(ここ数カ月で難民が急増しているギリシャ諸島【11月27日 WSJ】)
2015年から爆発的な数の移民・難民が主にトルコ経由でギリシャに押し寄せる状況の中で、EUとトルコは2016年3月に、いったん全員をトルコに移送し、その中に含まれるシリア人と同数のシリア難民をトルコからEUが受入れ、EU内各国に定住させるという内容で協定が結ばれました。
****移民の防波堤として不可欠なトルコ****
2016年3月18日、トルコとEUはヨーロッパに流入したシリア難民を中心とする大量の移民への対応に関して、トルコが、
(1)2016年3月20日以降にギリシャに不法入国した移民をいったん全て受け入れる、
(2)2016年3月18日時点でギリシャに滞留している移民は登録を受け、個人的に庇護申請をギリシャ政府に提出する。
そして、その中に含まれるシリア人と同じ人数のトルコに留まるシリア難民をEUが「第三国定住」のかたちで受け入れる、(3)トルコとギリシャ間の国境監視の強化する、ことが決定した。
一方EUは、(1)トルコ人にEU加盟国のヴィザなし渡航の自由化を2016年6月末までに実現するよう努める、(2)トルコ国内のシリア難民支援に2016年3月末に30億ユーロ、2018年末までに新たに30億ユーロ、合計で60億ユーロ(約7800億円)を支出する、(3)トルコのEU加盟交渉を加速させる、ことなどを約束した。【2月24日 Newsweek】
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もとより、トルコが難民・移民を安全に受け入れるに足る環境にあるのか?という基本的問題に加え、その後のEUとトルコの関係悪化でヴィザなし渡航の問題は進まず、トルコEU加盟交渉をメルケル首相が口にするような状況になっていることなど、トルコからギリシャへのルートがふさがれれば、リビアから地中海を横断するルートやスペインに向かうルートなどが増加するといった問題は多々あります。
そうであるにしても、とにもかくにもこれで沈静化したようにも思われている難民の流れですが、ギリシャに向かう難民・移民の数が再び増加していると、そしてギリシャでの劣悪な環境で多くの難民・移民が先が見えない状況にあること報じられています。
****難民再び急増、ギリシャの島で底なしの苦境に****
シリア出身のシェハブ・カバランさん(20)は3カ月前、トルコから小さなボートでギリシャに向かった。欧州で難民申請を認められ、新たな生活を始める期待で胸を膨らませていた。
だが、彼はサモス島で足留めを食い、他の数十人の移民・難民とともに薄っぺらなテントで暮らしている。ギリシャ本土に移動することも許されず、厳しい冬の到来に身構えている。
カバランさんは今月、手首を切った。医師は応急処置をして彼をテントに送り返した。「もう絶望的だ」と彼は言う。「私たちはここでゆっくり死んでいくのだ」
ギリシャの難民危機は、2016年の欧州連合(EU)とトルコの協定によってエーゲ海を渡る避難民の大量流入にブレーキがかかり、最近はその様子がやや見えにくくなっていた。
だがここ数カ月で難民が急増し、サモス島は底なしの苦境に陥っている。EUやギリシャ当局の対応には批判が高まる。これ以上難民申請希望者を増やさないための抑止効果を狙い、数千人の難民を病気や寒さ、暴力にさらしているというのだ。
今秋には毎日200人がサモス島やヒオス島、レスボス島、レロス島、コス島に到着し、その数は春に比べて4倍に増えた。この数週間は減少気味だが、天候悪化にもかかわらず引き続き高水準にある。
「EUとトルコの協定は強い抑止力の要素を含んでいる」とアムネスティ・インターナショナルのギリシャ部門責任者、ガブリエル・サケラリディス氏は指摘。「いかなる政治的判断もこのような形で人権を踏みにじってはならない」
ギリシャ政府とEU当局者は、適切な難民収容施設を提供する努力を加速しているところだと述べた。
協定によると、ギリシャ到着後に難民申請した者は、その申請が処理されるのを待つ間、トルコに送還される。合意が結ばれた約2年前以来、わずかに5人のシリア人が難民申請中にトルコに送り返されただけだ。ギリシャの裁判官は最近、難民申請を迅速化する何らかの調整をすべきだと勧告した。
