半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

房総一人旅① 鋸山のすごさ!

2023年04月02日 | 農的体験・生活

奥様のお友達が沖縄のリゾートホテルで働いていて、春までいるとのことで、子供を連れて5日ほどの旅行に旅立ちました。私はというと仕事があるのと、飛行機にあんまり乗りたくない、ということで、お留守番。

代わりに、去年、自然薯掘りで知り合った房総移住者に会いたかったので、房総1人旅をしよう、ということで、子供が生まれた後で初になるかな?。1泊2日で行ってきました

 

まず、観光地で有名な鋸山に行ってみよう、ということで、初めていったのですが、これがびっくり、本当に凄かった

「聖武天皇によって726年に開かれた関東最古の勅願所」ということで、由緒正しく、帝より国号を冠する「日本寺」というところで、観光地というよりお寺さんだったのです。

まず、ロープウェイで頂上に行くと、頂上駅には小さな展示場が。

昔の石切道具や作業の様子が垣間見れる展示で、ちょうど眼下に見える金谷港まで石を運んで輸送していたわけですが、「人力で切り落とし船場まで運んだのか」と昔の人の苦労と根性を垣間見ました。

東京湾を挟んで昔は伊豆とやりとりがあったらしく、最初は砂岩というか、くずれやすい石だったようで、鋸山から石が運び出されるだけでなく、伊豆から石が運ばれてきて、というのもあったようです。その後、技術が上がって下の方の硬い石もとれるようになったことで、早稲田大学、靖国神社などにも使われているとのことで、いきなり「へ~」がてんこ盛りでした。

さて、入り口で入場料(拝観料)を払ってパンフレットをもらい、中に入ると、まず最初にある分かれ道が階段を上った先にある「十州一覧台」。いきなり急な階段を昇ると、確かに関東8州どころか駿府の方まで見渡せる10州がみれる高台で、ここには弘法大師(空海)など多くの偉人が来ていたようです。

そこで「世界救世教記念碑」というのがあって、「なんじゃらほい?」と思ったら、岡田茂吉の宗教でした。世界救世主教というと、怪しい団体に聞こえますが、有機農業会では少し有名で、昔、TVCMで「MOA美術館」というのがあったと思いますが、その母団体。「自然農法」を推進したということで、無農薬で野菜を作っている人達からすると、知っている宗教です。

階段を降りて経っていた入り口の看板を見ると、なるほど、そういう関係かとわかりました。岡田茂吉が十州一覧台でご来光を受けた時に「神勅」を受けて、宗教を開いた、という縁があったそうなのです。

「関東最古の勅願所」と銘打つだけでなく、実際に、切り立った岩山のてっぺんは、修行僧にも自然の威厳を感じられる場所だったのでしょう。実際、弘法大師が100日間護摩を焚いた、といったり、多くの僧が主業をした場所なわけです。そこで、神勅を受けて宗教を始めた岡田茂吉が、その後、廃れていった日本寺の再構築のために、多大な寄付や寄与をしたということで、岡田茂吉の力添えで崩れ果てた道が修復された、という事が書いてありました。

いきなりそういったうんちくと急峻な階段に出会って、「なかなか手強いぞ」と思いながら先に進むぞ、観光スポットになっている100尺観音や地獄のぞきなどありました。特に地獄のぞきは無茶苦茶行列が出来ていて、20分待ったけど1/3ぐらいしか行列が進まず、しかもその少し離れたところも似たようなところがったので、列を外れて次に行きました。

観光スポットとして「地獄のぞき」は良いのでしょうが、どうやらそういった場所ではないぞ、ということで、次の大仏広場へ。

日本寺の大仏は日本一だそうで、鎌倉の大仏が13mちょっと、奈良の東大寺の大仏が18mちょっとに対し、ここは31mちょっとと大きいのです。さらにアンコールワットみたいに石をくり抜いたような形で、むっちゃ荘厳で迫力があり、まさに「霊験あらたか」。

ここまででも既に足がカクカクしてきたので、小休憩ということで、広場の売店で「当店のみ販売」と書いてあったら紫芋のきんつばと、お願い地蔵尊に奉納する小さなお地蔵さんを購入。

きんつばは超大当たりでめっちゃ美味しかったです

また、お願い地蔵さんに名前を書いて奉納して、世のため人のために貢献できるよう、健康で元気に暮らせていけるようお願いしました。ほんと、ここまでで、今まで行ったことがある神社仏閣でナンバー1という状態な雰囲気に。

日本一の大仏様も過去に見た大仏様より全然違う力を感じたわけですが、実はインド政府からブッダガヤの菩提樹の分木が贈られて植えられているなど、そこかしこに「これって、凄いんじゃない」というのがあるわけです。

例えば、この大仏広場ぐらいまで人気が多いのですが、そこを過ぎるともう人がほとんど歩いていない。観光地としてはこの大仏ぐらいで足腰がカクカクしてくるので「帰ろうか」となるのでしょう

