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歌詞カードへのミュージシャンのクレジット有無の件

2024年03月15日 | 洋楽・邦楽やオーディオの話

 昔からレコードの歌詞カードで参加ミュージシャンを見るのが好きでした。どういう人が演奏してるのかは知りたいし、好きな曲でかっこいいギターソロなんかがあるとその人のファンにもなったり。

 ただ、レコードにより歌詞カードやジャケットにクレジットがある場合とまったくない場合があります。あっても、曲ごとの記載とそうでない場合があったり。

 長年の疑問だったのですが、そこは専門家というか現場で実際に携わっていた人に聞きましょうと、先日長岡和弘さんのラジオ番組にメールしました。

 長岡和弘さんは、経歴としては甲斐バンドのベーシストとしてデビューし、あの「HERO(ヒーローになる時、それは今)」が大ヒットした後に脱退し、キャニオンの制作ディレクターとなりました。その当時担当してたのは石川ひとみ、谷山浩子、斉藤由貴、中島みゆき、BaBe、チャゲ&飛鳥などなど。現在は故郷長崎でシーハット大村という施設の館長として活躍されています。そしてNBCラジオで番組のパーソナリティーも努めていると。

 それで、なぜ参加ミュージシャンの記載がある場合と無い場合があるかについて尋ねると、回答は以下の通り。

・基本的に歌謡曲は記載しない慣習で、歌手だけわかればいいということだった。
・ニューミュージック系は参加ミュージシャンもアーティスト並みに扱うという風潮になり記載することが多くなった。
・歌謡曲やアイドルの場合、記載しない前提なので細かくメモを残していない。間違えた場合は失礼だしあえて記載しない場合も。
・アルバムのデザイナーの方針にもよる。

など。

 長岡さんがディレクターであった石川ひとみさんのアルバムは全部持ってますが、5枚中記載のあるのが1枚のみ。それも一番最初に担当した「Inside/Outside」というアルバムのみ記載ありでした。画像はご覧の通り。

 長岡さんはバンド出身なので、最初に担当したアルバムでは記載するものだと思ってそうしたようですが、その後のアルバムにクレジットがないのはジャケットや歌詞カードのビジュアルやデザインを優先するという事情だったのでしょう。なので、記載が必須ではないと思うと誰がどの曲を演奏したという細かいメモも残してなかったそうです。

 その話を聞いて私も大筋は納得しました。確かに70年代アイドルでは、私が所有していたキャンディーズや南沙織のLPで参加ミュージシャンのクレジットはまったくなかったです。高見知佳ちゃんの1stは1979年発売ですが、一応クレジットがあったもののジャケットでも歌詞カードでもなく帯に書いてありました。それも裏側に当たる方に。

 その後時代は変わり、80年代になるとアイドルのレコードでも記載されることが多くなりました。岩崎良美は確かデビューアルバムから全部書いてあり、松田聖子も細かくクレジットがありました。今では書いてあるのが普通となっていますが、70年代アイドルの名盤の多くは誰が演奏してるかはわからずじまい。まあそこは仕方ないですか。

 一方参加したミュージシャンの声としては、ギターマガジンで矢島賢さんのインタビューがありました。「クレジットがないことについては?」という問いに「過ぎたことは考えないっていうか。それよりもスタジオのセッションに行って、ギターがいい音していたりとか、いいフレーズ弾けたりとか、そういうことの方が楽しかったですね。」だそうです。こちらもクレジットされない時代はそういうものだと思っていた様子。

 なんにしても、長年の疑問が解消したことについて長岡さんに感謝します。ちなみに80年代以降に記載されるのが普通になったキッカケや理由はわかりません。