世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

ならず者国家・中国、アレコレ!(11)

2015-11-30 00:00:00 | Weblog

なぜならそんな構想が爆発の直後に出ているのである。次の記事は9/5付けのものである。いかにも早い、原因究明は全く終わっていない。

消防がなぜ、危険薬品倉庫の火事に水を掛けたのか、と言った消防だけでなく大きな制度的な問題などは、放ったらかしだろう。



巨大爆発跡地に「エコ公園」=惨事消す政府に批判集中-中国天津
(2015/09/05-11:17)

 【北京時事】中国天津市政府は5日、8月に発生した巨大爆発の跡地を整理した後、「海港生態(エコ)公園」を建設する計画を発表した。消防隊員ら160人が死亡し、「人災」との批判が相次ぐ中で、インターネット上では惨事を消し去ろうとする政府の動きに批判が集中している。

〔写真特集〕中国・天津で爆発事故~現場にできた巨大な穴~
(http://www.jiji.com/jc/d4?p=tex508&d=d4_uu&r=y)

 爆発では消防隊員104人が犠牲になり、今も13人が行方不明。毒性の強いシアン化ナトリウムなど危険化学物質が大量に爆発し、水質や土壌、大気の汚染に懸念も強まっている。

 天津市政府が微博(中国版ツイッター)で明らかにした建設計画によると、緑地が多くを占める海港生態公園は11月に着工し、来年6月に完成。近くに小学校や幼稚園も建設する。政府は電話やメールで市民から意見を聴き、計画や建設に反映させるという。

 計画の概要では「公園内の芝生に、犠牲になった消防隊員を称賛する彫刻などを設置し、歴史の教訓を明記する」と説明している。

 しかし、ネット上では「事故調査の結果がはっきりしていないのに痕跡を消そうとしている」「『人災公園』と名付けるべきだ」「『災難館』を造るべきだ」「学校や幼稚園ではなく、政府庁舎を移転すれば、市民に『無毒・無害』を証明できる」などの声が相次いでいる。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201509/2015090500131&g=int


これも”人の噂も75日”を狙っているものであろう。「惨事を消し去ろうとする政府の動き」とあるように、早く人災であるこの大爆発の責任追及の圧力を消し去りたいのであろう。

現役の天津市長である黄興国(こうこうこく)氏(60)にまつわる諸々の責任への追求を、習近平は
防ぎたいのであろう。なんと言っても黄興国は習近平の一の子分である。それにさもないと習近平自身への疑惑が、その過程で引っ張り出されないとも限らないのだ。だからあわてているのであろう。

なんと言っても中国社会は賄賂の国である。賄賂が商習慣となっており、それがないと仲間にも入れてもらえないらしい。




習主席も止められない 中国ビジネス、腐敗の現場
2015/10/19 3:30     ニュースソース  日本経済新聞 電子版


 中国国家主席、習近平が躍起になる政権中枢の腐敗撲滅。その手も行き届かない闇が社会を覆っている。ビジネスの現場も例外ではない。現地に進出する日本企業の末端でも、仕事の発注の見返りに金品を要求する「キックバック」が横行する。最前線の現場で“腐敗の実態”に迫った。

■30代課長、もう一つの財布

 中国南部の一大経済圏、広東省西部のある都市――。2000社を超える日系企業が集中し、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダなど日本の大手自動車メーカーが主力拠点を置く、日本にもなじみの深いこの街で、日系の大手自動車部品メーカーに勤務する30代前半の中国人男性寧恩達(仮名)が、腐敗に手を染め始めてから、もうすぐ1年になる。

 見た目は小柄で、非常に真面目な雰囲気。身なりもきっちりとしたIT(情報技術)管理部の課長だ。寧の給料は月額5000元(約10万円)。一般的な民間企業に勤める中国人の給料は数万円だから、待遇は良いと言っていい。

 ところが彼には、実はもう一つ別の財布がある。「キックバック専用」の財布だ。昨年12月、4年間務めた前任の中国人の課長から引き継ぎ、手に入れたその“黒い財布”には、給料の4倍の2万元(約40万円)が毎月、自動的に振り込まれるようになった。

 振り込んでくるのは、寧がIT管理部の課長権限で毎月発注するパソコンやモニター、プリンターのインクなど、工場で日常的に使う各種製品を取り扱うIT関連の中国企業だ。製品を毎月、寧に大量に発注してもらう代わりに、発注価格の10%分を「お礼」として、寧にキックバックしている。

 寧が勤務する日系企業の従業員は、現在約2000人。IT関連の製品だけでも毎月の発注金額は400万円ほどになるため、その10%の40万円がキックバックされ、寧の懐に入る仕組み。だから、寧は正規の給料の10万円と合わせ、合計毎月50万円を、この日系企業で稼いでいる計算になるのだ。

 寧にも、もちろん後ろめたいことをしている自覚はある。だからこそ月々40万円ものお金の振り込み先は、寧本人の銀行口座ではなく、寧の妹の口座にして、毎月振り込んでもらってきた。


中国では、スマホを使って、手軽に送金ができるサービスが普及しており、腐敗の温床になりやすいとの指摘もある

 だが、それでもまだ寧は不安になったのか、ここ2カ月は、中国で人気のスマートフォンのアプリ「微信(ウィーチャット)」の決済サービスを使って送金してもらい、銀行間の直接取引は止める念の入れようだ。
(続く)
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ならず者国家・中国、アレコレ!(10)

2015-11-27 00:00:00 | Weblog

【矢板明夫の目】天津大爆発から1カ月 担当者は自殺 中国当局の危機管理能力の欠如を露呈
2015.9.25 06:00

大規模爆発発生から12日後の8月25日、天津市の窓ガラスなどが破壊された高層マンションの前には、地方政府の幹部らに抗議するため、住民らが集まった(共同)

 中国有数の港湾都市、天津で起きた、死者、行方不明者160人を超える爆発事故から1カ月近くが経つ。現場付近で中国人民解放軍の化学戦専門部隊らによる清掃、整理は継続されており、爆発の原因究明はまだほとんど進んでいない。損害賠償をめぐり住民と当局の交渉もまだ続いている。今回の爆発は、中国当局の危機管理能力のなさ、政商癒着など多くの問題を一気に顕在化させ、市民の政府不信をますます募らせる結果となった。

異例の対応長期化

 中国で死者が100人を超える大事故はよく起きる。ほとんどの場合は、当局は迅速に対応し、現場を閉鎖して家族に賠償金を支払う代わりに箝(かん)口(こう)令を敷くなど、情報コントロールを図る。発生から3日ほどですべての処理を終了させるのが通例だが、今回のように対応が長期化したことは異例だ。

 その理由について、天津市当局者はメディアに「生活に影響が出た市民は10万人を超えており、要望を聞くのに時間がかかった。また、現場付近で危険な化学薬品が飛び散っているため、専門家に頼らなければならなかった」などと説明した。しかし、別の市関係者は「縦割り行政で陣頭指揮をとる人がいないのが本当の原因だ」と説明する。

