世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

岡田監督に物申す。(17)

2010-09-30 09:41:08 | Weblog

4
 さて、少し視点を変えて、ワールドカップで勝つチームに必要な要素を考えてみましょう。

・サッカーの世界においても国力を示そうという国家の意思と環境づくり
・国民(選手)の自国に対するロイヤリティ
・脈々とその国に培われてきたサッカーの歴史
・ワールドカップにかける国民(選手)の情熱

 挙げていけばまだまだ出てくると思いますが、冷静に考えると、単にお金だけの話でどうこうということではないでしょう。オリンピック等でもよく言われることですが、「勝つ」ためにはそれなりの“国力”が必要なのだと思います。

 そういう意味で、アフリカ勢の不振は、単純に「選手が巨額マネーに踊らされて云々」ということではなく、まだまだ「勝つ」チームをつくるだけの要素を国家として整えるに至っていないということなのではないでしょうか。

 つまり、貧しい国で生まれ育ち、何とか自分の才能ひとつでトッププロの仲間入りをした選手に「サッカーはお金のためだけじゃない」という話をするのも筋が違うのかなということです。

 そういう意味で比較すると、日本は自らの国力によって、もっとサッカーを強くすることが十分可能だと思います。

 岡田監督が、帰国会見で「日本もワールドカップではないところで、サッカー列強国と呼ばれる国々と本気の試合ができる環境があれば、まだまだ強くなる」とコメントしていました。

 「決定力不足の課題」についても短期的に解決できるものだとは思いませんが、中長期的視点で考えれば、個の力で局面を打開できる選手の育成も可能でしょう。その中長期的な戦略をいかに具体的に、例えば「指導者の育成はこうする」「ジュニアからの育て方はこうする」というように落とし込めるかがポイントだと思います。

 ビジネスにおいて、持っている資源(ヒト・モノ・カネ)をどこに重点的にかけていくのかが戦略上重要なポイントであるように、日本サッカー界においても、国力を活かした適正な資源配分が将来の成長を決定する大きなカギになるでしょう。当然、まだまだ強くなれる可能性がありますので、大いに期待したいと思います。
http://diamond.jp/articles/-/8709



一応、W.カップサッカー南アフリカ大会でベスト16に運良く進出できたことで、岡田監督もほっとしたことであろう。だからまあ、一丁前のことを述べておられるが十分理解できることである。しかし岡田監督の契約期限は、8月31日までである。公認の代表監督が決まろうが、きまるまいが、彼には知ったことではないのである。8月29日の大阪のトークショーでは、「すぐに決まらなくても、たいした問題ではない。どういう人を持ってくるのか、それが大切になる。」とコメントしている。
どういう人が次期代表監督になるかは、大切なことである。しかし「すぐに決まらなくても、たいした問題ではない」と言うことには、少なからず疑問が沸く。フリーになってからはサッカーと無縁になるわけでもないのだから、もう少し言い方があるんではないかと思うのである。ここら辺が、ある意味岡田には、非難される余地があり限界なのであろう。



38【サッカー特集】岡ちゃん バチが当たるぞ
2010年08月31日17時00分 / 提供:ゲンダイネット

●パラグアイ戦の指揮執れ

 南アW杯ベスト16で名将に祭り上げられた岡田武史前代表監督が、契約の満了する今月31日を前に29日、大阪でトークショーに参加。後任について「すぐに決まらなくても、たいした問題ではない。どういう人を持ってくるのか、それが大切になる」とコメントした。

 お説ごもっとも。しかし、9月から“ただの人”になるとはいえ、来月4日のパラグアイ、7日のグアテマラ戦原博実・強化担当技術委員長が監督代行を務め、サポーターやスポンサーから「不手際極まりない。せっかくの南アW杯フィーバーが冷める」とボロクソに言われている状況を知らないハズがない。

