世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

国慶節に思う。(53)

2009-12-31 22:11:50 | Weblog

CO2を大量に排出した結果、中国大陸では砂漠化が進んでいるという。地球の温暖化の影響は、もちろん地球規模ではあるが、大陸の内部ほど大きいと言う。日本は周りが海に囲まれているから、内陸部ほどには深刻ではなく、中国大陸、アメリカ大陸、ロシアの三大陸にその影響が顕著になっていると言う。

それは、WiLLの2010年2月号に載っている武田邦彦先生「御用学者と官僚、マスコミ共同制作、『温暖化地獄』の幻想」に述べられている。次にその要約を伝えよう。

先ず、鳩山の25%削減は「環境という美名を使った国際的な愚挙である」と決め付け、1997年の京都議定書に続く政治の失態で、今後11年間日本は重荷を背負わされて失われる11年を送る事になる、と断定している。

京都議定書の第一約束期間は、2008年1月1日から2012年12月31日の五年間であったが、鳩山はこれに続く「゛2020年までに、1990年比でCO2を25%削減する。ただしすべての主要国の参加による意欲的な目標が合意されたならば。」と演説してしまったのである。この2010年から2020年までの11年間は、CO2を25%削減するための無益な努力を強いられ、暗黒の時代になる(日本はそのため貧乏になる)と言ったのである。

その理由をはっきりさせるために、次に諸点を明確にしている。

先ず第一に、
地球の温暖化は本物か、ということである。これに対しては、「世界の地球物理および気象の専門家の間でも、それは判らない。」という事であり、現在日本で信じられている温暖化は信じられないものである、としている。現在は間氷期にあり地球規模的には氷河期に向かっているとの議論もある。もしそうであれば温暖化どころか寒冷化してゆく事になる。この議論は別途項を改めて述べてみたい。

第二に、
温暖化で被害がでるか、ということである。最も言われている事に「温暖化すると海水面が6m上がる」ということであるが、これは2006年にアル・ゴア元アメリカ副大統領が出演した地球温暖化に関するドキュメンタリー映画「不都合な真実・Inconvenient Truth」が公開された事による。それによると「(このまま温暖化が進めば)3千年後には、温暖化で海水面が6m上がる」と言ったものを、朝日新聞がその3千年後を(知っていながら)省略して、恐怖のプロパガンダをした事によるものである。

温暖化になると南太平洋のツバル諸島は水面下になって大変だ、と温暖化被害の錦の御旗とされているが、もともとツバルは1897年にイギリスの信託統治になったときには水面下であった。しかし第2次世界大戦で、アメリカが千五百メートルの滑走路を作って陸地とした所なのである。もともと水面下の国だったのである。

更に温暖化の結果集中豪雨や巨大台風が増えていると言われるが、寒冷だった頃にも諫早台風や伊勢湾台風が発生している事実がある。これらはNHKが虚偽の報道をしているから、一般の日本人は温暖化で被害が増大すると信じてしまっているのである。

次の例を説明すれば納得していただけるであろう。

風呂を沸かすと、暖かい蒸気があふれて風呂場は暖かくはなる。しかし風呂場の空気を熱くしても、風呂の水は温まらない、冷たいままである。空気よりも水の方が熱を蓄えることが出来るので(空気よりも3,500倍も)、仮に空気が温暖化しても周りが水であればそこは熱くはならない。日本は豊葦原の瑞穂の国である。日本の気温は「周囲の海の水温に近くなる」のであり、これを海洋性気候という。これと反対に大陸性気候の地帯では、海洋性気候地帯よりも温暖化の影響は顕著に出る。だからアメリカ、中国、ロシアの三大大陸国は、もしNHKが言うような温暖化が進めば、これらの地域に真っ先にその影響が出てくる筈なのである。

オバマや胡錦濤、ロシアのメドヴェージェフは、今すぐには温暖化の影響が現れるとは思っていない。彼らは温暖化の被害が出るのは2050年以降と思っており、それまでに、より有利な地位を築こうと駆け引きを行っているのである。

だから
アメリカは、現在グリーンニューディール政策などとの美名のものに、環境を改善するよりも失業対策を行っているのである。京都議定書も、共和党・民主党の全議員が「アメリカは、中国などが削減枠に入らない場合は、署名しても批准しない」と言うバード・ヘーゲル決議を行っている。EUはそのことが判っていたので、55%条項を作りアメリカが批准しなくても条約を有効なものにしたのである。(★)

(★)京都議定書
24条 (発効) 五十五カ国以上が批准し、批准した先進国の総排出量が、一九九〇年の先進国の総排出量の五五%以上となれば発効する。(Kyoto Shinbun 1997.12.12 UNFCCC-COP3/KYOTO)
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/cop3/news/71212/04.html

中国は、2007年のCO2排出量が、米国を抜き世界最大となっている。IEAが今年の10/6に「09年版温室効果ガス排出統計」で公表している。しかし9/22に国連では、胡錦濤は「温室効果ガスの大幅削減を目指すが、そのために先進国は技術と資金の大幅な支援が必要だ」と大法螺を吹いている。中国の政策は温暖化なんぞよりも、沢山のCO2を排出して軍拡と経済発展を最優先課題としている。そのためCO2の削減なんぞは他力本願である。お坊ちゃんの鳩山日本から、最新の省エネ技術と金を無償で獲得することに、全力を注入している。だからタダで削減できなければ、何もやらない、と言うスタンスなのである。中国は、拡大する経済とこれまた膨張する軍事力で、中国に削減を求める国に対しては凄みを利かせているのである。

ロシアは、1990年では「共産圏ソ連」(*)であり、極めて非効率な産業形態であり、CO2はジャブジャブの状態であり、京都議定書では1990年比削減目標が0%とされたのだが、1997年から見れば実質的には38%の増加枠が取れたのである。そのためロシアは日本から排出権をせしめる事が出来る状態にあるのである。

(*)
1989/11ベルリンの壁崩壊、1991/10には東西ドイツ統一、1991/12ソ連邦の崩壊と独立国家共同体CISの創立

EUはと言えば、1997年の京都議定書では、7年もさかのぼって1990年を基準年に敢えて主張し、ヨーロッパが有利となるよう取り計らったのである。これは一見温暖化対策に積極的に取り組んでいるように見られるが、必ずしもそうではない。先ず第一には、排出権取引市場を独占してその利益を得ることが目的なのであり、第二には、日本などのアジアの経済発展を遅らせる事であった。1990年と言えば、日本の省エネ技術が当時としては完成の域に達していたのであり、その状態でCO2削減6%の達成のためには莫大な排出権の購入が必要となる事を見据えていたのである。このため、アメリカは早々に批准しない事を決め、カナダも離脱を決め、中国、インドは頭から参加しなかったのである。現在EUは当時の15ヵ国から27ヵ国に増えている。そのためEUとしては、その1990年当時の27ヵ国の排出量から削減すればよい事となり、その幅は36%にもなるのである。即ち現在1990年比CO2・36%削減のレベルが、現在のCO2排出レベルなのである。EUは、現状では何もしなくても大幅な削減目標を提示出来るのである。

然るに日本は、2006年には1990年比で6.4%もCO2の排出量が増えているのである。減るどころか増えているのである。(この話は、当ブログの'09/10/28のNO12を参照のこと。)武田邦彦先生の「御用学者と官僚、マスコミ共同制作、『温暖化地獄』の幻想」では、2005年を引用して14%増加として、同じ話を続けている。当ブログでも以前にも言及した事があるので、それも参照願いたい。(当ブログ、10/30,10/31,11/2のNO.14~16

2009年もまもなく暮れる。どうか皆さんも、そしてこの日本にも、来るべき2010年は輝ける年に向かうよう祈らずにはいられない。
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国慶節に思う。(53)

2009-12-31 21:59:38 | Weblog

CO2を大量に排出した結果、中国大陸では砂漠化が進んでいるという。地球の温暖化の影響は、もちろん地球規模ではあるが、大陸の内部ほど大きいと言う。日本は周りが海に囲まれているから、内陸部ほどには深刻ではなく、中国大陸、アメリカ大陸、ロシアの三大陸にその影響が顕著になっていると言う。

それは、WiLLの2010年2月号に載っている武田邦彦先生「御用学者と官僚、マスコミ共同制作、『温暖化地獄』の幻想」に述べられている。次にその要約を伝えよう。

先ず、鳩山の25%削減は「環境という美名を使った国際的な愚挙である」と決め付け、1997年の京都議定書に続く政治の失態で、今後11年間日本は重荷を背負わされて失われる11年を送る事になる、と断定している。

京都議定書の第一約束期間は、2008年1月1日から2012年12月31日の五年間であったが、鳩山はこれに続く「゛2020年までに、1990年比でCO2を25%削減する。ただしすべての主要国の参加による意欲的な目標が合意されたならば。」と演説してしまったのである。この2010年から2020年までの11年間は、CO2を25%削減するための無益な努力を強いられ、暗黒の時代になる(日本はそのため貧乏になる)と言ったのである。

その理由をはっきりさせるために、次に諸点を明確にしている。

先ず第一に、
地球の温暖化は本物か、ということである。これに対しては、「世界の地球物理および気象の専門家の間でも、それは判らない。」という事であり、現在日本で信じられている温暖化は信じられないものである、としている。現在は間氷期にあり地球規模的には氷河期に向かっているとの議論もある。もしそうであれば温暖化どころか寒冷化してゆく事になる。この議論は別途項を改めて述べてみたい。