 この件を取材した中国人記者によると、爆発が起きた倉庫は天津市内にあるが、それを実際に管理しているのが交通運輸省の傘下にある天津港務局だ。また、現場に入って救援を担当するのは北京軍区であるため、連携が悪く、意思疎通ができていない。責任を押しつけあう場面も多く、現場は大変混乱しているという。

責任曖昧なまま損害賠償

 中国当局が最も神経をとがらせているのは、自宅が壊れた住民への損害賠償問題だ。爆発が起きた場所は高級住宅地に近く、全半壊した住居は約6000戸前後といわれる。彼らは、今回の爆発はすべて政府の責任だと主張し、マンションの買い取りを政府に要求。爆発以降、連日のように対策本部が設けられている天津市内のホテル周辺で、抗議活動を続けている。

 当局は当初、マンションの買い取りを拒否し、見舞金を支払う形で解決を図ろうとしたが、交渉が難航した。その後、住宅を建てた開発業者にマンションを回収してもらう案も浮上したが、これも実現しなかった。9月になってから、ようやく爆発が起きた場所周辺の建物をすべて政府が買い取り、取り壊してから記念公園にする方針を固めた。しかし、責任を曖昧にしたまま巨額な税金が使われることに対し、インターネットなどで多くの反対意見が寄せられた。

 また、火の気がないはずの危険物倉庫で火事はなぜ起きたのか。爆発の原因究明はまだ進んでいない。一部香港紙は、共産党内の権力闘争に絡み、テロを含む「人為的な原因の可能性もある」と伝えているが、具体的な証拠はない。

 爆発後、問題の倉庫を所有する会社の幹部と天津市幹部約20人の身柄が拘束された。法令で禁止されている住宅地から1キロ未満の位置にある危険物倉庫の建設許可をめぐり、不正があったかどうかについて調べられているもようだ。

許認可担当者が「自殺」

 共産党幹部の間では、倉庫を所有する企業の背後には地元出身の大物政治家、李瑞環(りずいかん)氏(80)=元党政治局常務委員、元全国政治協商会議主席=の親族がいるといわれているが、責任追及は李氏まで及ばないと見る党関係者が多い。

 行政側の管理、監督責任を問う声はインターネットなどで多く寄せられた。天津市長兼党委書記の黄興国(こうこうこく)氏(60)は爆発後の記者会見で「私は今回の事故に対し逃れられない責任がある」と述べ、一時、責任を取って辞任するという噂が流された。しかし、しばらくして、その話は立ち消えとなった。

 黄氏は習近平国家主席(62)が浙江省勤務時代の部下で、習主席が信頼できる数少ない側近の中の一人だ。爆発の責任を取って辞めると、政治的に再起は難しいため、習主席が黄氏を守った可能性が大きい。

 8月26日、倉庫建設の許認可に関わったとされる天津市交通運輸委員会の担当課長が、ビルから飛び降りて死亡した。警察は自殺と発表したが、地元では責任をすべて押しつけられたうえ、口封じのため殺害されたとささやかれている。(中国総局 やいた・あきお)
http://www.sankei.com/premium/news/150925/prm1509250001-n1.html



この記事は2015.9.25となっているが、爆発の起こった周辺地域を買い上げて「記念公園」にすることを決めたと書かれているが、例によって、揉み消しではないかとの批判が集中していると言う。
(続く)
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ならず者国家・中国、アレコレ!(9)

2015-11-26 00:00:00 | Weblog

先ずは、産官の癒着

(産)は、 瑞海物流の大株主董社軒于学偉である。

(官)は、 国家安全生産監督管理局長で2012年5月上旬まで天津市副市長であった.楊棟梁

彼は危険物倉庫の建設には関係があったかもしれないが、大量の危険物の保管はそれ
以降(2014年)のことなので、直接には関係はないと見られているのだが。

そして八年天津市長を務め、昨年暮れから代理書記も兼務していた黄興国 の責任はないのか、と言う疑問が残る。

しかしながら黄興国は習近平の子分だから、習近平は自分の部下を守ろうとしているのでしょう。黄興国からは(この官民の癒着からの利益から)習近平に貢物がいっていたかもしれないと言う想像も成り立つ。

更に天津市の当局の有象無象の職員が加担していた事は、想像に難くない。      
瑞海物流は違法倉庫、違法な大量保管で巨額な利益を得ており、天津市当局は巨額な賄賂を貰っていたことでしょう。


次の問題は、この大爆発の政治責任の追及。これは”虎”に当たるものであるが、この政治責任問題は複雑怪奇だ。

先ずは、天津市の現役市長兼天津市代理書記の、習近平一の子分黄興国 に責任の矢が向けられている。習近平は黄興国 を救うために、別のところに悪役を見つける必要がある。黄興国 は、自分の責任を認め犠牲者や、遺族・被害者の救済に全力を注ぐとして、善玉官僚として猫を被っていると言う。そのためマスコミも、彼には好意的だという。

瑞海物流は勿論第一の責任当事者であるが、天津市側の責任者としては、 国家安全生産監督管理局長で2012年5月上旬まで天津市副市長であった 楊棟梁 に(習近平は)白羽の矢を立てさせたのであろう。

そして天津市がらみの経済政策の「北京・天津・河北省一体化政策(京津冀一体化)」の失敗、「浜海新区開発」計画の頓挫、天津市の財政破綻問題など解決が困難な問題が山積している。そんなときに「瑞海物流の違法倉庫」大爆発が発生したのである。

そのため習近平は、「もろもろの責任追及の矛先を石油閥の張高麗に向けることで、自分が目をかけている部下の責任を回避させ、しかも石油利権閥を完全に解体でき、本丸の政敵の一人でもある江沢民に打撃を与えることが出来る、と言うシナリオをもっているのではないだろうか。」と福島香織氏の寄稿文は述べている。

この寄稿文では、「このように政治責任の矛先を政敵に持って行かねば、習近平政権の屋台骨自体が揺らぎかねないほどの大事件であったともいえる。」と書かれているほどの政治的にも、物理的にも強烈な爆発であった。

言ってみれば、「”虎”も”ハエ”も一緒に叩く」の”虎”に当たってしまうのは、習近平自身ではないか、とも思えるのである。


従って習近平政権への打撃は相当なものではないか、と習近平自身が感じているのではないのかな。

天津港は世界四位の貨物量を誇ると言う。この港が長期間機能麻痺に陥ることになる。中国経済への影響も馬鹿にならないであろう。

更には、爆発に曝された高級マンション群は売り物にならず、住民達と長期間賠償問題でもめることになるであろう。

以上述べてきたように、責任問題もウヤムヤだ。倉庫建設の許認可に関わったとされる天津市の担当課長は、ビルから飛び降りてで自殺したと言うが、口封じのために殺害されたなどと噂されていると言う。虎はまだどこかにいる筈だ。

(続く)
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ならず者国家・中国、アレコレ!(8)

2015-11-25 00:00:00 | Weblog

いかにもなぞが多いようだが、この福島香織氏の論考では、5つの疑惑を紹介しているので、おさらいの意味も兼ねて、次にまとめてみる。


疑惑① 正確な死傷者数が隠蔽されている。
 ここでは犠牲者(これは死者数と見る)だけでも、1,400人以上の可能性もあるようだ。

疑惑② 環境への悪影響大
 倉庫に保管されていたシアン化ナトリウムは水と反応して、青酸ガスが発生するという。  だから爆心地から6kmも離れた河は、死んだ魚で埋め尽くされていた、と言う。  
 そのほか神経ガスも検知されたと報道もされている。中性子爆弾が破裂したと言う話も、あながち途方もない話ではないかも知れない。
 しかも化学薬品が爆発して飛び散ったわけであるから、いわゆる毒物が地表などにばら撒かれていることになる。

疑惑③ 政治的責任を反習近平派の人物になすりつける。
 危険な化学薬品倉庫は、公共施設や居住区から1km以上離れていなければならないと言う決まり(規則)があるが、守られていない。しかも規定以上の化学薬品が保管されていた。これは倉庫企業と天津市の職員、更には高級官僚との間に、賄賂のやり取りがあった筈である。習近平政権は、これを自身の政敵にその責任をなすり付けようとしている。

疑惑④ 爆発と権力闘争を絡める。
 しかも天津市は債務不履行に陥っていると言う。これらも含めて、習近平政権は反対派官僚に責任を押し付ける考えのようだ。

疑惑⑤ この大爆発は故意ではないのか。
 最初の倉庫火災の原因は不明のままだ。だから、習近平政権を揺さぶるために放火されたものではないのか、と言った陰謀説まで流れている。

果たして習近平は、人々の不安を解消して信頼を取り戻すことの出来る解決策を見つけることが出来るのか、はなはだ疑問である。


なぜこんな居住区近くに危険物倉庫が、法律があるにも拘らず建設されてしまったのか、中国ならではの闇があったのであろう。ここら辺りのことを、この福島香織氏は、PHPの雑誌・Voiceの10月号に詳しく記載している。そこでは、どんな形で官民の癒着があったかを、説明している。

そこで、それを参考に官民の癒着関係を、以下紐解いてみたい。

まずここに関係している人物を、整理してみよう。主な関係者・組織は次の10人と思われる。




1.瑞海国際物流有限公司 2012年に出資金1億元で設立された民間物流企業。天津市浜海地
 区に建てられた違法危険物薬品倉庫を所有する企業である。
 この大株主は 董社軒于学偉。この2人が大きな利権となる危険物倉庫の経営を始める。
 2015年8月12日深夜、火災を起こし大爆発した。爆心地には直径100mのクレーター。
 大爆発2回の威力はTNT3tとTNT21tだと言う。

2.只峰 瑞海物流の雇われ社長。身柄拘束された。
 陳雅全 瑞海物流の雇われ監事。身柄拘束された。2人とも後述の「中化集団」の子会社、天津浜海物流から 于学偉が引き抜いた人材である。

3.董社軒 瑞海物流の大株主。元天津港公安局長の息子。身柄拘束された。董社軒は天津港公安局にコネあり。

4.于学偉 瑞海物流の大株主。化学危険物の扱いを熟知 中央企業「中化集団」の天津支社副社長を2012年9月退職している。3王飛の有能な部下。身柄拘束された。于学偉 は中化集団天津支社の人脈、部下、顧客を引き抜いて董社軒と共に瑞海国際物流を創立した。

5.王飛  2012年に汚職で失脚した中化集団天津支社の元社長

6.楊棟梁 国家安全生産監督管理局長で2012年5月上旬まで天津市副市長。石油閥のボス・周永康と昵懇。彼は丁度天津の救援指揮部連絡会議に参加しているときに身柄拘束された。

習近平政権は董社軒、于学偉、楊棟梁らに事件の責任を負わせることにしたようだ。現役の天津市長兼同代理書記の 黄興国 には、責任は負わせない積りのようだ。彼は習近平の子分なのだ。

7.黄興国 2003年11月から天津市党委副書記となり、2008年から天津市長を務め、昨年暮れから代理書記も兼務。習近平閥のホープの一人。習近平が浙江省党委書記になった時の浙江省党委常務委員で寧波市の党委書記として、仕えている。2014年12月より孫春蘭の後を継ぎ天津市代理書記。直轄市の天津市書記は党中央政治局委員でないと就けない。習近平は黄興国 を次の政治局委員にする積り。そんな折2015年8月12日深夜23時直前浜海地区倉庫で火災発生、後に大爆発。そして習近平の子分の黄興国 の責任が問われ始めた。しかし現在は善玉官僚として振舞っている。

8.孫春蘭 2014年12月天津市党委書記から中央統一戦線部長に、突然異動。黄興国を書記にするために習近平が取った処置である。

9.李鴻忠 2015年8月13日、爆発の翌日に湖北省党委書記(習近平の子分)の 李鴻忠 が天津市の書記になるという噂が流れる。黄興国 の責任が追求される前に、習近平が新たな書記を天津に送り込もうとした、と言うこと。結局事前に漏れてしまったので、これは沙汰止みとなる。

10.張高麗 現役の政治局常務委員習政権の副首相で、経済政策の柱の一つである「北京・天津・河北省一体化政策(京津冀一体化)」の責任者。このプロジェクトは現在遅延している。当時天津市党委書記だった張高麗氏が浜海新区開発計画の旗振り役であったが、現在はそのプロジェクトも頓挫しており、この地区はゴーストタウン化している。そのため天津市は5兆元の債務不履行に陥り実質財政破綻しており、江沢民派(上海閥)に属し、石油閥でもある張高麗の責任が、習近平に追求されている。そんな折に今回の天津大爆発が起きている。習近平はこれらの政治責任を、石油閥の 張高麗 に押し付ける積りである。楊棟梁は 張高麗とも昵懇である。

そうすれば、もろもろの責任は子分の黄興国から石油閥でもある張高麗、楊棟梁に押し付けることが出来て、尚且つ石油閥の解体、江沢民にも打撃を与えられる、と言うシナリオを描いていると言われている
(続く)
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ならず者国家・中国、アレコレ!(7)

2015-11-24 00:00:00 | Weblog

しかし上記の福島香織氏の論考によれば、死者・不明者200人、負傷者700人を超える大爆発がおきた、と書かれており、「爆発は半径3キロに及び、その範囲に15ヵ所以上の居民区があった。正式に登録されていない出稼ぎ者のバラックなども灰になっている。死者・不明者・負傷者合わせて1000人未満というのはあり得ないと多くの人が思っている。」との話もあるようだ。

以下は、PHPの雑誌・Voice10月号福島香織氏の寄稿文「天津爆発をめぐる政治の暗闘」により補足している。

高速道路の高架 爆心地から500m
モノレール駅    爆心地から 600m
高級マンション群 爆心地から 800m と言う距離で、しかも農民工の寝泊りしているバラックも相当数(200軒)あった筈だから、死傷者数はこんなものでは収まらない筈なのだ。

しかも「中国の規則では、まず危険な化学薬品倉庫の周辺1キロに、公共インフラ施設居民区あってはならない」とされているから、この距離は完全に規則違反であり、普通ではこんなところに危険物倉庫は建てられないのだ。

この危険物倉庫を建てたのは、2012年に設立された「瑞海国際物流有限公司」と言う会社だと書かれているので、この倉庫も2012年に作られたものと思われるから、当然この規則に縛られることになる。

にも拘らず、居住区の1km以内にこのような危険物倉庫がつい最近建てられていたのだ。先に言及した福島香織氏の寄稿文に寄れば、この危険物倉庫に保管する化学薬品のような危険物の取り扱いについては、競合他社が少なく大きな利権の元となっていると言う。だからこの危険物倉庫の建設には、政府の認可がいるので、この倉庫は、明らかに「安全管理法規」に引っかかるのでまともにやれば建設は許可されないのだが、天津市の官と瑞海物流の民がべったりと癒着した関係で建設されていったものである。このような危険物倉庫はかなり儲かるものなので、お互いに(天津市の役人も瑞海物流も)巨額の利益を得ていたのであろう。

しかも保管していた危険物の量も半端ないものだった。

シアン化ナトリウム(規定量24t) 700t
硝酸アンモニウム 800t
硝酸ナトリウム 500t
・・・・・
危険化学薬品 合計    3,000t以上

神経ガスも検出されたとか中性子爆弾のようだ、などという情報もあるようだから、軍事物資も保管されていた可能性もあろう。だから共産党政府も大慌てで、報道統制とネット規制をしき取材も禁止したのであろう。

しかも設立(2012年)後2年で昨年(2014年)にこの倉庫は、拡張されて4万6226平米あまりにも大きい危険物倉庫となっている。ちなみに日本では最大でも1,000㎡以下でなければいけないとされている。

このように法律上許されない危険な場所に危険物倉庫が建ち、しかも危険物が想像も出来ないほどの規定以上の量が、どうして保管できたのかと言う疑問が残るが、地元当局と瑞海物流が癒着していれば、誠に納得できることである。


だから習近平が「”虎”も”ハエ”も一緒に叩く」と、躍起になるのも当たり前なのであろう。

今回の瑞海物流などは「”虎”も”ハエ”も一緒に叩く」の”ハエ”に当たるのであろうが、しかしかなり大きなハエだ。こんなことをしていれば、早々に共産党政府への信頼はがた落ちする、それが習近平にとっては、国内的には最も気になるところでもある。
(続く)
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ならず者国家・中国、アレコレ!(6)

2015-11-23 00:00:00 | Weblog

疑惑① 正確な死傷者数が隠蔽されている

爆発は半径3キロに及び、その範囲に15ヵ所以上の居民区があった。正式に登録されていない出稼ぎ者のバラックなども灰になっている。死者・不明者・負傷者合わせて1000人未満というのはあり得ないと多くの人が思っている。

海外の華字ネットニュースなどは犠牲者1400人以上の可能性を流しており、少なからぬ市民たちが当局発表よりそちらの数字を信じている。


疑惑②環境への悪影響の過小評価

事件から1週間目、初めて雨が降ったが、その水に爆発で飛散した化学薬品が反応し、爆心地周辺の路上が泡だらけになった。この水に触れて、痒みなどの刺激を訴える人も続出。CCTVが一瞬、消防関係者の話として「大気中に神経ガスが検知された」と報じ、すぐさま否定したことは、あたかも当局者が何か隠蔽しているような印象を視聴者に与えた。

倉庫には化学兵器の材料など軍事物資も保管されていたのではないか、という疑念も生まれた。環境保安当局は20日、天津爆発の環境観測データに一切虚偽はないと発表したが、「虚偽がない」と強調されればされるほど、市民に不安を与えている。


疑惑③政治的責任問題の隠ぺい

【PHOTO】gettyimages

今回の爆発事故を招いた「政治的責任問題」について、何か隠蔽されているのではないか。

中国の規則では、まず危険な化学薬品倉庫周辺1キロに、公共インフラ施設居民区があってはならない。だが、現実には事故現場の1キロ圏内に高速道路の高架モノレール駅や大手デベロッパー「万科集団」が開発した高級マンション群がある。

また、天津安全管理当局は、倉庫の中身の化学薬品リストを把握しておらず、しかも倉庫内は認可の何十倍もの量危険化学薬品が保管されていた。

こうした違法行為がまかり通る背景には、必ず企業と官僚の癒着・腐敗があるはずだ。目下、新華社などが報じているところでは、倉庫の所有者は「瑞海国際物流有限公司」という、2012年に出資金1億元で設立された民間物流企業で、株主として登録されている李亮、舒錚という二人の男は単に名義を貸していただけだ、とのことだ。

本当に出資し企業の実権を握っているのは、元天津港公安局長の息子の董社軒と中央企業「中化集団」の天津支社副社長を2012年9月に退職した于学偉という男たちだという。二人は酒席で出会い、化学危険物の扱いを熟知している于学偉と、天津湾公安局にコネのある董社軒が組んで、危険化学品物流会社を設立。危険な化学製品の取り扱いは認可制で、競合他社が少ない分、市場がほぼ独占できるため、大きな利権となる。

于学偉は、2012年に汚職で失脚した中化集団天津支社の元社長・王飛の有能な部下で、この汚職にも関わっていたようだが、王飛が逮捕される前に、中化集団で培った人脈と部下と顧客を引き抜く形で独立。中国の捜査当局は于学偉、董社軒ら瑞海国際物流幹部10人の身柄を拘束した。

また、国家安全生産監督管理局長で2012年5月上旬まで天津市副市長であった楊棟梁を「重大な規律違反」で身柄拘束した。楊棟梁は、天津時代、ペトロチャイナなどと組んで天津の石油化学プロジェクトを推進し、習近平国家主席の政敵で、すでに失脚した石油閥のボス・周永康と昵懇である。

つまり、習近平政権は、この人災事故の政治責任を周永康閥の官僚に押し付けて、政治責任問題として幕引きしたい考えのようだ。

だが、本当に彼らだけに責任があるのか。2008年から天津市長を務め、昨年暮れから代理書記も兼務している黄興国は全く関与していないのか。黄興国は習近平が次の党大会(2017年)で政治局入りさせたいと考えている習近平閥のホープの一人であり、彼の立場を守るために何らかの情報を隠蔽しているのではないか。


疑惑④事件と権力闘争の関連

習近平は、この事件を権力闘争に利用しようとしているのではないか、という疑いがある。

事故現場となった浜海新区開発政治局常務委・張高麗が天津市党委書記時代に推進したプロジェクト。だが、2014年早々、この浜海新区がゴーストタウン化し、事実上頓挫していることが党内部で問題になっていた。

内部会議で、天津市は5兆元の債務不履行に陥り実質財政破綻しており、その責任が張高麗にあるのだと、副首相・汪洋から批判されたという話も漏れ伝わっている。張高麗は習政権の副首相で、経済政策の柱の一つである「北京・天津・河北省一体化政策(京津冀一体化)」の責任者だ。

