世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(25)

2023-03-31 00:00:00 | Weblog

こんにちは、AD高橋です。

 2022年5月に発表され、夏に発売となった日産サクラ。軽自動車規格に収まるEVは大きな話題となり、「2022~2023日本自動車殿堂 カーオブザイヤー」、「RJCカーオブザイヤー」(軽EVの電動化技術が「RJCテクノロジーオブザイヤー」を同時受賞)、「2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー」(「K CAR オブ・ザ・イヤー」を同時受賞)と、2022年の賞レースを総なめにしました。


 日本カー・オブ・ザ・イヤーのWEBサイトに掲載されている、サクラに満点を入れた選考委員のコメントを見ると、 

■価格(BEVを所有するハードルを下げた点)
■脱炭素社会に向けた暮らしの変化に対する対応
■軽自動車という“シティコミューター”としての役割に特化したこと
軽自動車の概念を変える走行性能
■SS(サービスステーション)過疎地の課題を解決するひとつの提案
■上質なデザイン

 などを評価した人が多くいました。

変わる軽自動車の価値基準


 詳しい試乗リポートはフェルさんが書いてくれた本編を改めてお読みいただくとして(今回、いつにも増しておもしろく読んでいただけると思いますよ!)、街なかだけになりますが私も試乗する機会があったのでその感想を。

 言うまでもなくサクラのボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1655mmで、軽自動車規格に収まっています。隣の席に座る人との距離感がタイトなので、「やっぱりサクラは軽自動車なのだな」と感じますが、インテリアの質感はとても軽自動車とは思えない仕上がりです。

 中でもインパネ周りは日産のデザインランゲージである「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」という考え方を感じさせる、凛(りん)とした雰囲気にまとめられました。一人でドライブしている時は助手席との距離を感じずにすむので、軽自動車を運転していることを忘れそうです



 運転時の感触はしっとりなめらか。フェルさんがリポートしているように、重量がもたらす高級感があるのはもちろん、パワーが少ない軽自動車ならではの、アクセルを踏み込んだときの高回転まで回るエンジン音が聞こえないのがいい。クルマから「今、頑張っています!」という訴えがなく、発進時や上り坂でも余裕を持って走っていることが伝わってきます。

 かつて軽自動車は価格も安いし、乗り心地などはある程度我慢するのも仕方がないという思いがありました。しかし現在スズキが多くのモデルに展開しているプラットフォーム『HEARTECT』につながる新プラットフォームを採用した4代目ワゴンR(2008年)や初代ホンダ N-BOX(2011年)が登場したとき、「このクルマの登場で、軽自動車全体の質感が大きく変わっていく」と感じました。サクラに試乗したときもこれと同じ印象を持ちました。



 一方で街なかを周囲のクルマの流れに乗って走っているだけで、バッテリー残量はどんどん減っていく。EVに乗り慣れているとなんとも思わないでしょうが、撮影などでたまに乗る程度の私だと「わ、もう10%も減った。大丈夫かな……」と心配になったのも事実。最近は私が暮らす地域でもサクラを見かける機会が増えてきました。裏路地を走っているところも見るので近所に住んでいる方だと思うのですが、みなさんが自宅に充電設備を設置しているわけでもないでしょう。充電をどのようにマネジメントしているかは気になるところです。

 そういえば本編に出てきた東京・大崎にあるおいしい鰯料理店は、もちろん現在も元気に営業中です。実は私、今の場所に引っ越してくる前は大崎に10年ほど住んでいたので、ちょいちょい利用していました。夜はもちろんランチもお薦め。近くを通ったらぜひ行ってみてください。ググればすぐにわかります!
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00105/00255/?P=5


この論考のコメントにも、航続距離に関するものがあったので、次に掲載しておく。

51件のコメントもっと見る

ダメおやじ
痴呆公務員
>満充電で180キロメートル(WLTCモード)EVは実質表示の半分と聞きました
18時間前3返信いいね!

ダメおやじ
痴呆公務員
5ページ中、最初の1ページがヨタ、最後の1ページが高橋さん。残り3ページの半分が「充電難民」の話とか。。余程大変だったのですね。
18時間前5いいね!

ものぐさ太郎
窓際Shine
まさに身を挺して航続距離と充電場所の問題提起をされた記事ですね。とても興味深かったです。
16時間前11返信いいね!

フェルディナント・ヤマグチ
コラムニスト
ありがとうございます。ご愛読感謝です!
16時間前6いいね!

アビオエンジニア
カバン持ち
> 裏路地を走っているところも見るので近所に住んでいる方だと思うのですが、みなさんが自宅に充電設備を設置しているわけでもないでしょう。ウチのご近所、EV使われている方は、My電柱+エコキュート比率が高いようです。建て替えとかリフォーム時に「クルマもやっちゃえ」って感じですかね。
16時間前7返信いいね!