 代表監督時代に1億円超の年俸を懐に入れ、望外のW杯16強監督の称号まで手に入れた。「日本サッカーの一大事。4日と7日は指揮を執らせていただきたい。もちろん無給でOK」と申し出てもバチは当たるまい。
 岡田監督“復帰”にパラグアイ戦は格好の舞台となる。W杯PK戦敗退のリベンジの場となるからだ。大きな話題を集めて「3万枚売れたところで後任選び騒動から売れ行きが一気に鈍化した」(サッカー記者)チケットも売れるだろうし、テレビ局もスポンサーもウハウハこの上なし。

 しかし、岡田前監督の今後は「WOWOWでサッカー解説者。年内に西洋思想と東洋思想を融合させたトレーニング理論を提唱する人物との共著本を出す。あとは《南アW杯16強までの道程》といったタイトルの講演会で荒稼ぎ」(放送関係者)。要するにサッカーの現場とは、完全に一線を画すということだ。

 この日、岡田前監督は「全国の農業関係者から誘いがある」と話した。
 W杯期間中に海外紙のインタビューに「W杯後はファーマーになる」と答え、そのこともあって「沖縄のバナナ園や北海道の町長さんから『ウチでどうでしょう?』と言われた。農業で食っていくのは大変。当面は予定にはない」と苦笑いだ。

「岡田さん自身、南アW杯は惨敗に終わると腹をくくっており、帰国後は北海道富良野で自然塾をやりながら隠遁(いんとん)生活を送るつもりだった。それがW杯ベスト16で“もうひと稼ぎできる”と思い立った。でも、ピッチに立ったらボロが出て“自身の商品価値が下がる”ので現場に戻ることは絶対にない」(前出の関係者)

 ともあれ、今やるべきことは解説者でもファーマーでもない。何億円も稼がせてくれたサッカー界のために監督代行になって恩返ししたらどうなんだ、岡ちゃん! そういう声はサッカー界に少なくない。当人の耳には入ってないが――。
(日刊ゲンダイ2010年8月30日掲載)
http://news.livedoor.com/article/detail/4979418/
(続く)
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岡田監督に物申す。(16)

2010-09-29 07:07:07 | Weblog

2
見事なまでの一体化!
組織づくりのポイントは?


 日本代表がワールドカップを戦うには必要不可欠だった“戦略の変更”ですが、これほど「言うは易し、行なうは難し」と言えるものはありません。普通であれば、メンバー内にこの変更に対して疑問を抱くものがいたりするものです。また、企業においても通常は組織の混乱が避けられなくなるケースも多々あります。

 では、なぜ今回のサッカー日本代表においては、大きな混乱がなかった(少なくとも現地報道からそういう類の話は出ていなかったようだ)のでしょうか?

 ひとつは、やはり親善試合4連敗という結果にもとづく強烈な反省があります。トップである岡田監督が戦略の変更を決断したように、代表メンバーも「このままでは戦えない」という危機感を共有することができたのではないでしょうか。その大きな危機意識が、「何とか新しい戦略を自分たちのモノにしなければならない」という行動へのドライブにつながったのです。

 ビジネスの現場でも“変化”を仕掛けるときに不可欠なステップとして“問題の共通認識”があります。複数の部門とそれぞれの役割、幹部や一般社員といった立場によって把握している問題やその重要度合いの認識はさまざまです。しかし、正しい“変化”を起こすためには「何がもっとも大きな課題で、どう解決していけば良いのか」を一致させなければ、誰も動くことはありません。

 もうひとつの理由は、カメルーン戦の勝利に尽きるでしょう。

 カメルーン戦の試合前に国歌が流れたとき、選手たちが全員肩を組んで歌っているシーンを見ながら、「今回は一体化してるなぁ」と思いました。結果、見事に勝利をおさめたところで「一体化したから勝った」という思いを強くしていたのですが、日本代表の帰国会見をみて少し考えを改めました。

 「まだまだ一緒に戦いたかった」という旨のコメントを選手たちがするなか、ある記者が「どのタイミングからその団結力を感じたのか?」という質問をしました。すると、長谷部ゲームキャプテンの答は「カメルーン戦で勝ったところから強く実感した」というものだったのです。

