孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

パキスタン北部  アフガニスタン関連のニュースでよく見る人々とよく似た感じも

2019-03-31 23:02:51 | 身辺雑記・その他

330日ブログ“パキスタン・フンザ  アンズが咲き誇る村で、変わりゆくフンザを考える”で、フンザの観光地化・変化を取り上げた際に、フンザ出身の男性と結婚されたスズケーさんのブログ「変わるフンザ 観光客がダメにする」(https://suzukikeiko.com/pakistan/information/change-hunza/)を「勝手に」紹介しました。

 

そうしたところ、スズケーさんご自身から以下のようなコメントを頂きましたのでご紹介します。

 

**********************

ブログのご紹介ありがとうございます。
本日こちらのブログからのアクセスが何件かあって、紹介していただいていることに気がつきました。

現在フンザに滞在中だそうで、今日はお天気もよくなかったようなので、
ちょっと寒かったのではないかと

フンザが変わることについてですが、
あのブログでは少しわかりにくかったかもしれませんが
(末尾に別の関連記事へのリンクを追加しました)
フンザが近代化することに関しては私は悪いと思っていません。
実際に1年住んで、何もないことが大変なことも重々理解してますし、
そもそも、今そこに住んでいない私がどうこう言えることではないですし。

あれは、景色や近代化云々に関してではなくって、
外国人に慣れて、人として、ムスリムとして、
ダメな行為をしちゃうような人が増えるのはどうなの?って言うことに関する記事でした~。【スズケーさん】

**********************

私も特段の定見がある訳でもありませんので、“変化”に関する話そのものについては特に言うべきこともありません。

 

話の内容より驚いたのは、私のブログからスズケーさんのブログへアクセスされた方が何人かおられるということです。

 

10年以上、ほぼ毎日このブログを書いているせいで、gooブログサイトが表示するアクセス数は非常に多く(訪問者数で1200件前後 PV数で4000件前後)、286万程度あるgooブログ中200位前後(!!!)記録しているとされています。本当かね???

 

一方、やはり10年以上、全く同内容をコピーしてアップしているアメーバブログの訪問者数は毎日2030件(!!!)程度。

 

この差は何なのか?(以前はアメーバブログの方はもう1ケタ多かったようにも思いますが、それでも大きな差が以前からありました)

 

Gooブログの方は自動検索のボットをカウントしているせいで、異様に数が膨らんでいるのだろう・・・と理解していました。

 

そういう話になると、「何を書いたところで、見ているのはボットばかり」ということにもなって、「じゃ、まあ、好き勝手に書き飛ばすか・・・」という話にもなります。

 

そういうなかで、私のブログからスズケーさんのブログへアクセスされた方が何人かおられるということは、まともに読んでいただいている方、しかも引用元まで飛ばれた方がいるということで、驚いた次第です。

 

でも、今書いていて気づいたのですが、ひょっとして引用先に飛んだのもボット???

もう、わかりません。

 

最近わかったことがひとつ。

アメーバブログの訪問者数は毎日2030件ですが、そのなかで「いいね」してくださる方が毎日数件いらっしゃいます。

 

ひと月ほど前からアメーバブログで全く別ジャンルのブログを始めてみてわかったのですが、2030件のなかから数件の「いいね」というのは非常に高率のようです。

 

たとえ数は少なくても、そうした方々に感謝しないといけない・・・と、最近改めて感じています。

(別に、「いいね」を催促している訳では決してありません!!!! ただ、「いいね」してもらえれば嬉しいです・・・なんてね)

 

話をパキスタン・フンザ旅行に戻すと、今日はベシャームからカラコルムハイウェイを更に南下して、首都イスラマバードまで戻ってきました。明日夜には帰国します。

 

今日は、旅行中に食べた料理の話。

 

冒頭写真は到着日夜にイスラマバードのアフガニスタン料理店で食べたバーベキュー(カバーブ)

マトンだったか、チキンだったか忘れました。(多分チキン)

画像左上はマトンかビーフが中に隠れている炊き込みご飯・プラウ(ピラフの語源でもあり、ビリヤニとは正確には違うと言われていますが、実際にはあまり区別されていないようにも)

 

アフガニスタンの内戦・混乱で、パキスタンには多くのアフガニスタン難民が生活しており、こうしたアフガニスタン料理のお店も。

 

店に飾られた(タリバンによって破壊され、今はもう見ることもできない)バーミアン大仏の絵が痛々しい感じも。

 

なお、フンザ方面で見かける人々のイメージをザックリ言えば、アフガニスタン関連のニュースで目にする人々とよく似ている・・・という感じ。(パキスタン自身はメディア露出が少なく、パキスタンの人々のイメージがないため、上記のような話にもなります)

 

ギリシャ彫刻のようなヨーロッパ的な風貌もよく見かけます。

 

実際、アフガニスタンとパキスタン北部は民族的・宗教的にも関連が強く、パキスタンにもハザラ人が多いエリアがあったりもするようです。

 

そうした類似性もあってタリバンはパキスタン北西部を出撃・物資補給拠点にしていた訳ですが、現在は一掃され、北西部エリアの治安・政府支配はよくなったとのことです。ガイド氏の話ではカーン首相の功績が大きいとか。

 

一方でパキスタン国軍が長年タリバンを支援してきたということ(これも、ガイド氏の話では今はないそうです)についても、上記のような類似性があっての話で、部外者の批判的見方とはまた異なるものもパキスタン(軍部)にはあるのかも。

 

話が、どんどん料理からそれていきます。(最初からブログ訪問者数の話にそれて、今日はそれまくりです。これも、悪路カラコルムハイウェイの8時間ほどのロングドライブで疲れているせいでしょう)

 

料理の話は、明日以降にまた仕切り直して取り上げることにします。

 

コメント

パキスタン カラコルムハイウェイを南に激走 通行止めも2回 地域による宗派すみ分け

2019-03-30 22:39:41 | 身辺雑記・その他

(画像右手の山肌中腹をカラコルムハイウェイが走っています)

四日間(実質三日間)のフンザ(カリマバード)滞在を終えて、今日30日は早朝6時にホテルを出発、カラコルムハイウェイを南下、10時間半のドライブで先ほどベシャームのホテルに到着しました。

 

今夜はここベシャームに宿泊して、明日はイスラマバードを目指します。

 

カラコルムハイウェイの車内でダンスを強いられる悪路は行きでも経験済みではありますが、やはり疲れます。(私は乗っているだけですが)

 

もっとも、悪路部分の区間は限られており、今日のルートではチラスからダッソーの区間が、ダム工事(当然、中国企業による工事)の関係でハードな状態でした。

 

未舗装による車内ダンスはともかく、ダム工事用の道路建設を崖の上でやっているのでしょうか、その工事の発破作業などで下のカラコルムハイウェイに落石があるため、通行を止めて作業を行い、待機していたショベルカーが道路のクリーニングをする、それが終わるまで車両は待っている・・・・という箇所が、途中2か所ありました。