ミシェルS
堅気
EVの航続距離の話は非常に興味深いです。私も次はEVかなと思いつつ、マンション住まい&機械駐で自宅に充電設備が準備できないのと、航続距離が不安で悩んでいます。この連載、最近はユーザーインタビューが少ないですが、EVについては運用も含めて既存ユーザーの皆様を参考にしたいですね。
15時間前2返信いいね!
・・・・・
ものぐさ太郎
窓際Shine
まさに身を挺して航続距離と充電場所の問題提起をされた記事ですね。とても興味深かったです。
16時間前11返信いいね!
・・・・・



また、「それから、電欠不安に対するストレスは多分に慣れの要素があります。EV慣れしていないけど発言力のあるライターさんは、充電の問題に触れるには細心の注意が必要だと思います。」と言ったコメントもありました。

これは「BEVの普及にそれなりに支障がある問題(発言)だから、そんなにはっきりと指摘しないようにしてもらいたい」と言ったニュアンスが感じられますが、反対に「だからBEVの充電問題の解決に努力しなければならない」と言った力にもなるのではないのかな、とも思えるので、もっともっと積極的になってもよいものと思いますが、如何なものでしょうか。

(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(24)

2023-03-30 00:00:00 | Weblog

「充電難民」の悲哀を味わう


航続距離が最大の課題だろう。ガソリン感覚で走っていると大変な目に遭うことになる。

 悲劇、と言っていいだろう。週末の夜中。首都高をグルっと回ろうと満充電の状態で首都高速4号新宿線に乗った。山手トンネルを抜け、3号渋谷線に入り、都心環状線外回りから9号深川線。湾岸線からレインボーブリッジを越えて芝浦パーキングエリア(PA)でトイレ休憩。こんどは都心環状線内回りから9号深川線。辰巳ジャンクションを右折(ここの高速コーナリングは最高に気持ちが良かった)して湾岸線で一路、大黒PAに向かう。ここには急速充電の設備がある。5キロメートル手前で残量10%。ふふふ。完璧なマネジメントだ。ギリギリのところで充電して、第三京浜で帰宅すればよい。

 しかし。だがしかし。大黒PAは工事中で入場できなかった。残量5%。ぼうぜん自失。 どうするアイフル。どうするフェル。暖房を消し、気休めにオーディオも止めて、とりあえず5号大黒線を抜けて一番近い出口の守屋町で降りる。バッテリー残量はここで4%。気の利くナビが近くの充電スタンドを表示する。直近は日産の工場と出ている。そういえばこの辺りは日産村だ。ここで充電できなければ一巻の終わり。時間は午後11時すぎである。切ない。


午後11時すぎ。人気のない工業地域でポツンと4%。だじげで。  

 ナビに従い、そろそろと慎重に走る。残量2%で日産横浜工場第3地区にたどり着いた。 確かにEVステーションの看板が立っている。 日産のクルマだからだろうか。守衛さんがサッと敬礼をする。 「充電をしたいのですが」と半泣きで訴えると、「それなら後ろのあそこです」と入り口近くの充電器を指す。地獄に仏。砂漠にオアシス。もうギリギリ充電はいたしません。神に誓った夜であった。


日産のクルマを日産の工場で充電する親子丼状態の図。あ、製造は三菱でしたか。

 しかし。だがしかし。悲劇はまだ続く。 たとえ親切なナビが指示してくれても、充電器が生きているとは限らないのだ。


え? 何言ってるんですかマジで……。  

 別の日に余裕を持って残量10%で充電しようとしたらこのありさま。店は休業日で人はいない。 助けを求める相手がいない。いったんコンセントを外して一からやり直しても同じ結果。 とはいえまだ10%。他の店を探そう。この時はまだ余裕であった。

親切なナビは、電気残量が減ってくると、このように教えてくれる。 

まだ続く悲劇

 再度充電ステーションを探す。日産の販売店が表示される。距離はおよそ5キロメートルある。 なんとかなるだろう。国道1号線沿いの日産店舗はすぐに見つかった。ありがたや。 またしても残量4%。危ないところだった。ありがとう日産。ありがとう太田胃散。 しかし……。

マジすか……。  

 閉店しているのだ。やっていないのだ。「長い間ご愛顧いただきまして誠にありがとうございました」とか言っているのだ。店舗統廃合ですかそうですか。今後は近隣の店舗でってあーた。僕もう走れないです。 親切なナビくんも店舗の閉鎖までは把握しておられなかったようで、グーグルマップで充電ステーションを探す。ここから2.3キロメートルの場所にライフ川崎京町店がある。そこには充電ステーションがあるようだ。閉店していたらどうしよう。充電器が作動しなかったらどうしよう。不安がよぎる。 そうだ。念のため電話を入れよう。しかし電話に出た店の方は充電ステーションの存在をご存じないようで、らちが明かない。最悪の場合、ライフの駐車場でJAFを呼ぼう。今年最大の賭けに出た。 日産の店舗からライフまで2.3キロメートル。まさしく薄氷を踏む思いでそろそろと慎重に走る。 果たして到着時の残量は1%であった。


まさかの残量1%。0になったら本当にその場で止まってしまうのでしょうか。

 そして充電器は正常に作動するのであった。 ありがとうライフ。命拾いをしました。

ライフさんありがとうございました。命拾いしました。草刈りしたほうがいいと思います。

 サクラの充電受け入れ容量は30kWh。これ以上ハイパワーの高速充電器を使っても、受け入れは30kWhが最大値である。1回の充電で入れられる量はしれている。家か職場に充電設備は絶対に必要であると考える。近場だけと割り切るシティーコミューターとして使うなら、これ以上に優れたクルマはあるまい。しかし遠出はイカン。「充電難民」は本当につらいのである。

 それではサクラの○と?を

日産サクラのここが( ・∀・)イイ!!

1:夢の走行性能:軽自動車をはるかに超える素晴らしい走り。軽の皮をかぶった普通車。軽の皮を被った高級車と言って差し支えない。
2:イケてるデザイン:素直にカッコいい。フロント周りが特に良い。
3:センスの良い内装:高額なモデルだからでしょうか。シンプルでありながら高級感あふれるインテリア。シートも疲れない。表皮の触感も良い。
4:高額補助金:練馬区とかで買うと100万円ほども出るそうです。すんごいバラマキ……不公平だとお怒りの方はサクラを買って補助金をもらう立場になりましょう。

日産サクラのここはちょっとどうもなぁ…(´・ω・`)

1:イマイチ信頼できないバッテリー残量計:急に減り過ぎです。怖くて信用できません。
2:イマイチ信頼できないナビ:閉鎖した店舗を表示するのは勘弁してください。本当に泣きそうになりました。
3:不安定なエアコン:なかなか温度が上がらなかったり、急に暑くなったり不安定。要改善。

 ということで来週は開発者インタビューをお届けします。お楽しみに!
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(23)

2023-03-29 00:00:00 | Weblog

EVユーザーが次に乗り換える車としてEVを選ぶ割合は、半分一寸である。大半のEVユーザーは、またEVを選ぶのかと思っていたが、そうではなかったのだ。このデータでは、53.8%の人しかEVを選ばなかった訳だ。

その理由としては、


(1)充電に時間がかかる。
(2)充電スポットが少ない。
(3)充電の残量が不安になる。


と言った理由がTOP3である。バッテリーの充電に関するもので、占められている。BEVである以上、エンジンに変わるものとしての動力源のバッテリーに対する不満・不安が出てくることは、当然のことであろうと理解できるものである。小生としては、この不満・不安が払しょくされない限り、BEVはそれほど普及はしないのではないかと思っているものである。


特に軽自動車のEVであれば、充電に対する不満・不安、即ち航続距離に関する心配は、ついて回るものと思われる。

そんな「日産サクラ」の試乗記があるので、ご一読願う。



日産サクラ 最高の乗り心地も「充電難民」でマジ泣けたっス
第698回 日産 サクラ(試乗編)
2023.2.13
51件のコメント
フェルディナント・ヤマグチ コラムニスト

(略)
軽自動車界の風雲児。日産サクラの試乗記をお送りします。


出だしは好調だった。 「これは素晴らしい!」。走りだしてすぐに感嘆し、高速道路に入ると「すげえ!」「速い!」「軽じゃないだろこれ!」と助手席に座る日産自動車の広報氏に向かい称賛の言葉を次々と口にした。

軽の皮をかぶった高級車

 日産の軽EV(電気自動車)「サクラ」。 別の媒体の取材で赴いた日産グローバル本社で車両を受け取り、家が同じ方向だからと同社広報の伊藤俊くんを隣に乗せ、みなとみらいインターから首都高速道路に乗り、いくつかのコーナーを越えてから第三京浜道路に入ったときのことだ。 「良いでしょう」と鼻の穴を広げ、勝ち誇ったように伊藤くんが言う。 うん。良い。ものすごく良い。 間違いなく軽自動車最高レベルの高速安定性。道路の継ぎ目を越える際、安っぽく跳ねることもなく、ドスンともパタンともいわない岩のような高剛性。重いバッテリーをボディ下部に配した高重量低重心がもたらすものだろうか、ともかく乗り心地が非常に良い。


軽自動車の概念を根底から覆す日産サクラ。 

 クルマは軽いに越したことはない。加速も減速も良くなるし、コーナリング性能も向上する。(アルミやハイテン鋼などの高額部材を使わなければ)原材料費は抑えられるし、ブレーキやタイヤへの負担も軽減できる。なにより燃費が良くなるから江古田……じゃなくてエコだ。 だが「重さゆえの安定感」があることも事実だ。サクラはそれを体現している。 サクラの重量は1080キログラム(Gグレード)。軽自動車としては相当重い。同じ日産の軽で、サクラ同様に三菱自動車が製造するデイズのFF仕様車の重量は840キログラム。サクラより200キログラム以上も軽い。デイズももちろん良いクルマなのだが、サクラと比べるとやはり軽い「ICE(内燃機関)の軽」である。道路の段差では跳ねるし、加速時はウンウンうなるし、高速で横風を食らうとヒヤヒヤする。


何度も充電でお世話になった日産東京販売成城店。親切にしていただきありがとうございました。  

 一方でサクラのこの安定感はどうだ。そしてこのトルクフルな走りはどうだ。 前輪を駆動させるモーターは、交流同期のMM48型。ノートe-POWER四駆版の後輪を駆動するモーターと同型機だ。それを軽自動車業界の自主規制に合わせるため、ほんの少しだけデチューンして搭載している。最高出力はおなじみ64馬力。これを2302rpmから10455rpmの間で発生し続ける。実際に1万回転超えの領域に入ることはないのだが、そこまで楽勝でブン回し、高出力を発生し続ける驚異のモーターだ。サプライヤーは明電舎。東京都の大崎にある本社の近くには、おいしい鰯(いわし)料理の店があったのだが、今はどうなっているのだろう。

 そして 最大トルクは驚異の195N·m。トルクに自主規制はないから、文字通りの“やり放題”である。この超絶トルクが生み出す力強い加速。しかもその加速は暴力的なものでは決してなく、しっとりと上質だ。「胸のすくような加速」でありながら、決して一線を踏み越えない。1080キログラムの車重に対し、195N·mのトルク。チューニング次第ではドタバタ暴れる下品な加速も容易に実現可能なスペックだ。だがそうしていない。開発担当者のお人柄だろうか。下品ギリギリのところで止めている。下品好きの不肖フェルとしては、「もっとやっちゃえ日産!」と申し上げたいところなのだが、やはり市販車ですからね。そうムチャもできますまい。


前輪の駆動部分。  

 最上級グレードのGだから、ということもあろうが、インテリアも実に上質だ。 ここも軽最上級ではあるまいか。水平基調のダッシュボードが良い。シートの座り心地も悪くない。翌週にスキーの予定があったので、コンビニに宅配便を出しに行ったのだが、助手席の背もたれを後ろに倒し、後部座席の背もたれを前に倒すと、ご覧の通り広大なスペースが生まれる。大きなスキーケースも楽勝で収納可能である。波乗りに行く人も、ミドルレングスなら板を車内に収納できそうだ。


大きなスキーケースも楽勝で収納可能である。なんかこうして見るとずいぶんボロいですね。そろそろ買い替えの時期かなぁ……。    

 と、さんざん褒めそやしてきたのだが、大きな弱点もある。航続距離だ。 標榜する数値は満充電で180キロメートル(WLTCモード)。車両を受け取った際、航続可能距離は150キロメートルと表示されていた。日産グローバル本社から伊藤くんを降ろすために二子玉川駅を経由して自宅まで28.6キロメートル。帰宅時にはすでに航続可能距離が100キロメートルを割っていた。28.6キロメートル走って50キロメートル分の消費。“暖房全開”“高速走行”とEVには厳しい条件で走ったとはいえ、これはひどい。話半分とはこのことだ。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(22)

2023-03-28 00:00:00 | Weblog

しかし航続距離に対しては、180kmと言えども、軽EVのオーナーにとっては、不安はあるようだ。

継ぎ足し充電やEV特有の運転の仕方に馴れれば、軽EVでもそれほど支障はなく普及させることが出来る、と言った論考も見受けられる。


やっぱり走行距離が不安! 日産の軽EV「サクラ」を買った人の見解は?
掲載日 2022/12/05 11:30 御堀直嗣 
https://news.mynavi.jp/article/20221205-sakura-owner2/

などを参照されるとよい。
しかし今のところは、軽EVに限らず一般的にEVに対しては、全面的な信頼はまだまだ得られていないようだ。

乗り換えは「EV以外」にするという割合が4割もあるという。



乗り換えは「EV以外」にする…現オーナーの4割以上が回答
2022年12月29日(木)07時30分

スパコロは、全国の電気自動車(EV)オーナーを対象に「ユーザー意識可視化調査 電気自動車編」を実施。次回の乗り換えはEV以外にしたいと考えるオーナーが4割以上いることが明らかになった。

ギャラリーの写真 1/8©レスポンス  日産 リーフNISMO   

まず、保有しているEVのメーカーを尋ねたところ、1位は「日産」(41.5%)で4割以上のシェアを占めた。以下、「ホンダ」(11.1%)、「三菱」(8.8%)、「レクサス」(4.7%)が続いた。EV購入理由のトップは「補助金が出るから」(42.7%)。以下、「ガソリン代がかからないから」(38.0%)、「環境に配慮しているから」(32.2%)、「電気自動車が主流になりつつあると感じたから」(32.2%)が続き、環境への配慮よりもコスト要因が上位に入る結果となった。

EVで満足している点については、「走行音が静か」(36.3%)、「ガソリンスタンドに行かなくて良い」(33.9%)、「維持費が安い」(33.3%)、「走りがなめらか」(32.2%)、「燃料費が安い」(32.2%)という結果に。EV独特の走行性能に関する項目が上位に並ぶ結果となった。一方、不満点は「充電に時間がかかる」(38.0%)、「充電スポットが少ない」(30.4%)、「充電の残量が不安になる」(29.8%)、「価格が高い」(28.7%)の順。充電関連や走行距離関連が上位に挙がった。

次に車を購入する際の車のタイプ」の質問では、「電気自動車」(53.8%)、「ハイブリッド車」(18.1%)、「ガソリン車(レギュラー)」(12.9%)、「ディーゼル車(軽油)」(5.8%)、「水素自動車」(4.7%)、「ガソリン車(ハイオク)」(3.5%)、「その他・わからない」(1.2%)という結果に。継続してEVに乗りたいと考える人は約半数にとどまった

《纐纈敏也@DAYS》
https://response.jp/article/2022/12/29/365790.html

45.0%がEV以外のクルマを購入希望。











https://response.jp/article/2022/12/29/365790.html
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(21)