実のところ習近平は、政敵である江沢民派(上海閥)に属し、石油閥でもある張高麗を信頼しておらず、天津の経済政策失敗のツケを払わせる心づもりだった、という見方もある。

2015年7月24日、河北省党委書記で周永康の元秘書・周本順が「重大な規律違反」で失脚したことで、京津冀一体化政策はますます停滞している。浜海新区開発頓挫京津冀一体化政策遅延、そして今回の天津大爆発の政治責任の矛先を、上海閥で石油閥の張高麗に向けることで、天津の財政破綻問題を「爆発事件の影響」としてカモフラージュするのではないか。


疑惑⑤事故は自然発生的なものなのか

今回の爆発事件は偶発的なものではなく、誰かに仕組まれたのではないか、という疑いがある。爆発の最初の原因となった倉庫火災がどうして起きたのかは未だ不明である。一時期、車から発火した、というウラの取れない噂が広がった。そこでテロ説、あるいは習近平の政敵が、習近平政権をゆさぶるために仕掛けたという陰謀説まで流れている。

最大の疑惑は、数々の疑いが政権への不信感と批判に転じていくのを、習近平政権は報道統制と言論封鎖だけで防ぐことができるのだろうか、ということだ。報道の自由と言論の自由、そして法のもとの平等以外の方法で、人々の不安を解消し政権への信頼を取り戻すことは無理ではないか。

福島香織 ふくしま・かおり ジャーナリスト。大阪大学文学部を卒業後、産経新聞に入社。上海・復旦大学に語学留学し、01年に香港、02~08年に北京で産経新聞特派員として勤務。09年に産経新聞を退社後、ジャーナリストとして活動。中国政界・経済界の裏側を取材、分析している
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44874



我々も頭を傾げたくなっているが、あれ程の爆発があったのであるから死傷者の数は、11/17に紹介した先の論考「天津爆発事故後も相次ぐ「爆発」は江沢民派の反撃か」に寄れば、「当局発表によると、9月1日時点で確認された死者数は159人、なお14人が行方不明となっている。」となっている。
(続く)
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ならず者国家・中国、アレコレ!(5)

2015-11-20 11:31:54 | Weblog

正規社員を雇えないのは
賄賂で資金が足りないため


 天津瑞海も同じような状況であることは新京報に明らかだ。同紙はすでに運送業者が「何の危険物を運んでいるのか、それが燃えやすいか、爆発しやすいかも知らない」ことを突き止めている。また、受け取った倉庫側もこれを「野晒しにした」事実を暴いている。危険物倉庫に運び入れた運送業者も、それを受け取った倉庫業者も共に農村出身者であることは疑う余地もない。

 ちなみに、日本でならば、運送業者と倉庫業者の間でSDSシート(Safety Data Sheet : 安全データシート)を交換し、運搬する危険物の中身、容量、性質などを申し送りする。恐らく、中国ではそれすらも行われていないのだろう。

 また、日本で危険物倉庫の管理に当たるのは「危険物取扱業者」「毒劇物取扱業者」の資格保持者である。だが、中国では教育のない農村出身者たちだ。なぜなのだろうか。そこに浮かび上がるのは、倉庫側が「贈賄で多額の資金を使い果たしてしまった」というお粗末な事情である。

「危険物倉庫ともなれば許可制業種であり、定期検査時には厳しい基準のクリアが求められる。しかし、現場にはそれを遵守するだけの管理能力はないため、結局金銭でもみ消しにするしかない。そのため危険物を取り扱う業種では賄賂が最大の出費になっています」

 “お目こぼし料”で利益も吹っ飛ぶ中国企業の実態――王さんはその内情を赤裸々に語った。

 さて、危険物倉庫を巡回する王さんは、すでに疲れ果てていた。「どうしょうもないな」と落胆するその王さんの視界に、何か動く物がよぎった。その日、王さんがもっとも衝撃を受けたのはこれである。

危険物倉庫に犬がいるじゃないか!」

 なぜ、厳重管理の危険物倉庫で、犬がキャンキャンと走り回っているのか? それはまさしく“農民従業員”が飼っている愛玩動物に他ならなかった。危険物倉庫は農民従業員にとって、寝泊りもする居住場所を兼ねている可能性は高い。

「もし、犬が化学品にオシッコでもひっかけたらどうするつもりだ…!?」

 まるでギャグ漫画のような世界である。犬のオシッコが当該化学品とどのような化学反応を起こすかは不明だが、それにしても「あってはならない光景」である。王さんは強いショックにしばらく途方に暮れた。それは、犬の存在以上に、「国際都市上海でいまどきこんなことがあるのか」という衝撃にあった。王さんは「上海でもこんな倉庫があるなら、地方はもっとひどい状況だ」と落胆を隠さない。

ガバナンス、リスクマネジメント、内部統制、コンプライアンス――これらを無視し続けてきたからこそ発揮できたのが中国の競争力だ。悲しいかな、それが彼らが誇るべき中国経済の原動力なのである。

呪うべき宿命を背負った中国、その将来に明るい展望を見出すことは、いよいよ難しくなってきている。
http://diamond.jp/articles/-/77475


ではなぜこのような巨大な危険物倉庫が大都市の天津にあって、その管理も出鱈目であったのか、と言うことが大問題なのだが、それが中国なのだ、と言ったことがこの論考の結論なのであろう。

それほど賄賂を使うことがなければ、中国では仕事が出来ない事が現実なのである。と言うこともさることながら、賄賂を使えば(法律に違反するような)どんなことでも出来そうなのが、中国の現実なのであろう。
奇しくも今回の天津の大爆発で、そのことが明らかにされたのではないのかな。




福島香織 賢者の知恵
天津大爆発 習近平政権が隠蔽する「5つの疑惑」
~実は犠牲者千人超、経済政策の失敗をうやむやに?

2015年08月23日(日) 福島香織

【PHOTO】gettyimages

厳しい情報統制と乱れ飛ぶデマ

2015年8月12日深夜、天津市の浜海新区で、死者・不明者200人、負傷者700人を超える大爆発が起きた。

天津港の埠頭に近い化学薬品倉庫で火災が発生、消防隊が消火活動にあたっていたところ、火柱とキノコ雲が立ち上るような大爆発が2分間の間に4回起き、その爆風は3キロ離れたマンションの窓や壁もぶち抜いた。

現場の倉庫には保管許可量24トンを30倍近く上回るシアン化ナトリウム700トンほか、硝酸アンモニウム800トン硝酸ナトリウム500トンといった危険化学薬物が3000トン以上保管されていた。爆発後は周辺の水中のシアン化ナトリウム濃度は基準値の277倍となり、爆心地から6キロも離れた河の水面は死んだ魚に埋め尽くされた

事件直後から厳しい報道統制が敷かれているため、正確な情報が伝わってこない。中国メディアは新華社の共通原稿を使用することしか許されず、独自取材を禁じられた。

ネット統制も厳しく、事件発生3日間だけで、50以上のサイトが「デマ情報を流した」として閉鎖させられ、デマを流したとされるネットユーザーの拘留も相次いだ。 

デマが流れる背景には、この事件の全容がなかなか明らかにならないからだ。多くのネットユーザー、市民たちは、「当局が何か隠蔽しているのではないか」と疑っている。では、何が疑われているのだろうか。
(続く)
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ならず者国家・中国、アレコレ!(4)