 

(2回目の通行止め)

幸い2カ所ともストップ時間は10分程度ですみましたので、カラコルムハイウェイならではの場面を経験できた・・・・と言うべきでしょうか。

 

上記区間以外は通常舗装道路ですから(一部大きな穴があいていたり、切り立った崖から水が滝のように道路に流れおちていたり・・・というのは、ごく当たり前のことではありますが)、ドライブはスムーズです。

 

ただ、切り立った崖と深い谷底に挟まれた曲がりくねった道で、亀のような大型トラック(パキスタン独特のデコレーショントラック)を(対向車をものともせず)追い越しながらのドライブです。

 

標識の速度制限は20kmとなっていますが、実際は8090kmで飛ばすことも。

まあ、20km制限というのもどうかと思いますが、そんな狭い曲がりくねった道を8090kmで飛ばす方も・・・・。

 

もっとも、そのおかげで、明るいうちにチェックインできました。ドライバーさんに感謝。

 

標識について言えば、延々と切り立った崖が続くカラコルムハイウェイですから、落石注意の標識があそこそこにあります。(早朝の道路には2030㎝ほどの大きさの石が転がっていたりもしました)

(この一帯はヒマラヤ造山運動の最前線でもあります。崖から温泉が湧きだしているところも)

 

日本でも同様ですが、落石注意と言われてもどうしようもありません。無駄な標識です。崖の状態など注意していたら、数百m下のインダス川にダイブしてしまいます。

 

周知のように、イスラム教にはいろんな宗派があり、スンニ派とシーア派の対立がサウジ・イランの対立などの世界の不安定要素になっています。

 

パキスタン内部でも、地方に行くほど、宗派のすみ分けがはっきりしているようで、ベシャームからチラスにかけての一帯はスンニ派のエリア。

 

フンザ方面出身のガイド氏はシーア派と比較的近いイスマーイール派、ドラバー氏はシーア派。

 

スンニ派はタリバンやISといったイスラム過激派を生んでいる宗派で、男性は長いあごひげをたくわえています。

 

このスンニ派エリアをドライブしていると女性の姿をほとんど見ません。女性が表に出ることは非常に限られているようです。

 

一方、女性教育にも積極的なイスマーイール派(指導者のアーガー・ハーン4世はフランス人と結婚しているそうです)は、先日紹介した結婚式の様子でもわかるように、ごく普通に表世界で女性が生活しており、畑では女性が農作業をしています。

 

だいたい、結婚式に外国人がやってきて、写真を撮りまくっていることが全くとがめられないというのは、スンニ派では考えられないことで、スンニ派エリアでは家庭を外国人が訪問するなどは非常に難しいようです。

 

(男女が共に参加するフンザでの結婚式)

そんなこんなで、イスマーイール派のガイド氏は、スンニ派の偏狭とも言える姿勢にはあまり好感を持っていないようです。

 

ハセガワスクールのような外国人出資による教育施設が根付くのも、イスマーイール派ならではのことでしょう。

(歴史的には、イスマーイール派は「暗殺教団」を生んだような怖い側面もありますが)

 

なお、イスマーイール派ではお祈りはモスクではなく集会所で行い、回数も15回ではなく13回。

例の礼拝を呼び掛けるアザーン(旅情をかきたてることもありますが、早朝は部外者には迷惑にも感じます)もありません。そのため、フンザはイスラムにありながら静かな土地でした。

 

毎日の停電は、ここベシャームでも、チラスでも、フンザでも同様で(だからこそ、中国出資の大型ダム建設が急がれています)、ついさきほどから停電、WiFiもストップ。

 

いつになったらアップできるでしょうか?

コメント

パキスタン・フンザ  アンズが咲き誇る村で、変わりゆくフンザを考える

2019-03-30 00:38:40 | 身辺雑記・その他

今日3月29日、フンザ4日目はアンズの花を求めて、フンザ(カリマバード)から車で30分程下ったNiltという村を散策しました。

昨日ブログでも書いたかと思いますが、標高が約2500mと高いフンザ(カリマバード)付近は、今年はアンズの開花が遅く、ほとんど咲いていません。

しかし、少し下ると道の両側には、あそこにも、ここにも・・・・と、アンズの花盛りです。

そういうなかでも、山並みもきれいな、のどかな村の中を散策できるところを・・・ということで、Niltまで下った次第です。

 

その甲斐あって、実にきれいでのどかな村の風景を堪能することができました。

アンズの花は、同じバラ科の桜に近く、日本のお花見のような風情も。

 ただし、見上げると雪を頂いた山並みが大きく広がります。この山並みはただの山ではなく、カラコルムの7000m級の山を含む山並みです。

 

もう少しすれば薄緑のリンゴの花も咲くのですが・・・・。

 

「お花見」の様子は、別途旅行記サイトに方にアップするとして、これだけの美しいエリアのフンザには観光ラッシュが押し寄せています。

 

当然ながら、今のフンザは、かつてのフンザからは大きく変容しています。

そのあたりを嘆く声も。

 

そうしたことをフンザ出身の男性と結婚されたスズケーさんのブログに詳しく書かれています。

「変わるフンザ 観光客がダメにする」(https://suzukikeiko.com/pakistan/information/change-hunza/

 

かつて、中国・新疆ウイグル自治区のトルファンを旅行した際に、道をぶどう棚が覆い、ロバ車が行きかう様子に「これがオアシスだね・・・」と感激しました。

その思い出を求めて21年ぶりに再訪すると、かつての面影は消え失せ、すっかり普通の大都市に変容していました。

それから更に7年が経過した今は、例の習近平政権の対ウイグル政策によって、また全く違う姿に変わっていることでしょう。

 

そうした「古き良き」風景が失われていくのは残念なことではありますが、それはフンザでも、日本でも、世界各地の観光地でも、避けがたい宿命でもあります。

その変化を押しとどめるには歴史保存地区のような施策も必要になりますが、そのように無理に時間の流れを止めて、人工的に維持された博物館の展示品のような街並みがいいのか・・・・と言えば、これもまた異論はあるでしょう。

より、そこに暮らす人々の生活の問題があります。

 

食事についても私自身、アジア各地を旅行している際にローカル料理に飽きて(あるいは閉口して)、日本料理の店を重宝することもあります。

今夜も、夕食にカリマバードにあるパンジャブ(パキスタンの全く別地域の料理)という看板を掲げている店でバーベキューを食べようかと考えています。(別に、フンザの人がバーベキューを食べないこともないと思うのですが)

スズケーさんには叱られるとは思いますが、観光と街の変化の問題は簡単ではない面があります。

コメント (1)

