厚生労働省は、以前政府管掌健康保険の都道府県単位の再編を発表していたが、今度は国民健康保険の都道府県別保険料導入を打ち出してきた。YONIURI ON-LINE (2/16)より以下に一部抜粋します。
厚生労働省は15日、2006年度の医療制度改革に伴う医療費抑制策の全体像をまとめた。
自営業者などが加入する国民健康保険(国保)の運営主体を市町村から都道府県に移し、保険料を都道府県ごとに設定することで、高齢者比率が高いなどの理由で医療費がかさむ市町村の国保破たんを防ぐ。 その上で、都道府県ごとに、治療成果などの数値目標を盛り込んだ医療計画を策定させて無駄を省くことで、医療費抑制につなげる。ただ、一部の市町村では国保の保険料がアップする可能性もあり、反発も出そうだ。 全体像は、16日の細田官房長官の私的懇談会「社会保障の在り方に関する懇談会」で厚労省案として提案する。同懇談会や経済財政諮問会議で議論した上、今夏の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」に盛り込み、2006年の通常国会での医療制度改革関連法案の成立を目指す。
厚労省案によると、国保は当面、複数の市町村からなる「2次医療圏」ごとに保険料設定や保険運営を行う形に移行させる。将来的には、運営主体を都道府県に移す。 現在は市町村が運営している国保は、少子高齢化や過疎化の進行で、赤字の市町村が全体の3分の2を占める。都道府県ごとの運営で、財政力に余力のある市町村が、財政基盤が弱い同都道府県内の市町村をカバーする格好となり、国保財政の破たんを防ぐのが狙いだ。 国が一元的に管理する政府管掌健康保険(政管健保)の業務も都道府県単位とする。これにより、国保と政管健保はいずれも、地域の実情に応じた保険運営が可能になる。
昨年の国と地方の税財政を見直す3位一体の改革で、国保に対する国庫補助の一部を2005年度から都道府県が肩代わりすることが決まっている。保険の主体が都道府県に移ることで、都道府県によっては保険財政維持のためにさらなる追加負担が必要になる可能性もある。 ただ、厚労省としては、医療費の抑制策を併せて実施することで、保険料負担の増加を抑えたい考えだ。
厚生労働省は、市町村単位よりも都道府県単位で管理した方がよい、との判断であろうが、運営主体の自治体の財政に大きく左右されるということを容認するようだ。政府管掌を都道府県単位にすることも同じ流れである。医療費の増大を地方に押し付けようとする、まさに改悪だ。愚かな官僚たちの、目先しか考えない政策だ。管理・運営を全国にばらして、一国一城の大名を47に増やすということのようである。介護保険もそれに伴って同様の制度に乗せられるのだ。
苦しい市町村は確かに存在し、その苦しみを少しは軽減できるかもしれない。だが、全国的に社会保障サービスの負担格差が存在することは、望ましくはない。一人当たりの医療費の地域差は、人口構成、医療保険の審査レベル、保険解釈の不一致、徴収率、等の変動要因があるはずである。これらについて十分検討し、まずやるべきことを優先すべきだ。医療制度改革に向けて、前から提言しているように、標準化の作業を進めるべきである。全国的な統一性のない、審査や解釈が横行していること自体おかしな話なのだ。また、医科・歯科・薬科で、分野別に医療費の支出を検証する必要があるだろう。全て一律に、1人当たりの額では、傾向が見えないであろう。
そして、経済財政諮問会議で暴論が出た。YOMIURI ON-LINE (2/15)から抜粋。
政府は14日、今後の社会保障給付費の増加を名目国内総生産(GDP)の伸び率程度に抑制する目標を定め、目標達成のための5か年計画を今年中に策定することについて、本格的な検討に入る方針を固めた。