一方、ギリシャの島にとどまる難民でも「要配慮者」や欧州の別の場所に家族や親類がいる者は、難民申請が審理される間、ギリシャ本土への移送を求めることができる。ただその手続きも大幅に遅れている。
その結果、登録・身元確認中の移民のための一時収容センターで、数千人が身動きが取れずにいる。
ヒオス島、レスボス島、サモス島ではこうしたセンターに当初の収容可能人数の数倍の人々が滞在する。彼らの多くは2年近くそこで暮らしている。
収容能力以上に急増する移民・難民
施設の収容能力をはるかに超える移民・難民が到着し、ギリシャの島々は切迫した状況にある。
地元当局は大規模な収容施設の建設を拒んでいるため、正式な施設の周辺に急速に増えた夏用テントで数千人が生活する。支援グループは空室を賃貸してくれるよう地元のホテルやアパート所有者を説得するのに四苦八苦している。
冬を前にしたギリシャは昨年の悲劇を繰り返す恐れがある。昨冬は暖を取るためにゴミを燃やし、有毒ガスを吸い込んだ4人を含む計6人が難民キャンプで死亡したのだ。
さらに、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、9月に到着した移民・難民のうち女性と子どもが3分の2を占め、要配慮者の割合が増えている。大半はアフガニスタンやイラク、シリアの出身者だ。支援グループは当局に対し、本格的な冬が来る前に人々をギリシャ本土に移すよう呼びかけている。
最近の豪雨では、サモス島のテントに水が流れ込み、人々はビニール袋で水をかき出そうとしたが追いつかなかった。時に汚物があふれてテントに流れ込むことや、子どもたちがぬかるみの中を歩くこともある。(中略)
シリア人女性のサマル・エルモナゼドさん(20)はテント暮らしが3カ月続く。生後11カ月になる娘は、野生動物が出す物音や、頻繁に起きるけんかにびっくりして目を覚ますことが多いという。「蛇やネズミ、サソリ、人々の争いごと。そうしたことに毎日対処しなければならない」
彼女は最近、流産した。赤ちゃんを亡くした悲劇に加えて、せっかくのチャンスも逃した。妊娠中であれば要配慮者と見なされ、ギリシャ本土へ移送される可能性があった。
難民女性の間では妊娠が目立つ。明らかに当局が自分たちをより設備の整った本土の施設に移送してくれるのを期待したケースが多い。重病の診断を受けようとする人たちもいる。
難民や支援グループによると、残された者にとって唯一の選択肢は、地元の密入国業者に約1000~1200ユーロ(約13万~16万円)を支払い、アテネまでの移送を頼むことだという。このルートは最近、トルコからの旅費(およそ600ユーロ)を上回るようになった。
ギリシャの当局者は難民を船上に収容することを検討している。だがサモス島のミハイル・アンゲロプロス市長は反対する。「欧州版グアンタナモ収容所を作るつもりか?」
EUとトルコの協定が見直される可能性は低い。特に両者の関係が悪化している現状では考えにくい。
一方、トルコとの距離の近さから2015年以降、難民危機の最前線となってきたレスボス島では先週、地元当局と企業が協力し、自分たちの島を「数千人を収容する監獄」(地元指導者の声明)とすることに抗議するゼネストを敢行した。
また移民・難民の一部はハンガーストライキを始め、本土への移送を要求した。レスボス島ではここ数週間、難民と地元住民の間で毎日のように緊迫した事態が起きている。
本土の状況はこれより良好だが、課題があることに変わりはない。シリア人の家族を含め、陸路でギリシャ・トルコ国境を越える難民がここ数カ月にほぼ3倍に増えた。
ドイツに住む家族と合流する許可を得た多くの難民でさえ、ギリシャから出国するのに必要な書類の承認作業が何カ月も遅れており、やはりアテネで立ち往生している。
UNHCRの推定ではギリシャ全体で約3万人が一時収容施設で足止めを食っている。2016年3月から国境が封鎖されているため、別の3万人は非合法的な手段で出国したとみられる。
ドイツ政府は最近、国内の空港でギリシャから来た旅行者のチェックを厳格化した。当局者の話では、今年は空路の入国で1000件以上の偽造書類が使われているのが見つかった。
