CO2を大量に排出した結果、中国大陸では砂漠化が進んでいるという。地球の温暖化の影響は、もちろん地球規模ではあるが、大陸の内部ほど大きいと言う。日本は周りが海に囲まれているから、内陸部ほどには深刻ではなく、中国大陸、アメリカ大陸、ロシアの三大陸にその影響が顕著になっていると言う。
それは、WiLLの2010年2月号に載っている武田邦彦先生の「御用学者と官僚、マスコミ共同制作、『温暖化地獄』の幻想」に述べられている。次にその要約を伝えよう。
先ず、鳩山の25%削減は「環境という美名を使った国際的な愚挙である」と決め付け、1997年の京都議定書に続く政治の失態で、今後11年間日本は重荷を背負わされて失われる11年を送る事になる、と断定している。
京都議定書の第一約束期間は、2008年1月1日から2012年12月31日の五年間であったが、鳩山はこれに続く「゛2020年までに、1990年比でCO2を25%削減する。ただしすべての主要国の参加による意欲的な目標が合意されたならば。」と演説してしまったのである。この2010年から2020年までの11年間は、CO2を25%削減するための無益な努力を強いられ、暗黒の時代になる(日本はそのため貧乏になる)と言ったのである。
その理由をはっきりさせるために、次に諸点を明確にしている。
先ず第一に、
地球の温暖化は本物か、ということである。これに対しては、「世界の地球物理および気象の専門家の間でも、それは判らない。」という事であり、現在日本で信じられている温暖化は信じられないものである、としている。現在は間氷期にあり地球規模的には氷河期に向かっているとの議論もある。もしそうであれば温暖化どころか寒冷化してゆく事になる。この議論は別途項を改めて述べてみたい。
第二に、
温暖化で被害がでるか、ということである。最も言われている事に「温暖化すると海水面が6m上がる」ということであるが、これは2006年にアル・ゴア元アメリカ副大統領が出演した地球温暖化に関するドキュメンタリー映画「不都合な真実・Inconvenient Truth」が公開された事による。それによると「(このまま温暖化が進めば)3千年後には、温暖化で海水面が6m上がる」と言ったものを、朝日新聞がその3千年後を(知っていながら)省略して、恐怖のプロパガンダをした事によるものである。
温暖化になると南太平洋のツバル諸島は水面下になって大変だ、と温暖化被害の錦の御旗とされているが、もともとツバルは1897年にイギリスの信託統治になったときには水面下であった。しかし第2次世界大戦で、アメリカが千五百メートルの滑走路を作って陸地とした所なのである。もともと水面下の国だったのである。
更に温暖化の結果集中豪雨や巨大台風が増えていると言われるが、寒冷だった頃にも諫早台風や伊勢湾台風が発生している事実がある。これらはNHKが虚偽の報道をしているから、一般の日本人は温暖化で被害が増大すると信じてしまっているのである。
次の例を説明すれば納得していただけるであろう。
風呂を沸かすと、暖かい蒸気があふれて風呂場は暖かくはなる。しかし風呂場の空気を熱くしても、風呂の水は温まらない、冷たいままである。空気よりも水の方が熱を蓄えることが出来るので(空気よりも3,500倍も)、仮に空気が温暖化しても周りが水であればそこは熱くはならない。日本は豊葦原の瑞穂の国である。日本の気温は「周囲の海の水温に近くなる」のであり、これを海洋性気候という。これと反対に大陸性気候の地帯では、海洋性気候地帯よりも温暖化の影響は顕著に出る。だからアメリカ、中国、ロシアの三大大陸国は、もしNHKが言うような温暖化が進めば、これらの地域に真っ先にその影響が出てくる筈なのである。
オバマや胡錦濤、ロシアのメドヴェージェフは、今すぐには温暖化の影響が現れるとは思っていない。彼らは温暖化の被害が出るのは2050年以降と思っており、それまでに、より有利な地位を築こうと駆け引きを行っているのである。
だから