2023-03-27 00:00:00 | Weblog

日産としては、
・軽でも動力に余裕を持たせる。
・手ごろな価格の実現。
・乗って楽しいこと。
・長距離移動には「NissanConnect」を提供。

などの消費者の不安・不満を払拭する手立てを講じているため、販売は好調のようだ、と話している。



日産「サクラ」開発責任者、売れている理由は「価格と走り」
木村 雅秀 日経クロステック/日経Automotive 2022.10.26

 軽自動車タイプの電気自動車(EV)が売れている。日産自動車で軽EV「サクラ」の開発を指揮したNissan 第二製品開発本部 Nissan 第二製品開発部 第二プロジェクト統括グループ セグメントCVEの坂 幸真氏は「軽EVを契機に日本のEV市場本格的に立ち上がる」と指摘する。2022年10月21日にオンラインで開催された「日経クロステック EXPO 2022」の対談企画で語った。


日産「サクラ」の開発を指揮した坂幸真氏(右)。モデレーターは日経Automotive編集長の木村雅秀(左)が務めた(出所:日経クロステック EXPO 2022の配信をキャプチャー)[画像のクリックで拡大表示]   

 サクラの累計受注台数は2022年8月末時点で2万8000台を超えた。好調の理由は、手ごろな価格でありながら、軽自動車の常識を超える195N・mという高トルクを実現したことにある。195N・mは軽エンジン車「デイズ ターボ」の約2倍に当たる。軽の非力さに対する不満を払拭し、高速道路の合流場面など、さまざまなシーンで余裕を持って走れるようになったことが高く評価された。


日産「サクラ」の走行シーン。軽自動車の常識を超える195N・mの高トルクによって余裕のある走りを実現した(出所:日経クロステック EXPO 2022の配信をキャプチャー)[画像のクリックで拡大表示]    

 手ごろな価格を実現するため、電池容量をあえて20kWhに抑えた点も大きい。WLTCモードでの航続距離は180kmと短いものの、日産のガソリン車ユーザーの半数以上は1日当たりの走行距離が30km以下であり、普段の利用シーンでは問題になりにくい。苦手とする長距離移動に対しては、コネクテッドサービス「NissanConnect」を活用し、充電ポイントを考慮したルートを提案する。また、エアコンの冷媒を用いた電池の冷却システムによって、急速充電時に電池の温度が上がりすぎないようにした。


日産のガソリン車ユーザーの半数以上は1日当たりの走行距離が30km以下(出所:日経クロステック EXPO 2022の配信をキャプチャー)[画像のクリックで拡大表示]

 電池以外にも部品の共用化によってコストを下げた。例えば、195N・mの高トルクを発生させる駆動モーターには、日産のシリーズ式ハイブリッド車(HEV)「ノートe-POWER」や、三菱自動車のプラグインハイブリッド車(PHEV)「アウトランダーPHEV」などに搭載する小型モーターを使った。プラットフォームも軽エンジン車「デイズ」と共通にすることで開発コストを抑えた。「デイズのプラットフォームを企画する段階からEVを想定していたからこそ実現できた」(坂氏)と振り返る。

 日本の新車市場で約4割を占める軽自動車でEVが受け入れられていることは大きな意味を持つ。これまでEVは「エコ」「環境」という文脈で語られることが多かったが、サクラでは「乗っていて楽しい」というクルマとしての魅力が評価されている。充電インフラの整備など、いまだに多くの課題は残るものの、軽EVを通じて多くのユーザーがEVの魅力を知れば、日本でもEVが普及する可能性は十分にありそうだ。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02218/102500019/?n_cid=nbpnxt_mled_dmh


日産の軽「サクラ」は、価格を抑えるために、バッテリーは20kWhで走行距離は180kmに抑えている。180kmであれば、ほぼ一週間は軽EVを乗り回せる、と日産は踏んでいるのである。しかも一日当たりの走行距離も94%が180km以下であるというデータからも、そうしたようだ。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(20)

2023-03-24 00:00:00 | Weblog

2021年11月1日から2022年10月31日までに発表または発売された乗用車が対象。43回目の開催となる今年度は、国内外の全48モデルがノミネートされた。自動車評論家、ジャーナリスト、有識者からなる60名の選考委員により選ばれた「10ベストカー」(今年度は11台が選出)の中から投票により決定した。開票の様子は公式Youtubeでライブ配信され、多くの自動車ファンがその様子を見守った。


「2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した日産『サクラ』/三菱『eKクロスEV』

投票の結果、最も多くの票を集めたのは日産『サクラ』/三菱『eKクロスEV』で、2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤーの栄冠に輝いた。

日産サクラ/三菱eKクロスEVは、日産と三菱が共同開発した軽自動車規格のEV。実質的に200万円以下で購入できるEVとして話題となり、日本における電動車普及の可能性を拓くものとして注目されている。評価理由として、「軽自動車+バッテリーEVという組み合わせは、高齢者を含めた多くの人の移動の自由を担保するだけでなく、社会的課題解決への可能性を示している」「ハンドリングと動力性能が従来の軽自動車を凌駕している」「高級車並みの運転支援機能を装備している」などが挙げられた。

「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したヒョンデ『アイオニック5』

日本カー・オブ・ザ・イヤーが国産車だった場合、輸入車で最も得票が多かった1台が選ばれる「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」はヒョンデのEV、アイオニック5が受賞。ヒョンデは史上初のノミネートで、初の10ベスト入りを果たし、今回の受賞につなげた。評価理由として、「革新的なエクステリア/インテリアデザイン」「498km~618km(WLTCモード)という実用的な航続距離や卓越した動力性能」などが挙げられている。かつて“ヒュンダイ”として日本市場に展開していたが2010年に撤退。電動車ブランドとして再上陸したブランドに弾みをつけることができるか。