パキスタン・カラコルム 今も昔も人々の暮らしを見守る大自然

2019-03-29 10:25:31 | 身辺雑記・その他

一昨日(26日)から、パキスタン北部のフンザ(カリマバード)に滞在しています。

フンザは「風の谷のナウシカ」のモデルにもなったと言われる美しいエリアですが、3月末から4月にかけては、アンズの花を中心に、チェリーやリンゴの花が咲き乱れ、視線を上げれば雪に覆われたカラコルム山脈の7000m級の山並みが広がるという「桃源郷」としても知られる場所です。

 

フンザ三日目の今日(28日)は、カリマバードから更に北上してゴジャール地方のグルメットやパスー村周辺を観光しましたが、ガイド氏はそのパスー村の出身で、親戚の結婚式があるとのことで、セレモニーの様子を見学させてもらいました。

広場に設けられた会場では、新郎新婦を含めた村人が四角形に座り、その中で男性陣のダンスが繰り広げられます。

時折小雨もぱらつくようなあいにくの天気で、美しい山並みの全容は見ることができませんでしたが、雄大なカラコルムの山並みをバックに、ローカルな笛太鼓の音楽に合わせて村人たちが踊る様、それを興じる人々・・・・やがて笛太鼓がフェイドアウトして喜多郎の音楽に代わり、石坂浩二のナレーションが流れる・・・そんなNHK「シルクロード」の世界に舞い込んだような気分にもなりました。

 

実際、カラコルムハイウェイ沿いのこの地域は、かつてのシルクロードでもあり、当時の遺物なども点在しています。

政治・文化的にも中国方面との繋がりが強く、カリマバードに残る砦も、15世紀当時フンザ地方の国王が、チベット王国の一部であったバルティスタンから王女を妃に向かえたことで、チベット建築・文化の名残が色濃くあります。

 (カリマバードのバリティットフォートに展示されている、20世紀中ごろこの地域で流通していた中国紙幣)

現在も、周辺のゲストハウスには、「シルクロードホテル」「パルコポーロゲストハウス」といった名前が散見されます。

この地域は、中国新疆・チベット方面からインドへ南下、あるいはアフガニスタン・イランへ西進するルートではありますが、険しいカラコルム越えは、灼熱のタクラマカン砂漠に続く難所でもあったのでしょう。

カラコルムが交通の難所であることは今も変わりなく、カラコルムハイウェイ建設をはじめとして、トンネル建設など、様々な事業が中国の投資で行われています。

(カラコルムハイウェイのATTABARD LAKEトンネルに掲げられた「中パ友好」の表示) 

 

中国の「一帯一路」などの投資・支援については、「債務の罠」といった批判も多々あります。アメリカと覇権を争う中国の姿勢への懸念もあります。

そうした現在の国際政治的上の利害・問題に関する議論も必要ではありますが、それだけで終わっては“つまらない”感じも。

2000年前、3000年前から連綿と続くシルクロードの経済的・文化的交流の一部として、現在・将来の関係も考えていくべきで、そこに中国が「中国の夢」を紡ぐならそれもよし、日本・パキスタンも「日本の夢」「パキスタンの夢」を紡げばいい話で、そうした各民族の夢を包摂して余りある大きさをこの地の大自然は有している・・・・大自然に抱かれて結婚式のダンスに興じる人々を見ていて、そんなとりとめもない思いを抱かさせてくれました。

コメント

パキスタン・フンザの気宇壮大な眺め 「ハセガワスクール」校長との思わぬ対面に焦る

2019-03-28 09:01:23 | 身辺雑記・その他

(フンザ・デュルケルの眺め)

 

昨日(26日)から、パキスタン北部のフンザ(カリマバード)に滞在しています。

フンザは「風の谷のナウシカ」のモデルにもなったと言われる美しいエリアですが、3月末から4月にかけては、アンズの花を中心に、チェリーやリンゴの花が咲き乱れ、視線を上げれば雪に覆われたカラコルム山脈の7000m級の山並みが広がるという「桃源郷」としても知られる場所です。

ただ、約2500mの高地にあるため、寒いです。夜間・朝方はまだ氷点下に下がります。

国内的な観光シーズンは夏場で、冬季は閉鎖されていた観光客向けの土産物屋は3月から営業を開始したばかり。

そういうこともあって、ホテルも夏場を想定しているようで、暖房設備もなく、室内も外気温と同じぐらい。

室内でもコートが必要です。(エアコンがないのは、毎日深夜は停電になるせいかも)

冒頭写真は、カリマバードがある丘(山?)を更に上ったデュイケルというピークからの眺め。

凡庸な素人写真ではお伝え出来ないのが残念ですが、実にスケールの大きい眺めです。

ラカボシ、ディランといった7000m級の山々、フンザ川の流れ、カラコルムハイウェイ、谷に点在する村々・・・・といった眺めが180度に広がります。

写真の左右にも雄大な景色が続いています。「パノラマ」という言葉がぴったりの眺望です。

実を言うと、高地のフンザは今年アンズの開花が遅れ、まだ咲いていません。(少し下ると、昨日も紹介したように咲いていますので、明後日にそうした花見にでかける予定です)

そうした残念なことも忘れさせる、気宇壮大な眺めです。(これほどスケールの大きな眺めは、世界中でもグランドキャニオンなど、相当に数は限定されるでしょう)

 

山については、最も印象的なフォルムなのが「レディーフィンガー」

まさに、その名の通りに細く切り立った山です。

 

(印象的な「レディーフィンガー」(中央) 写真ではやや太めですが、角度によってはもっと細く華奢にも)

 

素晴らしい眺めですが、2500mほどのカリマバードから車で上がりますので、500mあがったとすると、デュルケルは3000mにもなります。寒い訳です。

このデュルケルから歩いてカリマバードに向けて下ります。

しばらく歩いていると、温度も上がり、パーカーを脱ぎ、セーターの裾をたくし上げ・・・と、次第に汗ばんでもきます。

夜間のホテル室内、デュルケルの寒さ、3000mほどの高地、歩き始めてからの汗ばむような状態・・・・と、環境がめまぐるしく変わったせいもあってか、下り終えてカリマバードの古い砦を見学しているときに、軽い脳貧血の症状がでました。

5年前にパキスタンを訪れた際も、ロータス・フォート観光の際に、前日からの下痢と当日の暑さで熱中症を起こし、病院に連れていってもらったことがありますが、今回はごく軽いもので、昼食後には回復しました。

そういえば、昨年インドを観光した際も、丘の上に登ったことで脳貧血を起こしたことがあります。

普段の生活では全く体を動かさないのに、旅行時だけ急に体を動かすせいでしょう。

だいぶ体が弱っているというか、無理のできない年齢にもなっているということでしょうか。

 

カリマバードは日本とも縁が深く、1991年に登山家・長谷川恒男氏がウルタル峰登山中に事故で死亡。

その後の縁で、夫人が中心となって学校を設立。地元では有名な「ハセガワスクール」として今も運営されています。

 

