goo

平井照敏の句

■旧暦4月8日、金曜日、、仏生会(旧暦)

(写真)無題

今日は暑かった。いきなり真夏か、ヘンだな地球。さてさて、あっという間に金曜日。これじゃ、あっという間のあの世かな。



漫画家の長谷邦夫さんと平井照敏の俳句について、ここで話して、改めて興味をもって、櫂先生の『海と竪琴』から照敏句を選句してみた。照敏を論じた個所で、先生は二つ印象的なことを話されている。一つは、「近代以降、俳句は日本や中国の古典のみならず、海外の文学も下敷きにすることができるようになった」(『同書』p.172)ということ。これは、日本文学の近代化の成果とも言えるものだろう。もう一つは、「平井氏の句は現実の世界を写していても、言葉がこの世ならざる光を帯びてしまう。…この光は歳月とともに強まり、やがて、その光源に死があるらしいことが、ほかの者にも分かり始めた」(『同書』p.174)ここには、ニヒリズムとセットになった近代的な時間意識を見ることができるのではないだろうか。照敏の句には、近代の光と影が色濃く刻印されているように思える。


相生橋さまざまな夏わたるなり

藁しべをかみたる春の氷かな

雲雀落ち天に金粉残りけり

どこまでも芹の青さをたどりけり

十月の真赤な滝のしぶきけり

日のとんぼ影のとんぼに清水湧く

凍て窓の一つに見守られてゐたり






コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )