相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。
愛車(beloved car)を提案するきっかけQ・Cueになれば、という思いで付けた名称だと言う。次の論考にはそんな風に書かれているが、「愛車を提案するきっかけになれば 」と言うよりも、「愛車となるきっかけを感じさせる 」クルマを提案するためのものと言ったことか、と小生なりに感じている。
そう表現する方が素直であろう。何れにしても市販する予定はないと言っている。
モーターショー、トヨタ「LQ」が示したソフト主役時代
大西 綾
日経ビジネス記者
2019年10月28日
車名「LQ」は、新時代の愛車(Beloved Car)を提案するきっかけ(Q/Cue)になればとのおもいを込めている
10月25日に一般公開が始まった東京モーターショー。公開初日は激しい雨と強風に見舞われるあいにくの天気だったが、入場のため多くの来場客が並んでいた。目当てはホンダ「フィット」やマツダの初の量産型EV(電気自動車)「MX-30」など、市販を控えたクルマだけではない。未来を感じることができる各社のコンセプトカーにも人だかりができている。
「トヨタブースには来年に販売する車は一つもない」。トヨタ自動車の豊田章男社長は23日のプレスカンファレンスでこう言い切った。その言葉通り、魔法のほうきをモチーフにしたほうき型モビリティーの「e-broom 」などユニークなコンセプトモデルが数多く並んだ。そのなかで、異彩を放っていたのがトヨタブースとは別の会場に展示された自動運転車「LQ 」だ。
LQはAI(人工知能)の「YUI」 を搭載している。例えば事前にドライバーが「スポーツ好き」と把握していれば、YUIがドライバーに「今日、このスタジアムで開催されたサッカーの試合だけど・・・」などと対話することが可能だ。
自動駐車システムも備え、車両側のカメラやソナーと駐車場のカメラが連携することで自動的に入庫・出庫を行う。ほかにもドライバーの眠気を検知し、シートの動きや空調からの冷風で覚醒を促す世界初の「覚醒・リラックス誘導機能付きシート」や、トヨタでは初採用の、デンソーとJOLED(ジェイオーレッド)が共同開発した有機ELディスプレーなどふんだんに次世代技術 を盛り込んでいる。
LQは2020年 に開催される東京五輪・パラリンピックで、聖火リレーの隊列車両 などにも導入される予定。今のところ市販の予定はない が、トヨタにとっては販売してもうける以上の意味が込められている。開発責任者の井戸大介氏は「人材の育成や教育で大きな意味がある」という。LQの開発で大きな役割を担ったのはAIに関わるソフトウエアの技術者 で、「トヨタ社内でディープラーニング分野 におけるリーダー的な存在」(井戸氏)だという。またYUIの開発や関連サービスではJTBやNTTドコモと、自動駐車システムはパナソニックと開発するなど、次世代技術を外部企業と連携して作り上げていく意味もある。
「さらにギアを上げてチャレンジする」。デンソーの有馬浩二社長は24日のプレス向け説明会で力を込めた。2025年までに世界全体でソフトウエアの技術者 を約3割増やす方針だ。AIや自動運転分野ではIT勢との本格的な競争が始まっており、機械系エンジニアだけではいずれ太刀打ちできなくなる。LQが生まれた背景には、日本の自動車業界で広がるそんな危機感もありそうだ。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/102500808/?i_cid=nbpnb_arc
ハードなクルマであっても、今後のクルマのセールスポイントは、「ソフトウェア 」であることをトヨタの技術者たちは、このLQを試作したことで身に染みて感じた事でしょう。
トヨタは電気自動車の開発と共に、ソフトウェア技術者の育成・確保にシャカリキになっているのではないのかな。そんなきっかけを与えてくれたクルマが、このLQであった。遅ればせながらそのことに気付かせてくれたことは、このLQの最大のメリットであろう。
