中国にとっては何でもかんでも「そこはもともと中国のものだ、絶対不可分の固有の領土」などと言えば、何でも自分のものになるとでも思っているようだが、そうは問屋が卸さないのだ。
中国 満州
漢 匈奴
魏 鮮卑・扶余・高句麗
隋 高句麗
唐 渤海国
遼 女真・契丹
金 ← 女真(金は女真族が建国)
元 元(蒙古のフビライが統一)
明 女真族
清 ← 建州女真(清は建州女真が建国)
中華民国 軍閥(張作林・張学良)
中華民国 満州国
中華人民共和国
ここで一つ言及しておきたいことがある。それは清の発祥の地と言われる満州で戦われた日露戦争のことである。
小生は一応満州は清を作った女真族の地だと言うことは理解している。しかしそれにしても、その満州の地で他国がドンパチと戦争をやって、なんの迷惑もなかっのか、と言う疑問を持っていた。一応、中共も「なぜ中国の神聖なる国土で日露両帝国が戦ったのか」と非難しているというが、これも間違っていると先に言及した黄文雄氏の「満州は日本の植民地ではなかった」は言っているのである。
と言うのも「満州は中国の神聖な領土ではなかった」からである。ロシアは清国と露清密約を結び、満州をロシアに与えていたのである。何が神聖な国土だ、笑わせるなと言いたい。
1896.6.3に皇帝ニコライ2世の戴冠式にサンクトペテルブルグを訪れた李鴻章に賄賂を贈り、第一次露清密約を結ばせた。これは三国干渉により日本から遼東半島を取り戻してやった見返りに、ロシアが清から強引に締結させたものであり、これでロシアは満州を半ば自由に使うことが出来るようになった。
その結果、露清は満州で軍事協力すること、清の港湾はロシア海軍に開放する、東清鉄道の建設を許可する、この鉄道は軍事的に自由に利用できるなどの軍事的条約であった。だから満州は中国(清国)の「絶対不可分の固有領土」ではなかったのである。その後ロシアは1898.3.27には旅順大連租借条約で遼東半島を手に入れ、更に義和団の乱(北清事変)に乗じて満州全体を占領してしまう。そして第2次露清密約を結び、満州全体の支配権を手に入れたのである。ここら辺の事情は小生のブログ「日韓併合100年(142)、2011.8.31 などを参照されるとよい。
そして次の文を参考されると、その間の事情がクリアになろう。
露清密約(1896年)
日清戦争の翌年(1896年)、ロシアと清国の間で秘密条約が結ばれていた。主要な内容は以下の通り。
ロシアあるいは清国、朝鮮が日本と戦争になった場合、露清両国は相互援助する
その場合、清国はロシアの輸送を助けるため、満州での鉄道建設に同意する
その鉄道は、ロシアが軍用として自由に使うことができる
要するに日本と戦争が起こったらロシアと清国が共同して戦うことの他に、ロシア軍隊を極東へ輸送するため、シベリア鉄道とウラジオストックを結ぶ満洲横断鉄道(東支鉄道)の建設を定めていた。この鉄道の建設許可は重大な問題をはらんでいた。この鉄道の存在が満州統治につながりかねないものだが、その上に、ロシアが軍用として自由に使えるという取り決めもなされたからだ。この鉄道は、やがてロシアの満洲侵入を助け、日露戦争を誘発することになる。
まったく日本を敵視した密約だが、日本がこの密約を知ったのは大正10年(1921)のワシントン会議においてであった。日露戦争当時にこんな密約があるのを知っていれば、戦争に勝った日本は清国に迫って南満洲全域の割譲を要求することができた。そうすればその後の満州に関する問題は一切発生しなかった。
日本が日露戦争に費やした20億円の莫大な負債は、満州事変当時、まだ返済しつつあったのだ。
この密約の存在を知らなかった日本は、満州全体をロシアから清国に取り返してやって、鉄道の権利と遼東半島(関東州)の権利だけを租借したわけだ。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/7517/nenpyo/1891-00/1896_roshin_mitsuyaku.html
以上述べたように、中共の言う満州は「絶対不可分の固有領土」などではなかったのである。それどころか満州はロシアの植民地、と言うよりも属国化していたのである。日本は完全に清国に騙されていたわけだ。今でも中国は嘘ばかりついている。最近のことでは、「レーダー照射はしていない。日本が捏造して中国を辱めている。」などと真っ赤な嘘を平気で言っている。少し古くはなるが2008.1.30には「毒餃子事件」では、「メタミドホスは中国での混入はありえない。日本で混入したのではないか。」と平然と嘘っぱちの記者会見をしている。もう一寸古くなれば、本編の主題である柳条湖事件の発端となった「中村大尉虐殺事件」も日本の捏造だと、日本に回答してきていた。
だから中国は、根っからの嘘つき国家だと言うことである。
さて話を元に戻すと、地理的にも満州は中国の領土などではなかったのである。
先に掲げた中国と満州の関係を現している「一覧表」をみると、そのことがよくわかる。
満州は中国のものではなかったことが良く判る。従って満州国は、中華民国を侵略して建国した、と言うのは明らかに間違いであり、現代になって中国が言いがかりをつけて国際連盟に言いつけたものだと言うことが良く判る。だから中共が、毎年9月18日を国辱記念日として騒いでいるのは、歴史の捏造そのものであることを、理解頂けたことと思う。
(続く)