複数の暴力的な事件が起きたことも懸念を高めている。アテネ在住の11歳のアフガニスタン人少年の家が襲撃された事件では、「クリュプテイア(古代スパルタの処刑部隊)」と名乗るグループが犯行声明を出した。
「不法移民の最後の一人が立ち去るまでわれわれは闘う。そして容赦なく武力を使う」とグループは声明の中で述べた。【11月27日 WSJ】
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トルコ・イスタンブールの密入国業者も暗躍しており、奴隷商人のような様相も報じられています。
****鎖でつながれた移民57人保護 トルコ、密入国業者が金銭求め拘束****
トルコの最大都市イスタンブールで27日、密入国業者らによって地下室で鎖につながれ拘束されていたパキスタン人移民57人が、警察に保護された。地元紙ヒュリエトが28日報じた。業者は移民らに金銭の支払いを強要しようとしていたという。
拘束されていた移民の中には拷問を受けたものもいたとされる。警察は、イスタンブールの欧州側地区で行われた強制捜査で、移民らをだました疑いでパキスタン系の密入国業者3人を拘束した。
同紙によると、ギリシャやイタリアからの欧州入りを目指していた移民らは、欧州に到達した際に、業者側に代金を支払うための暗証番号を伝えることになっていた。
だが業者は1万ドル(約110万円)の前払いを要求。移民らを鎖につなぎ、家族に電話して欧州に既に到達したので送金をしてほしいと伝えるよう命じたという。【11月29日 AFP】
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こうした密入国業者に拘束された状況で金を要求され、払われなければ文字通り“奴隷”として売買されるという実態がリビアで報じられていることは、11月21日ブログ「リビア 政治空白の無法状態で、難民・移民を食い物にする“奴隷市場”も」で取り上げました。
それに比べれば、「事故に遭ってしまった人々のことは気の毒に思うが、人生はすべてが選択だ」と語る下記のような業者は“良心的”な部類でしょう。
****エジプト 荒稼ぎするブローカー 「マンション持ち、外車買った」****
「海では何だって起きる。私たちは安全までは保証できないし、どれほど危険かは彼ら自身が理解している」。電話取材に応じたモハメドと名乗る54歳の男性が話した。
エジプト北部の港町アレクサンドリアは、地中海経由で欧州に向かう移民や難民の出発拠点の一つだ。彼はここで約15年、密航船のブローカーを営んでいる。
取材前日の7月31日にも、180人の移民らが乗った船を送り出したばかりだった。「スーダン人、シリア人、パレスチナ人が乗船している。8月3日にはギリシャに着くだろう」
今年の夏はすでに4500人以上をギリシャやイタリアに送った。1人当たりの料金は2400ドル(約27万円)。船の調達や乗組員の給料として1400ドルを渡し、残りの1000ドルが彼の取り分となる。
「自分のマンションを持っており、2カ月前には新たにフォルクスワーゲンを買った」。正確な収入については口をつぐんだが、経済の低迷が続くエジプトでは破格の荒稼ぎぶりだと想像がつく。
移民らは家族単位で海を渡ることが多い。下は4、5歳の子供から50歳以上までさまざまだ。出身国でみるとシリアが最も多く、南スーダンやエチオピア、イラクなどと続く。
「料金は決して高くはない。私たちは新たな、よりよい人生の始まりを提供しているのだ。欧州に渡れさえすれば、その10倍も稼げる」。彼は悪びれる様子もなくこう話し、「私たちは救命胴衣を渡し、好天の日を選んで出航させることしかできない。事故に遭ってしまった人々のことは気の毒に思うが、人生はすべてが選択だ」と続けた。
欧州でテロを起こそうとしている者を乗船させているのでは−と尋ねると、「移民らにとって私たちはなくてはならない存在だから、みな応対は丁寧だ。銃を向けてきた者もいない。だから実態は分からない」という答えが返ってきた。【8月9日 産経】