などと偉そうなことを言っているが、トヨタにしてみれば、そんなことは当の昔に解っているわい、と言いたいところでしょう。問題は「どんなソフトウェアが必要となるか」と言う事でしょう、要するに、人々がこれからの時代に、どんな使い方を愛車に求めているのか を、探り出したいと言う事。
(続く)
トヨタは東京2020オリ・パラで、全個体電池で動くEVをお披露目したいようだが、いわゆる中国ウィルスでオリ・パラも来年に延期されてしまいかねない状況なので、全個体電池を搭載したEVをお披露目する機会が一年延期されることになり、やれやれと言ったことにはならないとも限らないのではないのかな。・・・・・とは小生の妄想である。
どんな形で、トヨタは全個体電池 を搭載した電気自動車をお披露目するのであろうか、見物である。
それにしても、日本政府はまだ東京2020オリンピック・バラリンピックに相当こだわっている様だが、まあこれも一種のジェスチャーで、今年の開催には既に諦めていると言ったところが本当のところではないのかな。
それにしても、あのIOCのトーマス・バッハとか言う会長は何とも煮え切らない輩ですね。Wikipediaで調べたら、Thomas Bach 1953.12.29生れのドイツ人66才 で弁護士だと言う。それでも1976年のモントリオールオリンピックに、フェンシングの西ドイツ代表として参加していたと言うではないか。
ドイツには、日本は中国で散々痛めつけられた苦い経験があるので、ドイツ人はあまり信用しない方がよかろう。何と言っても、当時ドイツは中国からタングステンやアンチモンを買うために、日独防共協定がありながら、中国へ機関銃などのドイツ製武器を売り、蒋介石には日本と戦争をせよと焚きつけていた訳だ。蒋介石と言っても、結局は蒋介石軍に潜り込んでいた共産党員に援助していた、と言う事になる。
ドイツの元陸軍参謀総長のハンス・フォン・ゼークトは蒋介石の軍事顧問となり、日本だけを敵国とみなして軍隊を強化せよと進言し軍事支援をした。その後を継いだ元陸軍歩兵大将のアレクサンダー・フォン・ファルケンハウゼン(当時は中将)などのドイツ軍事顧問団は、ドイツの武器の売却先としての蒋介石軍を盛んに援助し、これまた日本と戦争するように焚きつけていた。
これにより、蒋介石軍に巣くっていた共産党部隊が、上海の日本人租界を突如として襲撃してきた訳だ。これが第二次上海事変 である。上海一帯にはゼークトラインと呼ばれたトーチカが整備されており、日本軍はこの蒋介石軍(実体は共産党軍)を排除するのに、そのため大層手こずっている。その蒋介石軍が逃げ込んだ先が南京市であった。そのため日本軍は南京攻略を行わざるを得なかった、と言った次第である。
南京では蒋介石軍はとっくの昔に逃げてしまって、日本軍による虐殺なんぞは一切なかった訳だが、蒋介石側はドイツ人のシーメンス社の南京支社長のジョン・ラーベに南京市の安全地帯の運営を任せて、日本軍への抵抗と中国軍の保護を実施させた。そして蒋介石の宣伝機関は総力を挙げて宣伝本「戦争とは何か 」を、オーストラリア人記者のティンパーリやフィッチなどの宣教師に書かせて世に宣伝戦を仕掛けた訳である。ここには度重なる殺人や多数の死体などが記述されているが、いずれも作り話であった。
ことほど左様に、日本は中国ではドイツの策略により、日中戦争に引っ張り込まれたと言っても過言ではないのである。ドイツは信用ならざる国であり、現首相メルケルもそうである(信用出来ない。メルケルは馬韓国の慰安婦像を信じて、日本への文句を発言している。ユダヤ人を虐殺しておいて、何を言うか、ドイツ人め。)。
「日中戦争はドイツが仕組んだ-上海戦とドイツ軍事顧問団のナゾ 」阿羅健一著 (小学館)と言う書籍も販売されている。
https://blog.goo.ne.jp/bongore789/e/38d35d8a980b1a4b199d7307eaa1e5bb
↑
ここにもその詳細が書かれています。ご一読されるとよろしいかと思います。
なお「第二次上海事変 」については、小生のブログ「第2次上海事変 」(2012.05.28~ )をまた南京事件 は「南京大虐殺の虚構宣伝と胡錦濤の秘密工作に騙されるな。 」(2007.6.5~ )などを参照願う。
さて話を元に戻そう。
と言う事は、昨年の東京モーターショーに出展されたZEV車の一覧表に戻って、それらを眺めてみることにする。
バッテリーの話はこの位にしておいて、次はトヨタのLQ に少し触れてみよう。
LQはAIを搭載し自動運転で動くEVのコンセプト車である。コンセプトである以上、決して販売されることは無い。トヨタとしても、300km前後の航続距離のEVなんぞは(?)は、売り出したくないものであろう。本筋はLF30 Electrified のほうではないのかな。こちらのほうであれば、富裕層が幾らかは購入してくれるものと、トヨタは計算している筈だ。
だから、LQなんぞと、コンセプトならではの名称となっている。Qは、Cue(きっかけ)を意味すると言う。
(続く)
そのため長い間、固体電解質が探し求められていたが、固体電解質は内部抵抗が大きく電気出力が小さくモノにならなかった。ところが2011年東京工業大学 の菅野了次教授 とトヨタ自動車 が液体電解質に匹敵する出力が得られる個体を発見し、全個体電池の研究開発が進展しだした。
トヨタはこの物質を特定するのに5年の歳月を要しており2011年に特許を取得 していたが、韓国のサムスンとマサチューセッツ工科大学(MIT)は合同で、材料の膨大なデータをコンピューターを使って特殊な処理を施し、わずか1年でその物質の組成を解明してしまった。特許はトヨタが取得したとはいえ、その追い上げはおそるべしと言える。
次世代電池開発でトヨタの5倍速、危機感与えた米韓連合
中山 玲子 日経ビジネス記者
2019年11月1日
今年のノーベル化学賞の受賞テーマとなったリチウムイオン電池。旭化成名誉フェローの吉野彰氏が共同受賞者となったこの研究は、素材分野 で日本が高い競争力を持っていることを改めて世界に知らしめた。だが、その優位性が揺らぎかねない技術革新の波が押し寄せている。量子コンピューターやAI(人工知能)を使った材料開発の波だ。日本は戦っていけるのか。4回シリーズの第1回は日本の電池研究者に危機感を募らせた出来事から振り返る。
10月23日、米グーグルの発表が世界を駆け巡った。最先端のスーパーコンピューター で約1万年かかる複雑な問題をわずか3分20秒で解いたとする内容だ。超高速処理を実現したのは、原子や電子といった小さな粒子の世界で起こる現象を利用する量子コンピューター 。従来のコンピューターでは困難な問題を瞬く間に解く「量子超越」を達成したことを意味する。
量子コンピューターはいずれ材料開発に役立つ日が来るかもしれない(写真:Google/AFP/アフロ)
もちろん、グーグルが解いた問題は乱数がつくる計算問題で、幅広い計算に対応できるようになるには、まだまだ時間がかかる。それでも国立研究開発法人、物質・材料研究機構(NIMS)の出村雅彦氏は「今回のグーグルの成果は材料開発の効率化 につながる 」と期待を込める。これまで人の勘に頼りながら実験と試作を繰り返して生み出してきた新素材が、量子コンピューターによって瞬時に作り出せる可能性があるからだ。
もっとも、量子コンピューターの実現を待たなくても、材料開発のプロセスはすでに大きく変わり始めている。革新をもたらしたのが「マテリアルズ・インフォマティクス(MI) 」と呼ぶ手法。化学領域に情報科学の知見を取り入れて、目的とする材料の組成や構造を素早く割り出す 試みだ。
コンピューターの性能向上やAI(人工知能)の進化と相まって、「昨年くらいから『使えそう』と考える研究者が増えてきた」と前出の出村氏は指摘する。
ただし、日本勢は悠長に構えてはいられない。7年前の苦い経験を思い出す必要がある。
2012年10月。韓国サムスン電子 と米マサチューセッツ工科大学(MIT) が次世代電池として期待の高まる全固体電池 に関する1本の論文を共同発表した。全固体電池は、現在、主流のリチウムイオン電池に比べて「燃えにくい 」「熱に強い 」といった特性を持つ。より安全で、より短時間にたくさんの電気をためられるようになれば、1回当たりの充電で走行できるEV(電気自動車)の距離は延びる。そうした特徴を見越して、日本ではトヨタ自動車 が早くから研究を進めていたことで知られる。
