今週の朝取り野菜ボックスのお手紙です
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今は「秋深し」と言う時期のはずが、なんと30℃と訳が分からない温度になっています。地球温暖化の問題は、平均気温が高くなること、台風が発生したり突発的豪雨が発生したりと気候の不安定さが激しくなること、そしてその結果、自然界のバランスが崩れ食べ物が今まで通りには手に入らなくなることです。
最近の米騒動で一般的に「これから食べ物はどうなっちゃうのだろう?」と、ちょっとした焦りを持つ人が増えてきた気がします。ただ、メディアがどれだけそういった事を煽るかで国民の関心度合いは変わってしまうので、米騒動が下火になれば食べ物についての関心事も下火になってしまうかもしれません。
またテレビではなくショート動画を中心に生きているような人も増えてきたので、そもそも食べ物に関する問題意識は無く、「何でもよい」という人も多いのでしょうね。
日本はなんでもアメリカの20年遅れなので、私の知っているアメリカのお話をすると、移民などの低所得者層は「生鮮食品」は食べる事が出来ず、安い加工食品、つまり冷凍食品や出来合いの物をチンするだけ、という生活になっています。
そして果実、生野菜などは高くて買う事が出来ない家庭では、そもそも料理が出来ない親御さんも多いのです。
5年ほど前に見たTEDでは、あるシェフが「アメリカの一部の学校の給食のミルクには、おかしいほどの砂糖が入っている。また、貧困家庭は料理の仕方がわからないので、不健康とわかっていてもそこから抜け出せない」という問題を指摘していました。
そのシェフは社会運動として、貧困家庭に「野菜炒め」を教えるワークショップを開催していました。つまり「野菜を買ってきて野菜炒めを作ること」、そんなことさえ出来ない貧困家庭が多いのです。
日本でもカップラーメン、電子レンジが当たり前ですが、この前、芸能人の永瀬廉くんが「お湯を沸かすのは面倒でやりません。だからカップラーメンも食べないっすね。自炊と言えばパックご飯をチンしてマヨネーズかけて食べるぐらいです。あとはウーバーです」と言っていました。
日本では貧困ではなく、面倒だからという理由で調理する事が減ってきてしまっているんですね。
日本の食品メーカーの技術は世界トップなので、「冷凍食品や加工食品の何が問題なの?」と思う人も多いでしょうが、加工品はコストを考えると、生の野菜、生の魚、生の肉を調理して作る料理と全く別質のものとなります。
加工品は材料費をいかに下げるかが勝負なので、あれやこれやと添加物を足して増量したり、不健康な材料をごまかすために味付けをします。また、そもそも加工をすればするほどビタミンや酵素といった命の根源となる物は減っていきます。
ざっくり言ってしまえば、「生鮮食品を丸ごと買ってきて料理する家庭」と「カット野菜や切り身などを買ってきて包丁を使わないで料理する家庭」、そして「完成品をチンして出す家庭」では、同じ料理が食卓に並んでいても内容はそれぞれ違うという事ですよね。
しかし、日本では丸ごとの野菜、丸ごとの魚を買うより加工品の方が安い、というおかしな事が起きています。そんなことを「おかしい」と思わせないほど、日本のメーカーや小売りは巧みなのです。ですが、その巧みさの結果、自給率や健康な食べ物に対する問題意識が高まらないのは、大きな問題ですよね。