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受け入れ側の欧州各国にあっても、難民・移民の増加に伴って、これに反発する人々を背景に排他的なポピュリズム勢力が台頭していることや、もともと難民・移民に拒絶感を持つハンガリー・ポーランドなど中東欧諸国の受け入れ割り当てへの反対でEU内部に亀裂が生じていることな、多くの問題が生じています。
こうした環境にあっては、受け入れられた難民らの生活も厳しい現実に直面します。たとえ、難民受け入れに寛容なメルケル首相のドイツであっても。
****シリア難民が夢に見たドイツで直面した厳しい現実 疎外感に悩み帰国****
シリアの首都ダマスカスでは、6年半を超えた内戦の中でドイツ語を学ぶ若者が増えた。市内が多少なりとも平穏になったからか、ピーク時より少し減ったというが、「いまでも外国語の中で最も人気がある」(語学学校の教師)という。
半面、地中海を渡って難民としてドイツに住んだものの、疎外感に悩んでシリアに帰国するケースもある。
(中略)国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、欧州へのシリア人の難民申請数は内戦発生から今年7月までの間に約97万人に達した。うちドイツへの申請数は約51万人と全体の半数以上を占める。
「外国語は優れたツール。渡航して働き口も探せる」「すでに多くの友人がドイツに住んでいる」。生徒たちが話した。しかし、現実はそう甘くはない。
市内のホテルで会ったサーラ・ゼインさん(22)は2年前の11月、母親とともにドイツ行きを決意。ベイルートからトルコに飛び、同国西部イズミルからゴムボートでギリシャに渡った。“渡航料”は1人約1700ドル(約19万円)だった。
「ダマスカスでは移民船のブローカーの連絡先も知れ渡っているので、連絡を取った上で出国した。トルコでは寒い海岸に未明に集められ、約70人が乗ったボートで出発し、3時間でギリシャに着いた。海岸では支援団体の人々が待っていて、毛布を渡してくれた。『助かった。まだ生きている』と思った」
その後、クロアチアやスロバキアなどをへて、4日ほどでドイツに到着した。所々で移民専用の無料の列車やバスに乗ったが、夜通し歩いたこともあった。
夢にまで見たドイツ。旧東独ハレに無料で部屋を割り当てられ、ドイツ語習得のため連日学校に通い、夜中も勉強した。それでも、周囲の環境に耐えられなくなったという。
「美しい街だったけど、毎週月曜日に難民の住宅の周囲でデモがあり、『よそ者は出ていけ』と連呼する。何でもかんでも多数の文書をそろえなくてはならず、気晴らしにベルリンに出かけようとしても目的や宿泊先、会う予定の人の名などを文書に記載しなくてはならない。大半は好意的な人々だったけど、友達もできなかった」
ゼインさんはそう言うと、ひじに残る発疹を見せながら続けた。「いまはよくなったけど、鬱病で発疹が顔中にできた」
ドイツ到着から1年8カ月後、母を残してイラン経由でシリアに戻った。婚約者はスウェーデンに渡ったまま帰らず、音信も途絶えた。
「ドイツへの移住はすすめない」。ゼインさんはそう話すと、間近で戦闘が起きているにもかかわらず、「ダマスカス以外にはもう行きたくない」と言った。【10月21日 産経】
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難民として受け入れられず、強制送還となると、国によっては生命にかかわる事態ともなります。
****欧州のアフガン人送還批判=「拷問、死の危険」―アムネスティ****
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは5日、欧州諸国が2016年に前年の約3倍に当たる約1万人のアフガニスタン人を強制送還したと発表した。アフガンには依然「拷問や誘拐、死の危険」があり、送還は「無謀で違法だ」と批判している。
アムネスティはアフガンで16年に1万1418人が紛争やテロなどで死傷したと指摘。今年も同様のペースで死傷者が増え続けており、欧州諸国が「アフガンの一部は安全という誤った情報に基づき」送還を行ったと非難した。【10月5日 時事】
