半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

2℃の温度差が…「地球を守ろう」勉強会

2019年11月01日 | 素敵な空間・イベント

 

先日の「食と命の教室」で、参加者の1人が「地球を守ろう」という勉強会を成田で開く、という話をしました。

しかし、土曜日の時点で2人しか参加者がいなくて、逆に私たちの方がびっくり

そして、私や高柳さんらみんなで応援することになりました。

結果、わずか3~4日で30人満席に

しかも「食と命の教室」の同窓会みたいになっていて。

嬉しかったですね~。

 

さて、この勉強会、私は仕事があったので17時~19時の催しだったのですが、18時頃と途中参加。

しかし、なかなか凄い話でした。

 

一番大切なキーワードは「プラス2℃の気温の上昇」です。

私は途中参加なので、全体はわからないのですが、後半から参加しただけでも、ドイツを始め、欧州では大変なことになっていることがわかりました。

 

みなさん、9月の国連の環境サミットは覚えていますか?

グレタさんという環境活動家の少女がボートでニューヨークに来たという事や、小泉大臣がセクシー発言した、という事が日本で取りざたされていましたが、それとはまったく次元が違う事がヨーロッパでは起きていたそうです。

そもそも、あのサミットは国連が首脳級を集めた気候変動のサミットをするのは5年ぶりで、ある意味、「臨時緊急会合」だったようです。

正確には「気候行動サミット」で、二酸化炭素排出量の大幅な削減をするために具体的な行動と発表を求めての緊急サミットだったのです。

だから、ドイツを中心とした欧州各国は「具体的な発表」が出来るように準備をしていたのです。

だから、小泉大臣が「日本もリーダーとなるべく頑張る」と自信を持って発表したあと、「具体的な策は?」と突っ込まれて「私は大臣になったばかりなのでまだわからない」と答えたくだりがありましたが、あれは各国からすると「日本は何なんだ?」となってしまっているわけですね。

 

というのも、欧州では8月頃に

「あと18カ月で何とかしないと地球の温度が2℃上がる局面に入り、もう気温上昇の歯止めが効かなくなる危機的状況」

というのがイギリスのBBCを始めとした各国の国営放送がトップニュースで流れて、「いよいよこのままだと地球がまずい」という状況が広がったそうです。

どういうことかと言うと、私が聞いた記憶が間違っていなければ、

「2019年からさらに2℃上がると温暖化は加速して止められなくなり、2100年には世界の平均気温が40℃を超え北欧しか人間はまともに住めなくなる」

という事だそうなのです。

 

補足説明すると、この5年で世界の平均気温は0.2℃ぐらい気温は上がってしまいました。

そして、二酸化炭素の排出量は加速度を増していて、このまま何もしないと平均2℃上がってしまう、という計算が出たのです。

例えば北極、南極の氷が溶けると、宇宙からの太陽光線を「鏡の効果」で反射しているのが出来なくなり、熱がこもりやすくなります。

さらに、膨大な氷が溶けることで「氷解熱」が出ます。

また、水には炭酸が溶けるように二酸化炭素が溶け込んでいますが、それが限界に近づいていて、飽和したらもう二酸化炭素を吸う余地が無くなってしまいます。

さらに、今、海流の底が急激に温度が上がっていて、ついに表流水の温度が上がってきてしまいました。地球のほとんどを占める海の温度が上がって表流水まで温度が上がってしまうと、直接、空気を温めてもう温暖化は止まらなくなります。

ティッピングポイント、その限界点を超えると一気に雪崩式に次のステージに行ってしまう、という言葉がありますが、その「もう後戻りが出来なくなる」という状態が「あと2℃の気温上昇」という事なんです。

 

こういうことが夏に発表されて以来、欧州は一気に温暖化対策に傾き、9月の「国連気候行動サミット」に向けて発表が出来るよう、特にドイツは6兆円の予算を組んだそうです。

(ちなみに、私が調べた限り、その6兆円は補正予算は組まず、カーボンオフセット、つまり、環境対策してⅭO2削減できたと計算出来た分を日本などにお金で売って得る計画だそうです)

そして夏から、子ども達が「学校に行っている場合ではない」という事で、グレタさんのような集会を各地で開き、学校に行かない児童が増えてきて、「気候行動サミット」に向けて大規模な集会を行うような動きになっていったそうです。

日本も含めて世界150か国がそういったストライキや集会がされていて、日本でも小規模のはあったようですが、何よりニュースになったのは小泉さんのセクシー発言ぐらいでした。

ところが、ドイツや欧州では、毎日、トップニュースとして環境問題が流されていたそうです。

そして、子ども達は「大人は、将来のために勉強しろというけど、このままだと私たちの将来は無い」という事で、「好きな学校に行かなくても仕方ない、そんなことより地球を守らないと」、という行動になったそうです。

ドイツでは「結婚して子供を産んでもしょうがない」という少女も出てきているそうです。

で、その話に感化された大人も多く、今回の「地球を守ろう」プロジェクトを立ち上げたドイツ在住の日本人の青年の谷口さんもその1人だったそうです。

「ドイツでは毎日トップニュースで環境問題が流されていて、環境サミットで各国が大胆な環境対策を発表しているのに対し、日本では何も具体的な対策を発表していないばかりか、メディアでは小泉大臣のセクシー発言ぐらいしかとりあげられない状態を見て、あまりの温度差があると感じた。ドイツの仲間とドイツ国内で集会を開いていこうと予定していたけど、自分は日本人だから、帰国して日本を9月から周り始めこの無料の勉強会を開いている」
ということでした。

