電脳筆写『 心超臨界 』

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( マーク・トウェイン )

不都合な真実 《 「一つの閃きと九十九の訴訟」――高山正之 》

2024-09-19 | 05-真相・背景・経緯
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エジソンは直流電流で電球を灯すと、すぐ直流送電の特許を取った。これで電気が普及すれば大金持ちになれるはずだったが、いや交流送電のほうが効率的とジョージ・ウエスティングハウスが主張した。今も続くGE社の商売敵ウエスティングハウス(WH)社の創業者だ。エジソンは早速WH方式の排除を謀った。交流電気は即死すると言い触らし、いっそのこと電気椅子を作ってみたらと米国の残忍な国民性に訴えた。


◆「一つの閃きと九十九の訴訟」がエジソンの正体だった

『アメリカと中国は偉そうに嘘をつく』
( 高山正之、徳間書店 (2015/2/28)、p84 )

米GE社はエジソンが創った会社だ。別名、発明王。「一つの閃きと九十九の努力だ」とかよさそうな人のように言われるが、どうして、彼の国と同じで根性が悪い。

彼は何か発明するとすぐ特許を取って似たような研究をしている者を訴訟で潰し利益を独占していった。「一つの閃きと九十九の訴訟」が彼の正体だ。

エジソンは直流電流で電球を灯すと、すぐ直流送電の特許を取った。これで電気が普及すれば大金持ちになれるはずだったが、いや交流送電のほうが効率的とジョージ・ウエスティングハウスが主張した。今も続くGE社の商売敵ウエスティングハウス(WH)社の創業者だ。

エジソンは早速WH方式の排除を謀った。交流電気は即死すると言い触らし、いっそのこと電気椅子を作ってみたらと米国の残忍な国民性に訴えた。アイデアはすぐに採用され、妻を手斧で殺したウイリアム・ケムラーが電気椅子処刑の第一号になったが、それはエジソンが期待した以上に惨たらしいものだった。

GEとWHは原子力発電でも対決した。WHは炉心を巡る一次冷却水から二次冷却水が熱を取り出してタービンを回す加圧水型をつくった。対してGE社製は一次冷却水をそのままタービンに送って回す沸騰水型だった。

構造は単純だが、単純がそのまま安全とはならない。現に米海軍の原子力潜水艦は大方がWHの加圧水型を採用している。

この当時、米国は20年間続いた民主党政権が倒れ、共和党のアイゼンハワーが大統領に就任した。彼は「何もしない大統領」とか「毎週2回ゴルフをやった」とか言われた。こういう中傷は民主党を贔屓する米マスコミ界が好んでまき散らしてきた。

しかし事実は逆だ。民主党が殺戮兵器として使ってきた核を平和利用に転換させたのも、全米をつなぐフリーウエーを創らせたのも彼だった。彼はまた民主党が続けてきた日本衰亡政策をやめ、世銀に復興のカネを融資させた。

日本はそれで新幹線を走らせ、東名を開通させ、東京五輪まで開催できるようになった。

彼は民主党のトルーマンの広島原爆投下に「戦略的にも人道的にも許されない」と反対してきた。しかし原爆は2発も投下された。

彼は自説の核平和利用を日本から始めようと考えた。資源もエネルギーも不足する日本もそれは歓迎だった。

しかし民主党は日本の復活には反対だから下院議員シドニー・エイツは「それなら広島の爆心地に原子炉を建てさせれば面白い」と提案した。アイゼンハワーは法案を即座に却下した。

日本はこのとき原発20基を導入した。ただ、その大方が米原潜の積む安全なWH社加圧水型ではなく、不人気のGE社製沸騰水型だった。第一号炉は東電福島に置かれた。GE社製が多数を占めたのは、電気椅子のときと同じGEの政治力で、日本側に選択の余地はなかった。

アイクのせっかくの好意はこの一点で少し曇った。

福島に来たGEはエジソンそのままの傲慢さで、日本側に炉心設計図も見せず、材質も秘密、ビス1本の変更も許さなかった。

それで運転したら燃料棒被覆管は破れ、配管は脆性破壊し、作業員の被曝事故まで起こして何度も炉を停める事態も起きた。

東電と東芝などメーカーの苦闘がここから始まり、GEの杜撰な原子炉はほとんど別物に見えるほどまで改良された。それが東電柏崎に据えた日本製の沸騰水型だ。稼働中に中越沖地震の直撃を受けたが、原子炉はもちろん無傷、自動運転停止に狂いもなかった。

アイゼンハワーの核平和利用はGEという躓(つまず)きはあったものの着実に日本に根付いていった。その思いを込めて大統領は訪日を計画したが、核アレルギーを煽る朝日新聞と中核、核マルが大騒ぎして実現されなかった。

それから半世紀、米民主党の意に反して日本はほぼエネルギー自立を手にしたが、そこに3・11の大津波が福島を襲った。

米国はGE製が欠陥品と知っている、原子炉の格納容器の圧力を抜くベントもGE製にはなかった。日本が改良してつけたものだ。大惨事を小惨事に食い止めたのは日本の抜群の技術と予見で、責任を感じた米国はだからトモダチ作戦をやった。

しかし日本の不幸は馬鹿な菅だけではなかった。これを奇禍として「日本が嫌いな勢力」がまたぞろ息を吹き返し、核アレルギーを煽った。新聞もテレビも「国会前に集まろう、脱原発を叫ぼう」とさもいいこと風に呼びかける。「参加者には中核、核マルの活動家」(産経新聞)もいた。音頭は朝日が取る。アイク訪日阻止の顔ぶれとそれはまったく同じだった。

その米国でも日本嫌いの民主党政権が戻ってきた。日本が欠陥GEの訴訟を起こさないのを確認した今オバマはそっぽを向いたままだ。そのくせ米国はいまや世界一安全な東芝製加圧水型原発の新規建設を決めた。スリーマイル島以来34年ぶりのことだ。

米国はサダム・フセインを潰し、イラクを混乱に落とした。偉そうに中東を仕切ろうなど百年早い。産油国は黙って油を出していればいいという米国のメッセージが聞こえる。オバマ米国も同じ。偉そうにエネルギー自立なんて思うな。日本は縮こまって知恵さえ出していればいいのだ。
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