(ハセガワスクール(左手奥の建物)に通う女子生徒)

その「ハセガワスクール」を見学した際、いきなり校長室に連れていかれ、「どうぞお座りください」と校長と対面することに。

想定外の展開に焦りましたが、「今は生徒数はどのくらいですか?」「600名以上(日本で言えば幼稚園児から高校1年ぐらいまでの年齢層)?」「随分大きな学校ですね」みたいなやりとり(もちろん英語)でお茶を濁し、早々に校長室から逃げ出しました。

ガイド氏としては、「日本からの“視察者”を連れてきた」ということを学校にアピールしたい・・・という考えもあってのことでしょうか。

 

学校を見学した際に、校長室に連れていかれ焦るという展開は、昔バングラデシュでも経験しました。

事前に言ってもらえば「とんでもない」と断るのですが・・・・。

明日は、ガイド氏(もともとの出身はフンザ方面)の親族の結婚式にも“参加”する予定ですが、あくまでも結婚式の様子を撮影するだけで、「挨拶を」なんて絶対にできないからと念押しして必要がありそうです。

コメント

パキスタン・カラコルムハイウェイ  桃源郷フンザに至る高峰とアンズの花が織りなす景観

2019-03-27 02:53:48 | 身辺雑記・その他
25日夜にパキスタン・イスラマバードに到着、26日は15時間のロングドライブでカラコルムハイウェイをチラスまで移動しました。 翌26日はチラスからギルギットを経て目的地のフンザ・カリマバードに入ります。 26日朝、チラスの街で見かけた女の子 
 
 
この一帯は、アフガニスタンのタリバンとも関係が深いイスラム教スンニ派の居住地で、街では男性しか見かけません。 唯一の女性は、写真のような子供だけです。
 
 
 
なお、近年タリバンはパキスタン国軍によって一掃されたとのことです。 パキスタン国軍はアフガニスタンでタリバンを支援してと見られていますが、ガイド氏の話では、今はそんなことはないとのことです。そのあたりはよくわかりませんが、今回はパス。 
 
 
 
チラスを出てしばらくすると、カラコルムハイウェイは中国支援によってきれいに整備された快適な道路となります。昨日の悪路がうそみたいな気持ちがいいドライブです。 
 
 
 車窓には7000~8000m級の山々が連なります。 頂上付近に雲がたなびいているのは、世界第8位の高峰ナンガ・パルバット(8125m)です。
 
 

パキスタン北部の中心都市ギルギットを過ぎたあたり、アンズの花が一面に咲き誇っています。

日本の桜のような雰囲気です。

 
 

写真下部のピンクにもやもやとしたのが、山里を埋めるアンズの花です。

 

 上の写真は、フンザも近くなったあたりの高峰ラカボシ(7788m

ラカボシのビューポイントにあるレストランで昼食。

下は、カリマバードのホテルからの眺め。眼前に雄大な景色が広がります。

明日から3日間、フンザで軽いハイキングなどを楽しむ予定です。

さすがに桃源郷フンザへのルートにふさわしい山々と花の美しいカラコルムハイウェイでしたが、フンザは寒いです。部屋の中でもコートを着ています。

暖房がほしいのですが、この地のホテルには、そういう発想はないようです。

 

加えてパキスタンの抱える問題は、停電。毎日夜間は停電するようですが、12時まではホテルの自家発電機で対応してくれます。

 

しかし、12時をすぎると、灯りも全部消えるブラックアウト。昨夜のチラスでも、日本の街中での生活ではあまり経験しない、本当の真っ暗闇になりました。

 

これも、中国の支援でダムを建設中ですので、数年後のダム完成で状況は変わるとのことです。

 

パキスタン・中国の政府間の関係が親密なのも当然でしょう。

 

 

 
コメント

パキスタン・カラコルムハイウェイを亀のように激走

2019-03-26 03:31:21 | 南アジア(インド)

(カラコルムハイウェイの工事現場に掲げられた中国語表示の看板)

現在、パキスタン北部をフンザ方面に向けて旅行中です。

中国とパキスタンを結ぶ「カラコルムハイウェイ」は中国の支援で完成した重要ルートですが、今も多くのプロジェクトがパキスタンにおいて中国支援で実施されていることは周知のとろです。

今日は、首都イスラマバードからこのカラコルムハイウェイをチラスまで移動しましたが、朝6時に出発して、チラス到着が夜の9時過ぎ。
15時間以上の超ロングドライブでした。

厳しい谷沿いを走るカラコルムハイウェイは悪路でも有名で、がけ崩れなどは日常茶飯事です。

この日は通行止めこそありませんでしたが、途中の悪路にはまいりました。時速10~20kmの箇所も 亀です。しかし、馬のように跳びはねます。

現在、中国の援助で新たなハイウェイも建設されています。

現在ルートの修復工事もあちこちで行われていますが、これにも中国が関与しているようです。

あちこちで、中国建設企業の施設を見かけますが、その割に中国人作業員の姿はあまりみかけませんでした。

中国の支援については、「技術者も労働者も中国人がやってきて、地元経済にはあまり役立たない」との話も聞きますが、カラコルムハイウェイの作業員に関してはほとんどがパキスタン人のようにも見えました。

また、中国支援、「一帯一路」にも批判がありますが、悪路のドライブのあとでは「中国さん、頑張って早く新ルートをつくって」というのが正直な感想。

それしても、パキスタンの工事現場で中国語の看板というのは。。。。
コメント

パキスタン・フンザに向かっています。 現在は北京空港

2019-03-24 14:43:32 | 身辺雑記・その他

(西遊旅行社HPより)

パキスタン・フンザへの旅行で移動中。

前日、鹿児島から東京へ移動して前泊。
今朝、羽田から中国国際航空で出発。

現在、北京空港で乗継待ちです。

フンザは「桃源郷」として旅行好きな人たちには人気の場所。
以前から行きたいと考えていた場所でもあります。

この時期は、7000m級の山並みを背景に、アンズの花が咲き誇り、まさに「桃源郷」・・・・・だといいのですが、日本の桜と同じで開花は年によって前後します。

今年はフンザは雪が多かったとも聞いています。
フンザのアンズは咲いているでしょうか?(少し、旅行時期が早かったかも)

フンザではまだでも、途中のギルギット付近では咲き始めたとのことですから、どこかではアンズの花に出会えるでしょう。


カシミールをめぐる“恒例”のインドとの緊張も、ここ1~2週間は何も報道を目にしなくなりましたので、小康状態にあるのでしょう。

インド・モディ首相は、この緊張の高まりを、総選挙に向けて利用する狙いですので、総選挙が終わるまでは“手打ち”には至らないのでしょう。


世界平和のためにも、私のフンザ観光のためにも、両国が鎮静を保ってくれるといいのですが。

コメント

中国  イスラム教の中国化でウイグル族の民族文化・社会の変革という「大事業」を進める

2019-03-23 22:43:54 | 中国

(ウルムチのバザールでウイグルの伝統的踊りを披露する女性。市当局による観光振興策の一環だ【3月22日 WSJ】)