全固体電池の開発に携わっていた日本の研究者が後に衝撃を受けたのは、トヨタが約5年かけてようやくつかんだ電池材料の組 成を、サムスン・MIT連合はわずか1年弱で突き止めていた ことを知ったからだ。いわば、サムスン・MIT連合はトヨタの5倍速で次世代電池を開発していた ことになる。
サムスン・MIT連合はなぜ1年弱で成し遂げられたのか。よりどころにしたのが、MIだった。材料に関する膨大なデータをコンピューターを使って処理 しながら、全固体電池に必要な特性を備えた材料の組成を見つけ出していた。
秘密裏に研究を進めていたトヨタは、すでに11年の時点で特許を申請 していた。特許公開はサムスン・MIT連合の論文発表の1カ月後の12年11月。トヨタは特許権を先に得ることはできた ものの、「驚異的なスピードで追い上げるサムスン・MIT連合に対する危機感 は一気に高まった」と当時を知る関係者は明かす。
サムスン・MIT連合には米国の国家戦略 が絡んでいる。
マテリアルズ・ゲノム・イニシアチブ(MGI)──。11年に当時のオバマ米大統領が打ち出したこの国家戦略は、材料分野にコンピューターを持ち込み、未知の素材開発に弾みをつける狙いがあった。コンピューターを駆使して生物のゲノム(全遺伝情報)解析を猛スピードで進めることで生命科学や新薬開発に革新をもたらした成功体験を材料分野に持ち込んだのだ。そして、サムスン・MIT連合にも、MGIの中心人物が関わっていた。材料開発におけるデータやAIの重要性が世界で認識されるようになったのは、こうした経緯があった。
マテリアルズ・ゲノム・イニシアチブを主導するのが米マサチューセッツ工科大学。自然界に存在する膨大な種類の材料データを駆使して、次世代電池材料の開発を効率化 している(写真:Boston Globe / Getty Images)
米国は15年までの5年間で550億円以上を投じ、MI で世界をけん引する役割を果たしてきた。こうなると、米国と技術覇権争いを繰り広げる中国も黙っていない。中国は100億円規模の国家予算をつけ、中国科学院などが連携して、中国版MGI を推進。各地方政府も巨額の予算を投じているとみられる。
中国では製造業の高度化を目指す「中国製造2025 」でも材料分野を重点領域にしている。具体的な研究内容は明らかになっていないが、海外から優秀な研究者を積極的に引き抜いており、脅威とみる日本の研究者は多い。
韓国でも15年からの10年間に300億円の政府予算をつけた国家プロジェクトを立ち上げた。数学やITの産業に勢いを持つインドなども、「やがて日本のライバルになる」(材料開発者)とみられている。
実験を繰り返しながら職人的な勘も使って画期的な新材料を創り出してきた日本。リチウムイオン電池で今年のノーベル化学賞を受賞する旭化成の吉野氏らも地道に新材料を探索したからこその成果だった。
だが、MI が広がれば、そんな職人的な芸当は通用しなくなる可能性が高い 。量子コンピューターやAIが瞬時に新材料を探り当てるようになれば、日本の強みは発揮しづらくなる。
財務省の貿易統計によれば、化学製品や鉄鋼など日本の素材産業の18年の輸出額は、全体の22%を占め、同23%の自動車など輸送機器に次ぐ比率を誇る。そんな素材産業 に押し寄せるMIの波。日本勢は引き続き、世界をリードできるのか。次回から詳しく見ていく。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00076/102300001/?P=1
その全個体電池 とは、一体どんな電池なのであろうか。
電池の正極と負極の間にイオンが通過する電解質が液体であるものが、リチウムイオン電池・LIB であるが、その電解質が個体のものが全個体電池 である。電気を通す個体が見つかったものの、ただ単に電気を通すだけでは電池としてはモノにならないのだが、全個体電池とはどんなものであろうか。
(続く)
トヨタは今年の東京オリ・パラで(正確にはオリ・パラの年に)、全個体電池 を搭載した電気自動車を初披露すると言っている。
ニュース解説
小型のEVでも500km、トヨタが見据える全固体電池の可能性
2020/01/27 05:00 富岡 恒憲=日経クロステック/日経Automotive