逆に大人1人旅だとゆっくり回れる時、人気も無くなってきてじっくり回れます。その道中、例えば弘法大師が掘った石像の大黒天がこっそり祀られていて、誰1人いないわけですが、「ここって凄いんじゃない?」と思ったり。

あるいは、平家に追われた源頼朝が植えたとされるソテツがあったり。ここの大仏さんは戦傷を癒やすことで有名だそうで、頼朝が武運を祈願したそうで、鎌倉幕府を開いた後に、すぐに全山修工をしたそうです。頼朝と房総は縁がある、となんとなく話を聞いたことがありましたが、ほんと、そうなんだ~、と実感出来る場所でした

ちなみに、シカかイノシシの足跡らしきものがあり、たまたま通りかかった管理の方に話を聞いたら「ここは夜になるとシカもイノシシも出てくるんですよ~」と言っていました。すんごい石の山なのですが、林もあって、やっぱり獣が住んでいるんですね~。

また、通天窟というところは、石壁を掘った祠のようなところで、道元禅師などが祀られているのですが、もういかにも、という感じでとても写真を撮ろうという気が起きない、ちょっと怖いほどのところ。また、その横に文字がくっきり読める石碑があって、読んでみると房総に花栽培を広めた嘉永に埼玉で生まれた内田太郎吉扇の歴史が書いてありました。江戸時代は花問屋みたいなのは4カ所ぐらいしかなくて、千葉なんて全く無かったのを、内田太郎という人が花栽培の技術を惜しげも無くあちこちに伝承して、生きている打ちから観音様と呼ばれているような徳人が、千葉にもその技術を広めた。水仙が始めだったらしいのですが、千葉の花栽培の元祖、という方だったそうです。

ただでさえ見ているだけで「凄そうな石碑」と思うのですが、まあ、子供連れの観光目的では、こんなのをわざわざ読む人はいないですよね~。これも大人1人旅の醍醐味です


その辺にある石碑1つ1つも年代物で凄いのですが、あちこちに頭を破壊された無数の石像もありました。行き交う家族連れが「なんで頭無いんだろうね?そういったのをわざと展示しているのかな~」という声が何度も聞こえてきましたが、大人1人旅の私としては「おいおい、入り口の看板読んでいないのね」という感じ

入り口の看板に、苦難の歴史がずっと書いてあるのですが、明治の廃仏毀釈でボコボコにやられてしまった名残なのですね。その後、昭和に入って復興が始まったと思ったら、今度は太平洋戦争中に入り要塞化された悲劇の歴史があったり、深い歴史が学べるお寺さんなんです。

と、まあ、子供と行く観光地ではなく、歴史を学ぶ名所で、山全体が国宝級じゃない?という思うほどでした。年に1回は通っても良いな~というほどの感銘を受けた次第です

ここまで凄いと思った神社仏閣は初めて。まあ、そういった歳になったのでしょうね

 

さて、お昼は教えてもらった「ばんや」というところでお食事。そして去年知り合った房総移住の釣りの先生の所にお邪魔し、少し教えをいただいて、金谷港でイカ釣り初チャレンジ

というのも、「今の時期、夕方にコウイカが釣れるらしいからエギ持ってきたら」とアドバイスを頂いていたのです。エギなんて使った事が無いのですが、「これはチャンス」と、前日に半日かけて道具を揃えたり、本を読んだり動画を見たり準備をしてきました。実は旅行準備と言いながら、前日は半分、釣りの準備で大変だったのです

エギも1つ1000円ぐらいしたのを最初買おうと思ったのですが、ちょうど型落ちのが安く売っていたので、急遽そちらに切り替えて2つ持参しました。

そして、「この堤防の左側が釣れるよ。砂地だからずる引きで釣れるよ」と細かなアドバイスを頂いたのですが、なんと、堤防の一番左端でやったらいきなり根がかり、2つめは釣り竿のガイドに引っかかって、と、2つのエギが30分経たず飛んでいってしまったのです

釣りの先生も「あぁ、一番左は根がかるの伝えなかったね」と言ってくれましたが、いえいえ、あくまで私の技術と準備不足。反省でした

そして、釣りも散々だったので1時間ぐらいで退散して旅館へ。「残り1部屋」という人気旅館をなんとか予約したら、なんと私1人のみだって

貸し切り状態だったの恐縮でしたが、お風呂も良く、若夫婦の女将さんと旦那さんも素敵で、料理が抜群。特にこの富津地区は「はかりめ穴子」というブランド穴子があって、急遽、用意してくれて美味しく食べさせてもらいました

初めて旅館で1人でご馳走を堪能したのですが、お腹いっぱいで苦しくなるほどでした

そんなこんなで、1日目にして無茶苦茶ハードで濃密な旅となりました。・・・つづく。

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