半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

相場ではなく、おつきあいのある方へ一定価格で

2021年11月10日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝採り野菜ボックス」のお手紙です。

 暦の上では冬。朝晩が大分涼しくなりました。今年は秋が結構暖かめだったので、野菜がぐんぐん育ってしばらく野菜が安かったですね。秋から冬にかけて日はどんどん短くなるので、種まきを1日ずらすと収穫が1週間ずれると言われています。そのため、9月から2~3日おきに種を蒔くことで10月以降に出荷が継続して出来るのですが、例年より気温が下がらなかったので野菜がどんどん生長して出荷出来る野菜が次々に出来て相場が安くなったのです。

 一方、本来11月に出す予定の野菜が10月に出来てしまったので、野菜によっては品薄になって値段が高くなってきた野菜もあるようです。結局、世の中の野菜は半分博打で、どこかの産地が不作で自分のところが豊作だと相場が上がり大変儲かる。逆に全国的に豊作だと相場が下がり箱代も出ないので畑でつぶしてしまう。それでも4~5年単位でも良ければ「まあ、儲かる年もあれば儲からない年もある。そんなもんだ」という感じです。特に、嬬恋のキャベツや信州の高原レタスなどの大産地はその傾向が強く、単一作物を大規模に行っているが故に、アップダウンが激しいのです。また、別の観点から言えば、連作は病害虫を呼ぶので産地と言われているところは農薬の使用量が凄いのです。有名だから良い、というわけでは無いんですよ。

 有機農業はその反対です。今でいう生物多様性ではありませんが、例えばジャガ芋を作ったら緑肥を育てて畑を1回クリーニングし、その後にホウレン草を蒔く、といったように輪作(りんさく)をします。畑の土に偏りが出ないよう同じ作物を連続では作らず、病害虫を呼ばないような作付けを心かげます。また、土作りのために適度に堆肥を入れ、みみずの会では米糠と糖蜜と鶏糞と竹林からとった菌を入れて嫌気発酵させた、パイナップルのようなフルーティーなぼかし肥料を使い、畑に良質な微生を増やします。

 その上で基本的には作付け計画に従って種まきをします。例えば3月に大根を出すために12月にトンネルで種まきをどのぐらいするか、出荷元と調整して決めます。そして価格はずっと一定。

 もちろん、今秋の前半のように暖かくて野菜が一気に出来てしまい、今はちょっと品薄、というのは一般農家と同じなです。しかし価格は同じなので、野菜が余り気味の際は注文が少し減り、野菜が不足気味の時は注文が増える、なんてことも普通で、世の中に振り回されてしまうこともあります。それでも「1年を通して消費者と生産者が支え合う関係が本来のあるべき姿のはず」といった理想を掲げて行っているのが、有機農業なのです。安心・安全というのは食べ物なんだから当たり前の話で、あえて誇張することでは無いんですよね。

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