「液系のリチウムイオン電池(LIB)では、(電池パックの体積エネルギー密度で)300~400Wh/Lの間にある壁を越えられないと考えている。(1充電当たり)500km走れる小型の電気自動車(EV)を造ることは難しい」。トヨタ自動車で全固体電池の開発に関わる中西真二氏は2020年1月に開催された「第12回オートモーティブワールド」の専門セミナー「EV進化の鍵となる、革新的電池の開発」に登壇し、液系LIBの限界をこのように指摘した。
今の電気自動車(EV)は、(1充電当たりの航続距離を延ばすために)電池パックをたくさん積まなければならない。そのため、大型、もしくは全高が高い車両が多いというのが同氏の見方だ。そして、こうした壁を乗り越えるためにトヨタが期待しているのが全固体電池 だという。
「トヨタ2次電池の研究開発では、全固体電池にかなりフォーカスしている」(同氏)。この言葉から分かるように、同社は全固体電池の実用化に本気 だ。実際、2008年ごろは革新電池に取り組んでいた電池研究者の多くを、今では全固体電池に振り向けているという。東京五輪・パラリンピックの年 となる2020年 、同社は試作した全固体電池を搭載した最初の車両のお披露目を目指す。
その車両に搭載する全固体電池セルは、ラミネート型 を採用し、フルサイズと呼ぶEVで使われているLIBと同等の大きさのものになる見込みだ(図)。固体電解質には硫化物系、正極や負極には既存のLIBで実績のある材料を適用する。
図 トヨタ自動車が試作した全固体電池セル
2019年5月開催の「人とくるまのテクノロジー展」に出展した。下から順に、スモールサイズ、ミドルサイズ、フルサイズと推定される。(撮影:日経クロステック) [画像のクリックで拡大表示]
(略)
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/03534/?n_cid=nbpnxt_mled_dm
トヨタ は今年のいつかには、全個体電池を搭載した電気自動車を発表するらしいが、旭化成の吉野彰氏が「リチウムイオン電池 」の実用化でノーベル化学賞を受賞 したように、このLIB関係はとても気難しいもの のようだ。全個体電池と言っても、正式には「全個体リチウムイオン電池」と言うように、LIBの液体電解質を個体にした もので、正負極と個体電解質の境界面での有様を、如何にコントロールするかと言った難しさが存在するようで、これまた一筋縄ではいかないようだ。
そのためCATLなどは、中国政府の後押しを受けてせっせとLIB用の投資を続けているようで、全個体電池は2030年までは造らないと、豪語している。
全個体電池では1回の充電で、1000キロメートルの走行も夢ではない、と次の論考では言っているが、それも2030年代のことである、としている。やはりCATLの言うように、全個体電池の実用化は相当時間が掛かるものと思っておくことが肝要か。
全固体電池で1000キロ走るEV 安全で大容量
2019/12/27 11:00
日本経済新聞 電子版
次世代のリチウムイオン電池である「全固体電池 」が電気自動車(EV)を一変すると期待を集めている。2020年代前半には製造技術が確立 する見通しで、30年ごろには1回の充電で現在の2倍以上にあたる1000キロメートル の走行も夢ではない。発火しにくい全固体電池は安全性の高さに関心が向くが、容量が大幅に増える利点もある。電池切れの懸念を払拭するだけでなく、大きな蓄電池とみなして太陽光発電などの電気をためたり非常用電源に使えたりする。電気自動車が「発電所」になる可能性も秘めている。
開発した全固体電池(松田教授提供)
203×年の連休初日。 あなたは東京から大阪まで旅行することに決めた。電気自動車を自宅の電源につなぐと、わずか10分で80%まで充電できた。あとは大阪まで向かうだけだ。全固体電池を積んだ車体は急速充電 ができ、1回の充電で1000キロメートルも走る。電気自動車は充電がわずらわしく、街中でしか乗れないと話していたのが懐かしい。家が停電のときは、電気自動車の電気を使い回す。
