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飴山實を読む(183)

■旧暦3月29日、水曜日、

(写真)夏の花

朝から、仕事。夕方から兼業の塾。早く起きたので、眠い。

前の駐車場でクラクションが煩い。定期的に5,6分鳴らすので、下に見に行くと、駐車場の車には誰もいない。上から駐車場に向けて怒鳴っている人もいる。玄関ドアを開けて様子をうかがっている人もいる。しかし、音源は、うちの敷地じゃないらしい。前の住宅地の車らしいところまでわかった。子供のいたずらではないか、という説が出たところで、6回目のクラクションが鳴り、さすがに頭にきて、犯人を突き止めて、大いに叱ってやるぞ、という気分で、隣接の住宅地に乗り込む。すべての車両15台をチェックしたが、誰も乗っていないのである。謎が深まったところで面白くなり、管理人さんたちもやってきて、3人で調査を始める。上から見ていて、クラクションの音とテールランプの点滅が同時に起きたことを話題にすると、盗難防止システムが誤作動したのでは、という新説が出る。周囲の家にも聞きこみをかけると、その線が濃厚になってきた。車も特定できたところで、5,6人で見守っていると、いきなり、誰もいないその車からクラクションが機械的に始まったのである。所有者の奥さんに連絡をつけて、原因不明ということで、メーカーが引き取りに来て、一件落着。しかし、住宅地の人たちは、ぼくらが来るまで、誰も何も行動しないのである。呑気なのか、隣近所のつきあいが悪くなるからか。よくわからないが、奇妙な風景だった。



山裾は畳に散れや花の屑   「俳句朝日」平成十年六月

■「山裾は畳に散るや花の屑」なら、情景を横から眺めている感じになるが、「散れや」としたことで、花びらに直接話しかけ、積極的に交わる感じになる。能かなにか、演劇的な科白のように響いて惹かれた。

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