アメリカは、現在グリーンニューディール政策などとの美名のものに、環境を改善するよりも失業対策を行っているのである。京都議定書も、共和党・民主党の全議員が「アメリカは、中国などが削減枠に入らない場合は、署名しても批准しない」と言うバード・ヘーゲル決議を行っている。EUはそのことが判っていたので、55%条項を作りアメリカが批准しなくても条約を有効なものにしたのである。(★)
(★)京都議定書
24条 (発効) 五十五カ国以上が批准し、批准した先進国の総排出量が、一九九〇年の先進国の総排出量の五五%以上となれば発効する。(Kyoto Shinbun 1997.12.12 UNFCCC-COP3/KYOTO)
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/cop3/news/71212/04.html
中国は、2007年のCO2排出量が、米国を抜き世界最大となっている。IEAが今年の10/6に「09年版温室効果ガス排出統計」で公表している。しかし9/22に国連では、胡錦濤は「温室効果ガスの大幅削減を目指すが、そのために先進国は技術と資金の大幅な支援が必要だ」と大法螺を吹いている。中国の政策は温暖化なんぞよりも、沢山のCO2を排出して軍拡と経済発展を最優先課題としている。そのためCO2の削減なんぞは他力本願である。お坊ちゃんの鳩山日本から、最新の省エネ技術と金を無償で獲得することに、全力を注入している。だからタダで削減できなければ、何もやらない、と言うスタンスなのである。中国は、拡大する経済とこれまた膨張する軍事力で、中国に削減を求める国に対しては凄みを利かせているのである。
ロシアは、1990年では「共産圏ソ連」(*)であり、極めて非効率な産業形態であり、CO2はジャブジャブの状態であり、京都議定書では1990年比削減目標が0%とされたのだが、1997年から見れば実質的には38%の増加枠が取れたのである。そのためロシアは日本から排出権をせしめる事が出来る状態にあるのである。
(*)
1989/11ベルリンの壁崩壊、1991/10には東西ドイツ統一、1991/12ソ連邦の崩壊と独立国家共同体CISの創立
EUはと言えば、1997年の京都議定書では、7年もさかのぼって1990年を基準年に敢えて主張し、ヨーロッパが有利となるよう取り計らったのである。これは一見温暖化対策に積極的に取り組んでいるように見られるが、必ずしもそうではない。先ず第一には、排出権取引市場を独占してその利益を得ることが目的なのであり、第二には、日本などのアジアの経済発展を遅らせる事であった。1990年と言えば、日本の省エネ技術が当時としては完成の域に達していたのであり、その状態でCO2削減6%の達成のためには莫大な排出権の購入が必要となる事を見据えていたのである。このため、アメリカは早々に批准しない事を決め、カナダも離脱を決め、中国、インドは頭から参加しなかったのである。現在EUは当時の15ヵ国から27ヵ国に増えている。そのためEUとしては、その1990年当時の27ヵ国の排出量から削減すればよい事となり、その幅は36%にもなるのである。即ち現在1990年比CO2・36%削減のレベルが、現在のCO2排出レベルなのである。EUは、現状では何もしなくても大幅な削減目標を提示出来るのである。
然るに日本は、2006年には1990年比で6.4%もCO2の排出量が増えているのである。減るどころか増えているのである。(この話は、当ブログの'09/10/28のNO12を参照のこと。)武田邦彦先生の「御用学者と官僚、マスコミ共同制作、『温暖化地獄』の幻想」では、2005年を引用して14%増加として、同じ話を続けている。当ブログでも以前にも言及した事があるので、それも参照願いたい。(当ブログ、10/30,10/31,11/2のNO.14~16)
2009年もまもなく暮れる。どうか皆さんも、そしてこの日本にも、来るべき2010年は輝ける年に向かうよう祈らずにはいられない。