凄い話ですよね~。

しかも、手持ち弁当で最初はやり始めたそうです。

「そもそも、話を聞いてもらって知ってもらいたい、という事で来たのでお金はいらず、無料でやることにしました。でも宿泊費や移動交通費が結構かかるので、寄付してくれる方にはお願いしている」と、手持ち弁当で全国を回っていて、その輪が広がり、9月~12月で47都道府県を全部回る予定が既に組まれているそうです。

で、彼の住むドイツのミュンヘンでは、教育委員会も最後は「学校に行かなくて集会に行って良い」という決断を下し、その大集会の日はバスの運転手も飛行機のパイロットも集会に参加し交通機関はストップしたそうです。

だから「あの日は、飛行機に乗りたくてもパイロットがいないから飛行機が飛ばなかったんですよ(笑)。バスにも「これから集会に行ってくる」という張り紙をして運転手がいなかったり(笑)」と谷口さんは話していました。

 

そして今では欧州の大企業の経営者は「飛行機に乗るのはⅭO2を莫大に出すので恥だ」となっているそうです。

欧州各国の飛行機会社も「飛行機を30%削減して電車事業にシフトする」と発表しているそうで、そんなこと、全日空や日航はどう思っているのでしょうか?

 

そして肉を食べる事が環境破壊や地球温暖化につながるという理由でドイツではこの1年でヴィーガンが子供を中心に300~400万増えたそうです。

特に子ども達を中心にヴィーガンが広がっているようで、今回の主催者の谷口さんという青年もこの1年でヴィーガンになったそうです。

 

補足説明をすると、森林伐採の多くは「農耕地開拓」のために行われています。

日本の商社がアマゾンの森林を伐採して大豆を植えていますが、大豆と言うのはほとんどが「家畜のエサ」のために作られています。

木を切ると当然ⅭO2の吸収が少なくなり温暖化につながります。

畑にするために燃やしたら、それも大気中にⅭO2が排出されます。

更に、野菜というのは1作ったら人間はその1を食べれば済みますが、肉だと鶏肉1kgに対してエサが3kg、豚肉1kgに対してエサが6kg、牛肉なら10kgのエサが必要、という感じで、必要な肉をとるために必要なエサの量が沢山多いのです。(すみません、比率は私の記憶がうろ覚えなので、大体です

ベジタリアンやヴィーガンの本質は、「他の命をとって自分の命を保つことは良いのか?」といったところから来る人が多いのですが、ここ数年の潮流では、「肉食があることで世界の貧困や地球温暖化が起っている。なら肉食はしない」という理性的な判断をしている人が欧州では増えているのです。その流れが加速した、という事だと思います。

ちょっと農林水産省のHPで調べてみましたが、例えば日本では、乳牛でも肉牛でも約90%の濃厚飼料が海外の輸入ものです。

「日本国内の耕地面積が462万8千ha(2008年)であるのに対し、飼料用穀物等の輸入量を生産するための面積は429万ha(2007年)」

と書いてあります。

つまり、最近私が書いた「エコロジカルフットプリント」で言えば、日本の家畜の「濃厚飼料」だけで日本の耕地面積全てを使ってしまうっているのですから、いかに日本は他国の土地を使って今の生活を保っているかがわかります。

 

さらに深刻なのが「牛のゲップ」です。反芻動物のゲップはメタンガスで、二酸化炭素の23倍ぐらいの温暖化効果があるのです。

例えばニュージーランドは人間より羊の頭数の方が多くて、本気で「ゲップ問題」は「二酸化炭素排出量抑制の重大問題」として扱われてきました。

 

それがアメリカや日本など「資本力」で他国の土地を買いあさっていると、もう北海道のレベルではない大開墾をしてしまいます。

 

日本人で現地を見たことが無い人には想像が出来ないでしょうが、海外の「家畜」「農業」は「大地の使い捨て」です。

開拓して大豆を蒔いて、育てて荒れ地になったらそこは捨てる。

水でくみ上げて地中の塩分が表土に浮き上がって塩害になったら、使い捨てる。

が当たり前です。

 

世界で、毎年、九州と四国の面積が1年で砂漠になっている、と言いますが、日本のような四季があって雨量があるのは珍しくて、欧州や中国、インドやアメリカなどは砂漠やサバンナが多いので、ちょっとした緑地を農地にしてしまうと、もうすぐに砂漠になってしまうんですね、

日本で思っている農業とは世界の農業は次元が違うんですね。

そして牛の頭数も半端ない。

 

大人たちが動かないなら、自分達でそういった地球温暖化につながる肉食を止めよう、という事でヴィーガンが欧州の子ども達で急速に広がっているわけです。

 

一方で、日本では小泉大臣のセクシー発言とかしか取り上げられなく、「2℃、温度が上がると、もう温暖化は止まらず、2100年には北欧しか人類は住めなくなる」という危機感が広がっている欧州との「温度差」が全く違う事が、今回の谷口さんのお話でわかりました。

ほんと「2℃」についての、欧州との温度差が全く違うんですね。

 

私から見れば欧州はパニックに陥っているぐらいの状態に聞こえますが、あちらからみれば、それだけ深刻な事態になっているのに「セクシー発言」とかがニュースになっているだけの日本、しかも先進国で唯一、ⅭO2排出が無茶苦茶多い石炭火力発電所を今から50基以上も作る計画を立てている日本を「何をやっているんだ?」と怒りや呆れた顔で見ているかもしれません。

だから、サミットが開かれた国連の前で、安倍さんの人形が作られて抗議されちゃうわけです。

と、沢山書きましたが、今回の「地球を守ろう」の運動は12月まで各都道府県で続きますし、東京でも開かれる予定があるので、都合がつけば是非一度行って見てください。

「まずは知ってもらいたい」という谷口さんの熱意を感じるだけでも、価値はありますし、また日本との「温度差」を感じますよ。

http://chikyuwomamorou.com/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