全固体電池は、主にリチウムイオン電池の安全性を高める発想から開発が始まった。燃えやすい液体の電解質を固体の材料に替え、燃えにくくする。大きな発見もあった。電気をつくるリチウムイオンの動きが速まったのだ。急速充電や容量の大幅向上がにわかに現実味を帯びてきた。
研究に力を入れるのが、2019年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏 が理事長を務める技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター だ。全固体電池の委託事業にトヨタ自動車などの企業と大学が参加する。車載向けの全固体電池の標準の形を22年に完成させる計画 を立て、大学などを支援する。
豊橋技術科学大学の松田厚範教授ら は固体電解質のイオンの動きをさらに速くできるとにらむ。硫化物の固体電解質にイットリウムなどを混ぜると、電解質に空間ができてイオンが動きやすくなった。セ氏50度では電解質の抵抗が10分の1になった。試算では、電池の放電容量は約2.5倍に向上する。
より多くのリチウムイオンを負極にためて電池の容量を引き上げようとしているのが、大阪府立大学の辰巳砂昌弘教授ら だ。負極に金属リチウムを使う全固体電池を研究する。電解質に塩素などを混ぜた全固体電池では、電極にからみつくリチウムがそれまでの固体電解質よりも少なくできるめどをつけた。「容量を2倍にできる可能性がある」(辰巳砂教授)と期待する。
甲南大学の町田信也教授ら はシリコンを使う新たな負極 を考案した。シリコンは炭素負極よりも2~3倍のリチウムイオンをため込めるという。液体のシリコンを使い、負極の劣化を抑えた。
ある調査によると、全固体電池の市場は35年に2兆7千億円を超える。吉野氏は12月のノーベル賞受賞記念講演で「リチウムイオン電池が電気自動車や再生可能エネルギーの蓄電に広く普及する未来社会」を紹介した。全固体電池にかかる期待は大きい。
車載向けの全固体電池は、2011年 に東京工業大学の菅野了次教授 とトヨタ自動車 がリチウムイオン電池の性能を引き出す電解質 を発表し、本格的に研究が動き出した。日本発の電池の実用化に向けて国も支援し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO )は18年から5年間で100億円の予算をつける。
技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センターが22年に完成を見込む標準電池 は、走行距離に関係する「エネルギー密度」という性能が最新のリチウムイオン電池に近づく。現在の車載用リチウムイオン電池に必要な冷却装置 などが全固体電池でいらなくなれば、多くの電池を積める。「1回の充電で500キロメートル は走る車になるのではないか」と同センターの石黒恭生常務理事は話す。ただ、ハイブリッド車などは1度の充電と給油で1000キロメートルを走る車もある。全固体電池でも1回の充電で1000キロメートルを超える性能 が目標になる。
米国や台湾のベンチャーも20年代前半の実用化に向けて車載向け全固体電池を研究しており、どの国の電池が市場を握るかは不透明だ。ナトリウムイオン電池 など他の次世代電池の研究も活発になり、全固体電池の開発で先手を打てるかどうかが問われる。
(福井健人)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53871420X21C19A2X90000/?n_cid=NMAIL006_20191228_K
現在のリチウムイオン電池は、正極と負極の間に液体の電解質を使っている。リチウムは水と反応する性質を持っているため、その電解質は有機溶媒などを使っている。そのため液漏れなどで発火する可能性があるため、厳重に密閉されている。しかも発熱するため冷却装置が必要となり、小型化が難しい電池である。
(続く)
念のためもう一つ、3年ほど前のモノで一寸古いが、その論考を載せておきます。
2017年07月15日09:00
EVはハイブリッド車よりCO2が多い
EVは今の所火力発電で充電しているので、排出するCO2はHV車より多い
