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Jack Kerouacの俳句(1)

旧暦11月8日、金曜日、

(写真)冬紅葉

昨日は、樹村みのりの「夜の少年」(『カッコーの娘たち』朝日ソノラマ所収)を読んでいて、夜更かししてしまった。この短編は、ドレスデン爆撃をモチーフにしている。あるアメリカ女性の失恋という日常的な事件とドレスデン爆撃という歴史的な悲劇を交響させた構成で、一気に読ませる。個人的な運命や悲劇は、歴史的な悲劇と交響させることで、アクチャルな価値あるものになるのではないだろうか。



ジャック・ケルアックの俳句は、一番、検討したかった『American haiku』が品切れだったので、次善策として、レジーナ・ワインライク(Regina Weinreich)が編集した『BOOK OF HAIKUS』(2007)を元に検討してみたい。レジーナは、ニューヨークのザ・スクール・オブ・ビジュアルアーツの人文学部教授。この本では、長い序文を書いている。面白そうなら、いずれ、序文も検討してみるつもり。『BOOK OF HAIKUS』は、「BOOK OF HAIKUS」と「NOTEBOOKS」の二部構成になっていて、「NOTEBOOKS」は、年代順でしかも四季別になっている。冬の部は、1960年~1966年に作られた俳句から構成されている。この本では、Octoberは冬の分類であり、西欧の暦では、日本の立冬、立春、立夏、立秋にあたる区分は、何になるのか、興味深いところである。そもそも、こういう明確な区分はあるのかどうか。


Apassionata Sonata
― hiballs, gray
Afternoon in October


熱情ソナタ

ハイボール
10月の灰色の午後


■恐らく、このとおりの午後を過ごしたのだろう。ただ、3つの名詞を並べただけだが、その組み合わせに惹かれるものがあった。日本語で言う「無頼」のイメージと重なるところもあるが、「熱情ソナタ」が、生き方に筋を一本通しているような印象がある。10月のイメージは、レイ・ブラッドベリの『10月はたそがれの国』を読んでもそうだが、日本の天高き秋晴れのイメージとは異なっているように思える。ジャック・ケルアックの10月も灰色である。



Sound and Vision

Bob Marley She is gone
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