そのほか部門賞は、「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」(秀でた内外装デザインを持つクルマ)はBMW『iX』、「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」(革新的な環境・安全その他技術を備えたクルマ)は日産『エクストレイル』、パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー(感動的なドライブフィールを味わえるクルマ)はホンダ『シビックe:HEV/シビックタイプR』、「K CAR オブ・ザ・イヤー」(総合的に優れた軽自動車)は本賞と同じく日産『サクラ』/三菱『eKクロスEV』がそれぞれ受賞した。

BMWのデザイン・カー・オブ・ザ・イヤー受賞は、昨年度の『4シリーズ』に続き2年連続。日産は本賞、部門賞を含め3賞を獲得した

日産 サクラ  

選考結果、および部門賞の一覧は以下の通り。

●2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー:日産/三菱 サクラ/eKクロスEV
●インポート・カー・オブ・ザ・イヤー:ヒョンデ IONIQ 5(アイオニック5)
●デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー:BMW iX
●テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー:日産 エクストレイル
●パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー:ホンダ シビック e:HEV/シビックタイプR
●K CAR オブ・ザ・イヤー:日産/三菱 サクラ/eKクロスEV

《レスポンス編集部》
https://response.jp/article/2022/12/08/365021.html


この論考にもある様に、軽EVは電気自動車の普及には相当寄与することになろう。と言うのも、高齢者や地方などで公共交通機関の発達していないところでの「移動の自由」を提供する道具としては、うってつけと見られるからである。そのため、徐々に軽EVは普及してゆくことになろう。

高齢者や地方の過疎地でなくても、都市部でも、一寸した移動にはうってつけのクルマ・道具となる可能はあろう。それにはそれ相応に安くなくてはならない筈だし、道具と言ってもそれに徹してしまっては、まだまで売れないのであろう。

(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(19)

2023-03-23 00:00:00 | Weblog

日産は日産で、この論考では、「内田誠社長は2月6日の会見で「新しい体制が相互の信頼を深め、モビリティーの未来に向けて我々の共通の野心を加速させられる」と語った。業界関係者は「ルノーを気にせず事業戦略に集中できる意味は大きい」とみる。」とある様に、日産の内田誠社長(兼CEO)は、ルノーとの対等な資本出資比率となったことを、この上なく喜んでいたのである。

この表現は、「ルノーを気にせず事業戦略に集中できる」と言うことに、日産は意気込んでいることを現わしているように、小生には思えるのである。それと言うのも、EUでの強いEVシフトがルノーを動かし、その結果日産はルノーのくびきから逃れることでできたわけで、日産の独自性を発揮する余地が大きくなったもの推察できるのである。

時を同じくして日産は、「日本カーオブザイヤー」も受賞していたのである、軽の電気自動車で。だから喜ばしくない筈はないのである。

日産は、「今年のクルマ」の本賞
(1)
2022-2023日本カーオブザイヤー軽EV日産「サクラ」・三菱「eKEクロスV」
(2)
部門賞として、
テクノロジー・カー・オブザイヤー日産「エクストレイル」
(確信的な環境・安全その他技術を備えたクルマ)
(3)
KCAR・オブザイヤーで、「サクラ」「eKクロスEV」
(総合的に優れた軽自動車)
と3賞を獲得したのである。だから、喜ばしくない筈がないのである。


【2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー】軽の受賞は史上初、EV『日産サクラ/三菱eKクロスEV』が大賞…輸入車はヒョンデに

2022年12月8日(木)17時53分

【2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー】軽の受賞は史上初、EV『日産サクラ/三菱eKクロスEV』が大賞…輸入車はヒョンデに2022年12月8日(木)17時53分2022年12月8日(木)17時53分

日本を代表する「今年のクルマ」を決める「2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー」は12月8日、最終選考会・表彰式を開催。ノミネートされていた10ベストカーの中から、軽EVの日産『サクラ』/三菱『eKクロスEV』が栄冠に輝いた。軽自動車の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞は史上初。   

また、輸入車の中で最も優秀な車である「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」は、韓国ヒョンデの『アイオニック5』がこちらも史上初の受賞となった。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(18)

2023-03-22 00:00:00 | Weblog

今回の交渉は、ルノー側から提案...背景に、EVシフトへの出遅れ

交渉には双方の都合があり、当然ながら、それぞれが納得してまとまる。資本関係見直しは日産側の悲願であり、その意味で日産の都合なのだが、今回の交渉は、意外にもルノー側がきっかけを作った。

関係者によると、ルノーが2022年初め、日産に「EV新会社立ち上げ」の方針を伝えて協力を求めてきたという

この背景にあったルノー側の事情とは、欧州で急速に進む電気自動車(EV)シフトへの対応だ。

欧州でのルノーの販売シェアは最大手の独フォルクスワーゲンの半分にも満たず、EVでも出遅れている。巻き返すには経営資源をEVに集中する必要があると判断、そこで頼りにしたのが日産の資金と技術というわけだ。

