半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

相場がどうであろうと

2020年08月12日 | 自分の時間

 暑い日々が続いています

今年はコロナでマスクをしながらの生活を強いられていることもあり、熱中症になりやすいなど、さらに大変な夏です

海もだめ、プールもなし、外出も控えるとなれば、お子さんがいるご家庭では春のコロナ休みのようにゲーム三昧になっちゃっているかもしれませんね~

 今年は長梅雨の影響が響き、野菜が何もかも高くなっています。

 ジャガイモは3~4月の霜と低温が影響していますが、夏野菜は長梅雨の生育不良が影響しています。

 ニンジンも全体的に大きくならず、品不足が続いています。この辺の農家さんは「自家用のは売っちゃって、食べる分を北海道から買った方が儲かるな(笑)」と笑い話をしています。


 そしてようやく晴天になり実もたくさんなり始めましたが、実野菜というのは体をある程度作ったあとに実をつけます。

 その体が日照不足で大きく育っていないということがまずあります。体ができあがっていないのに実をたくさんつけると、木自体が弱ってしまうわけです。

 更に、今の時期はナスなどは通常の年でも「疲れ」が出てきます。

 実をたくさんならせた結果、木自体が疲れるのでいったん実をつけるのを制限し、回復を待つ時期でもあります。

 昔は、わざと根っこを切って、新しい根を出して秋ナスに備えて木を回復させる、なんていう技術もありました。

 まあ、そんな感じで相場が依然として高いのですが、有機農業の現場はより品不足になっています。

 それは有機農業では相場は関係無く値段を変えないためです。

 1960~70年代は公害の年代で、農家にも「環境に農薬という毒をばらまいて良いのか?」という思想が世界中で生まれました。

 戦後の「農薬を使うことで魔法のように良い野菜ができる」という年代が続いていたのですが、数年でその弊害が出ていろいろ出てきました。

 その反省で村の周りの人たちからは「頭がおかしくなったのか?」と言われながら無農薬で野菜を作り始める人が増えていきました。

 そういった希有な農家さんを「なんとか応援したい」ということで、ごく一部の消費者と「いつでも同じ値段」という考えで「提携関係」が生まれ、豊作の年はたくさん野菜を、不作の時は品数を減らして、でも値段は一定、という考えが生まれました。

 それは農家にとっても安定して収入が見込めるので、生計が立てやすいのです。

 その代わり、相場が高いからといって、高く買ってくれるところの人に売るということはしません。

 一方で、消費者もこういった考えを理解してくれている方は、相場が安いからといって、比較すると高く感じる有機農家の野菜を買わずにスーパーの安いのを買う、ということはしません。

 お互い「どんなときもお互い様」の精神で、支え合うわけです。

 本来、生協がそういった精神なのですが、そういったことをしている生協は、まあ今はいません。強いて言えば、小さい生協ほど、そうできるよう努めているところはあります。

 でも、大きいところは商売主義じゃないですが、量を確保するためには無農薬の野菜だけで取り扱いを絞ると、欠品続きでどうにもならないのです。

 そんなこんなで、今、産直の宅配ボックスが増えていますが、とても良い事だと思います。

 まあ、あくまで「おしゃれ」「新鮮」「安全」「顔が見える」といったレジャー感覚が多いと思いますが、それにしても良い事だと思います。

 私が学生の頃は農業は「3k」と呼ばれて、誰も農家になりたがりませんでした。私もそうでした。そして、当時から無農薬で野菜を作っている農家は、村の他の人から「あいつは馬鹿じゃないか」と陰口を叩かれながら、細々と信念を貫いていました。

 10年ぐらい前に、菜食主義の人がオーガニックに世界でいましたが、そのときも「無農薬?オーガニック?」という感じで、一部の変わり者のような扱いでした。

 特に「ベジタリアン」というと宗教と思われていました。いわんや、ビーガンなんて、マニアック中のマニアックで、一般人はその言葉を聞いたこともなかった時代です。

 ところが、この10年で「オーガニックはおしゃれ」というイメージが浸透しました。

 ベジタリアンという言葉がおかしい人と思われなくなりました。

 そして、この1~2年で一気に「ビーガン」というのが「さらにおしゃれ」みたいに認知がされ始めました。

 海外の信念あるビーガンとは違い、ベジタリアンの延長のビーガンが多い気がしますが、それでも日本でもそういった感覚が広がってきたと思います。

 ただ、ドイツなど欧米と比べて、「有機農業のそもそもの思想」は広がっていません。

 それは「環境問題」であり「命の問題」であり「農業は農家の問題ではなく消費者、つまり国民全体の問題」という認識です。

 今、裾野が広がっていることで、本質的な事もいずれ伝わる社会になると思います。

 私もその一翼を担うべく、こつこつ活動をしていきたいと思います

 

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