【漢民族の視点にたった中華思想的歴史認識】
28年ほど以前、中国新疆ウイグル自治区のウルムチを旅行した際、新疆ウイグル自治区博物館に展示された「歴史認識」が非常に印象に残りました。

中国語なので細かいことはわかりませんでしたが、漢民族の勢力が西域に及んだ漢や唐の時代について、中国王朝の権威のもとに各民族が協調し、偉大な社会が作られた・・・・との認識です。いわゆる中華思想です。

しかし、それはあくまでも漢民族からの視点であり、新疆やチベット、モンゴル、朝鮮、ベトナムそして日本など周辺地域の民族にすれば、漢や唐の時代のような中国に強い権力が生まれると、漢民族によって圧迫あるいは征服されるという認識になります。

博物館に展示された漢民族的歴史認識をウイグルの人々はどのような思いで見ているのだろうか・・・・と、印象深かった次第です。

【アメリカの人権批判に中国反発 ただ、収容について「徐々に縮小」との見通しも】
その後、2007年には大規模な衝突があり、近年では中国当局による徹底した管理・弾圧が行われていることは周知のところです。

貿易・知的財産権や5G通信網などの最先端技術をめぐって中国と覇権を争う姿勢を強めているアメリカにとっては、中国の人権問題、特に約100万人が収容施設に入れられているとも言われている、イスラム教ウイグル族等に対する「弾圧」は格好の“攻めどころ”になっています。

****米の人権報告書に中国が強く反発「偏見」****
アメリカが中国の人権状況についてウイグル族らイスラム教徒が大量拘束され思想教育を受けているなどと批判したことを受けて、中国外務省の報道官は、14日の会見で、「偏見に満ちている」と非難した。

さらに、「中国政府は人権を重視し、保護している」「中国の内政に干渉することはやめるべきだ」などと強く反発し、アメリカ側に抗議したという。【3月14日 日テレNEWS24】
*********************

****新疆で「テロリスト」1.3万人逮捕 中国政府、批判に反論****
(中略)人権団体によると、新疆ウイグル自治区ではウイグル人などのイスラム教徒を中心とした少数派民族約100万人が収容施設に入れられており、中国政府は同自治区での政策をめぐり国際的な非難を浴びている。
 
中国の内閣に相当する国務院は、こうした非難に反論する白書を発表し、「テロリズムや過激主義を支援するいかなる行動に対しても、法律にのっとり厳しく取り締まる」と説明。新疆は昔から中国領土であるものの、「テロリストと過激派の勢力」が同地域の歴史を「歪曲」することで分離独立運動を扇動していると主張した。
 
また、「新疆は2014年以降、1588の暴力テロリスト集団を破壊し、テロリスト1万2995人を逮捕、爆発装置2025個を押収、4858の違法な宗教活動で3万645人を処罰し、違法宗教資料34万5229点を押収した」と記し、「新疆でのテロ対策と脱過激化闘争は、常に法の支配の下に行われてきた」と主張した。 【3月19日 AFP】
********************

全国人民代表大会においても、「『政治的再教育キャンプ』などではない。信仰の自由は守られ、人権侵害もない」との反論や、今後ともテロ対策として厳しく取り締まるとの姿勢を崩していません。

****ウイグル自治政府、収容施設「再教育キャンプでない」 秩序維持と正当化****
北京で開かれている全国人民代表大会(全人代=国会)は12日、新疆ウイグル自治区の地方分科会をメディアに公開した。欧米が批判するウイグル族の「収容施設」問題について、自治区政府幹部が「『政治的再教育キャンプ』などではない。信仰の自由は守られ、人権侵害もない」と反論し、テロ対策などの社会秩序の維持を理由に設置を正当化した。(中略)
 
一方、中国最高人民検察院(最高検)の張軍検察長は12日の活動報告で「テロや民族の分裂、極端な宗教活動を断固として許さない」として少数民族に対する取り締まりを徹底する考えを表明。

張氏は「新疆における反テロ、社会安定の任務は重く多岐にわたる」と特に指摘し、昨年は検察官を手厚く配備して法執行を徹底したことを明らかにした。
 
今年は2009年7月に自治区の中心都市ウルムチで197人(当局発表)が死亡した大規模騒乱から10年を迎え、治安当局は神経をとがらせている模様だ。【3月12日 毎日】
*******************

単にテロ防止というだけでなく、イスラムの「中国化」を進めるという形で、宗教に根差した民族文化を根底から変える施策がとられています。

****イスラムの「中国化」推進=貧困対策と正当化―中国全人代****
中国・北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、習近平指導部は「宗教の中国化」を掲げ、イスラム教徒のトルコ系少数民族、ウイグル族に対する統制を強める方針を訴えている。

ウイグル族に対する人権侵害に国際社会の批判が広がっているが、共産党政権は「貧困対策」「テロ防止」が目的だと主張している。
 
新疆ウイグル自治区のショハラト・ザキル主席は12日に開かれた全人代分科会で「新疆では2年間、テロが起きていない。習近平国家主席の指導に従った結果だ」と述べ、習氏を称賛した。

共産党政権はウイグル族の抵抗を警戒し、厳しい監視体制で統制を強化している。同主席は「テロの動きは今も活発だ。一刻たりとも反テロ活動を緩めることはできない」と語った。【3月12日 毎日】 
*****************

もっとも、中国も高まる国際批判を多少は気にしている面もあるようです。

****ウイグル族収容「徐々に縮小」 中国次官、国連人権理で演説*****
中国の楽玉成外務次官は15日、国連人権理事会の会合で演説し、新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族らの収容施設について「暴力テロ防止のための再教育が目的だ。教育が終われば規模を徐々に縮小していく」と述べた上で、将来的な閉鎖もあり得ると説明した。
 
国際社会の批判を交わす狙いとみられるが、自治区ではウイグル族抑圧への不満が強く、中国当局が実際に施設の縮小に乗り出すか不透明だ。
 
楽氏は施設について「収容キャンプではなく寄宿舎やキャンパスのようなものだ」と強調。「再教育」の効果により「過去27カ月間、自治区で暴力テロが起きていない」と訴えた。【3月16日 共同】
*****************

【現実に進むイスラムの中国化】
「収容キャンプ」「再教育施設」の実態は、2月15日ブログ“中国のウイグル族等への民族弾圧 「再教育収容施設」の実態 トルコの批判に映像公開、新たな運動も”でも取り上げました。

「イスラムの中国化なんて、民族文化を変えてしまうことができるのだろうか?」と日本的常識では考えますが、常識では考えられないような万里の長城といったものを築いた国であり、また共産党一党支配の国でもありますから、やるとなったら徹底してやるのが中国です。