第二に、
温暖化で被害がでるか、ということである。最も言われている事に「温暖化すると海水面が6m上がる」ということであるが、これは2006年にアル・ゴア元アメリカ副大統領が出演した地球温暖化に関するドキュメンタリー映画「不都合な真実・Inconvenient Truth」が公開された事による。それによると「(このまま温暖化が進めば)3千年後には、温暖化で海水面が6m上がる」と言ったものを、朝日新聞がその3千年後を(知っていながら)省略して、恐怖のプロパガンダをした事によるものである。

温暖化になると南太平洋のツバル諸島は水面下になって大変だ、と温暖化被害の錦の御旗とされているが、もともとツバルは1897年にイギリスの信託統治になったときには水面下であった。しかし第2次世界大戦で、アメリカが千五百メートルの滑走路を作って陸地とした所なのである。もともと水面下の国だったのである。

更に温暖化の結果集中豪雨や巨大台風が増えていると言われるが、寒冷だった頃にも諫早台風や伊勢湾台風が発生している事実がある。これらはNHKが虚偽の報道をしているから、一般の日本人は温暖化で被害が増大すると信じてしまっているのである。

次の例を説明すれば納得していただけるであろう。

風呂を沸かすと、暖かい蒸気があふれて風呂場は暖かくはなる。しかし風呂場の空気を熱くしても、風呂の水は温まらない、冷たいままである。空気よりも水の方が熱を蓄えることが出来るので(空気よりも3,500倍も)、仮に空気が温暖化しても周りが水であればそこは熱くはならない。日本は豊葦原の瑞穂の国である。日本の気温は「周囲の海の水温に近くなる」のであり、これを海洋性気候という。これと反対に大陸性気候の地帯では、海洋性気候地帯よりも温暖化の影響は顕著に出る。だからアメリカ、中国、ロシアの三大大陸国は、もしNHKが言うような温暖化が進めば、これらの地域に真っ先にその影響が出てくる筈なのである。

オバマや胡錦濤、ロシアのメドヴェージェフは、今すぐには温暖化の影響が現れるとは思っていない。彼らは温暖化の被害が出るのは2050年以降と思っており、それまでに、より有利な地位を築こうと駆け引きを行っているのである。

だから
アメリカは、現在グリーンニューディール政策などとの美名のものに、環境を改善するよりも失業対策を行っているのである。京都議定書も、共和党・民主党の全議員が「アメリカは、中国などが削減枠に入らない場合は、署名しても批准しない」と言うバード・ヘーゲル決議を行っている。EUはそのことが判っていたので、55%条項を作りアメリカが批准しなくても条約を有効なものにしたのである。(★)

(★)京都議定書
24条 (発効) 五十五カ国以上が批准し、批准した先進国の総排出量が、一九九〇年の先進国の総排出量の五五%以上となれば発効する。(Kyoto Shinbun 1997.12.12 UNFCCC-COP3/KYOTO)
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/cop3/news/71212/04.html


中国は、2007年のCO2排出量が、米国を抜き世界最大となっている。IEAが今年の10/6に「09年版温室効果ガス排出統計」で公表している。しかし9/22に国連では、胡錦濤は「温室効果ガスの大幅削減を目指すが、そのために先進国は技術と資金の大幅な支援が必要だ」と大法螺を吹いている。中国の政策は温暖化なんぞよりも、沢山のCO2を排出して軍拡と経済発展を最優先課題としている。そのためCO2の削減なんぞは他力本願である。お坊ちゃんの鳩山日本から、最新の省エネ技術と金を無償で獲得することに、全力を注入している。だからタダで削減できなければ、何もやらない、と言うスタンスなのである。中国は、拡大する経済とこれまた膨張する軍事力で、中国に削減を求める国に対しては凄みを利かせているのである。

ロシアは、1990年では「共産圏ソ連」(*)であり、極めて非効率な産業形態であり、CO2はジャブジャブの状態であり、京都議定書では1990年比削減目標が0%とされたのだが、1997年から見れば実質的には38%の増加枠が取れたのである。そのためロシアは日本から排出権をせしめる事が出来る状態にあるのである。

(*)
1989/11ベルリンの壁崩壊、1991/10には東西ドイツ統一、1991/12ソ連邦の崩壊と独立国家共同体CISの創立

EUはと言えば、1997年の京都議定書では、7年もさかのぼって1990年を基準年に敢えて主張し、ヨーロッパが有利となるよう取り計らったのである。これは一見温暖化対策に積極的に取り組んでいるように見られるが、必ずしもそうではない。先ず第一には、排出権取引市場を独占してその利益を得ることが目的なのであり、第二には、日本などのアジアの経済発展を遅らせる事であった。1990年と言えば、日本の省エネ技術が当時としては完成の域に達していたのであり、その状態でCO2削減6%の達成のためには莫大な排出権の購入が必要となる事を見据えていたのである。このため、アメリカは早々に批准しない事を決め、カナダも離脱を決め、中国、インドは頭から参加しなかったのである。現在EUは当時の15ヵ国から27ヵ国に増えている。そのためEUとしては、その1990当時の27ヵ国の排出量から削減すればよい事となり、その幅は36%にもなるのである。即ち現在1990年比CO236%削減のレベルが、現在のCO2排出レベルなのである。EUは、現状では何もしなくても大幅な削減目標を提示出来るのである。

然るに日本は、2006年には1990年比で6.4%もCO2の排出量が増えているのである。減るどころか得ているのである。(この話は、当ブログの'09/10/28のNO12を参照のこと。)武田邦彦先生の「御用学者と官僚、マスコミ共同制作、『温暖化地獄』の幻想」では、2005年を引用して14%増加として、同じ話を続けている。当ブログでも以前にも言及した事があるので、それも参照願いたい。(当ブログ、10/30,10/31,11/2のNO.14~16)

2009年もまもなく暮れる。どうか皆さんも、そしてこの日本にも、来るべき2010年は輝ける年に向かうよう祈らずにはいられない。
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国慶節に思う。(52)

2009-12-30 17:10:37 | Weblog

さてここで、今までに使ってきたデータ(数字)をまとめて掲載しよう。


(1)先ず先に挙げた2007年の世界のCO2の排出量だ。(IEAデータ)(95P)
---当ブログの'09.12.28,NO.50を参照のこと。

2007年・世界のCO2排出量
NO. 国別 % CO2排出量   
1、 中国 21% 60億7,120万トン
2、 米国 20% 57億6,930万トン
3、 EU 14% 39億2,640万トン
4、 露国 5% 15億8,740万トン
5、 印度 5% 13億2,400万トン
6、 日本 4% 12億3,630万トン
7、 加国 2% 5億7,290万トン
8、 韓国 2% 4億8,870万トン
9、 豪州 1% 3億9,630万トン
10, 伯国 1% 3億4,710万トン
11, 其他 25% 72億4,340万トン
合計 100% 289億6,200万トン


(2)JCCCA(Japan Center for Climate Change Action)のデータより。(10P)
---'09.10.20,NO.5を参照のこと。


       2006年                2007年
         排出量・億t 割合・% 1人当りt/人  排出量・億t  順位
 1.アメリカ  57.7   21.1  19.3     57.7    2
 2.中国    56.3   20.6   4.3     60.7(30%) 1(↑)
 3.ロシア   15.6    5.7   11.0             3
 4.インド   12.6    4.6    1.1             4
 5.日本    12.4    4.5    9.7     13.7    5
 6.ドイツ    8.2    3.0    9.9             6
 7.イギリス   5.8    2.1    9.6             8
 8.カナダ    5.2    1.9                  7
 9.韓国     4.6    1.7                  9
10.イタリア   4.5    1.6                 Iran
11.その他   90.1   33.2
   合計   273.0  100.0

http://www.jccca.org/content/view/1043/784/ によれば2007年は1374.3百万トンであり、IEAのデータとは異なっている。(ベースが異なっているかもしれない。)


(3)WiLLの11月号の桜井よしこ氏の論文によるデータ。(11P)
---'09.10.21,NO.6を参照のこと。


GDP単位当りのエネルギーの消費量

日本 1.0
EU 1.9
米国 2.0
中国 8.7
インド 9.2
ロシア  18.0


(4)『2009年7月11日の日経新聞には、中国のCO2排出量の巨大さをデータで示していた。それによると、総量で日本の4.7倍ものCO2を排出している。GDP千億ドル当たりで見ると、中国は日本の5.2倍ものCO2を排出している。中国は地球や人類に対して5.2倍もの悪影響を与えているのである。しかもそのことに対して、なんら改善する意思を示していない。』(12P)
---'09.10.21,NO.6を参照のこと。

            中国      日本        米国
名目GDP('08年)  4兆4千億ドル 4兆9千億ドル 14兆3千億ドル
CO2排出('06年)  56億トン   12億トン     58億トン
人口('08年)  13億28百万人 1億28百万人 3億4百万人
排出百万トン  127.3百万トン 24.5百万トン 40.6百万トン
/GDP千億ドル  5.2     1        1.7      
一人当たり     (4.2t/人)  (9.4t/人) (19.1t/人)       』

もちろんデータの年度がそれぞれ異なっているので正確ではないが、おおよその悪さ加減の程度はこれでよくわかる。これでも中国は、「自分は悪くない」ような言いっぷりをするのか。


(5) 61P
先に言及した('09年)11月27日の日経新聞の3面には、主要各国の削減目標の一覧表が掲載されている。この表でもわかるように、日本の目標値だけが突出している。
---'09.12.8,NO.34を参照のこと。

    GDP当りのEnergy消費量  90年比換算CO2削減目標(%)
        ↓          ↓
 日本  1.0         ▲25%
 米国  2.0         ▲ 3%
 EU  1.9         ▲20~▲30
 中国  8.7    (▲40~▲45、'05年比でGDP当り)
  ブラジル  ----    (▲36~▲39、対策を取らない場合に比べて)
ロシア 18.0          ▲25
オーストラリア ----           +13~▲11
   カナダ  ----         ▲ 3




(6) 61P
地球環境参議様技術研究所(RITE,Research Institute of Innovation Technology for the Earth http://www.rite.or.jp/)によると、日本が25%減を達成する場合のCO2・1トンあたりのコストは、476ドルかかると言う。それと同じコストを投ずるとEU、米国、ロシアはどれだけ削減できるのか。
---'09.12.8,NO.34を参照のこと。


日本  25%削減・・・1t/$476
EU  39%削減可能
米国  44%削減可能
ロシア 59%削減可能


このようにデータをまとめてみて考える事がある。それは上記(4)のデータにある一人当たりのCO2排出量のデータである。これは日経新聞のデータを基に小生が計算して、掲載したものであるが、中国が自慢している一人当たりのCO2排出量を知りたかったからであるが、地球上でのCO2の蓄積は一人当たりの排出量で決まる訳ではない。問題はCO2排出量の総量である。CO2の総排出量=一人当たりの排出量×総人口なのだ。中国の人口は極端に多いのだ。なにせ、13億人以上もいるのである。そしてその大半が、空気を吸って糞を排泄して、炭酸ガスを排出しているだけだ。だから一人当たりのCO2の排出量は少ないのだ。それに、一人当たりのCO2排出量が先に来るデータではないのだ。CO2の排出の結果に出てくるデータなのだ。CO2の総排出量 /総人口=一人当たりの排出量 となるのだ。中国は核を背景に世界をごまかしてはいけない。総排出量が最大だが一人当たりのCO2の排出量が低いのは、中国共産党政府が選択した道だから仕方が無い。中国共産党は自国にいる人間を人民と呼び、半ば、政府の所有物と看做している。だから人民の都合なんぞ(福祉)は考慮されずに、核兵器と弾道兵器の開発を優先したのだ。そのためCO2の総排出量は世界最大で、一人当たりの排出量は最低なのだ。(世界最大の軍需国家で核大国なのに、人民の所得は僅かなのだ。)
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国慶節に思う(51-2)

2009-12-29 13:27:42 | Weblog
世界のCO2排出量(2007年)
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国慶節に思う。(51)

2009-12-29 12:48:04 | Weblog

そして現在欧州が中心の市場となっている「クリーン開発メカニズム(CDM)」も、米国にも導入されるかどうかが、注目の的となっているのである。そして排出枠の供給国となる中国の削減目標があまりにも小さすぎる事が気がかりである。中国のあんな目標では、永久に地球温暖化問題は解消されないし、このままで排出量取引が始まれば中国にだけ金が集まってしまい、CO2は増え続け、中国の軍拡がますます進むこととなり日本はますます脅威にさらされる事となる。こんな事態を許してはならない。2010年の2月1日のコペンハーゲン協定の付属書には、中国には『 2020年までに2007年比50%(半減)させる』('20年のCO2は'07年の半分とする)くらいの目標を掲げさせるよう全世界から圧力を掛けさせる様、仕向けなければならないのである。何はともあれ、米国と中国が今後のCO2削減の中心となる事は間違いないのであり、日本は全世界に向かって、米中にCO2を削減させるべく、働きかけなければならないのである。然るに鳩山はどうか。

                    

ミスにつけ込んだ中国の勝利 200912240000
欧州“敗北”が映す排出量取引「G2」の台頭

2009年12月24日 木曜日 大竹 剛

 19日深夜2時から開かれた、欧州連合(EU)首脳の記者会見。壇上に揃って登った欧州理事会議長を務めるスウェーデンのフレドリック・ラインフェルト首相と、欧州委員会のジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾ委員長は、交渉結果に不満をぶちまけた。

(Photo)
深夜2時、会見に挑む欧州理事会議長のスウェーデンのラインフェルト首相(左)と欧州委員会のバローゾ委員長

 「正直、パーフェクトな合意とは言い難い」(ラインフェルト首相)
 「ないよりはましだが、熱望していたものとはかけ離れている」(バローゾ委員長)
 それは、見方を変えればEUの敗北宣言ともとれる会見だった。ポスト京都の新たな枠組み作りを目指したCOP15(第15回気候変動枠組み条約締結国会議)で、EUは思惑通りの指導力を発揮できなかったことを、自ら認めたのである。

「2050年までに排出量半減」も削除される想定外

 EUは、京都議定書の下で、温暖化ガスの削減目標を定めた国内法を整備している唯一の国・地域である。

 2005年にEU域内に導入した排出量取引は急成長を遂げ、バローゾ委員長も当初は、「EUの排出量取引制度は世界の炭素市場のバックボーンになっている」と発言するなど、温暖化対策の先駆者として交渉をリードすることに自信を表明していた。

 だが、結果はEUが望んだ合意とはほど遠い内容となった。

 法的拘束力のある合意に達しないのは開催前から確実視されていた。とはいえ、削減目標が全く明記されず、しかも、合意書の草案段階にあった2050年まで世界全体の排出量を半減するという文言まで削除される事態は、明らかに想定外だったと言ってよい。

 COP15の開催地であるデンマークは、EU加盟国の中でも特に環境意識の高いことでも知られる。電力の約2割を風力発電で賄い、世界最大の風力発電機メーカーもある。

 デンマークがCOP15を成功させ、京都議定書に代わる新たな枠組み作りを主導したという実績を残せれば、温暖化対策のリーダーとしてのEUの地位はさらに高まったかもしれない。

首脳級会合の直前に議長を辞任する異常事態

 だが、中国をはじめとする発展途上国は、議長国デンマークの議事進行の不手際に付け込み、EUを中心とする先進国側の主張に激しく反発。議論は停滞し、デンマークのヘデゴー気候変動・エネルギー相が首脳級会合の直前に議長を辞任するという事態に発展した。

 後を引き継いだラスムセン首相も事態を収拾できず、結局、膠着状態を打開するきっかけを作ったのは米オバマ大統領を中心とする主要国首脳会談だった。

(Photo)
デンマークのヘデゴー気候変動・エネルギー相(中央)がCOP15議長を辞任する直前に開催した全体会議

 「議長は額に汗するほど、会議の混乱に動揺していた。京都議定書でEUが果たした役割とは大違いだ」。EUの首脳会見に出席していた、あるデンマークのベテラン記者は、吐き捨てるように悔しがった。

京都議定書ではEUが議論をリード

 確かに、京都議定書を採択した1997年当時、EUは交渉をリードした。交渉は事実上、日米欧の3極を軸に進み、その中でもEUの存在感は突出していた。

 COP15で世界最大の排出国として交渉を有利に運んだ中国も、温暖化の被害者として多額の資金援助を要求し続けたG77のアフリカ諸国も、京都では脇役に過ぎなかった。

(Photo)
G77の代表を務めたスーダンのディアピィング氏

 京都議定書でEUは巧みな交渉術を発揮した。当初、2012年までの削減目標(1990年比)として15%という極めて高い数字を掲げ、日本が掲げていた2.5%、米国のゼロ%を圧倒し、日米に揺さぶりをかけた。

 その背景には、旧東ドイツで多くの工場が倒産したことや、英国で石炭火力発電所から天然ガス火力発電所への転換が進んだこと、東欧諸国のEU加盟が控えていたことなどから、温暖化ガスの削減が比較的容易だというしたたかな計算があった。

 突出した削減目標は「EUバブル」とも批判されたが、EUの主張によって流れはできた。

 米国も、来日したゴア副大統領(当時)の采配で目標を引き上げることに同意。最終的にEUは、手のひらを返すように削減目標を8%まで引き下げ、削減目標は日米欧でそれぞれ6、7、8%に決着した。

 京都議定書の枠組み作りでは、EUは日米に高い削減目標を飲ませることに成功したのである。

排出量取引の最初の果実も欧州に

 京都議定書でEUが勝ち得たのは、政治的なリーダーシップだけではない。

 京都議定書の採択後、米国が京都議定書から離脱するという不測の事態も起きたが、米国が温暖化対策から後退するのを尻目に、EUは経済的な果実も貪欲に取りに行った。その仕掛けの1つが、排出量取引のEU域内への導入だった。

 現在、排出量取引の市場規模は59億トン、金額にして626億ユーロ(約8兆円)にも達し、その約7割をEUが域内企業に発行している排出枠が占める(調査会社ポイントカーボン調べ)。

 世界最大の取引市場は英ロンドンにあり、ロンドンには排出枠を売買する金融機関やコンサルティング会社、会計事務所、調査会社など関連のサービス会社が集積している。

 EUは温暖化対策を巡る政治的な駆け引きだけではなく、温暖化ビジネスの舞台においても、世界の中心となったのである。

米国の排出量取引市場はEUの3倍に

 だが、COP15におけるEUの指導力欠如は、世界の温暖化対策を巡る力関係が、根本的に変化しはじめたことを意味する。

 その現実は、データを見れば一目瞭然だ。

(Image)
排出量は中国が世界最大
■CO2排出量(エネルギー関連)の国・地域別割合(2007年)

 世界の温暖化ガス排出量のうち、米国、中国はそれぞれ約2割を占めている。一方、EUは14%。全世界が協力して温暖化ガスの削減に取り組むことを目指す以上、ポスト京都の枠組みは、米国と中国を軸に動かざるを得ない。COP15の交渉の行方が米中に左右されたのは、ある意味当然だった。

 さらに、EUがリードしてきた排出量取引も、ポスト京都では米中の取り組みがカギとなる。

 現在、米国では、削減目標とともに排出量取引の導入を定めた法案が議会を通過するかどうかが焦点になっている。米国の排出量取引市場は、潜在的に欧州の2~3倍はあるとされ、米国内に排出量取引が本格導入されればインパクトは極めて大きい。

中国は排出枠“最大の産地”

 一方、中国は市場で取引される排出枠の“最大の産地”だ。
 京都議定書は、企業が発展途上国の温暖化ガス削減プロジェクトに投資することで、その見返りとして排出枠を取得できる「クリーン開発メカニズム(CDM)」という枠組みを用意している。そのCDMが、世界で最も適用されているのが中国である。

 昨年、CDMで発行された排出枠に占める“中国産”の割合は、実に約8割に達した。中国が世界最大の温暖化ガスの排出国であるということは、中国が排出枠の産地としても大きな役割を果たし続けることを意味する。

 これまで欧州は、CDMで発行された排出枠の約8割を購入する最大の買い手だった。つまり、京都議定書が定めた排出量取引の枠組みは、事実上、EUの排出量取引市制度がなければ成り立たなかった。

 だが、米国に排出量取引が導入されれば、排出枠の最大の産地である中国と、その最大の買い手である米国という構図ができあがるかもしれない。それは、米中という「G2」を中心に動く、世界経済の枠組みそのものでもある。

(Photo)
メディアセンターで米オバマ大統領の演説を聞く海外メディア

市場はCOP15の結果に失望

 COP15閉幕後、12月21日の月曜日。欧州では、排出枠の価格が金曜日の終値と比べて約9%も下落した。具体的な削減目標などが盛り込まれず、市場関係者の間にポスト京都の枠組みに不透明感が増したことが一因だ。

 来年11月にメキシコで開かれるCOP16に向けて、米中を軸に新たな秩序が形成されなければ、これまでEUが育ててきた排出量取引市場は失速し、温暖化ガス削減に有効な手段の1つを失いかねない。

 EUの指導力に陰りが見えた今、ポスト京都の成否は米中の動向にかかっている。


エコ亡国――「地球のため」で日本を潰すな
 (http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091120/210270/)

鳩山由紀夫首相は就任直後の国連演説で「CO2排出量の1990年比25%削減」を明言、その達成目標を2020年とした。環境技術のリーダーとして、世界のトップを走り続けることは日本にとって悪いことではない。しかし、省エネが進んだ日本が破格のコストをかけることに経済、政治、技術的な合理性はあるのか。目標達成のため“削減後進国”に支払うことになりそうな排出権の対価を含む国民負担に日本経済は耐えられるのか。多面的な議論を通じて「エコロジー=正義」という単純な構図を検証する。

大竹 剛(おおたけ つよし)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091222/211820/

(続く)
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国慶節に思う。(50)

2009-12-28 17:33:02 | Weblog

小生は、付属書に記入する数字は「0.0%」でよいと思っている。以前にも主張しておいたが、参加する主要国が日本の省エネレベルに到達できた時には、日本の削減目標を提示します、とでも言っておけばよい。それくらいの強引さと戦略が必要だ。鳩山のあの大馬鹿な25%でも、誰も付いて来なかったではないか。それに日本のCO2排出量の世界に占める割合は、僅かに4%しかない。その日本が突出して25%削減に努めても、世界全体で僅かの1%しか削減できない。CO2の増加で世界が温暖化して地球の将来が危ない、と思っているのなら(真実はそうではないが)、今最も多くのCO2を排出している国から更に多くの削減を迫る事がもっとも大切な事ではないのか。次に2007年の世界のCO2排出量の数字を示す。

2007年・世界のCO2排出量


NO.  国別   %    CO2排出量

1、   中国   21%   60億7,120万トン
2、   米国   20%   57億6,930万トン
3、   EU   14%   39億2,640万トン
4、   露国    5%   15億8,740万トン
5、   印度    5%   13億2,400万トン
6、   日本    4%   12億3,630万トン
7、   加国    2%    5億7,290万トン
8、   韓国    2%    4億8,870万トン
9、   豪州    1%    3億9,630万トン
10,    伯国    1%    3億4,710万トン
11,    其他   25%   72億4,340万トン
     合計   100%   289億6,200万トン
                 


この数字でもわかる様に、中国、米国が排出削減に取り組まなければ、現在排出しているCO2は全く減らないと思っても良い。ここでも米中2強なのである。米中のG2が今後どんな取り組みをするのか、が最も注目されるべき事項なのである。日本の25%削減などはこの数字を見る限りにおいても、COP15でも霞(かす)んでしまっていたのである。だから日本は25%なんぞと高い目標数字を誇示するのではなく、中国のCO2削減に対してはもっともっときつく言い寄らなくてはならなかったのである。そして日本が損をしないように、と言うよりも日本が儲かるように「鳩山イニシアチブ」の展開を図らなければならなかったのである。これでは無益な資金援助だけが残ってしまったと言っても過言では無い状況に立ち至っているのである。明らかにCOP15は失敗だったのである。



新聞案内人
2009年12月22日
安井 至 (独)製品評価技術基盤機構理事長、東大名誉教授
http://allatanys.jp/B001/cUGC0200018.html

「COP15」は成功? 失敗? 200912220000

(1/4)
 デンマークのコペンハーゲンで行われていた気候変動枠組条約に関する国連の会議、COP15が終了した。20日の朝刊を見ると、主要国が提出した「コペンハーゲン合意」を「承認」と表現したのが朝日新聞と読売新聞。「合意を了承」と表現したのが日本経済新聞であった。一方、NHKは「合意文書に留意する」と放送した。

 「承認」「了承」「留意」などなど…と様々に訳された英語の表現は“take note”"であった。これは、採択、署名、受諾などに比べ、かなり弱い表現である。そうせざるを得なかったのも、この合意文書を作成したのが26ヶ国の主要国であり、その枠外に置かれた途上国の反発が非常に強かったためだとされている。

 ニュースで見ると、中国代表が最後に主張していたことは、この文書は署名された(singed)ものでもなく、公的に認められた(acceptedと言ったと思うが、adopted のつもりだった可能性はある)ものでもない、ということであった。要するに、主要26ヶ国の協議の中で、中国としては、いやいや合意したという意思表明をしたかったのではないか、と思われる。

○“どこからみても満点”の国はない

 この合意文書は、それならどのような“成果”なのか。それは、どのような立場から見ても、めざましいものだとは言えないものだろうが、国や立場によって評価は異なるだろう。

 環境派の立場から見れば、こんな不十分な終わり方は許容できないだろう。国としても、ツバルなどの島嶼(とうしょ)諸国は、似た思いが強いことだろう。もっともツバルの沈下は、海面上昇だけが原因だとは思えない要素が大きいと思うのだが。

 日本の産業界に近い立場から見れば、米国はもちろんのこと、中国やインドなどのBRICS諸国も参画した形で、国際的に公平な枠組が新たに創設され、結果として京都議定書の継続が阻止されることが最良の結果であったろう。

 中国から見れば、現在の京都議定書が継続され、法的拘束力も維持されることによって、CDM(クリーン開発メカニズム)による巨額の資金が中国に流れ込む枠組が継続されることが、最良の解だったと思われる。言い換えれば、今回のように、削減をしろ、資金提供をするから情報を公開せよ、などと言われる筋合いはない、という立場だったろう。

(2/4)
 アフリカ諸国から見れば、巨額の途上国支援がコペンハーゲン合意に含まれているとは言うものの、そもそも削減せよと言われても、もともと温室効果ガスの排出そのものが農業起源のみで、その削減などは最初から無理だというのがこれらの国である。支援を受けるのなら情報公開をせよと迫る先進国の提案は迷惑でしかない。そもそも、どうやってデータをとったら良いか分からないだろう。

 オバマ大統領にとってみれば、国内の共和党の上院議員の大多数と選挙を控えた民主党の上院議員の一部が、自分の政策を支持してくれないという最近の状況では、これ以上いかんともしがたかった。とても、厳しい削減目標などは出せかなった。とはいえ、最後の最後に、主要国に影響力を行使できたのが良かった、といった自己評価なのではないだろうか。

○読めなかった途上国の頑強な反発

 デンマークは、最初から、一本化を諦めていた様子がないとは言えない。しかし、途上国からの先進国への反発がこれほど強いというところまで、読めていなかったのではないだろうか。

 EUはどうだったのだろう。排出権市場を維持するため、さらには、加盟国への強制力を発揮するために、強制力を伴う厳しい枠組が望ましいEUではあるが、最後まで、覚悟を決め協調した行動をとった訳ではなかった。今の政治的な状況では、多くを望むのは無理という理解だったのかもしれない。

 最後に日本にとってはどうだったろう。支援金額の積み増しと、25%削減という数値によって、中国あたりから妥協を引き出すことを狙ったものと思われるが、結局、中国の態度は想像以上に頑なで、結局、勝負にならなかった

(3/4)
 日本が言い出したことの一つとされている2050年までに全世界での温室効果ガス排出量を半減する、という国際公約が、途上国によって、いとも簡単に突き崩されたのは、予測されていたとはいえ、日本交渉団にとっては不本意だろう。

 結果的に、中国は半分ぐらい満足したようにも思えるが、他の国々の満足度は、最大でも20~40%程度以下だったのではないだろうか。

 このような結果に終わることは、最初から想定されていただけに、関係者は、条約そのものの全面的な崩壊を免れただけで、ホッとしているのではないだろうか。これが20%の中身である。

 さて、今後、どのような進展が見られるだろうか。
 楽観は全く許されない状況である。まず、国連の会議だけに、全会一致が大原則である。190を超す国と地域が参加しているこの会議で、立場が全く違う各国の利害が一致するはずはない。国連の会議は、どの国も平等に一票であるため、どうしても途上国に配慮した案を作らざるを得ない。中国、インドなどの利害とも全く異なった利害を持つ途上国も多い。

○日本にできるのは資金援助だけなのか

 そのためには、まず、先進国が自らの利害を乗り越えて、合意を目指すべきなのだが、EUは排出権取引市場に対する期待が大きすぎる。米国では、国内産の石炭に多くを依存しているし、国内の保守勢力がそもそも温暖化を信じていない気配がある。日本は、自国の産業保護色が強すぎる。

 となると、相違点を乗り越えたとしても、やれることは資金援助に限られるのだろうか。

 ただし、すべてを絶望的に考える必要はないようにも思える。なぜならば、本当に必要なことは、やはり2050年に温室効果ガス50%削減といった長期目標の達成である。地球全体で解決すべき問題は、気候変動だけではない。さらに上位の問題として、人口爆発を回避するということがある。そのためには、途上国の経済力が向上し、出生率が下がることが必要不可欠である。

(4/4)
 温暖化と人口爆発とのリスクのバランスを考えると、環境派からは甘いという指摘を受ける可能性はあるが、途上国に関しては、しばらくは現状からの継続を認め、2020年頃から、途上国全体の温室効果ガスの排出が頭打ちになって、2030年頃からはかなり急速に減り始めることが最善のシナリオのように思える。

 ということは、2020年頃から、世界各国において、各個人の心の中で何かが本質的に変化しはじめること。これが必須条件になるのではないだろうか。時間は確かにないが、全くないわけではない。

○「付録1」に日本は何を書き込むか

 今回のコペンハーゲン合意によって、日本にとっては、短期的な問題として、文書の付録1にどのような削減目標を書き込むかという問題がでてきてしまった。鳩山首相の25%削減案をそのまま書くわけにも行かないだろう。

 中国、米国がどのような数値を書くか、こちらはすでにほぼ明らかになっており、25%を書き込む条件は満たされていないことが明らかだからである。そうならない唯一の望みは、時限だとされる来年の1月末までに、米国の上院が厳しい削減策の方向で固まることだが、果たして可能性はどのぐらいあるのだろうか。難しいように思われる。

 最後に結論である。このCOP15は成功だったのか不成功だったのか。決して成功したとは言えないが、現時点の世界情勢のもとでは、別の解がなかったことは明らかなので、不成功だったと断定することもできない。

 ポジティブに考え、かつ、評価する以外に方法はないように思える。
http://allatanys.jp/B001/UGC020001820091222COK00450.html

(続く)
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国慶節に思う。(49)

2009-12-26 14:02:36 | Weblog

オバマは弁護士に戻ったようだった

 オバマ大統領や仏サルコジ大統領、独メルケル首相、英ブラウン首相など世界の首脳が机を並べて一言一句をチェックする様子は異様だったという。鳩山首相も12時間くらい座りっぱなしで作業に当たったという。オバマ大統領はかつての弁護士に戻ったようだった。

 各国首脳は帰国の時間を遅らせて合意文書の策定を詰めた。鳩山首相は18日の午後8時に帰国予定だったが、10時まで延長。ぎりぎりの交渉を行った。その結果、18日の深夜に政治合意案を大筋でまとめた。

 しかし、翌日の全体会合ではG77諸国からこの合意案に対しても批判の声が上がる。G77代表のスーダンのディアピィング大使は「史上最低の交渉だった。貧しい途上国を貧困の悪循環にとじ込めてしまう」と批判。

 結局、国連では全会一致が原則だが、コペンハーゲン協定は全会一致で採択できずに、多数の国が合意したということに留意するだけという玉虫色の決着となった。

 COPは気候変動を食い止めるための会議だが、交渉の背景にあるのは経済戦争だ。先進各国は自国の経済が不利になるような目標は背負いたくないし、これから経済発展をする途上国にとってはそれを妨げる目標を課されたくない。

 法的拘束力のある議定書を採択した1997年の京都会議との違いは、先進国と途上国の経済力が均衡し始め、経済戦争が激化したことが背景にある。

新興国での収益が伸びる産業界

 COP15に参加していた日本経団連には安堵の雰囲気が広がった。日本が単独で厳しい削減目標を負うことを警戒していたからだ。現地では日本経団連の環境安全委員長である坂根正弘コマツ会長が小沢環境相と会談した。

 新興国での収益を伸ばす日本の産業界にとって、新興国メーカーと競争する機会が増えてきた。新興国が全く温暖化ガスの削減義務を負わなければ、日本の産業界は不利な立場に追い込まれる。

(Photo)
COP15の会場でインタビューに答える日本経団連の坂根正弘・環境安全委員長

 坂根委員長は「日本だけが突出した削減目標を追えば、日本でものづくりができなくなる。特に素材産業が厳しい。地球温暖化問題を解決するためには、新興国の温暖化ガス排出量の伸びを抑えるしかない」と語った。

 一方、今回決まった資金援助は、日本の産業界の追い風になるかもしれない。資金援助によって日本のエネルギー効率の高い機器を販売できる可能性がある。特に三菱重工業や日立製作所のように省エネ型の発電機器を多く持つ企業にはチャンスになりそうだ。

 ただ結論先送りは、日本にとって良い面もある。

 1つは国際交渉の経験が皆無の民主党政権が、国益がぶつかり合う国際交渉の場を経験できたことだ。場数を踏まなければ、百戦錬磨の国々と渡り合うのは難しい。

戦略の練り直しを

 もう1つは、早々と温暖化ガスの25%削減を掲げたことについて再検証ができる。来年2月1日までにコペンハーゲン協定の付属書に削減目標を明記するが、それまでにもう1度議論してもよい。

 さらに、来年12月のCOP16までに国内制度を整えることができるかもしれない。国内制度を固めないことが、交渉を難しくしている側面があるからだ。

 実は、世界各国がコペンハーゲン合意を巡って抽象的な議論を繰り返す横で、クリーン開発メカニズム(CDM)を巡って詳細な議論が繰り返されていた。

 CDMとは先進国が途上国で温暖化ガスを減らすプロジェクトを実施し、そこで生み出した排出枠を売買できるというものだ。

 現状のCDMの問題を洗い出し、排出量取引を世界中に広めたいEUと、市場原理を嫌うベネゼエラなどが具体的な制度設計を話し合っていた。二酸化炭素の地球貯留技術(CCS)や原子力発電を排出枠として認めるかどうかの議論もされていた。

 CDMや排出量取引に対する日本の方針は明確ではなく、世界の制度設計に対して積極的に関われていない。

 世界は玉虫色の決着で結論を先送りした。日本はこの時間を生かし、早急に国内の議論や制度設計を進め、国際交渉に挑む足場をしっかりと固めるべきだ

エコ亡国――「地球のため」で日本を潰すな
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091120/210270/

鳩山由紀夫首相は就任直後の国連演説で「CO2排出量の1990年比25%削減」を明言、その達成目標を2020年とした。環境技術のリーダーとして、世界のトップを走り続けることは日本にとって悪いことではない。しかし、省エネが進んだ日本が破格のコストをかけることに経済、政治、技術的な合理性はあるのか。目標達成のため“削減後進国”に支払うことになりそうな排出権の対価を含む国民負担に日本経済は耐えられるのか。多面的な議論を通じて「エコロジー=正義」という単純な構図を検証する。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091221/211808/




ここでも主張されているように、鳩山の「'20年までに'90年比25%削減」と言う大法螺を再検討して、技術的、経済的、政治的に見直す事が必要だ。そして国民的なコンセンサスを得た上で、コペンハーゲン協定の付属書に「日本の削減目標」を記入すればよい。鳩山政権内では、まだ『すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、我が国の国際社会への約束の「前提」となります。』と言った条件付で25%に固執しているようだ。まだ鳩山は、自分の空想しているような意欲的な数字が提示されるとでも思っているのか。馬鹿でないかい?。
(続く)
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国慶節に思う。(48)

2009-12-25 12:26:48 | Weblog

そのため「コペンハーゲン協定」は、法的拘束力の無いあやふやな政治合意となった。鳩山のボンクラが、先走って何の押さえも無く「25%削減」などと口走ってしまったのであるが、とりあえず、日本だけが突出した削減目標を課されなかっただけでも、良しとしなければならない。ただ、「清水の舞台から飛び降りた」25%削減であったが、このコペンハーゲンでは何の役にも立たなかったようだ。どの国も日本の25%削減を見習って、積極的にCO2削減に賛同してこなかった。それよりもその事を盾に先進国だけに削減義務を課そうと、中国を先頭に攻め込まれた。中国に削減義務を負わせようとした日本が、反対に「ミイラ」になるところだったのである。それが「京都議定書の継続」であった。京都議定書が継続されるような事になれば、日本は突出した削減目標を課せられて、滅びてしまうところだった。全くもって鳩山と民主党は、疫病神である。なんとなれば、鳩山のあの国連での演説の『すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、我が国の国際社会への約束の「前提」となります。』をどのように担保するかが明確でなかったからであり、さらには、それを全世界へ展開する戦略に欠けていたのである。欠けていた、と言うよりも、戦略なんぞは何もなかったからである。いわゆる「言い放し」なのである。

言うなれば、「すべての主要国とはどの国か」、そして「意欲的な目標とはどんな数字か」を、はっきりと示しておくべきだったのである。更に言わせてもらえれば、日本を更に貧乏にさせてしまうあの「鳩山イニシアチブ」をそれらの目標の達成の工程とあわせて提示しておけば、少しは生きたものになる筈だったのである。もっと言わせてもらえれば、鳩山イニシアチブを世界的な規模に展開して、先進国間でのCO2削減の途上国への資金と技術援助のコンソーシアム(財団、協会)などへの橋渡しに役立てるべきだったのである。('09.12.7、NO.33を参照のこと。)

例えば、中国は2007年のCO2排出量が世界一となったのであるから、それを踏まえて、2020年までに2007年比50%(半減)させる。そのために先進国は中国に対して、CO2削減の資金と技術をこれだけ援助(もちろんすべてが無償ではない)する。そしてその結果は検証できるものとする。---と言ったものだが、もちろん中国が受け入れとも思わないし、中国なんぞに援助はしたくはないが、例えばの話、こんな具合に提案して国連にでもそのことを検討する機関でも設立させてゆく、と言うような進め方が必要ではなかったかと思うのである。しかし如何せん、鳩山はお坊ちゃんでそんな考えは更々持ち合わせていないし、民主党内にもそんな戦略を考える人材がいなかったと言うことである。まあ何はともあれ、CO2を削減させるためにはこの地球を先進国と途上国との2分割ではまとまらないのは確かだ。途上国を更に分けて、いわゆる途上国と準先進国に分けてCO2の削減の話は進めなければならない、と思うのである。

さて、その「コペンハーゲン協定」なるものを今一度おさらいしてみよう。次の記事を参照願う。




エコ亡国――「地球のため」で日本を潰すな
そして途上国への資金援助が残った
中国を代弁者に「G77」が削減要請に激しく抵抗 200912220000
2009年12月22日 火曜日
大西 孝弘 http://business.nikkeibp.co.jp/bns/author.jsp?ID=211808&OFFSET=0

 落胆が世界を覆った。
 12月19日。デンマーク・コペンハーゲンでの国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が閉幕した。京都議定書は2012年までの先進国の温暖化ガス削減目標を定めている。この会議では2013年以降の法的拘束力のある削減目標を定める予定だった。

 会期を1日延長して最終日は徹夜で議論したものの、「コペンハーゲン協定」という法的拘束力の伴わない曖昧な政治合意をするのが精一杯だった。
        
一時は空中分解の懸念も
         
 主な内容は3つ。先進国が途上国に対して2012年までの3年間で300億ドル、2020年までに年1000億ドルの資金援助をすること。2つ目は地球の平均気温の上昇を2度以内にとどめること。3つ目は各国が温暖化ガス削減に努め、来年2月1日までにその目標をコペンハーゲン協定の付属書に記載するというものだ。

(Photo)
COP15で記者会見に臨んだ小沢鋭仁環境大臣

 環境省の小沢鋭仁大臣は、「米中を入れた枠組みの構築にメドが立った」と前向きに振り返ったが、法的拘束力のある議定書作りは来年12月のCOP16まで先送りでその工程すら決まっていない。

 同協定についても「合意に留意する」ということを承認しただけ。環境NGO(非政府組織)である気候ネットワークの浅岡美恵代表は「世界の市民の期待を裏切った」と批判している。

 厳しく長い交渉だった。一時は政治合意すらできず、空中分解するのではないかとの懸念が広がったほどだ。

 12月7日からの会議にもかかわらず16日まではほとんど進展がなく、議論は空転し続けた。日本は9月の国連演説で、鳩山由紀夫首相が2020年までに1990年比で温暖化ガスを25%削減することと、途上国に資金援助する「鳩山イニシアチブ」を世界に発信。

 これらのカードを武器に交渉をリードすると意気込んだものの、国益がぶつかり会う場でイニシアチブ(主導権)は取れなかった

日本政府高官のアポなし説得も空振り

 「見通しが甘いと言えば甘かったのかもしれない」。会議終盤の16日、日本の政府高官は疲労をにじませながらこう漏らした。

 特に想定外だったのが中国など途上国の猛烈な反発だ。アフリカや南米などの途上国はG77というグループを結成。中国がその代弁者として会議の主導権を握った。議事進行にクレームをつけたり、途上国への削減要請に激しく反対した。

(Photo)
メディアやNGO(非政府組織)が集まる会場

 日本はCOP15までに中国政府高官と10回近くも会談。日本の政府高官は「意思疎通ができているつもりだったが」と悔しがった。鳩山首相は「中国との対立などが際立っている」と名指しで批判した。

 日本政府高官は膠着状況を打開するためにアポなしで途上国の代表団室を訪れ、首脳の説得を試みたものの、ほとんど効果がなかった。「その場では『良くわかった』と言うのに会議が始まると反対に回ってしまう」と嘆く。残り2日になっても道筋が見えない交渉に日本政府首脳は焦りを隠さなかった。

 日本の存在感の低下は、海外メディアの反応でも顕著だった。会場では世界中のメディアが交渉の中身をつかもうと、各国首脳が会議室から姿を見せると幾重もの輪ができた。

 しかし日本の首脳が会場に現れると、取り囲むのは日本のメディアだけ。集まった記者についてきた海外メディアは「中国か韓国か」と聞いてきて、日本だとわかると残念そうに去っていった。

(Photo)
日本メディアに囲まれる福山哲郎・外務副大臣

 膠着状況を打開したのは、17日以降に米国のオバマ大統領や中国の温家宝首相などの世界首脳が集結してから。世界25カ国の首脳が一堂に会して、政治合意文書の一言一句を練っていった。

 本来、こうした手続きは事務方が積み上げ、首脳が全体の方向性について議論するのが一般的だが、首脳が集結するまでにたたき台すら作ることができなかった。(---続く)
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国慶節に思う。(47)

2009-12-24 02:11:51 | Weblog

グループ77(G77)とは一体何者なのであろうか。先に、アフリカや中南米のいわゆる「ごろつき」国家を中国が率いて、と説明したがその「ごろつき国家」が、いわゆるグループ77(G77)なのだ。

先の「トムソンライター」の記事の中にあった、次の文章を参照願いたい。

 ガーディアン紙は、同相は寄稿で中国のみに言及したが、側近によるとほかにスーダン、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、キューバも批判の対象としていると解説した。

ここにあるダルフールの虐殺を行っているスーダンやチャベスのベネズエラ、カストロのキューバなどの発展途上国の圧力団体国家のグループなのである。今年はそのスーダンが交渉団の代表を務めているようだ。次の説明を見て欲しい。



G77(77ヵ国グループ)

発展途上国のグループ。

 1964年の第一回国連貿易開発会議(UNCTAD)において結成され、主に国連の場において、途上国最大の国際連携組織としての影響力を行使している。

 結成当初は、77ヵ国だったが、現在は130カ国以上が参加している。

 一年毎の持ちまわりで議場国が決められており、2006年は南アフリカが担当している。
(2006/12/12)
http://pol.cside4.jp/gaikou/49.html



『G77&中国』としてCOP15では専横(わがままをほしいままにする事)を極めた。そのため何とかまとめようと頑張っていたデンマークの女性のヘデゴー気候変動・エネルギー相は、COP15の議長辞任に追い込まれてしまったのだ。 そのため、ミリバンド英エネルギー・気候変動相は、中国などを名指しして「中国はG77などを焚き付けてCOP15を壊した。」と非難したのだ。最大のCO2排出国である中国は、既に先進国の仲間入りをしている。中国自身も「中国は先進国(大国)だ」と認めている。('09.10.19、当ブログ「国慶節に思う。NO.4」参照のこと。)G77何ぞと徒党を組んで、CO2を人質にしてこの地球を脅迫するようでは、先が知れている。温家宝などは、首脳会議に『態(ワザ)と』欠席して「中国は地球が困ろうが、譲歩はしない」との意思表示をさせている。代理が出てくるようでは首脳会議ではない。議長は速やかに中国の代表などは退場させて、温家宝を呼んで来いとつまみ出せばよかったのである。

少し長くなるが、この辺の事情を説明している次のニュース記事を参照願いたい。

          

コペンハーゲン合意、最大の敗者は国連か 200912211630
2009年12月21日(月)16:30
ニュースな英語 http://dictionary.goo.ne.jp/study/newsword/

■本日の言葉「blame game」 (責任のなすりつけあい)■

国際ニュースの英語表現をご紹介する月曜コラム、今週は「ポスト京都議定書」の温暖化対策を話し合ったコペンハーゲン会議についてです。「もう駄目だ」と思われていた会議の終盤に乗り込んだオバマ米大統領が「俺が登場したからにはもう大丈夫だ」的な、遠山の金さん的なヒーローになりかけたのだけれども、結果的にそれで国連の顔を潰したのかもしれないという話など。(gooニュース 加藤祐子)

○12年かけても大枠は変わらず

12年前の第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)、いわゆる京都会議を、それなりにみっちり取材した一人です。そして今回のCOP15の議論を見ていて「なんだ12年前と論点も各国の立場もほとんど変わってないじゃないか」というのが正直な、そしてがっかりさせられる感想でした。温暖化防止と経済活動の要請を両方抱える先進国vsこれから経済発展していなかくてはならない主に中国、インド、ブラジル、ロシア——という構図は、12年前とほとんど変わっていませんでした。

