半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

私が愛する日本人へ ドナルド・キーン 文豪との70年

2015年12月04日 | 自分の時間
撮りためたビデオをたくさん観まして、色々刺激を受けたので書きますね。

まず、1つめが10月に放映された「私が愛する日本人へ ドナルド・キーン 文豪との70年」。

これには感動しました。
これは永久保存版だと思いました。

そもそも、私が「生きるってどういうことだろう?」という漠然な不安や疑問を持ちながら若い頃を過ごしてきて、出会ったのが、農村にまだ残っていた「日本人の生活文化」でした。

そして、それこそが私の求めていたものだと確信し、そこに触れ、今は成田という地域に根付くよう生きているつもりです。

そんな私だからこそ、外国人であるのにも関わらず、あるいは外国人だからこそ「日本人とはいったい何なのだろう?」と興味を持ち、また日本人から「日本人に伝えるべきことって何なのでしょうか?」と聞かれたきたキーンさんが伝えるメッセージはびんびんに響きました。

主に日本文学を中心に、日本人はどういった感性を持って生きてきたのかを伝えてきたキーンさん。


すぐに散ってしまう桜を愛でる日本人。「ずっと残っていたら桜ではない」という日本人にとまどったキーンさん。

川端康成さんの文章が曖昧すぎると思って本人に聞くと「その余白にある余情が良いと思う」という答えられたキーンさん。

戦争中、死ぬとわかっていても突撃し全滅する、あるいは自決する兵士達を「美しい」と日記で書いた谷崎潤一郎さんのことを「あの先生までもがなぜ自ら死ぬことを美しいというのか?」と疑問に思ったキーンさん。

そして、東日本大震災後、「ほとんどの外国人は逃げました。しかし私は違う。私は日本を信じている」といって日本人に帰化したキーンさん。


そういったキーンさんの立場、目からみると、日本という国、日本人がどうであったかがありありと浮かんできます。
(もちろん、もはや、キーンさんの言う日本人らしい日本人というのは、今では90歳以上の方でしょうから、ほとんどいないのかもしれませんが。キーンさんも93歳。かつての日本人に会い、生きてきた方ですし)

また、日本の現状について本当にこれで良いのか?、ということを考えるときに、海外と比較すると、日本が特別なのか世界から見ても普通なのかが良くわかりますよね。

異文化と照らし合わせると、それが特異なのかどうなのかがわかることが多いと思うのです。

同じように、キーンさんの視点から見た日本のことを聞くと、「なるほど」と思うことが多々あります。


戦後70年特集をやり続けている唯一のテレビ局のNHKに、私は今年はとても好感を持っていますが、このキーンさんの特集は見事だと思いました。

そして、昔買って、結局読まなかった「雪国」を読み直そう、そして太宰治や谷崎潤一郎などの代表作ぐらい読まなくちゃ、という思いが湧いてきました

と同時に、キーンさんの本も読もうと


生涯をかけて日本のことを考えてきたキーンさん。

この番組の最後に、「日本人へのメッセージ」ということで、発せられた言葉が以下の言葉です。

日本人以上に日本のことを考えてきた存在だからこそ、心打たれました。

「日本人は自分達の伝統に興味が無いということは。ひとつの弱点だと思います。
いちばん良い事は過去のもののよさを勉強して、知るようになって、自分のものして、自分がそういうものから特別な愉しみを得ることです。
伝統は時々隠れている、見えなくなる、しかし流れているんです、続いているんです。
それは日本のいちばんの魅力です。」
コメント
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