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西行全歌集ノート(18)




長閑(のどか)なれ心をさらにつくしつゝ花ゆゑにこそ春は待ちしか

西行 山家集 上 春

※ 最初の「のどかなれ」は、注は、「ゆっくりしていてほしい」という花への西行の希望と捉えている。心を乱す花に対して、そういう希望を持つのは、自然だと思う。だが、もう一つ、理解の仕様があるのではないかと思う。天候に関して、穏やかであって欲しいという希望である。花が散らぬようにとの思いで。「心をさらにつくしつゝ」という措辞へと、その方が、論理的に自然に繋がるのではないかと感じるのだが......。


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