要請を受けた日産は「資本関係の見直し問題の進展」を協力の条件にし、両社の協議が本格化した。

交渉にはルノーの筆頭株主のフランス政府の影もちらついたが、23年1月、マクロン仏大統領は岸田文雄首相と会談した際、出資比率見直しを支持すると伝えたとされる。

フランス政府がルノーの日産への支配力の低下を容認した背景には、EV化競争を勝ち抜くには日産との協力が不可欠との認識がある。「3社連合が機能しなくなれば、ルノーがEV開発競争から脱落し、自動車産業に従事する国内の雇用にも響くことをフランス政府は何よりも恐れた」(業界関係者)との見方が一般的だ。

交渉で最後まで障害になったのが、昨秋の記事でも指摘した知的財産の扱いだった。

ルノーのEV新会社には米国の半導体大手クアルコムも出資し、ルノーは米グーグルとの協業も進める方針だ。日産は技術が第三者に流出することを警戒した。最終的にルノーが、新会社での知的財産の利用を制限する譲歩案を提示し、折り合ったという。

ライバルと戦える体制は整った...日産「ルノーを気にせず事業戦略に集中できる」

今回の合意により、ルノーはひとまずEV化競争で戦える体制を整えたといえる。

一方、日産はどう変わるのか。

内田誠社長は2月6日の会見で「新しい体制が相互の信頼を深め、モビリティーの未来に向けて我々の共通の野心を加速させられる」と語った。業界関係者は「ルノーを気にせず事業戦略に集中できる意味は大きい」とみる。

ただ、EV化のほかに自動運転などを含め、自動車業界は100年に一度の転換期を迎えている。業界内の合従連衡に加え、グーグルやソニーといった異業種からの参入も相次ぎ、競争は熾烈を極める。

日産は22年6月に国内で発売した軽自動車のEV「サクラ」が23年1月末時点で約3万7000台を受注する好調な出足だった。5年間でEV化に約2兆円を投じ、30年度までに世界の販売車種に占めるEVとHVの比率を計50%以上に高める目標も掲げている。

ただ、トヨタ自動車やホンダと比べ稼ぐ力はなお乏しく、研究開発費でも見劣りする。日産であれ、ルノーであれ、単独で現下の競争を戦えるわけではなく、それゆえの3社連合維持でもある。

資本をめぐる緊張関係は緩和されたとはいえ、3社の連携をどう再構築し、世界の強豪に伍していくのか、日産やルノーに残された時間は多くないだろう。(ジャーナリスト 済田経夫)
https://www.j-cast.com/kaisha/2023/02/14455912.html?p=all


ヨーロッパでのEVシフトは、思いのほか切実なものと認識されている、と小生は感じている。ルノーはBEVの新会社「アンペア」に日産の参画を、とりあえず取り付けることが出来て、EVシフトへのとっかかりが出来てほっとしていることでしょう。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(17)

2023-03-21 00:00:00 | Weblog

先ずなんと言っても、この日産が「ルノーを気にせず事業戦略に集中できる状態」になった意味は大きい。

またルノーとしても、EVで出遅れていたものを立て直すことのできる状態に戻すことが出来たと言える。日産の技術と資金を、潤沢にとは言わないが使えることになったのであるから。

だが日産はICE車開発関連の新会社「ホース」へは、共同知財の利用を認めないと返答している。BEV関連の新会社「アンペア」へは、日産は最大で15%出資するとしているが、EVなどの共同知財についても、ルノーの譲歩を引き出したことにより、日産の知財が守られたのであろう、だから出資に同意したものと思われるのである。

「アンペア」でのメリットを日産は期待するよりも、独自の事業戦略に精を出すのではないのかな。その方が、ルノーとチマチマやるよりも成長性が期待できるのと言うものではないのかな。日産は軽EVで好調を博しているので、これを機に特色あるBEV化に邁進してほしいものである。

その点どんな経営戦略をとるのか、内田誠社長の腕の見せ所となろう。



日産とルノー、いびつな「不平等」ようやく解消...仏政府も支持 熾烈なEV化競争の渦中、勝ち残り容易でなく
2023年02月14日18時45分

日産自動車に対するフランス自動車大手ルノーの出資比率に関する交渉がようやく決着した。合意に至る過程はなかなか複雑だった。

日産とルノー、いびつな「不平等」ようやく解消...仏政府も支持 熾烈なEV化競争の渦中、勝ち残り容易でなく   

三菱自動車を含む3社連合は維持されるが、自動車業界は大きな転換期にあり、勝ち残るのは容易ではない

フランス会社法の規定で議決権がなかった日産

J-CAST会社ウォッチ「日産とルノー、資本関係見直し...日産が求める『不平等解消』へ、協議進んだ『2つの要因』と『今後の交渉ポイント』」(2022年10月28日付 https://www.j-cast.com/kaisha/2022/10/28449012.html)でも報じたとおり、2022年秋に入り、日産とルノーの交渉は大詰めを迎え、11月にも合意すると見られていた。だが、予定より3か月ほど遅れて合意に達し、23年2月6日、3社首脳がロンドンでそろって記者会見して発表した。

合意は、仏ルノーから日産への出資比率を、現在の43%から、日産が保有するルノー株の比率と同じ15%に引き下げ、互いに対等な資本関係にする。そのほか、ルノーが設立するEV新会社「アンペア(アンペール)」日産が最大15%出資。さらに、中南米やインド、欧州で新型車やEV投入の検討など、共同プロジェクトを進めることなどが盛り込まれた。