2015-11-19 00:00:00 | Weblog

危険物倉庫がなぜ火災となったのか、と言う問題もさることながら、その火災がなぜ爆発を誘引したのか、と言う疑問もある。爆発を起こさずに火災を鎮火させることが出来れば、こんなにも大事にはならなかったのであるが、火災の対象が化学薬品の倉庫であったことが、天津市にとっては最大の災(わざわ)いであった。放水した水にその化学物質が反応して爆発したと言う見方がなされている。だから化学物質の倉庫の火災に対して、水をかけたと言うことが大きな問題だったのである。火災に対しては、なんでも水を掛ければ良い、と言うものではないのだ。

だから、消防も、危険物倉庫も、化学物質に対しての知識がなかったのである。

次の記事を見れば、中国での危険物に関する業務に対する安全管理が皆無だった、と言うことがよくわかる。危険物の保管が出鱈目であった。だから何か事があれば、大災害は必至だったのである。天津という大都市の真ん中と言ってもよい住宅地近くに、こんな危険な危険物倉庫が存在していた、と言うこと自体が異常なのである。ここにも中国の腐敗・汚職が存在したものと見られるのである。



天津爆発が証明した中国の想像を絶する“ずさんさ”
http://diamond.jp/articles/-/77475
【第187回】 2015年8月28日 姫田小夏 [ジャーナリスト]

混乱を深める中国・天津港での爆発事故。これが国内外に与えた影響と波紋は計り知れない。鈍化する中国経済への追い打ちともなり、国際社会は「中国は危ない」とますます疑念を深めている。

中国の現場から上がるのは「いまどきこんなことをやっているのか」という驚きの声だ。中国の危険物倉庫の実態から、今回の爆発事故に見る危うさを再検証する。

権力者が後ろ盾なら
安全基準も無視できる?


天津爆発事故の一番の原因は、危険物のずさんな管理にあったといわれる。(写真:新華社/アフロ)

 天津港といえば1860年に開港した古い港だが、今では世界4位の貨物取扱量を誇る先進的な国際港に発展した。しかし「先進的な国際港」というのは名ばかりで、この事故で露呈したのは、「ずさんな管理」という失態だった。

 今回、事故を起こしたのは天津瑞海国際物流有限公司(以下、天津瑞海)。石油化学を中心に発展する天津をバックに、近年、危険物を扱う大型倉庫として頭角を現した一社だ。

 同社は危険物コンテナ取扱業務の大型物流基地として、数年間で急速な成長を遂げた民間企業である。設立は2012年とまだ若い企業だが、昨年の拡張工事を経て、年間の危険物理扱量を5万トンにまで拡大させた。

設立から3年目の今年、天津瑞海は大惨事を引き起こす。その会社経営の実態を検証すれば、「不透明な会社設立」や「条例の無視」など、数々の“爆発の導火線”が浮上する。

 中国で危険品取扱業種は許可制であり、民間からの参入はほぼ不可能だが、この会社はなぜか短時間で設立にこぎつけた。しかも、中国では「危険化学品安全管理条例」に基づき、関連当局への書類申請が必要だが、現地報道によれば天津瑞海はこれすら行っていないという。権力者が後ろ盾になっていることは疑う余地もない。

「後ろ盾」が存在するならば、厳しい規定を愚直に順守する必要などどこにもない。こうした企業体質からは「やることなすこと」がずさんであることも容易に想像がつく。

水に触れると猛毒ガスが出る
危険物を野積みにした杜撰


 天津港での爆発事故は、と反応すると引火性の猛毒ガスを発生するシアン化ナトリウム(以下、NaCN)に、消防が放水したことが被害を拡大させたといわれる。NaCN生産工場から港に運び込まれたNaCN700トンが、通関手続きを待つ間に燃え上がり、大量の猛毒物質を飛散させた。

 このNaCNを生産したのは「河北誠信有限責任公司」という、河北省石家庄市に立地する工場だ。同社は中国最大規模のNaCN生産企業であり、年間生産量は50億トンにも上ると言われている。河北誠信はこれを400キロ離れた港に運送し、天津瑞海に引き渡した。

 ところが、天津瑞海は重大な過失を犯す。これを危険物倉庫に入れなかったのである。

 北京を中心に発行される地元紙「新京報」は取材で、同社副総経理の言質を引き出している。

「天津瑞海が扱う貨物の中に確かにNaCNがあっただろうが、危険品倉庫に入れず、屋外に置いておいた

 すなわち、天津瑞海はこれを野積みにし、露天に晒したのである。NaCNなどの危険物は化学反応を避けるため、単独で閉めきった空間に置かれるのが常識であるにもかかわらず、だ。

 これについて、「野積みなどとは考えられない」と驚きを隠さないのは、東京港区に拠点を持つ日本危険物倉庫協会だ。「日本でならば毒物・劇物取締法によりカギのかかる倉庫に搬入し、扉にも『禁水』と読みやすい表示を掲げ、消防もわかるような措置を施すのが普通」だという。

 さらに同協会が指摘するのは、危険物倉庫そのものの大きさである。日本では最大でも1000平米以下であり、倉庫と倉庫の間には5~10mの保有空地を設ける規定になっている。ところが、瑞海天津の危険物倉庫4万6226平米あまりに大きい。区画割りをしたにせよ、そこにしかるべき安全措置は講じられていたのか甚だ疑問だ。

優先されるのは安全よりも
とにかく金勘定


 筆者はある中国人に面会を申し込んだ。外資系商社で部長職に就く王峰さん(仮名)は、危険物倉庫の内部事情に詳しい人物のひとりである。王さんはこの商社が、中国の生産工場からサンプルとして、ある化学品を2トン取り寄せたときの話を語り始めた。

 当時、王さんは日本の客先に向けて輸出をするため、まずはこの危険物を工場から上海港に輸送させ、港の倉庫に保管するという段取りを進めていた。

 中国の生産工場が危険物を詰め込んだ袋を物流会社に引き渡すにあたり、王さんは事前に物流倉庫の担当者に対し「化学品は重ねず保管するように」と厳重に注意を喚起していた。

 それでも王さんは胸騒ぎを隠せなかった。直後、彼はこの倉庫を抜き打ちで訪れる。ところが一歩、倉庫に足を踏み入れた瞬間、王さんはそのありさまに絶句してしまう。

「こんな管理がまかり通っているのか」――

 この化学品もNaCN同様に、閉めきった暗室に保管することが必須だ。しかも、重ね置きをさせないのは、凝固を防止するための重要な措置でもあった。

 ところが王さんは目の前の光景に愕然とする。あれほど口を酸っぱくして頼んでいた危険化学品の「1段積み」だったが、案の定、倉庫側は2段にも3段にも重ねて置いていたのだ

