定家との逸話が能「定家」にもなっている。「定家葛」という植物の名前にも、2人の関係の痕跡、とくに定家の式子への執着の痕跡が、とどめられているが、どうも、この話は架空の物語であり、実際の式子内親王の心は、法然にあったようなのである。そういう学説が定まりつつあるらしい。

以前、定家の執着をモチーフに詩を書いた。




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 絡みつく

 白

 が絡みつく

 ――時が枝をこぼれる

 絡みつく

 死

 が絡みつく

 一回性の中の定家かずら

 渾身のその眼の光――

 遠ざかる遥かな時の
 寂しくて残酷な手のそよぎ

 

 白




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一日一句(3108)






歳よりも若く見られて返り花






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