半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

有機JAS法って。。。

2010年10月16日 | 農的体験・生活
 最近、朝日が出る前は畑の野菜や雑草にはびっしょりとなるほど朝露がついています。朝日が浴びるとキラキラしてきれいですよ

 私の畑では野菜はすくすく育っています

 でも、世の中は今は野菜の高騰が続いているんですね~

 農水省からは、9月末のトマトとネギの小売価格が過去最高値になったという発表があったり、これからも野菜の高騰が続くのでその対策会議を開いていました。
 今の時期は、ちょうど8月末~9月頭のまだ暑い時期に種をまいたものが本来なら出荷されている時期。
 逆にいえば、無農薬野菜を作っている農家さん達も、10月一杯は虫の被害でまともなものが出せませんが、11月からは安定して野菜がだせそうとのことです
 
 
 さて、この度、仕事を通じて19年もの間、無化学肥料で小松菜、ほうれん草、水菜などの葉物野菜を栽培しているベテラン農家さんのところに行ってきました

 19年前といえば、まだまだ農薬や化学肥料は当たり前の時代で、周りの農家さんから「変わり者」と思われただけでなく「馬鹿だな~」と言われた事もあったそうです。

 それでも少ない資金で30アール(約900坪)の土地にハウスを建て、そこで育てた野菜で得たお金をまた次のハウス建設につぎ込み、少しずつハウスを増やしていきました。当時は今の1棟分の費用で3棟分のハウスが建ったそうです。だから、今からハウスを1から建てるとなると、さすがにこんなには建てられないそうです

 あえて葉物野菜で有機栽培に特化した経営を行いレストランや高島屋などと契約しており、1年を通して安定した供給をする為に、天候などの影響を受けにくいハウスで栽培をしているそうです。
 現在は、2町歩(約6千坪)の土地に建つハウスの数はなんと54棟になります。凄い
 更に、ここで年6~7作もするんだって
 そりゃ~、露地栽培だったら年2回が普通だから、生育スピードが速い葉物に特化して年6~7作もしたら経済効率は無茶苦茶よいですよね~
 凄いな~

 また、9年前に有機JAS法が制定され以来、ずっと有機JAS認定を取り続けています。使える資材に厳しい制約があり、例えばトラクターは有機JAS認定がされていない畑には入っていはいけない、といったような厳しい制約があるそうですが、卸し先が野菜の必要条件としているので取り続けているそうです。

 色々お話を聞いたのですが、一番面白く興味深かったのが有機JAS法のお話でした

 私も調べたことがあるんですが、有機JASって良くわからないんですよね。
 わかることは

 ・普通の野菜(1回収穫したら終わり)であれば、2年間、指定された農薬以外のものは使っておらず、化学肥料を使っていない
 ・果物や1回収穫しても毎年生えてくるもの(アスパラ、にら等)は、3年間指定農薬以外は使っていないもの
 ・DNA組み換えをしていない種や苗を使い、放射線照射をしていない(流通しているじゃがいもなどは、芽が出ないよう放射線照射を良く行います。怖い
 ・年に1回、認定機関が調査しに来てOKのところだけ有機栽培物とかオーガニックとうたえる
 ・調査するのはもちろん1つ1つの畑毎

 ということぐらい。
 有機JASっていっても使える農薬があるっていうけど、資料見てもよくわからないんですよね。。。

 で、この農家さんに聞いてみたらなんとなくわかりました。有機農産物は・・・
 ●有機JAS法で指定された農薬は使っても良いので「無農薬」とはうたえない
 ●指定されている農薬も「小松菜、ほうれん草には良い」と書いてあっても、例えばキャベツにはだめ、となると使えない
 ●農薬といっても「成分」が指定されているのであって、農薬メーカーから例えばA、B、Cという商品があって、その商品毎にどんな成分が入っていて、どの野菜に使えるかが決まっていて、とてもじゃないけど農家がそれを全て理解するのは出来ない。だから、農薬メーカーに聞いたり、有機JAS認定機関にその都度聞いて、大丈夫といわれたものだけを使うしかないので、凄く手間がかかる。
 ●有機JASシールの保管も大変で、数が足りなかったりすると指摘されてしまう。

 など。

 そりゃ~、大変ですよね~。。。

 しかし、有機JASだからといって「農薬は使っていない」と勘違いしやすいですが、そうではない、ということは何だか更に野菜の世界を難しくしていますよね。。。


 ちなみに、家庭菜園をやっていたりするとよく聞く「天然成分由来だから安心の農薬」というのでBT剤とかありますが、これは「漢方は化学合成農薬ではないが、薬と一緒で安全とは必ずしも限らない」というのと同じだそうですよ。
 除虫菊、というものから抽出した成分が良く「天然農薬」として有名なのですが、これも「本当に安全か?」というとわからないそうです。

 つまり、知れば知るほど「わからなくなる世界」なんですね。。。

 まあ、あとはどの程度を「適切」と個人個人が判断するか、ですよね?

 普段の生活で車の排気ガスとか吸って、タバコの紫煙を吸って、電磁波バリバリの携帯を使って、添加物たっぷりのお菓子を食べて、、、としているのだから、あんまり神経質になってもね

 私は、「顔の見える生産者・・・できれば知り合い」の農家さんのものか、自分で育てた野菜を「できれば」食べて行こうと考えています。

 ちなみに、私が渡邉さんの野菜がいいな~、と思っているのは、人柄も良いんですが、野菜を育てながらその都度起こるちょっとした畑の事件(種が発芽したとか)に目を配る余裕がある、あたりが凄い共感できます
 普通のプロ農家は「仕事」であって、家庭菜園的な「野菜を育てる楽しみ」には慣れすぎてしまってなかなか目が向かないんですよね
 そして安全性からいっても動物性堆肥をほとんど使っていない、とか、そういったところを「安心」と思っているからです

 またまた長文になりましたが、また新しい事を知ることができました
む~、知れば知るほど「野菜の世界は面白い」な~ 



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1 コメント

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Unknown (daikaisui)
2010-10-24 09:41:40
無農薬栽培もいろいろと定義を厳密にやると面倒だし、確かに知れば知るほどわからなくなる面があるのでしょうね。

 我が家は家庭菜園ですが、無化学肥料ではあります。
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