ちょいスピでセラピー的なKizukiの日々

色んな世の中の出来事、セラピーなどから気付きを得て、ありのままの自分に還ることを目指して生きてます。

老いていく親

2010-04-15 08:10:00 | 身辺雑事

母から「お惣菜あげるから取りにいらしゃい。」といつもの電話。

いつものようにほいほいと取りにいって、店が忙しいからとくに会話することもなく、私はすぐに自転車で退散・・・と思いきや、その日は珍しく父母がやっている居酒屋がヒマでお客さんがひとりしかいませんでした。

手すきだったからなのか、なぜかしら母は私のあとをついてきて店を出てきました。

(何のために外まで来たの・・?)とクエスチョンマークのままいると、

「昨日、自転車で転んでさぁ」と言いました。

角で反対側から来た自転車と衝突しそうになり、よけようとしてすってんころり、あおむけになってしまい、自分の自転車の下敷きになってしまったというのです。

「肩とか腰とか打ったところがまだちょっと痛いわ。」という程度で、どうやら医者に行くようなおおごとでもなく済んだようでほっとしました。

そう言いながら、今私にくれた惣菜の入ったガゼット袋を自転車のハンドルに結びつけたりします。

「いいって、そんなことしなくったって。」

「こうやっといたほうが、地面の振動でボンボン跳ねたりしなくって中がぐちゃぐちゃにならなくていいんだって。」


「あ~ぁ、こっちを下にしちゃって。こっちは上にしなくちゃ崩れちゃうじゃないの。」と言いながらカゴの荷物の上下を入れ替えたりします。

「じゃ、行くからね。」

「あんた、もう点灯しなきゃだめじゃないの。」と今度は自転車が無灯になっているのを指摘。

「わかってるって。暗いとこ行ったらつけるんだって。」

どうしてもタイヤをこすることによる摩擦熱で電灯をつけるタイプの自転車は点灯するとペダルが重くなってしまうので、できるだけつけたくないんですよね~

ましてや私がよく自転車で往来する柳が瀬のアーケードのなかなら明るいし、自動車が通るところじゃないし、必要ない。

だから、道路にでてからつけようとしてるんだって。

「は? もう暗いじゃないの。」と意味が通じてない母。

それ以上の説明はめんどくさくなって、「ま、いいや。じゃあね。」と私。

私の後姿をぽつねんと見送る母。

しばらくして自転車のペダルをこぎながら、なんだか涙があふれてきました。

あの人はこうして一生、ずぅっとああやって私の世話を焼きたくて生きていくんだろうな、と思ったら、母が哀れに思えてきて泣けてきました。

ダーリンの両親は、たまに顔をだすとダーリンや私に、

「久しぶりやね。寂しいからもっと頻繁に顔を見せてくれな、あかんよ。」とか言ってくれます。

でも、うちの母親からは死んでもそんな言葉は出てこないでしょう。

「寂しい」というような自分の心情を素直に吐露する言葉だとか、「もっと頻繁に顔を出しなさい。」というようなお願いだとかは、彼女の辞書には存在しないのです。

けれど、同じことを思っては、いる。

それを表わすすべを知らないので、ただ世話焼きになる。

そして私に、「うるさいなぁ。」とか「もういいから。」とかうとましがられるような言葉を投げつけられてようやく引っ込む。


今まで母に反発を感じたり、抵抗したり、冷ややかに見たり、ということはあっても、“哀れ”に思ったことはありませんでした。

初めて“哀れ”とそう思った自分にまた泣けてきて、新たな涙があふれました。

人間、大事に至るほどではなくても体を病んだり、怪我をしたりするとどうしても気が弱くなります。

母も、たまたまヒマだった、ということもあるでしょうが、自転車で転んで、万が一それが元で寝たきりにでもなったら、なんてことがふと脳裏をよぎって気弱になり、もっと私とコミュニケーションをとりたくなったのかもしれません。

自分に残された限りある時間を思って、余計に私にちょっかい出したくなったのかもしれません。それでも相変わらず優しい言葉はかけられない。

そう思うと彼女がとても哀れでした。

この先、間違いなくもっと親は老いていきます。

それはアタマではわかっていても、だからその関係がどう変化するのか、どれほどの生活の変化をこちらも強いられることになるのか、見当もつきません。

考えてもしかたのないことは考えないようにしていますから、そのときになってみないとわかりません。

けれど、ほんとに小さな小さな出来事ですが、今日のようなことが積み重なって親の老い支度というものを練習のように感じていくことになるのでしょうか。

たまにお客として店に顔を出すと、父親が以前にも増して耳が遠くなったなぁ、ということは感じることがあるのですが、そんな人体の老化を直接表わすようなことよりも母のおせっかいのほうに老化を感じるなんて、なんだか不思議です。
なにはともあれ、それができるだけ緩やかなものであることを願うばかりです。




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