12年かけても、温暖化防止技術に画期的な進歩は(議論の文脈をすっかり変えてしまうほどの画期的な進歩は)なかったし、映画「不都合な真実」がいくら評判になっても「どんなに経済発展したところで肝心の地球がダメになってしまったらどうするんだ」というアル・ゴア元米副大統領の主張は経済新興国には浸透せず(アメリカ産業界にもさほど浸透せず)。そしてCOP15開始を狙い済ましたかのように暴露されたいわゆる「クライメートゲート(Climategate、climate=気候とウォーターゲート事件の「ゲート」を掛け合わせた言葉です)。気候変動のデータを集積する研究者たちがもしかしたらデータを水増ししていたかもしれないというこの騒動は、特にアメリカに大勢いる温暖化否定論の人たち(climate sceptics)を思い切り勢いづけてしまい、「そもそも温暖化なんてないんじゃないか」という話が再燃してしまったのも、この12年間は何だったのかという思いにさせられました。

「クライメートゲート」について更に言うと、温暖化否定論者というのはブッシュ政権8年間のアメリカで大手を振っていた保守層に多く、「社会主義者オバマの政権に国民は騙されている」感を強めている人たちと重なっていることが多いので、尚のこと米政府にとって、2012年大統領選の行方にとって、そしてポスト・オバマの米環境政策にとっても、かなり厄介な暴露でした。

そして更に、12年前も言われていた、ともかく参加国が多すぎるという問題。それはすなわち、国連という機関の意思決定手続きそのものの問題。これが、今回も最大の問題として立ちはだかったようです。これは国連のありかたの根本的な問題とも関係していて、この気候変動問題に限らずそうなのですが、国連では大国や主要ステークホルダーが密室で話し合わないことには何も具体的な施策は決まらない一方で、総会採択にあたっては190カ国以上の加盟国全てに平等な一票が与えられている。だから総会では最大公約数的な、お題目だらけの合意しかなかなか得られない。

そしてだからこそあまりにステークホルダーが多すぎて、かつ各国の利害関係が違いすぎる気候変動の問題では、誰もが受け入れられる合意が得られるはずがない。だから今後は国連ではない場で、30カ国前後の主要国を集めた場で議論を進めて行くしかないだろう——という意見が、英米のメディアを中心に多く見られます。

○一部の国が妨害したと

12年前の京都議定書策定の頃からずっと、温暖化対策の議論を国際的にひっぱってきた欧州では、京都議定書に代わる、強制力をもつ削減目標を含んだ合意が得られなかったと激しく落胆(国際条約における強制力にはそもそも限界があるのですが、それでも強制力が文書化されているとしないではやはり違いは大きい)。会議失敗の責任は誰それにあると「point a finger(指差す)」し批判しあうことを「blame game(責任のなすりつけあい)」と言います。

ニューヨーク・タイムズのこの記事によると、イギリスのミリバンド環境相(ミリバンド外相の弟)は結果にがっかりしているが、「責任のなすり付け合いをするつもりは全くない(absolutely not in the blame game)」と発言。しかし英ガーディアン紙への20日付寄稿で同じミリバンド氏は「2050年までに排出量50%削減という合意も得られず、先進国による80%削減という合意も出来なかった。両方とも先進国と大多数の途上国が支援していたにもかかわらず、中国が拒否した」と中国を名指し。さらに合意の内容に先立ち交渉手続きをめぐり会議のほとんどの時間が費やされてしまったことを強く批判し、「交渉の構図と性質をめぐる議論もある。2週間にわたり(会議が紛糾したせいで)時に滑稽な姿を国際社会にさらしてしまった。具体的な内容に関する交渉が、(一部の国によって)今回のようにハイジャックされることは二度と許してはならない」と。ガーディアン紙は、これは中国およびスーダン、そしてボリビアを含む一部の南米諸国を指差した批判だと指摘しています。さらにミリバンド氏は、温暖化対策協議を取り仕切る国連の気候変動枠組み条約事務局を、大々的に改変する必要があると主張。つまり、一部の国が話し合いを妨害できる今の仕組みのままでは交渉を続けてもムダだと。

同じ英国のゴードン・ブラウン首相に至っては、「今よりも環境に優しい未来へ進むための世界的な合意が、ほんの一握りの国々によって人質にとられるなど、二度とあってはならない」と、国名こそ名指ししないものの、強い調子で非難する予定です(日本時間21日正午現在)。

BBCによると、コペンハーゲンにおいて「中国政府代表は無礼でぶしつけだったと各方面から非難されている。しかし中国代表にしてみれば、自分たちは国民ひとりあたりの排出量をアメリカの6分の1に抑えているのだし、賞賛されこそすれ非難されるいわれはないという思いで会議に乗り込んだようだ。にもかかわらず、中国交渉団の解振華団長が3日にもわたって会議場入場を拒まれるという、屈辱的扱いを受けた(米国代表がこんな扱いを受けただろうか?)こともあり、温家宝首相が到着したころには中国代表団は、譲歩しない中国が悪いとあちこちから責め立てられ、怒り心頭に発していた」のだそうです。

とすると、中国が途中で会議を退席しなかっただけでも、もしかしたらコペンハーゲンは成果を出したのかもしれません。

○米中にとっては「前進」だと

だからでしょうか、米政府と中国政府は共に「non-binding(義務を伴わない、強制力のない)」このコペンハーゲン協定を評価。AP通信によると、中国の楊潔外相は「意味のある、前向きな」成果だと評価。オバマ政権も、「偉大な一歩前進だ」と。

特に米政府としてはそう言うしかないでしょう。そもそもつい先日までアメリカは、京都議定書に参加していなかったし、そもそも前政権は「人為的な二酸化炭素排出が温暖化の原因」という科学知見すら受け入れようとしなかったのだから。それに加えて、日本時間20日朝の時点で「主要国が合意」と速報されたそれは、オバマ大統領がかなりゴリ押しして実現したものだというのですから。上気したようなカッカした状態だった中国を、なんとか丸め込んで。

フィナンシャル・タイムズの科学担当は、コペンハーゲン会議の何が成功で何が失敗かを整理し、ともかくも「主要排出国のアメリカ、中国、インド、ブラジル、南アフリカが初めて、平均気温が(産業革命以前より)2度以上高くなる事態を避けなければ、地球は大変なことになってしまうこと、そしてそのためには『地球全体の排出量の大幅削減』が必要だと言う科学知見について合意したこと」が、最大の成果だったと。そのために何か国際法上の義務を負うのはイヤだが、少なくともお互いが努力することで、この5カ国が合意したことが、何よりの成果だったと指摘しています。

そしてこの主要国合意こそ、オバマ氏のドラマチックな辣腕によって得られたものだというのです。「主要国が合意した、しかし総会が合意を受け入れるかは未知数」という、日本時間土曜日午前の段階で見つけたニューヨーク・タイムズ記事にはこうありました。

「合意達成のきっかけとなったのは、オバマ氏のドラマチックな登場だった。中国とインドとブラジルの首脳たちの会合に、オバマ氏がいきなり割って入って、コソコソ交渉しないでほしいと伝えた」のだと。この「乱入(intrusion)」を機に話し合いはさらに進み、主要排出国の合意が形成されたのだと。

これを読んで私はつい、笑ってしまいました。「太陽にほえろ!」で「話はぜんぶ聞いた」と言いながら入ってくる山さんとか(若い読者は分からないか)、「遠山桜にはお見通しよ」と見得を切る金さんとか(もっと分からないか)、歌舞伎「暫」で「し~ば~ら~く~、しばらくしばらく!」と花道からいきなり入ってくる鎌倉権五郎とか(ますます分からないか)、ともかくそういうスーパーヒーロー的な場面を想像してしまって。この時はまだ、もしかしたらこのまま合意採択になるかもという希望があったせいもあり、「もしこの会議を映画にするとしたら、オバマが中国やインドの密談にいきなり乱入するここが最大の見せ場だな。黄門様の印籠の場面だな」などと思っていました。

翌日のニューヨーク・タイムズはこのくだりをもう少し詳しく描写。いわく、現地入りしたオバマ氏と温家宝首相の会談が二度設定されたにも関わらず、そのたびに中国は代理を寄越したのだと。しかも交渉担当者としての「格」をどんどん下げて来たのだと(なるほどこれは上述のBBCが言うように「無礼で不躾」と言われても仕方がない)。そして米政府側が改めてオバマ氏と温氏の二国間会談を設定したにもかかわらず、そのとき温首相はインド、ブラジル、南アフリカの首脳たちと会談していたと。これが上記の「コソコソ会合」ですね。それを知ったオバマ氏は急ぎその場に踏み込み、入り口から温首相に「首相、そろそろ会ってもらえますか? もう用意はいいですか?(Mr. Premier, are you ready to see me? Are you ready?)」と呼びかけたのだそうです。つまり中国がアメリカ抜きで、インド、ブラジル、南アフリカと何かを決めようとしてたところにオバマ氏が踏み込んだことで、少なくともこの主要排出国5カ国は「温暖化は大変な問題なので自分たちもがんばるよ」と合意するに至った——ということらしいです。

○勝ち負けで言うと

しかしこういう密室政治的な決め方そのものが、大多数の途上国の反発をかい、一国一票の総会では合意は採択されず。「take note」という「留意」と訳すともっともらしく聞こえますが、英語の感覚でいうと「あ、そう」と気に留める程度のことでしかない結末になってしまったと。

フィナンシャル・タイムズは、会議の最大の勝者は「そもそも温暖化なんかない」と主張する否定論者たちだったと書いています。二番目の勝者は、外交力と交渉術を駆使して自分たちに最適な結果を獲得した中国。そして最大の敗者は地球そのものだと。

