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孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

2050年 世界人口は120億人 蜘蛛の糸

2008-07-22 18:32:59 | 世相

(昨年11月バングラデシュを襲ったサイクロン・シドルによって被害を受けた田。収穫は前年の1割程度とか。 “flickr”より By IRRI Images
http://www.flickr.com/photos/ricephotos/2247242833/)

【日本の少子化】
国立社会保障・人口問題研究所の平成18年12月推計によれば、日本の人口は平成17年の12,777万人から、2050年には9,555万人(合計特殊出生率を1.26と仮定した中位推計。 同1.55と仮定した高位推計では10,195万人、同1.06と仮定した低位推計で8,997万人)へ減少するとされています。

人口推計の主な変動要因は出生率です。
最近の合計特殊出生率は下げ止まって若干持ち直しているようですが、高位推計で仮定しているようなレベルは抜本的な少子化対策でもなければ難しいでしょう。
むしろ、今のレベルから更に落ち込む危険の方が現実的かも。
まあ、そんな状況ですので、いずれにしても2050年の日本の人口は9,500万前後、1億弱というところでしょう。

これだけ問題があきらかなのに、国家的な戦略が立てられないというのは日本も不思議な国です。
私はその頃はもう生きていないかもしれないので、どうでもいいですが。
アメリカ以外の先進国はどこも同様な少子化の問題を抱えており、その中でフランスが相当高い出生率を達成していることは以前も触れたことがあります。

【世界の人口爆発】
一方、世界全体で見ると、少子化どころではなく、全く逆の人口爆発状態です。
“適切な避妊が推進されなければ”、現在の64億人から、2012年には70億人、2050年には120億人にまで急増する見込みだそうです。

****家族計画失敗で2050年には人口120億人に****
現在の世界人口は64億人。適切な避妊が推進されなければ、2012年には70億人、2050年には120億人にまで急増するとみられている。
国連人口基金によると、世界で1年間に1.9億人の女性が妊娠するが、このうち5000万人が中絶を行っているという。しかし、不適切な中絶手術のために推定6.8万人が毎年死亡し、多数の女性が障害を負っている。

しかし、女性の死亡率を下げるための予算は圧倒的に不足している。
そのひとつの理由は、米国のブッシュ政権が、国内の政治的理由から国連人口基金への拠出金を意図的に滞納しているからだ。つい先週には分担金3400万ドルの支払いをしないことを決めた。これは国連人口基金の予算の10%にあたる。ブッシュ政権は2002年以降、計2.35億ドルの支払いを滞らせている。

ブッシュ政権が滞納の理由としてあげているのは、国連人口基金が中国で行っているプロジェクトだ。米国は、基金が中国で強制的な中絶や不妊治療に資金を投じていると非難している。しかし、国連はこれを否定している。

基金で女性問題の責任者を務めるタマラ・クレイニン氏によれば、米国が今年滞納している3400万ドルによって、200万人の意図せざる妊娠、80万人の中絶、4700人の妊婦の死亡、7万7000人の乳幼児の死亡を防ぐことができるという。【7月19日 IPS】
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避妊について冷淡なのはアメリカだけではありません。
カトリック教会の祭典「世界青年の日」のためローマ法王ベネディクト16世が訪問中のオーストラリアのメルボルンで20日、Coalition of Compassionのメンバーが巨大なコンドームを模した衣装を身につけ、コンドームの使用を認めない法王に対する抗議の声を上げたそうです。
また、同日シドニーでは、カトリック教徒数万人がコンドームの使用や性の自由を求めて抗議運動が展開したとか。
【7月21日 AFP】
コンドームの問題は女性の権利、人口問題のほか、エイズ問題にも関係します。

【豊かさを求める人々】
こうして人口は爆発するだけでなく、増加した人々はますます豊かさを求めます。
昨日放映されたNHKの番組“インドの衝撃”は、これまで市場としての価値が認めらなかった農村貧困層をターゲットにした販売戦略を紹介したものでした。
農村の女性を販売員に教育する企業、インターネットによる買取価格に関する情報提供で従来の流通システムを超えて農家と直接取引をする企業・・・そうした企業側の努力もさることながら、次第に商品経済に目覚め、引き込まれていく農村貧困層の人々存在感が印象的でした。

上記のインターネット情報を利用するおかげで以前より豊かになったある農家は、高価なカラーTVを購入します。
その農家の女性は「お金持ちになったみたい」と大きな笑い声をあげて喜びます。
インドの経済成長はまだまだスタート地点に立ったかどうかという段階で、本格化するのはこれからでしょう。
膨大な農村貧困層が商品経済へ怒涛のごとく押し寄せてきて、ある者は豊かさを手に入れ、ある者は格差を恨むことになるのでしょう。
そんなに無分別に商品経済の世界に引き込んでいいのだろうか・・・というためらいも感じます。
この激流に自分達が今手にしている豊かさが押し流されてしまうのでは・・・という勝手な不安、“蜘蛛の糸”のような思いも感じます。

いずれにしても、世界はこの爆発する人口、豊かさを求める人々を支えることができるのか・・・そうした素朴な疑問を感ぜずにはいられません。
そのために、世界各国の首脳が会議を開き、英知を結集して対策を練っているのでしょが、こころもとないように思えて仕方がありません。
人口増加、豊かさを求める人々の欲求・・・そうした社会変化のスピードについていけてないのではとも危惧します。

【洪水耐性稲の試験】
まずは食糧です。
温暖化ガスをめぐる2050年論議がなされていますが、2050年の120億人まで増加した世界人口を養う食糧がきちんと確保できるのか?という問題の方がより深刻なように思えます。

日本・アジアではコメの問題になります。
食糧生産の問題は、国内の種々の生産を取り巻く問題、今WTOで議論しているような国際的な条件・環境整備の問題など多岐にわたりますが、そのひとつが品種改良の問題。

毎年アジアでは台風・サイクロンの洪水によって農作物も甚大な被害を受けます。
一面冠水した田畑の映像を見ると、これらの農家は今年どうするのだろうか・・・という思いもします。
先日TVで、そんな冠水にも耐える稲の品種改良を行っている国際稲研究所が紹介されていました。

この冠水に耐える稲は単純な交配によってではなく、遺伝子研究によってもたらされたもので、洪水耐性だけでなく品質も確保されたものとか。
すでに数カ国で試験が行われています。
ささやかではありますが、心強く思える情報です。
日本はこうした技術面でもっと世界・アジアに貢献できるものがあると思うのですが。



コメント
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