そこが、中国の怖いところでもあります。

****中国のウイグル族拘束、次はイスラム社会の破壊へ****
中国西部のシルクロード沿いにある古いこの町では、膨大な人数の拘束を含む治安維持キャンペーンが次の段階へと移行していた。それは、(ウイグル族の)地域社会の破壊と文化の一掃だ。

中国のウイグル族拘束、次はイスラム社会の破壊へ
ウルムチでイスラム教徒主体のウイグル系住民に対する当局の一斉拘束が開始されてから2年が経ち、ウイグル族の生活とアイデンティティーの根幹部分はその多くが根絶やしにされた。

がらんどうのモスクは残っているが、その周囲にあった貧しい家々は、中国各地でよく見られるような、ガラス張りのビルと商店街に変わった。

ウイグル族の社会にとって、ナンと呼ばれる丸く平たいパンは、フランス人にとってのバゲットのようなものだったが、焼きたてのナンを売る屋台は姿を消した。かつてナンを焼いていた若い男たちの姿も、ナンを買う人々の姿も見られなくなった。

新疆ウイグル自治区の首府であるウルムチ市は、長らく世界のウイグル人社会の中心だったが、ウルムチの書店にウイグル語の書籍は見当たらない。

古くからウルムチの広範な地域を特徴付けてきたチュルク語文化は、中国人観光客向けに整えられた別バージョンに取って代わられた。(中略)

こうしたウルムチの変革は、中国共産党によるウイグル族同化政策の最新の側面だ。中国政府は、拘束措置はテロリズムに対処するものであり、取り壊しはこの地域への何十億ドルもの投資と相まって、発展をもたらしていると主張する。(中略)

専門家らによれば、共産党の目標は、以前から反抗的だった新疆ウイグル自治区を思い通りのイメージに作り変えることで支配を強化し、同自治区を世界規模の開発を行うとする習近平国家主席の野望の拠点の一つにすることだ。

ウルムチの都市再開発計画が2017年に発表された際、共産党系の新疆日報は、中国政府としては、移転を強いられた住民に対して補償を行い、「全ての民族グループの習慣と利便性に全面的に配慮して設計された」新たな居住区を設ける計画だと伝えた。ウルムチ市と新疆ウイグル自治区の政府は、この都市再開発計画について、コメント要請に応じていない。
.
中国共産党は、新疆ウイグル自治区の1400万人のチュルキ語系イスラム教徒(その大半はウイグル族)の中には暴力的で過激な傾向を持つ者がいると主張し、これに対処するための強力な対策を進めてきた。

国連の専門家らによれば、この「過激化阻止」目標達成のため、中国当局は、100万人ものイスラム教徒を抑留施設に収容し、他の多くの人々を電子機器による監視下に置いた。

中国の指導者らは、これら収容施設について、職業訓練センターだと説明し、世界的なテロとの戦いの新戦略として宣伝している。また、100万人という人数についても反論している。

ウルムチ在住で、国有資源会社に勤務するあるウイグル族の男性は「われわれはもはや、文化を持つことはできない」と語った。彼は、当局者が家にやってきて、コーランを没収した後、地域のモスクに行かなくなったという。「だれも(モスクに)行かない。危険すぎるからだ」

米ワシントン大学でウイグル族の移動状況について研究しているダレン・バイラー氏は、政府がウイグル族の独自性を示すものを制限したり、それを文化的に低俗なものとして扱ったりすることで、民族のつながりを弱めようとしていると指摘する。(中略)
.
ウルムチにはおよそ250年の歴史があるが、その大半には軍が駐留しており、住民の多くは同国で多数派の漢族だ。過去10年間の市の人口でウイグル族が占めた率は13%前後だ。

しかし、2017年の1年間で、ウルムチの公式な人口は前年の260万人から220万人へと15%減り、30年以上で初の減少に転じた。

住民によると、市の警察はその年の5月にウイグル族を一斉に検挙し、収容所へ送還し始めた。住民によると、同じ頃にウルムチの当局は新疆の他地域から同市に移住して来た人々を強制的に故郷に送り返したという。ウルムチ市はその後、新たな民族別の人口構成を明らかにしていない。

ウイグル族が市から強制的に追放されるなか、政府の資金が流入した。中国政府はウルムチに「一帯一路」構想のハブとしての役割を担ってほしいと考えている。

ウルムチ市は昨年、60億ドル(約6700億円)の空港拡張計画を承認したほか、市郊外で40億ドルの建設プロジェクトに着手した。この中には一帯一路の工業団地も含まれる。

公式なデータによると、2017年のインフラ、工場やその他の固定資産への総投資額は2020億元(約3兆3200億円)と、前年から25%増加した。18年1~10月の総投資額はさらに9%増加した。

ウルムチ市は昨年、市内の貧民街の取り壊しと再建のために700億元の資金を割り当てた。貧民街には新疆南部から移住してきたウイグル族が多数住んでいる。

当局は若い移住者、つまり、ナンを焼いているような人たちが暴力をそそのかしており、急進派が取り込もうとする格好のターゲットになっているとみている。

取り壊された貧民街の一つが、黒家山地区だ。かつては市場と2つのモスク(イスラム教礼拝堂)の周りに低層の簡易な小屋が無秩序に建てられていた。前出のワシントン大学のバイラー氏によると、2017年から18年にかけて取り壊されるまで、この地区は移住してきたウイグル族の生活の中心となっていた。

同氏によると、「金曜日には5000人から1万人の人々が礼拝に来ていた」という。

ウォール・ストリートジャーナル(WSJ)の記者が最近行った現地取材では、モスクは高層アパートの影になりながらも依然として存在していたが、閉鎖されているようだった。こうしたモスクを撮影しようとしたところ、記者らは拘束され、近くの警察署に連行された。

警察での尋問の際、シン(Xing)と名乗る地区宣伝担当当局者は、政府がモスクを破壊しないよう注意を払ってきたとし、「このことは政府がイスラム教を尊重していることを示すものだ」と強調した。

中国国営メディアによれば、ウルムチには2015年の時点で400以上のモスクが存在した。過去数年間に閉鎖されたり、他の目的に転用されたりしたモスクは数カ所だが、現在でも使用されているモスクの周りには有刺鉄線と監視カメラが設置され、わずかに年配の礼拝者が訪れるだけだ。(中略)

新疆ウイグル自治区の当局者らはまた、観光産業の推進を目指しており、投資が拡大すれば、過激思想を助長していると彼らが主張する貧困の根絶に貢献すると考えている。(中略)

観光に力を入れていることは、かつてのウイグルの商業的中心地にあった二道橋バザールの変化にも見ることができる。

この周辺は2009年の大規模暴動の際、最も深刻な暴力事件の起きた場所だった。2017年11月にWSJの記者が中国政府によるウイグル族監視の状態を記録するために訪れた際、二道橋地区は活気にあふれていた。