少子高齢化で増大する医療・介護給付費の総額を抑制する中で、社会保障制度の抜本的な見直しを目指すもので、経済財政諮問会議の民間議員4人が15日の諮問会議で正式に提案する。 提案の文書は、社会保障給付について「総額の目安を決め、制度改革や効率化を図ることが重要課題だ」と指摘した上、「経済規模に見合った水準という意味で、名目GDPを指標にすることが妥当だ」と強調している。 抑制策については、2010年度までに新制度を完成させることを前提として、医療、介護給付費の伸び率について5か年計画を今年中に策定し、診療・介護報酬の次回改定に反映させるよう提案している。
総額目標を設定、ってそんなことが可能なわけないだろう!GDP成長率に抑制できるなら、誰も苦労しないだろうが。企業負担の回避を狙っているだけで、公共の福祉という視点がまるで抜けてる。単純な算数ができないような、バカな民間議員がいるということだ。
高齢者の人口比率が約20%の現在は、数でいうと約2400万人だ。医療費と介護関係費の両者を併せた総額(以下、医療関係費とします)は、主にこれらの人々にたくさんかかっている。高齢者の疾病罹患率が一定ならば、今後高齢者人口が増加すると、それに比例して増えていくのである。実数で言うと、20年後には約3500万人が基礎年金受給者だ。今と同じコストでも、医療関係費が単純に約46%増加する(診療報酬の増加で、さらに増える可能性が高い)。それまでに、保険料支払者は1千万人減少しているのだ。収入が大幅に減少するのと、総額が大きく伸びるが、20年間のGDP成長率がこれほど確保できると言うのか。年平均2%程度の成長率が必要だ。
大バカ野郎だな、こいつらは。因みに過去9年間の名目GDP成長率は平均で0.2%(日銀統計が1995年からのデータで、それ以前がありませんでしたから、9年間の平均としてます)しかない。実質成長率でも1.1%だ。算数の出来ないような連中が、「経済財政」を語るのか。単なる数字あわせの、暴論だ。こんな突飛な発案をする前に、実態と単純な算数を学べ。予測される数字を見ろ。その意味を考えろ。20年間、全員今と同じ給料でやったって、カバーされないだろうが。そんな事業計画があるか、っての。
医療に株式会社参入が阻止されたことの報復か?(介護保険を見ろ。株式会社参入で、不正請求が多いし、認定基準も大甘だし、ケアマネージャーとつるんでる会社へ誘導されて、必要かどうかわからんような介護プランが横行してるだろ。株式会社は、株主の利益、会社の利益を優先するから、そういう事態を招きやすいのではないか。介護保険の伸び率が物凄い勢いなのは、そういう側面があるだろう。)
こんなことは、感覚的にわかるぞ。いちいち計算してみなくとも、昨今の「景気がよい」という時だって成長率は年率換算で2%程度がせいぜいで、景気動向が悪い時期なら、ごく当たり前にマイナスとなるのであるから、総額規制をかけたところで、その意味がないことくらい分かるだろう。医療制度改革と補助金やその他支出を見直し、運営業務の効率化が必要であるが、総額規制は医療機関の経営破綻を招くだけだ。
旧国公立病院や国家公務員共済組合連合会保有の病院で、どれほどの経営改革ができるか見せてから言えっての。全ての補助金をカットして、まずそれで経営させてみろ。それで、健全経営ができ、先日の国家公務員共済組合連合会三宿病院で起こったような医療過誤もなく、患者満足度の高い医療機関モデルを作ってくれよ。国民にそういう見本をみせてほしい。こういう所に、無駄に補助金を突っ込んでおいて、総額規制、ってやるべきことがおかしいんだよ。他の歳出の抜本的見直しもせず、構造的問題も解決しようとせずに、単純に増加する数字だけを取り上げて、「総額規制」って大バカ者の考えることだ。
大リーグの給料じゃないんだから。
厚生労働省は15日、2006年度の医療制度改革に伴う医療費抑制策の全体像をまとめた。