引用:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d9/JR_East_Kawasaki_thermal_power_plant_20101110.jpg/640px-JR_East_Kawasaki_thermal_power_plant_20101110.jpg
今は環境に役立っていない
最近先進国や自動車メーカーでEV(電気自動車)を急速に普及させるという発表が相次ぎました。
フランスは2040年にガソリン車販売を廃止するそうだし、ボルボは2018年から新型車をEVに切り替える。
そして欧州は燃費と排ガス規制を強化し、2020年ごろから従来型ガソリン車やディーゼル車を販売できなくなる。
だがこうした計画を発表するときに、EVの効果を大げさに言ったり、酷い例ではまるっきりの嘘を並べていた人も居た。
現状を整理するとまず最もEV普及が進んでいる国(中国や北欧)ですら1%に過ぎず、しかもEVはCO2削減に役立っていない 。
EVは将来CO2の削減に役立つだろうが、現在はまだ役に立っていないのです 。
それはこういう仕組みで、EVのエネルギー効率は約40%で、PHVではない普通のハイブリッドは約30%です。
EVそのものの効率は80%ですが何らかの燃料を発電所で燃やして、充電して走ると結局40%になります。
EVの充電は電気料金が安い夜間に行われるので、太陽光発電ではなく、ほぼ火力発電から充電 されます。
するとCO2排出量としては、夜間の火力発電(と水力)のみとすると、HVよりEVが特に少なくはないです。
今後日本で原発 が大量に再稼動すればEVが有利になるでしょうが、今は環境に役立っていません。
アメリカでも同様で、WSJによると全米のほとんどの州で、夜間の火力電力で走るEVは普通のHVより多くのCO2を排出している 。
EV転換には膨大な発電能力が必要
夜間に太陽光発電はできないので、大量のEVを走らせるには結局、原発を大量に建設して稼動させる しかありません。
すべての自動車をEVにすると年間発電量の10%が必要で、この数字は一見すると「案外少ない」と感じます。
だが連休前の金曜の夜に8000万台のEVが一斉に充電したらどうなるか、間違いなく日本の電力網は電力不足に陥ります。
多くのEVが同時に充電しても不安がないようにするには、原発数十基が新たに必要 になります。
EU ではすべての自動車がEVになると、原発150基 が新たに必要になると計算しています。
ガソリン車をEVにするには、ただ補助金をつけてEVを売りまくってもダメなのだという事が、分かると思います。
EVのもう一つの問題はその補助金 で、現在世界のEVは価格の3分の1もの補助金を政府が支給しています。
あるいは補助金の変わりに税金を免除したり、購入者がガソリン車との差額を負担しなくても良いようにして販売しています。
この補助金がなくなったら、EVはユーザーにとって何のメリットも無くなり、おそらく誰も買わなくなります。
年間1万台なら政府は喜んで補助金を1台100万円出しますが、販売数が10万台や100万台になっても補助金を続けるでしょうか?
こんな事はできっこないので、販売数が増えたらEV補助金は廃止されます。
補助金が廃止された場合、ガソリン価格が過去最高値の数倍にならない限り、2040年にすべてEV転換など夢物語だと分かる。
EVの値段はHVより高く、バッテリはエンジンより高価で寿命が短く、数年で交換する必要がある。
そして充電は面倒くさく、購入した人にメリットが感じられない。
EV普及は簡単に解決できない問題が多く、それを一つ一つ解決していくしかない。
http://www.thutmosev.com/archives/71775070.html
こういうことを知ると、如何にボリス・ジョンソンが真正の馬鹿であることがわかるでしょう。大英帝国も落ちたものだ。まあEUも同じような考えの様だが、単なる客寄せ発言でしかないのである。
いくらCOP26 が開かれるからと言って、政治家は、いやしくもそれなりに真実に基づいた発言が必要なのであり、民衆を煽るだけの体たらくではいけないのである。
(続く)