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米国債(Treasury Securities)の謎

2010年03月07日 18時23分20秒 | 経済関連
どうも以前から疑問なんだけど、米国債の真の発行額と残高がよく分からないのだな。

アメリカ国債(米国債)の発行残高推移と対GDP比をグラフ化してみる:Garbagenews.com


多くの場合には、対GDP比だけが出される。騙してるようなものではないかと、ちょっと疑問に思ったりもする。これも以前に指摘したけど。

年末流通残高って、実際の発行額とか発行残高とは異なるものだ。日本では決して「年末流通残高」なる数字を出されて議論されることはないだろう(笑)。
統計数値というのは、数字の処理方法によって異なるから、公式統計数字を鵜呑みにすればいいというものではないだろう。日米比較は、数字の処理方法も揃える必要がある、ということである。

リンク先のFRBのサイトから数字を拾ってみました。

2008~09
Q1 411.4
Q2 310.1
Q3 2080.2
Q4 2154.2
Q1 1442.8
Q2 1896.4
Q3 1481.2
(単位 Billions of dollars)

これだけの「net purchases」が記録されていながら、例えば08年では1兆2390億ドルしか増えてないことになる、という意味なんですよね?
単純にQ1~Q4の合計をすると4兆9559億ドルになるみたいですが、どういうわけか08年では1兆2390億ドルという水準に落ち着くわけですね。他は一体どこへ行ってしまったのか?(笑)
差額は3兆7619億ドル。335兆円くらいが消えてしまうか?それとも、借金の償還がそれくらいあったということか?本当にそんなに返済していますかね?

年末流通残高の水準からすると、05年で4兆ドルくらい、08年のリーマン・ショック前で、6兆ドルくらいだとして、この数字から返済水準がそんなに多いとは到底思われないが。
単年の返済が1兆ドルを超えるというのであれば、相当以前に返済し終わってると思いますけど(笑)。本当に、そんなに返済してますかね。

まあ、高水準の発行が続いてきたことは確かだわな。誰がこんなに買ってるか、という問題はあるだろうけど。さて、米国の統計数値には、いろんな工夫がされているはずですな。だから、グロスの発行残高の正確な数字というものが、一見しただけでは分からないようにできているんじゃないのか?

08年第3Q~09年第3Qまでの5四半期で9兆ドル以上の発行だったので、たとえ過去債務の半分を返済していたとしても、やっぱり12兆ドルくらいに達するわな、ということですな。しかし、この金のない時期に、そんなに返済してると思うか?
05年からの推移でも、桁が違う。せいぜいが20~30兆円程度でしょ。そのうち、返済に回っている純粋に借入が減少している分なんて、どうぜ微々たるものだろうと思いますよ。なのに、金融危機が起こった途端に、数百兆円もの返済をしていると思いますかね?あり得ない。

だから、債務はもっと多くても不思議じゃないよね、という想像はつくわな。

それに、米国の流通残高って、政府機関が保有する分を除外しているはずだよね?そうすると、札を刷って、金をまけばいい、という戦略を可能にしているわけだ。中央銀行が持つ米国債はいくらくらいなんですか?
そういうのを全部合わせたら、米国債の本当の発行残高というのは一体いくらになるんですか?その対名目GDP比(笑)は、100%とか200%とか、そういう数字にいかないとでも言うのかな?
んー、どうなんだろ。本気で気になるわけだ。


だから、米国の政府債務の数字と日本を比較というのなら、
・真の発行残高
・州政府の正確な債務残高
・連邦政府債務と政府機関債務及び地方政府債務の合計額
というのを、きちんと正確に数字を出して下さいよ。

こっちは英語が苦手なんだから、調べるのも一苦労なんだからさあ。


多分、毒債券の買入とかに相当金を使ったはずだし、金融機関に金を投入してしのいだというのもあるし、本当はまだ不動産債務のクソが隠されているのではないか、という恐れもあるわな。9兆ドルという額があまりにも巨大だからね。FRBに金を持たせる為にしても、巨額だな。

なので、今後の為替介入とかで、ドルを買うとかいう話は簡単に受け入れられるものではない、というのはあるかもな。14兆ドルの経済規模で、9兆ドルもの発行って、どうなのよ?日本で言えば、ざっと200~300兆円の発行ってことだぜ?そんなのが本当にマーケットで消化できていると?

疑問に思わない方が不思議だな。
ギリシャの負債なんて、全然可愛いもんだろ。