自営業者などが加入する国民健康保険(国保)の運営主体を市町村から都道府県に移し、保険料を都道府県ごとに設定することで、高齢者比率が高いなどの理由で医療費がかさむ市町村の国保破たんを防ぐ。 その上で、都道府県ごとに、治療成果などの数値目標を盛り込んだ医療計画を策定させて無駄を省くことで、医療費抑制につなげる。ただ、一部の市町村では国保の保険料がアップする可能性もあり、反発も出そうだ。 全体像は、16日の細田官房長官の私的懇談会「社会保障の在り方に関する懇談会」で厚労省案として提案する。同懇談会や経済財政諮問会議で議論した上、今夏の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」に盛り込み、2006年の通常国会での医療制度改革関連法案の成立を目指す。
厚労省案によると、国保は当面、複数の市町村からなる「2次医療圏」ごとに保険料設定や保険運営を行う形に移行させる。将来的には、運営主体を都道府県に移す。 現在は市町村が運営している国保は、少子高齢化や過疎化の進行で、赤字の市町村が全体の3分の2を占める。都道府県ごとの運営で、財政力に余力のある市町村が、財政基盤が弱い同都道府県内の市町村をカバーする格好となり、国保財政の破たんを防ぐのが狙いだ。 国が一元的に管理する政府管掌健康保険(政管健保)の業務も都道府県単位とする。これにより、国保と政管健保はいずれも、地域の実情に応じた保険運営が可能になる。
昨年の国と地方の税財政を見直す3位一体の改革で、国保に対する国庫補助の一部を2005年度から都道府県が肩代わりすることが決まっている。保険の主体が都道府県に移ることで、都道府県によっては保険財政維持のためにさらなる追加負担が必要になる可能性もある。 ただ、厚労省としては、医療費の抑制策を併せて実施することで、保険料負担の増加を抑えたい考えだ。
厚生労働省は、市町村単位よりも都道府県単位で管理した方がよい、との判断であろうが、運営主体の自治体の財政に大きく左右されるということを容認するようだ。政府管掌を都道府県単位にすることも同じ流れである。医療費の増大を地方に押し付けようとする、まさに改悪だ。愚かな官僚たちの、目先しか考えない政策だ。管理・運営を全国にばらして、一国一城の大名を47に増やすということのようである。介護保険もそれに伴って同様の制度に乗せられるのだ。
苦しい市町村は確かに存在し、その苦しみを少しは軽減できるかもしれない。だが、全国的に社会保障サービスの負担格差が存在することは、望ましくはない。一人当たりの医療費の地域差は、人口構成、医療保険の審査レベル、保険解釈の不一致、徴収率、等の変動要因があるはずである。これらについて十分検討し、まずやるべきことを優先すべきだ。医療制度改革に向けて、前から提言しているように、標準化の作業を進めるべきである。全国的な統一性のない、審査や解釈が横行していること自体おかしな話なのだ。また、医科・歯科・薬科で、分野別に医療費の支出を検証する必要があるだろう。全て一律に、1人当たりの額では、傾向が見えないであろう。
そして、経済財政諮問会議で暴論が出た。YOMIURI ON-LINE (2/15)から抜粋。
政府は14日、今後の社会保障給付費の増加を名目国内総生産(GDP)の伸び率程度に抑制する目標を定め、目標達成のための5か年計画を今年中に策定することについて、本格的な検討に入る方針を固めた。
少子高齢化で増大する医療・介護給付費の総額を抑制する中で、社会保障制度の抜本的な見直しを目指すもので、経済財政諮問会議の民間議員4人が15日の諮問会議で正式に提案する。 提案の文書は、社会保障給付について「総額の目安を決め、制度改革や効率化を図ることが重要課題だ」と指摘した上、「経済規模に見合った水準という意味で、名目GDPを指標にすることが妥当だ」と強調している。 抑制策については、2010年度までに新制度を完成させることを前提として、医療、介護給付費の伸び率について5か年計画を今年中に策定し、診療・介護報酬の次回改定に反映させるよう提案している。