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一方、これまでEUの難民受入れを主導してきたドイツ・メルケル首相も、世論を受けて難民受け入れに厳しい方針を出さざるを得ない状況に追い込まれています。
****難民受け入れ、年間20万人の「上限」設定 ドイツ与党****
ドイツのメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)と姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)は8日、難民の受け入れを年間20万人とする方針で合意し、他党と連立交渉に入ることを決めた。
ドイツはこれまで上限を設けずに難民を受け入れてきたが、9月の総選挙で反難民を訴える右翼政党が躍進し、与党は大きく議席数を減らした。難民に寛容だったメルケル氏の路線は転機を迎えている。
自由民主党、緑の党との連立交渉のスタートを18日に控え、CDU党首のメルケル氏とCSUのゼーホーファー党首は8日、政策の基本方針を確認。難民政策について「強制送還した人々などを差し引いた受け入れの純増数を年間20万人」とすることなどを決めた。ただ緑の党には受け入れ人数の設定に批判的な声も強く、交渉が難航する可能性がある。
ドイツには2015年からの2年間で、シリアやアフガニスタンなどから100万人を超える人々が入国。今年は8月までに約12万4千人が入国している。
総選挙では反難民を訴える新興右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進する一方、CDUとCSUの得票率は1949年以来の低水準にとどまり、CSU内部では党首の辞任を求める声も上がっていた。
CSUは拠点とする南部バイエルン州の州議会選挙を来年に控え、難民の受け入れ規制を強く求めていた。メルケル氏はこれまで、人道上の理由から受け入れに上限を設けることを拒否してきたが、総選挙の結果を踏まえてやむを得ないと判断した模様だ。
ただ合意には、メルケル氏の懸念をくむ形で「緊急時には連邦議会の判断で数を増減できる」との条件も盛り込まれた。記者会見でメルケル氏は「20万1人目の入国者でも難民申請はできる」と語った。【10月10日 朝日】
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その後、受け入れ人数の設定に批判的な緑の党などとの連立交渉が暗礁に乗り上げ、社会民主党との大連立が協議される状況になっていることは周知のところですが、そのあたりの話はまた別機会に。
****EU首脳会議、アフリカ移民の大幅削減で合意 基金に追加拠出へ*****
欧州連合(EU)加盟28カ国の首脳は(10月)19日、ブリュッセルで首脳会議を開き、移民対策について協議した。
首脳らは、アフリカから欧州に入る移民を大幅に削減するため、EUが設立したアフリカ基金に資金を追加拠出することで合意。イタリアが移民対策としてリビアで行っている活動への支援を強化することでも一致した。(中略)
EUに到着する移民の数は2015年に急増し、100万人を超えたが、2016年には各国の対応により、70%以上減少した。
EUでは、移民の急増を受けて、最初に到着した国が難民保護申請を審査するという現行ルールの見直しを目指してきたが、加盟国の意見は一致していない。
トゥスクEU大統領は19日、12月の次回EU首脳会議で難民申請のルール見直しについて再び話し合う予定で、来年半ばまでの合意を目指していると述べた。【10月20日 ロイター】
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ただ、リビア沿岸警備隊の“非道”な実態は11月21日ブログでも取り上げたところです。
受入れを求める難民・移民も、玄関口となるギリシャなどの住民も、受入れに揺れる欧州各国も、有効な打開策を見いだせないまま来年を向かえそうな“八方ふさがり”の状況です。
基本的には難民らを発生させている国々の安定が最重要ですが、受け入れ側の異質な人々への意識の問題もあります。