半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

秋から冬へ、畑も空も虫も人間も冬支度の時節です

2021年11月16日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

朝採り野菜ボックスのお手紙です

暦の上では冬になり、体感でも朝晩はだいぶ肌寒くなってきました。日暮れが早くなり、曇天や小雨の日には気分もさえない時もありますが、ここ最近はとても空気が澄んでいて空がきれいです。特に夕暮れ時の西の空は「美しい」と叫んでしまうほどです。色彩のグラデーションは、まあとても絵筆では描けないほどです。

空気が澄んでいる日は、成田からでも北は筑波山、西南には富士山が見えます。冬は物寂しい季節ではありますが、空気が澄んでいるととても気持ちが良い季節ですね

 さて、農村では稲刈りが終わり、また、葉野菜に殺到していた虫がほぼ収まったので、ほっと一息ついているところです。

もちろん、お米を作っている根本さんのように広大な田んぼをやっている農家は、11月は麦まきの季節なので麦まきに追われ、蕎麦の収穫に追われ、12月に入ると大豆の収穫に追われます。雨が降るとなかなか乾かず作業が出来ないので、今週末はお子さん連れのご家族向けの「田んぼと畑の耕育教室」で蕎麦打ちをやるのですが、「全く間に合わない助けて」といつも通り大変な状態です

 稲作に関しては、昨年に「来年度の米価目標は過去最大の下げ幅に」となり大騒ぎになりましたが、今年は予想通りかなり低い米価になっています。お米を作っても今の日本人はパンや麺類を食べる人が多くなったのでどうにもなりません。そのため今は新潟や富山などブランド産地は別として、一般的な稲作農家は作付けの半分をお米以外にしています。主たるものが飼料米といわれているもので、牛さんのエサですね。また麦や大豆や蕎麦などを育てることでもらえる補助金で何とか生計を立てています。


 そういえば私の師匠のおかげさま農場の髙柳さんが見つけてきた資料で「日本人の腸内細菌には、米があっていて良質なエサになる」というものがありました。数千年、米を食べ続けてきた日本人の遺伝的な理由でしょうかね?

 一方、もちもちをもたらすグルテンは消化がかなり悪く胃腸に負担をかけるだけでなく、腸内細菌にはあまり良いエサでは無い、という説を唱える学者もいます。まあ、お米を食べよう、というための説なのでどこまで本当かわかりませんが、パンを食べた時とお米を食べた時ではおかずや味噌汁の有無など献立自体が変わってくるので、和食は全体的に胃腸に合っている、とは思います。

 話がお米話に飛んでしまいましたが、農村では一般的には虫だけで無く草も伸びなくなったので落ち着いた時期です。これから種を蒔く畑にはビニールトンネルをかけるなど、手間はかかりますが仕事全体は落ち着いています。

11/23は新嘗祭なので神棚に新穀をお供えし、収穫への感謝の意を伝え、田の神様は山の神様として山に帰って行きます。年末に向けて気ぜわしくなってきますが、畑を耕したり、畦の草を刈ったり、道路や小屋や道具の修繕をしたり冬の仕事を出来る範囲で始めます。

「農家は1年を1つの単位として暮らしている。1週間単位、(土)(日)は休みという会社員とは全く生活が違うんだよ」という髙柳さんの言葉を良く聞きますが、私も同様な生活をして10年、「今年ももう終わりだな~」と感慨深くなる時節です

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 相場ではなく、おつきあいの... | トップ | ヘロヘロになるまで頑張った... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

朝取り野菜ボックスのお手紙」カテゴリの最新記事