総額目標を設定、ってそんなことが可能なわけないだろう!GDP成長率に抑制できるなら、誰も苦労しないだろうが。企業負担の回避を狙っているだけで、公共の福祉という視点がまるで抜けてる。単純な算数ができないような、バカな民間議員がいるということだ。
高齢者の人口比率が約20%の現在は、数でいうと約2400万人だ。医療費と介護関係費の両者を併せた総額(以下、医療関係費とします)は、主にこれらの人々にたくさんかかっている。高齢者の疾病罹患率が一定ならば、今後高齢者人口が増加すると、それに比例して増えていくのである。実数で言うと、20年後には約3500万人が基礎年金受給者だ。今と同じコストでも、医療関係費が単純に約46%増加する(診療報酬の増加で、さらに増える可能性が高い)。それまでに、保険料支払者は1千万人減少しているのだ。収入が大幅に減少するのと、総額が大きく伸びるが、20年間のGDP成長率がこれほど確保できると言うのか。年平均2%程度の成長率が必要だ。
大バカ野郎だな、こいつらは。因みに過去9年間の名目GDP成長率は平均で0.2%(日銀統計が1995年からのデータで、それ以前がありませんでしたから、9年間の平均としてます)しかない。実質成長率でも1.1%だ。算数の出来ないような連中が、「経済財政」を語るのか。単なる数字あわせの、暴論だ。こんな突飛な発案をする前に、実態と単純な算数を学べ。予測される数字を見ろ。その意味を考えろ。20年間、全員今と同じ給料でやったって、カバーされないだろうが。そんな事業計画があるか、っての。
医療に株式会社参入が阻止されたことの報復か?(介護保険を見ろ。株式会社参入で、不正請求が多いし、認定基準も大甘だし、ケアマネージャーとつるんでる会社へ誘導されて、必要かどうかわからんような介護プランが横行してるだろ。株式会社は、株主の利益、会社の利益を優先するから、そういう事態を招きやすいのではないか。介護保険の伸び率が物凄い勢いなのは、そういう側面があるだろう。)
こんなことは、感覚的にわかるぞ。いちいち計算してみなくとも、昨今の「景気がよい」という時だって成長率は年率換算で2%程度がせいぜいで、景気動向が悪い時期なら、ごく当たり前にマイナスとなるのであるから、総額規制をかけたところで、その意味がないことくらい分かるだろう。医療制度改革と補助金やその他支出を見直し、運営業務の効率化が必要であるが、総額規制は医療機関の経営破綻を招くだけだ。
旧国公立病院や国家公務員共済組合連合会保有の病院で、どれほどの経営改革ができるか見せてから言えっての。全ての補助金をカットして、まずそれで経営させてみろ。それで、健全経営ができ、先日の国家公務員共済組合連合会三宿病院で起こったような医療過誤もなく、患者満足度の高い医療機関モデルを作ってくれよ。国民にそういう見本をみせてほしい。こういう所に、無駄に補助金を突っ込んでおいて、総額規制、ってやるべきことがおかしいんだよ。他の歳出の抜本的見直しもせず、構造的問題も解決しようとせずに、単純に増加する数字だけを取り上げて、「総額規制」って大バカ者の考えることだ。
大リーグの給料じゃないんだから。
無理やり推理すると、「保険医療費は抑制する」が、「自由診療の医療費は増えてもよい」ということでしょうか。
自由診療の米国がどんな状況かは本の一つも読めばわかるじゃないですか。
保健医療を堅持しながら、必要なら増額していくしかないように思います。実はそれが一番低コストなのです。自由診療が高くつくことは米国をみれば明らかです。保険診療は、市場価格より低価格になっているんです。
保険制度は存続するでしょうが、経済界とかマクロ経済専門家は、「市場原理」と「経営努力」で解決できると信じているようです。
私は市場規模が確実に増大する業界ですから、むしろ成長市場と考えて、労働力や医療資源の適正配分を考えていくべきだと思っています。医療行為の基準についても、いくつかグレードを設定してコストダウンを考えてもよいと考えています。