世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

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次世代エコカー・本命は?(39)

2015-01-22 00:00:00 | Weblog

Tank-to-Wheelの評価結果

ガソリン・軽油が燃料タンクに給油された状態、電気がバッテリーに充電された状態、水素が圧縮水素タンクに充填された状態から、自動車を駆動して1km走行するに要する「Tank-to-Wheel」エネルギー量(MJ)は、各自動車の想定燃費・電費から算出できる。図4-6はJC08モードでの走行の場合。

図4-6に示されているTank-to-Wheelのエネルギー消費率(MJ/km)の大小は其々の自動車のパワートレインの特長から説明できる。

電気自動車(BEV)はエネルギーとして最も質の良い電気からモーター駆動による電力走行をするので最もエネルギー消費率が小さい

水素燃料電池車(FCV)は水素からの燃料電池発電を経てモーター駆動による電力走行になるので、燃料電池発電の損失の分だけ電気自動車よりエネルギー消費率が大きくなる

●この図では、次にハイブリッド車(HEV)のエネルギー消費率が小さくなっている。ガソリンエンジンの動力を一部電力に変換して機械力走行に電力走行を組合せてハイブリッド走行するので燃料消費率がガソリンエンジン車(ICEV)の64%と効率的である。

プラグインハイブリッド車(PHEV)は、充電電力による電力走行とガソリンエンジンによるハイブリッド走行を組み合わせるので、エネルギー消費率ハイブリッド車と電気自動車の中間になる。図4-6のハイブリッド走行の値1.17は1kmを全部ハイブリッド走行した時の値で、0.36は1kmを全部電力走行した時の値で、このJHFCの検討ではPHEVとしてユーティリティファクターUF=0.5の車を想定しているので1km走行のエネルギー消費率は1.17x(1-0.5)+0.36x0.5=0.765となる。
(図4-6記載の「*プラグインハイブリッド走行」の値の「0.59」は2009年7月に国土交通省が定めた「プラグインハイブリッド燃料消費率(複合燃料消費率)」の計算方法により 1.17x(1-0.5)=0.585 で算出したもの。この値はガソリン消費量のみで電力消費量は含まない。プラグインハイブリッド車のガソリンと電力の消費量を合算した値は上記の「0.765」となる)

なお、ここで充電電力におけるエネルギー消費率の値はバッテリーに充電された状態のエネルギー量(MJ)をベースにしており、通常の電費が充電器に入る前の交流電力を基準とする所謂「交流電力消費率」で表されるのと異なっているので注意が必要である。(JHFC評価では充電効率86%を想定している)

Well-to-Wheelの評価結果


Well-to-TankTank-to-Wheelのエネルギー消費量とCO2排出量を総合するとWell-to-Wheelの1km走行当たりのエネルギー消費量とCO2排出量の値が求まる。
標準ケース(J-MIX)におけるWell-to-Wheelのエネルギー消費量とCO2 排出量の算出結果(JC08 モード)は図5-3に示されている。この図でWell-to-Wheelのエネルギー消費量(左側)は上の目盛で,CO2 排出量(右側)は下の目盛で読む。

図5-3に示されている燃料電池自動車の水素製造供給16方式を、「オンサイト改質」、「オフサイト改質」、「水電解」の3種に集約して、これら集約3方式の燃料電池車のエネルギー消費量(一次エネルギー投入量)とCO2排出量をエンジン自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車と比較してみる。次の二つの図では集約したデータの最大・最小の値を線の上と下の位置で示し、最大最小の中間の値を点で示した。





なお、報告書には、筆者がJHFC評価結果から作成した上の二つの図のような縦軸にエネルギー消費量とCO2排出量をとり横軸に車種をとって端的に比較した図は掲載されていない。

JHFC「標準ケース」評価のまとめ

これらの図から判るように、JHFC標準ケースの燃料電池車のエネルギー消費量とCO2排出量には水素製造供給16方式でその大きさに差があるが、水素燃料電池自動車と他の次世代自動車とのエネルギー消費量とCO2排出量の比較結果は次のように整理できる。

エネルギー消費量(1km走行当たりの一次エネルギー投入量)

1,水電解水素を使用する燃料電池車のエネルギー消費量は、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車はもとより、エンジン自動車よりも大きい。

2,最もエネルギー消費量が小さい燃料電池車でもハイブリッド車と同程度のエネルギー消費量であり、最もエネルギー消費量が小さい燃料電池車よりもプラグインハイブリッド車と電気自動車の方がエネルギー消費量が小さい。

CO2排出量(1km走行当たりのWell-to-Wheel CO2排出量)

1,どの燃料電池車のCO2排出量もエンジン自動車よりは小さい。燃料電池車水素製造供給16方式のCO2排出量の巾の中にハイブリッド車が入る。

2,最もCO2排出量の小さい燃料電池車でもプラグインハイブリッド車と同程度のCO2排出量であり、最もCO2排出量の小さい燃料電池車よりも電気自動車の方がCO2排出量が小さい。
(続く)
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