最大の眼目である出資比率の「平等化」には、昨秋の記事でも取り上げたように、「歴史」がある。

2兆円超の有利子負債を抱え経営危機に陥った日産は1999年、ルノーから約6000億円の資本支援を受け、カルロス・ゴーン元会長が最高執行責任者として送り込まれた。ゴーン氏は、大リストラを断行して経営を立て直し、2016年には燃費不正問題で経営が悪化した三菱自動車に日産が出資し、3社連合となった。

両社の株の持ち分は、ルノーが日産の43%、日産がルノーの15%を、それぞれ持ち合う形になったが、日産はフランスの会社法の規定で議決権がなかった。ところが、業績面では22年の世界販売台数が日産322万台、ルノーグループ205万台というように、日産が上回るいびつな関係が続き、日産には「不平等条約」との不満が強かった。

日産とルノーのトップを兼ねるようになったゴーン氏が2018年に東京地検特捜部に金融商品取引法違反疑いで逮捕(日本からレバノンに逃亡し、刑事訴追は停止中)され、両社の関係は混乱する。

19年にはルノー株を15%保有する仏政府の意向を受けたルノーが日産に経営統合を提案、日産の強い反発で白紙に戻るなど、ぎくしゃくした関係が続いていた。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(16)

2023-03-20 00:00:00 | Weblog

車産業、モノのグローバル化は限界 サービスで合従連衡
激動モビリティー 日産・ルノー再出発の未来(下)
自動車・機械2023年2月9日 2:00 


「ノーマージャー(もう統合はない)」。1月29日、パリのセーヌ川沿いの建物。ルノーが創業地で開いた会議の席上、ルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)らが資料を取締役らに示した。合意のデメリットとして英文で書かれたものだ。日産自動車への出資の歴史はフランス政府の意向を受け経営統合の夢を追いかけた歴史でもあった。相互15%出資合意で夢は終わった。

軒並み提携解消


フランス・パリのセーヌ川沿いのルノー創業地にある建物で取締役らの会議が開かれた

1990年代は巨大な自動車メーカー同士の大再編の幕開けの時代だった。象徴が世紀の大統合と称された、98年のダイムラー・クライスラー(後に独メルセデス・ベンツグループと欧州ステランティスに再編)だ。
主導したのは海外メーカー。バブル経済の崩壊で経営難となった日本車メーカーへも次々と触手を伸ばした。日産だけでなくマツダや三菱自動車も欧米メーカーの傘下に入った。



車産業は車両の大量生産でコストを下げ、標準のガソリン車を世界展開する戦略が基軸となったが、現在は90年代以降の日本車と海外メーカーとの提携は軒並み解消。今やルノーと日産、ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)など一部を残すのみだ。



車両などモノのグローバル化は限界を迎え、ソフトやサービスを中心にした合従連衡が主体の新グローバルの時代に入った。

長らく世界最大手メーカーとして君臨したGMはその象徴だ。欧州などで環境対応が求められるようになっても、大量のガソリンを消費する「ピックアップトラック」が主力の米市場に引きずられ環境技術で出遅れた。

2017年には欧州から事実上撤退し中国、南米を除く世界のほとんどの地域の事業縮小に追い込まれた。

独フォルクスワーゲン(VW)は環境対応でディーゼル車にシフトしようとしたが不正でつまずいた。トヨタ自動車をはじめ日本車メーカーはお家芸のハイブリッド車(HV)で存在感を高めたが、EVシフトでは出遅れた。その間に米テスラや中国・比亜迪(BYD)など新興勢や異業種が、伝統的な車大手の間隙を突いた。


世界初の量産ガソリン車である「T型フォード」が誕生した1900年代以降、車産業は動力が変革のカギだった。東京大学生産技術研究所の中野公彦教授は「付加価値の源泉は動力から、車が提供できる機能に変わっていく」と指摘する。

EVは早くも標準化が始まり、特許やソフトウエアなど知的財産の重みが増す。それぞれの地域や国で車に求められる規制や価値はますます多様化する。日仏連合は連携の新しい形を模索するが難路だ。

日産の内田誠社長兼CEOは「今までの延長線上では成長できない。(カルロス・ゴーン被告時代の)古傷もある。24年分のツケが回ってきた」と話す。日産もモノのグローバル化の壁に阻まれた。欧州はルノーに任せるといった柔軟な姿勢が求められる。

ドイツでは脱炭素の供給網構築のため車の原材料などのデータを共有する「カテナX」が立ち上がった。完成車や部品メーカー以外に米マイクロソフトや独SAPなど異業種が幅広く加わる連合だ。知財やソフトなどIT(情報技術)でも規模がなければ勝負の土俵に上がれない。緩やかな提携が解になる。

 赤間建哉、湯前宗太郎、林英樹、北松円香、堀田隆文が担当しました。

【関連記事】
・車300兆円、知財を軸に再編 産業秩序転換の号砲
・日産・ルノー、車再定義へ迷走終止符 「大流動化」の一歩
・日仏3社連合とは 資本見直し、長年の課題
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC303T10Q2A231C2000000/



CO2ゼロを巡るクルマ業界の動きは今のところ混沌としているが、このルノー・日産グルーブの不平等な資本関係の解消により一段落するどころか、ますますEVを巡る動きは活発になってゆくのではないのかな。
(続く)
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