「スペースの節約しか考えない倉庫側の意図が見え見えだ」

 王さんはあきれ果てた。危険物倉庫といえば、何種類もの危険物が保管される。天津瑞海でいえば40種類近くの危険物が置かれていた。そのなかでもNaCNといえば、微量で致死劇毒物である。運営に当たり、経営側は当然、危険物の性質を把握し、安全に配慮した保管を徹底するはずだ。しかし、中国の現場にあるのは「とにかく大量に保管して金を稼ぎたい」という金勘定だけなのだ。

 呆れながらも危険物の点検を続ける王さんだったが、次に目にしたのは「異物の混入」だった。

 この化学品は袋に入れられ、それをバンドで固定し梱包されているのだが、バンドの留め具とおぼしき金属片やプラスチックの切れ端などが多々紛れていたのである。

「こんなものが混入しているじゃないか!」

 王さんは傍にいた倉庫の従業員を怒鳴りつけようとしたが、そこをぐっとこらえた。「危険物倉庫の従業員」は表向きの顔であり、実態は知識のない農村出身者であるという内情を知っていたためだ。

「こうした農村出身者は厳しく注意したらすぐ辞めてしまう。だからといって、倉庫側は人件費が高い正規社員は雇えない。専門知識を必要とする現場でも、結局農村出身者が担っているのが現実なのです」(同)
(続く)
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ならず者国家・中国、アレコレ!(3)

2015-11-18 00:00:00 | Weblog

天津の事故現場には早くも公園の建設計画が

 事故現場にエコパーク(生態公園)を建設する計画も発表された。なにやら大層な名前だが、実際には緑豊かな公園に過ぎない。公開されたコンセプト図によると、中央に大きな池がある。爆発でできた大穴を再利用するという大胆なプランだ。事故の記念碑が作られるほか、「ハイレベル」な学校と幼稚園も併設される計画だ。エコという耳あたりの良い言葉でマイナスイメージを払拭し、学校を作ることでこの区域の住宅価値を底上げしようという狙いがある。

 中国では有力な学校に入学するために、その学区内のマンションを買う人までいるほど。ハイレベルな学校を作るハードルは高いが、もし実現すれば近隣の不動産価格を底上げするだけに、住民にとっては大きな恩恵をもたらすものとなる。公園本体今年11月には着工し、来年7月には完成する予定だ。小学校、幼稚園は2016年完成予定。

 この計画をみると、事故をさっさと過去のものにしようとしていることは明らかだ。拙著『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』で詳述したが、習近平体制はネット世論の批判を封じ込める能力を飛躍的に高めた。今回の爆発事故でもその能力は遺憾なく発揮されている。


習近平体制をゆさぶるためという陰謀説

 さて、事故原因については「江沢民派の反撃」という陰謀論も出回っていた。習近平の統治責任を問おうというゆさぶりではないかという見方だ。その傍証となったのは、8月12日以後にも爆発事故が相次いだこと。天津爆発事故後に日本メディアが取り上げた事故を列挙してみよう。
・8月18日、広西チワン族自治区柳州市で工場の爆発事故。
・8月22日、山東省淄博市で化学工場の爆発事故。1人死亡。
・8月23日、江蘇省蘇州市で化学工場の爆発事故。
・8月24日、河南省鄭州市で化学工場の爆発事故。
・8月31日、山東省東営市で化学工場の爆発事故。13人死亡。
・9月1日、甘粛省隴南市で花火工場の爆発事故。
・9月3日、河南省開封市で化学肥料工場の爆発事故。

 これだけの事故が重なればもはや偶然ではない、テロなどの人為的要因があるのではないか......と考えてしまうのが人情だが、実は違う。人口が日本の10倍で、しかも安全意識の低い中国では、工場の爆発事故は日常茶飯事だ。日本人ツイッターユーザーの中国住み氏は蔓延する陰謀論への反論として次のようなリストを提示している。


中国住み@livein_china

今年の主な工場爆発まとめデス
8/23常熟 化学工場
8/22淄博 化学工場
8/18柳州 化学工場
8/12天津 物流会社化薬品倉庫
8/5常州 石化工場
7/16日照 石化工場
6/18唐山 化学工場
4/21南京 化学工場
4/6漳州 PX工場
3/15昆山 化学工場
2015年8月23日 16:14
https://mobile.twitter.com/livein_china/status/635349481500704768


 このリストですらすべての事故を網羅しているわけではない。実際には毎月数件の爆発が起きているのが実情だ。ちなみに爆発事故は例年秋から冬にかけて増加する。旧正月用の花火・爆竹の生産・備蓄が始まるためだ。9月1日に早くも花火工場の爆発事故が起きているが、今後も同様の事件が続くことが予想される。
「爆発事故の頻発」という傍証だけで陰謀論を唱えるには無理があることが、おわかりいただけるのではないだろうか。

「チャイナボカン」とメディア・バイアス

 また「爆発」という言葉にも罠が潜んでいる。例えば「工場爆発」と報じられたニュースでも、実際には「建物に火事。中から爆発音が。黒煙が立ちのぼった」ぐらいの話であり、タイトルから想像されるような話ではないことが多い。上述の天津爆発事故後の事件リストで言えば、爆発という言葉から連想される大事故は13人が死亡した東営市の事故ぐらいだろう。

 これは典型的なメディア・バイアスである。天津爆発事故があったため、通常ならば無視していた小さな「爆発」事故も日本メディアが取り上げるようになったため、あたかも中国で突然爆発事故が急増しているかのように見えてしまうのだ。

 また、中国メディアにも別のバイアスがかかっている。注目されてナンボの世界だけに、ともかく「爆発」という目を引く単語を使いやすい傾向があるのだ。その象徴が2011年に話題になった江蘇省のスイカ爆発事件だ。「膨大剤」なる成長促進剤を使ったスイカが次々と爆発した......とのニュースで、「チャイナボカン」(中国ではありとあらゆるものが爆発すると揶揄するネットスラング)の代表例として、日本のネットでも話題となった。

 ところが実際に調べてみると、スイカは爆発したというよりも破裂したというのが正しい表現だ。「膨大剤」も日本で普通に市販されているフルメット溶剤に過ぎない。フルメット溶剤の量を間違えたか、天候の影響でスイカが破裂してしまったというだけの話が、「爆発」という強いタイトルによって、海外にまで知られる大ニュースとなってしまったわけだ。

 中国の製造現場における安全管理に問題があるのは事実だが、一方でメディア・バイアスによって虚構のリスクがイメージされているのも事実だ。こうした問題を解消するためにはどうするべきか。メディアが節度を持った態度で報道をすることがもっとも重要だが、加えて読者の側も、無理に煽らない地味な報道を評価することが求められているだろう。

[執筆者]
高口康太
ジャーナリスト、翻訳家。1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。独自の切り口から中国・新興国を論じるニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/09/post-3907.php


この天津での大爆発は並みの爆発事故ではなかったから、いろいろな憶測を呼んでいるが、原因は一体なんであったのであろうか。危険物倉庫が火災となり、その危険物が爆発したようだが。
(続く)
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ならず者国家・中国、アレコレ!(2)

