電脳筆写『 心超臨界 』

他者の働きによるのではなく
自ら他者に尽くすことにより成功をつかめ
( H・ジャクソン・ブラウン Jr. )

寺内内閣は段祺瑞内閣を援助し続ける――古荘光一さん

2012-03-19 | 04-歴史・文化・社会
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誰が「南京大虐殺」を捏造したか[3]
古荘光一・フリージャーナリスト
【「WiLL」2012年4月号
http://tinyurl.com/74bcyp6、ワック出版、p279 】

  ◆清朝の末期症状
  ◆反乱軍、敵将を頭に戴く
  ◆北京の中華民国
  ◆無能さらけ出す孫文
  ◆孫文の亡命騒ぎと反乱
  ◆テロに走る袁世凱
  ◆日本政府、支那統一を支援

◆日本政府、支那統一を支援

歴史の展開は偶然に左右されることが多い――と私は思う。歴史に必然があって、法則にしたがって進むといった考えにはあまり賛成できない。事件が起こった時、たまたまそこに居合わせた人が、その後の歴史のコースを決める役割を果たした例も少なくなかったと思う。

日本が「北京の中華民国」と緊密につながったのも偶然だった。たまたま、日本側と支那側に友好的に意見交換ができる人間関係が存在したからである。

第四次段祺瑞内閣が成立した頃、日本では寺内正毅(まさたけ)内閣が発足していた。支那の統一と強化を願っていた内閣である。大蔵大臣の勝田主計(しょうだかずえ)も同意見だった。

一方の支那では、段祺瑞の下で親日派の官僚が主要な地位に就いていた。とくに財政部長(大臣)の曹汝霖と東京駐在公使の陸宗輿(りくしゅうよ)である。

曹汝霖は、軍隊を強化して南方の反乱軍を平定するため日本から資金を借りるよう提案し、段祺瑞も同意した。曹汝霖には当てがあった。寺内首相の“懐刀”的存在だった民間人の西原亀三である。曹汝霖は段祺瑞が張勲を追い払った直後、西原と知り合っていた。

その頃、交通銀行総理だった曹汝霖は、発効権準備のための借款を日本の財閥を交渉していたが、進展がなかったので西原に相談した。西原が東京に電報を一本打つと、蔵相の勝田主計が5百万円の借款(しゃっかん)を許可し、しかも無担保で、すぐに為替送金してきた。

こんな体験があったため、財政部長を兼任することになった曹汝霖は、今回も西原を頼り、日本円3千万円の借款を相談した。話し合いは順調に進み、間もなく借款が成立した。

これを皮切りに、寺内内閣は段祺瑞内閣を援助し続ける。

しかし、日本の支援を受けながら段祺瑞は妨害されて失敗し、支那は軍閥乱立の時代に突入していく。

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