けれども(少なくとも欧州では)前向きで具体的な合意を妨げたのは中国だという論調が高まり、中国が悪者にされているので、果たしてそれで中国勝利と言えるのか。そして温暖化対策については、COPではない別の場で、交渉が進んでいくかもしれないし、もし対策が進まなければいずれ人類そのものが敗者となるので、この場で中国が勝とうが欧州が負けようが結局は無意味(人類がいなくなっても、地球そのものはこれまでと違う形で生き続けるでしょう)。とすると一番最短距離で最大の被害を受けたのは、もしかしたら、気候変動枠組み条約そのもの、もしくは国連の決定プロセスそのものなのかもしれません。

アメリカは、国連改革必要論の急先鋒だけに、そもそも国連を信頼していないし、必要ともしていない。欧州はそれよりは国連の多国間プロセスを重視していたけれども、今回の苦い経験から「国連、使えない!」とそっぽを向き始めている。となると国連はますます途上国フォーラムとなり、もちろんそれはそれで有意義だけれども、主要先進国がそっぽを向いた状態では、国連は国際舞台における存在感をますます失ってしまう。国際的な意思決定の場としての国連が、コペンハーゲンでかなりの大打撃を受けた。そんな風に私は思います。

(23日・水曜日のコラムはお休みさせていただきます)  


◇goo辞書でも読める「ニュースな英語」はこちら
http://dictionary.goo.ne.jp/study/newsword/

◇「ニュースな英語」コラムの一覧はこちら
http://news.goo.ne.jp/publisher/newseng/

◇筆者について…加藤祐子 東京生まれ。シブがき隊と同い年。8歳からニューヨーク英語を話すも、「ビートルズ」と「モンティ・パイソン」の洗礼を受け、イギリス英語も体得。怪しい関西弁も少しできる。オックスフォード大学、全国紙社会部と経済部、国際機関本部を経て、CNN日本語版サイトで米大統領選の日本語報道を担当。2006年2月よりgooニュース編集者。米大統領選コラム、「オバマのアメリカ」コラム、フィナンシャル・タイムズ翻訳も担当。英語屋のニュース屋。
http://news.goo.ne.jp/article/newsengm/world/newsengm-20091221-01.html
(続く)
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国慶節に思う。(46)

2009-12-23 11:52:12 | Weblog
英国のミリバンドエネルギー・気候変動相は、名指して中国を糾弾したのだ。



英国、COP15交渉妨げたとして中国など非難=新聞 200912211420
(トムソンロイター) 2009年12月21日(月)14:20

 [ロンドン 21日 ロイター] ミリバンド英エネルギー・気候変動相は、デンマークで開催された国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)をめぐり、交渉を妨害したとして、中国、スーダン、ボリビアやその他南米諸国を非難した。21日付のガーディアン紙への寄稿で明らかにした。

 COP15は19日、日米欧や中国など20カ国以上の首脳らの協議でまとめた「コペンハーゲン協定」の全会一致での採択を断念し、同協定に「留意する」との文書を採択して閉幕した。

 同相は「英国は、(法的拘束力をもつ協定の成立に反対する)これら諸国が世界的な進展を妨げることを容認しない姿勢を明確に示す」とし、「議題の要旨に関する交渉が今回のように乗っ取られることを二度と許してはならない」とした。

 同相は「世界の温暖化ガス排出量を2050年までに1990年比で50%削減する、また、先進国は80%の削減負担を担うとする(議長国草)案について合意を得られなかった」と指摘した上で、「中国がこの両案に反対した」と名指しした。

 ガーディアン紙は、同相は寄稿で中国のみに言及したが、側近によるとほかにスーダン、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、キューバも批判の対象としていると解説した。

 同相はまた、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)や、交渉の進め方について「大幅な改革」が必要との認識を示したと。
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-130408.html



中国は、もともとCOP15でのCO2削減などには、からきし興味や熱意などは持ち合わせていなかった。コペンハーゲンでは、最大のCO2排出国としてそのCO2を人質にして、いわゆる先進国から金をせびる事が第一の目的だったのだ。そして第二の目的は、途上国の頂点の立つことであった。アフリカや中南米のいわゆる「ごろつき」国家をたきつけて、と言うよりも配下に従えて途上国としての立場を主張してCOP15を混乱させ、盟主然とすることだったのだ。中国は国慶節では「大国だ」と先進国ぶりっ子をしたので、世界から「中国は先進国(に準ずる国)だ。」と決め付けられることを極度に恐れていた。そのためいわゆるごろつき国家を焚き付けて、世界に対して戦線を張ったのである。そしてこの戦に勝利している。COP15の権威は地に落ちたのである。次の記事を読めばその事が良くわかる。中国はこの地球のHIVだ。
           

【COP15】中国の独壇場 オバマは「敗北」宣言 200912181952
2009.12.18 19:52

 【コペンハーゲン=木村正人、粂博之】地球温暖化対策を協議する国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)首脳級会合は中国が途上国を率いるグローバルプレーヤーとしての力を誇示する場と化した。先進国のリーダーとして米中首脳会談に臨んだオバマ米大統領は中国が仕掛けたパワーゲームの厳しい現実を突きつけられた。G2(米中)の攻守は完全に逆転したことを世界中に印象づけた。

 ■明暗

 16日夜に現地入りした中国の温家宝首相は、17日に予定されていた記者会見を土壇場でキャンセルするなど隠密行動に徹し、18日の首脳級会合全体会合で初めて公に発言した。

 「会議の結果がどうなろうとも中国は自らが定めた目標を達成し、さらに上積みすることを確約する。これはあくまで自発的なものだ」。温首相は会場を見下ろすように言い放った。

 まもなく演壇に立ったオバマ米大統領の表情はこわばり、「各国による温暖化対策を検証する方法が担保されない合意など、ただの紙切れと化すだろう」と怒りをあらわにした。怒りの矛先は明らかに温首相に向けられていた。

 オバマ大統領は18日朝、大統領専用機でコペンハーゲン国際空港に到着するや否や隣接するホテルにこもって首脳外交を展開。温首相とも会談した。前日まで中国は、米国が提案する実質的な温室効果ガス削減を担保する「測定・報告・検証可能」な仕組みを受け入れる構えを見せていたが、温首相は一転拒否した。

 ■別動隊

 「竹のカーテン」に隠れて姿を見せない中国の別動隊として先進国を揺さぶったのがアフリカ諸国を中心に130の途上国が参加するグループ77(G77)だ。COP15では「G77&中国」を名乗り連日、午前と午後に協議を重ねた。

 「『G77&中国』は世界の人口の80%以上を占め、中国やインド、ブラジルで暮らす数百万人がアフリカよりも貧しい生活を送っている」。G77交渉団代表を務めるスーダンのルムンバ・スタニスラウス・ディアピィング氏は本紙に対しG77の存在感と中国との連帯感の強さをこう表現した。

 スーダンに対して米政府は1993年、テロ支援国家に指定。一方、中国は石油利権のため国際刑事裁判所(ICC)がダルフール紛争をめぐる戦争犯罪で逮捕状を出したバシル大統領を支援しているとして国際的に非難されている。(★)

(★)'07.9.24~の当ブログ「北京オリンピック」参照のこと。

 クリントン米国務長官が17日、2020年まで先進国で年1千億ドルを拠出する構想を表明した後も、ディアピィング氏は「(災害対策を除く)排出削減策だけで年4千億ドル必要だ」と平然と言ってのけた。

 同氏は会議4日目の10日、議長国デンマークの議事進行を不服として退場したのをはじめ、14日もアフリカ諸国を中心とした交渉のボイコットを主導。16日には途上国から先進国寄りだと突き上げられていたデンマークのヘデゴー気候変動・エネルギー相がCOP15の議長を辞任し、ラスムセン首相に交代した。

 ■グローバルプレーヤー

 会期終盤の16日、日本を含む先進各国の交渉担当者が集まり、交渉を前進させるために「中国は何を求めているのか。とにかく中国と話をしなければならない」と知恵を絞った。

 日本政府関係者の1人は「中国政府幹部は手分けしてアフリカ各国を毎年訪問し関係を深めている。資源開発で援助もしている」と語る。2年前には中国・アフリカ協力フォーラム首脳会議を北京で開き、多数のアフリカ諸国首脳が“北京詣で”を行った。

 昨年の北京五輪でも各国首脳を招き、主要国首脳会議(G8)では拡大会合に必ず顔を出す。高度経済成長を維持する一方で、途上国のリーダーとしての地位も手放そうとしない。

 先進国側は最後の最後まで、意味のある「政治合意」を目指して中国を説得する糸口を探す一方で、手分けして途上国の「切り崩し」に乗り出し、会議への協力と資金支援の実行が不可分であることをほのめかした。日本もアポ無しで途上国代表団を回ったが、大勢は変わらなかった。

 大混乱の交渉がもたらした結果は何だったのか。

 別の日本政府交渉筋は「中国は排出削減責任を負わされるというリスクから途上国を守り、先進国からの資金支援を勝ち取らせた」と総括する。これこそ中国の狙いだったのだろう。

 オバマ大統領は2016年夏季五輪開催地を決める国際五輪委員会(IOC)総会で涙をのんだ因縁の地コペンハーゲンで再び何の成果も上げられなかった。 ギブズ大統領報道官は事前に、「中身のない合意を持ち帰ることになれば手ぶらで帰国した前回より事態は深刻だ」と語っており、多国間協調主義を掲げるオバマ大統領の影響力低下は避けられない見通しだ。
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/091218/env0912181954006-n1.htm

(続く)
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