それから1年後、その場所はまるでテーマパークのように変わっていた。

かつては車と歩行者、警察の駐在所で混み合っていた通りは、通行をチェックする大きなセキュリティーゲートのある2本の遊歩道になった。

バザールの中心部では以前、ウイグル語で話す商人たちの声が聞こえていたが、現在では中国語と英語の元気のよいあいさつがスピーカーから流れている。

「観光客の皆さん、こんにちは!」。録音メッセージは観光客に「シルクロードの商業拠点の素晴らしい復活」を楽しんでくださいと語りかけている。【3月22日 WSJ】
*******************

【生命的に抹殺するよりは“穏便”?】
敢えて中国のやり方を弁護するなら、異民族に対する人権が尊重されるようになったのは歴史的・世界的にみて、近年の欧米など一部地域に限った話です。

古今東西の権力は、異民族を抹殺することに躊躇しませんでした。
ユダヤ人を抹殺しようとしたナチスもそうですし、今でもアフリカなどでは民族・部族間の殺し合いは日常的なことです。

そうした権力の本質からみたら、100万人を抹殺するわけではなく、再教育施設にいれるという文化的抹殺にとどめる“穏便な”方策を取っている中国は、まだ穏健な方なのかも。
コメント

トランプ大統領、「占領」下にあるゴラン高原に対するイスラエル主権を認める考え

2019-03-22 22:30:08 | 中東情勢

(イスラエル占領下のゴラン高原【3月12日 TRT】)

【国内の支持基盤をつなぎとめるねらい】
アメリカ・トランプ大統領が、エルサレム首都認定・大使館移転に続いて、戦略上も、また水源としても重要性を持つイスラエル「占領」下にあるゴラン高原に対するイスラエル主権を認める考えということで、イスラエル擁護の姿勢を更に加速させています。

****トランプ大統領 “ゴラン高原 イスラエルの主権を認める時”****
アメリカのトランプ大統領は、イスラエルが占領するゴラン高原について、イスラエルの主権を認める考えを明らかにしました。

来年の大統領選挙を見据え、国内の支持基盤をつなぎとめるねらいがあるとみられますが、シリアやイランが反発し緊張が高まる可能性もあります。

トランプ大統領は21日、ツイッターに「アメリカがゴラン高原でのイスラエルの主権を完全に認める時だ。ゴラン高原は、イスラエルと地域の安定にとって戦略上も安全保障上も非常に重要だ」と書き込み、ゴラン高原についてイスラエルの主権を認める考えを明らかにしました。

ゴラン高原はもともとシリアの領土ですが、1967年の第3次中東戦争で隣国イスラエルが占領しました。最近は、シリアのアサド政権を支援するイランが、ゴラン高原の周辺で軍事的な影響力を強めているとして、イスラエルがアメリカに、イスラエルの領土だと認めるよう働きかけ、トランプ大統領がその求めに応じた形です。

トランプ大統領は来週、イスラエルのネタニヤフ首相とワシントンで首脳会談を行う予定で、来年の大統領選挙を見据えイスラエル寄りの立場を鮮明にすることで、キリスト教福音派やユダヤ系のロビー団体など国内の支持基盤をつなぎとめるねらいもあるとみられます。

また、中東で影響力の拡大を図るイランの動きをけん制するねらいもありそうです。(中略)

イスラエル首相 “米大統領に感謝”
アメリカのトランプ大統領がイスラエルが占領するゴラン高原について、イスラエルの主権を認める考えを明らかにしたことについてイスラエルのネタニヤフ首相は早速謝意を表明しました。(中略)

イスラエルは敵対するイランがゴラン高原に隣接するシリア側で軍事拠点を築いたり、イスラエル側に向けてロケット弾を発射したりしているとみています。

このため、イスラエルは安全保障上の重要性が高まっているとして、アメリカに対して占領するゴラン高原の主権を認めるよう働きかけていました。(中略)

ゴラン高原周辺 緊張高まる事態も懸念
ゴラン高原はシリアの西部に位置し、広さは1800平方キロメートルと日本の大阪府ほどの面積です。

1967年の第3次中東戦争で隣国イスラエルがゴラン高原の大部分を占領し、その後も違法な占領を続けて1981年に併合しました。

国連安保理の決議はイスラエルの撤退を要求し、過去にはイスラエルとシリアの和平交渉の議題となった時期もありますが、交渉は頓挫したままです。

イスラエルの右派のネタニヤフ政権はゴラン高原は敵対するイランの勢力がいる地域と隣接し、安全保障上の重要性が高まっているとしてイスラエルの領土だという主張を強めていました。

ネタニヤフ首相は、今月11日、アメリカの上院議員をともなって現地を訪れ、「ゴラン高原は永遠にイスラエルの一部だ。国際社会とりわけ友好国のアメリカはイスラエル領だと認めてほしい」と述べるなど、トランプ政権への働きかけを強めていました。

こうした求めに応じてトランプ大統領がゴラン高原でのイスラエルの主権を認める考えを示したことで、敵対するシリアやイランが反発し、ゴラン高原の周辺で緊張が高まる事態も懸念されます。

去年5月には、トランプ政権がイラン核合意からの離脱を表明した直後に、ゴラン高原ではシリア側からロケット弾が飛来し、イスラエル軍との武力衝突に発展しています。【3月22日 NHK】
***********************

【中東の緊張を高めるとの批判も ただ、サウジアラビアなどは黙認か】
当然ながら、シリアは反発していますが、シリアを支援するロシア・イランもアメリカの対応を批判しています。

****ゴラン高原「シリアに帰属」=イスラエル主権承認、米に批判****
シリアのアサド政権は22日、国営シリア・アラブ通信を通じて声明を出し、トランプ米大統領がゴラン高原に対するイスラエルの主権を認めたことについて、イスラエル寄りの「無分別な偏見だ」と強く非難した。

その上で、「ゴラン高原は現在も将来もシリアやアラブに帰属したままであるという現実」を変えることはできないと強調した。
 
声明は、イスラエルが1981年に占領地ゴラン高原の併合を一方的に宣言した直後、併合を無効とする国連安保理決議が米国を含む全会一致で採択されたことに言及。トランプ氏の判断は「国際的な法秩序を軽んじるものだ」と訴えた。
 
ロイター通信によると、ロシアは米国の政策転換について「単なる呼び掛けにとどまることを期待する」(ペスコフ大統領報道官)と表明。ゴラン高原の地位変更は国連決議違反になると訴えた。ロシアと共にシリア内戦でアサド政権を支えるイランは「違法で受け入れられない」と述べた。【3月22日 時事】 
****************