2015-11-17 00:00:00 | Weblog

爆発現場の状況は次のブログを読むとよく判る。


中国がひた隠す天津爆発現場 日本人ジャーナリストが初潜入
2015.09.15 07:00
 8月に中国・天津で起きた大爆発事故。習近平政権は厳しい報道管制を敷き、現場で何が起きたのかはほとんど伝わってこない。『習近平の「反日」作戦』(小学館刊)などの著書があるジャーナリスト・相馬勝氏が、中国が国内外にひた隠す「爆心地」への潜入に成功した。相馬氏が現場の生々しい様子をレポートする。

 * * *
 ひしゃげて折れ曲がり、長方体の原形を留めていないコンテナが散乱し、鉄筋の枠組みだけを残して穴だらけになった5階建てのビルの残骸が無残な姿を晒す。あたりには焼け爛れた倒木が転がる──。

 死者162人、行方不明者11人、さらに700人以上が負傷した中国・天津での爆発事故の現場中心部の様子だ。北京で抗日戦争勝利70年を記念した軍事パレードがあった翌日の9月4日、筆者は天津を訪れた。

 化学薬品倉庫のあった爆心地への出入り口には鉄製の柵が設けられ、道の両側に4~5人ずつ武装警察部隊の兵士が立っていた。瓦礫撤去にあたる工事車両が頻繁に行き来するなか、筆者が乗ったセダンは運良く工事関係車両とみなされたようで、現場の中心部に入ることができた。

 事故は8月12日深夜、天津港に隣接する濱海新区内危険物倉庫で起きた。消防隊の放水によって貯蔵物質が化学反応を起こし、次々と爆発を誘発したとみられている。事故後、倉庫会社社長や市政府幹部ら20人以上が拘束されたが、原因ははっきりしていない

 これまで、『人民日報』など官製メディアのほかに現場に入った取材者はいない。中に入ろうとして身柄を拘束され、カメラの画像をすべて消去された外国人ジャーナリストも少なくないという。

 その事故現場では、工事関係者らが防毒マスクを装着。筆者も強い異臭を感じた。工事車両は現場の出口付近で、浄化剤入りの水を車体にかけるよう指示されていた。近くの川で無数の魚の死体が浮かび上がったことからも、かなりの量の化学薬品が残留しているのは明らかだ。

 爆心地に隣接し、立ち入り禁止になっていたマンションの敷地内にも入った。避難した住民向けの保険会社による説明会のため、一時的に立ち入り禁止が解除されていたのだ。

 数十棟もあるマンションのほとんどの部屋は、爆風で窓ガラスが吹き飛び、暗く黒い空洞がぽっかり浮き彫りになっていた。

 内部はガラスやドアなどの破片が飛び散り、住民らは「もうここには住めない」と口々に叫び、「事故の責任を取れ」「数百万元も出したマンションなのに、二束三文の賠償金では絶対に納得しない」などと政府の対応に不満を爆発させていた。

 会場では住民の“暴動”を抑えるための武装警察数十人が警備につき、険悪な雰囲気に包まれていた。マンションの敷地内にも武警によってテントが張られ、住民の引っ越しのため、室内の荷物を運び出すのを手伝う隊員を振り分けていた。高さ2メートルほどある結婚式の写真パネルを、武警隊員が大切そうに運ぶ姿もあった。

 天津市当局は9月5日、この爆発跡地に、犠牲になった消防士らを悼む英雄記念碑などを建て、「生態公園(エコパーク)」とする計画を表明。11月にも着工し来年7月に完成予定だというが、化学薬品の残留をはじめ問題は何も解決していない。

 中国国民は何より原因究明を望んでいる。北京でも上海でも、同じような不法な危険物の大量貯蔵があるとされるからだ。事故原因を隠蔽すれば、政権への不満を募らせるのはマンション住民に留まらない。

※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号
http://www.news-postseven.com/archives/20150915_350415.html


中国共産党政府は対応に追われており、未だ原因を発表していない。
江沢民派の反撃だと言う陰謀説も出回っていた、との話もある。いわゆる習近平政権への揺さぶりのためだ。

まあ中国では安全意識が極端の低いためかも知れないが、この大爆発のあとも爆発事故が相次いでいる、と言った言及がなされている。

日本人ツイッターユーザーの中国住み氏が、今年の主な工場爆発事故のリストを発表している。それほど工場での小規模な爆発事故は日常茶飯事となっている、と言うことか。



中国住み@livein_china

今年の主な工場爆発まとめデス

8/23常熟 化学工場
8/22淄博 化学工場
8/18柳州 化学工場
8/12天津 物流会社化薬品倉庫
8/5常州 石化工場
7/16日照 石化工場
6/18唐山 化学工場
4/21南京 化学工場
4/6漳州 PX工場
3/15昆山 化学工場
2015年8月23日 16:14
https://mobile.twitter.com/livein_china/status/635349481500704768


このツイッターに言及しているブログでは、江沢民派の反撃に言及しているが、これは大げさで偏った言い草である、と言っている。中国では安全基準が無視されているので、小規模な工場での爆発が頻発していると言うことなのである。


天津爆発事故後も相次ぐ「爆発」は江沢民派の反撃か
Why So Many Explosions
批判を封じ込めた政府の「完璧」な対応と、各地で頻発する爆発事故が意味するもの

2015年9月10日(木)16時42分
高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)

 2015年8月12日天津爆発事故から約1カ月が過ぎた。国民の批判を封じ込めた中国政府の対応、そして天津以外で連続した、一連の「爆発」事件について考えてみたい。

 事故について簡単に振り返っておこう。天津港にある危険物物流センターで2度にわたり巨大な爆発が起きた。1回目の爆発マグニチュード2.32回目2.9という凄まじい威力だった。事故原因についてはいまだに最終的な調査結果が発表されていないが、まず火災が起き、消防隊がむやみに放水したため化学物質が反応して爆発したとの説が有力視されている。当局発表によると、9月1日時点で確認された死者数は159人、なお14人が行方不明となっている。

 もっとも、公式統計の犠牲者は約3分の2が警察官と消防隊員で占められている。大きな被害を受けた近隣のマンションや、ほぼ吹き飛ばされた工事現場従業員宿舎の被害が正しくカウントされているのか、疑問視する声もある。また飛散した化学物質による健康被害、環境汚染を懸念する声もある。いまだに事故原因が特定されていないことも含め、当局の事後対応には問題が多いが、世論対策だけはパーフェクトだ。

 強力なメディア検閲によって批判的な報道を封じこめた。人民解放軍による、危険をかえりみない「英雄的」現場処理が大々的に喧伝された。毒ガスが発生しているのではという懸念には、事故現場に動物を入れた檻を置き健康被害はないことをアピールした。また、事故によって損害を受けた近隣マンション住民には返金や代替住宅の提供といった補償プランをはやばやと打ち出した。サインをしぶる住民には圧力をかけ、すでに9割近い住民が合意したと伝えられる。
(続く)
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