別に、シリアおよびロシア・イランに限らず、上記にもある併合を無効とする国連安保理決議にみられるように、イスラエルのゴラン高原「占領」は違法であるというのが、西側世界を含めた“国際常識”でしたが、トランプ大統領にとっては、そんな“国際常識”よりは、キリスト教福音派やユダヤ系のロビー団体など国内の支持基盤をつなぎとめることの方が重要という“再選第一”ということのようです。

敢えてトランプ大統領の立場で言えば、「国際常識に従っているだけでは中東の安定やパレスチナ問題は全く進展していないではないか。事態を好転させるためにはイスラエルがこの地で果たしている現状を認めるところからスタートするしかない」ということでしょう。

そうした発想のもとでパレスチナ問題に関する「世紀の取引」もいずれ発表されるのでしょう。

ただ、イスラエルやトランプ大統領を含むイスラエル支持勢力にとっては「事態の好転」につながるものでしょうが、パレスチナ人やシリアにとっては権利を奪われる話にもなりますので、中東の安定に資するものかどうかは疑問があります。中東の混乱に火をつける危険もあります。

****米元中東特別代表 「ゴラン高原をイスラエルの領土と認定することは火遊びと同等」****
アメリカの元中東特別代表マーティン・インダイク氏が、占領下にあるゴラン高原をイスラエルの領土として認定するという取り組みは、火遊びと同等であると述べた。

インダイク氏は、ツイッター(Twitter)のアカウントから行った発表で、アメリカがイスラエルのゴラン高原併合を認定すれば、アメリカ政府が他の諸国家と共同で作成し、イスラエルも承認した国連決議第242号を侵害することになると警告した。

イスラエルが現在「安全上の懸念による」との理由でゴラン高原から撤退することはないだろうと述べたインダイク氏は、「気に入っても気に入らなくても、ゴラン高原はシリアの領土だ。イスラエルが自らのものではないゴラン高原を併合することを認定することは、政治的な目的にとっての火遊びである。どのアラブ諸国もそれを容認しない」と話した。(後略)【3月12日 TRT】
*****************

ゴラン高原のイスラエル占領が容認されるなら、次はパレスチナのヨルダン川西岸地区を蚕食するユダヤ人入植地も・・・ということにもなります。

ただ、問題は「どのアラブ諸国もそれを容認しない」かどうかです。アラブ連盟はトランプ大統領の発表を非難しているようですが、「現状追認・イスラエル容認」姿勢を強めているサウジアラビアやエジプトとシリア・パレスチナ自治政府などでは温度差があるでしょう。

“一方で米国は、サウジアラビアやエジプトなど主要なアラブ諸国と友好関係を築いている。なかでもサウジなどは、対イラン政策でイスラエルとの関係を深めていることから、トランプ氏側には、アラブ側も結局はイスラエルのゴラン高原支配を黙認せざるを得ない-との計算もありそうだ。”【3月22日 産経】

このあたりが、トランプ大統領を強気にさせている背景でもあります。

【総選挙を控えて逆風下のネタニヤフ首相には追い風に】
今回のトランプ大統領発表の数日前から“予兆”は報じられていました。

****米政権、ゴラン高原をイスラエル「支配」に変更****
トランプ米政権が今月発表した年次報告書で、イスラエル占領下の要衝、ゴラン高原の表記を「イスラエル支配下」と変更したことが、4月9日のイスラエル総選挙で苦戦を強いられる右派、ネタニヤフ首相への側面支援ではないか−との見方が出ている。

ネタニヤフ氏はトランプ政権と緊密な関係にあり、19日から中東歴訪中のポンペオ米国務長官は、イスラエルではネタニヤフ氏と会談。

トランプ政権が近く、ゴラン高原へのイスラエルの主権を認め、ネタニヤフ氏が自身の外交成果としてアピールするとの観測もある。(中略9
 
一方、米国務省は今月中旬、各国の人権状況に関する年次報告書を発表し、ゴラン高原はイスラエルの「占領下」としてきた昨年までの表記を「支配下」と変更した。イスラエルは第3次中東戦争(1967年)で、シリアのゴラン高原を占領し81年に併合を宣言したものの、国際的には承認されていない。
 
国務省当局者は「(ゴラン高原の)地位に関する政策は変わっていない」としている。しかし、パレスチナ自治政府報道官は、新たな「米国のレッテル貼りだ」などと反発し、米国が、イスラエルによるヨルダン川西岸などの占領状態も追認するのではないかと警戒を強めている。
 
ネタニヤフ氏は今月、在米イスラエル・ロビー団体の会議への出席を名目にワシントンを訪れる予定だ。トランプ政権がその際にゴラン高原におけるイスラエルの主権を認め、選挙直前の「贈り物」(イスラエル有力紙ハアレツ)とするのでは−との見方もある。
 
トランプ政権は、パレスチナとの間で帰属が争われているエルサレムをイスラエルの首都と認定し、昨年、西部テルアビブにあった米大使館を移転。ゴラン高原でのイスラエルの主権を認めれば、ネタニヤフ氏への支持拡大につながる可能性もある。
 
イスラエルでは2月末、検察が同氏を収賄罪などで起訴する方針を表明したほか、ガンツ元軍参謀総長らの中道政党連合「青と白」が支持を集めるなど、ネタニヤフ氏には厳しい選挙戦となっている。【3月20日 産経】
*****************

「占領」と「支配」という微妙な表現の変更ですが、表現が変更される裏には、何らかの実態面の変化がある・・・ということだったようです。

汚職問題の逆風を抱えるネタニヤフ首相も、ロシア疑惑などを抱えるトランプ大統領も、双方が国内支持固めに役立つウイン・ウインの「取引」ですが、繰り返しになりますが、そこにはシリアやパレスチナ人への配慮はありません。

イスラエルとアメリカ・トランプ政権の「蜜月」は、これまでの枠組みを超えるものになっています。

****米国務長官、嘆きの壁訪問 イスラエル首相が異例同行****
イスラエル訪問中のポンペオ米国務長官は21日、ネタニヤフ首相と共に、エルサレム旧市街のユダヤ教聖地「嘆きの壁」を訪れた。旧市街はイスラエルとパレスチナが帰属を争っており、米高官の訪問にイスラエル首相が同行するのは極めて異例。

イスラエルの主権を米国が認めることにつながるため、これまで米政府は同行を避けており、米CNNテレビは「外交上の伝統を破った」と報じた。

ポンペオ氏には親イスラエルの姿勢をアピールし、4月9日のイスラエル総選挙で苦戦しているネタニヤフ氏を「側面支援」する狙いがある。【3月22日 共同】
******************

「外交上の伝統を破った」というのは、トランプ大統領にとっては“ごく普通のこと”にもなっていますが、そのトランプ大統領のアメリカ国内での支持は底堅いものがある、再選という線も・・・という話をするつもりでしたが、いつものことながら“前置き”が長くなりすぎたので、そのあたりの“気の滅入る”鬱陶しい話は、また別機会に。




コメント (1)