 「勝ったから一体化した」というこのコメントを聞きながら、「一体化するためには“勝ち”が不可欠」であることに気づかされました。代表メンバーは、日本の中で選び抜かれた優秀な選手たちであることに間違いはありませんが、なかなか一緒になる時間を作れない寄せ集めとも言えます。
3
 つまり、苦しい練習を共に乗り越えるようなプロセスを通じての一体化がしづらい組織だということです。もし、このような組織が仮にカメルーン戦に敗れていたとしたら、戦略の変更への疑問が噴出し、再度メンバーの見直し、といった悪い流れになった可能性が高いのではないでしょうか。

 よく耳にする、組織リーダーの「一体化しよう」という掛け声は、「一体化することで目標達成を可能にしたい」という思いから発せられている言葉だと思います。それ自体に間違いはないのですが、企業における組織も日本代表チームと同様、プロセスを通じた一体化を図れるような組織はごく限られた数しか存在しないように思われます。だとすると、“真の一体化”は“勝ちを伴わない限り実現しないと考えた方が良いのかも知れません。そう考えると、小さくても構わないので適切なタイミングで積み重ねることのできる“勝ち”の定義を決めること、こそが“一体化”につながる道なのではないでしょうか。

アフリカ勢の不振から考える“国力”の使い方


 今回南アフリカでの開催ということもあり、大いに期待されたアフリカ勢ですが、ガーナがベスト8入りを果たした以外は全てグループリーグ敗退という結果に終わりました。

 かつての大会では“○○旋風”といわれるような番狂わせを度々演じていたアフリカ勢が、せっかくの地元開催で不振に陥ってしまったのはなぜでしょうか?

 前日本代表監督であるオシム氏が著書『考えよ!』のなかで次のようなコメントを残しています。

 「2010年のアフリカ選手権をみて、大いに失望した」
 「アフリカの優秀な選手たちは、近年ヨーロッパのクラブチームから巨額な収入を
 得られるようになってきており、それを理由に堕落が始まったのではないか」
 「お金のために美しいプレーは無くなり、アフリカのサッカーは破壊されている」

 そういえば日本対カメルーンの試合前にも、あるTV番組でこんな話が紹介されていました。

・日本は、この試合に勝利すると100万円が選手に支払われる。
・カメルーンは、この試合に勝利すると300万円が選手に支払われる。
 単純比較ではカメルーンが3倍ですが、カメルーン国内の平均年収は5万円程度ということなので、カメルーンの300万円は日本人の感覚としては3億円程度の価値があるかもしれない。したがって、圧倒的に両者のモチベーションには差が出るのではないか、といった内容でした。

(続く)
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岡田監督に物申す。(15)

2010-09-28 10:26:46 | Weblog

32
「岡ちゃんごめんね」は流行語大賞になるか?
2010年7月10日(土)10:00  R25.jp (http://r25.yahoo.co.jp/)
今晩、サッカー日本代表はW杯決勝トーナメント初戦でパラグアイと対戦する。日本代表史上初のベスト8入りを目指すが、ネットでは岡田武史監督(53歳)に謝罪をする人が続出している。

本大会開始までは「迷走している」「今からトルシエに変えろ!」など散々な評価をされていたが、初戦のカメルーン戦勝利で評価は一転。さらにはデンマーク戦での勝利とそれにともなう決勝トーナメント進出でその高評価は揺るぎないものとなった。

ツイッターでは「#okachan_sorry」のハッシュタグができ、「岡ちゃんゴメンネ!3連敗だと思ってた!」「マジで岡ちゃんソーリーですな。成田空港行けないけど、帰ってきたらみんなで土下座で迎えなアカンよな」「俺も流れにのって…『岡田監督すいませんでしたm(_ _)m』」と謝罪する人が続出。この状況を受けて「もしかして、今年の流行語?『岡ちゃんごめんねm(_ _)m』」と指摘する人が出た。

2ちゃんねるでは「【謝罪会場】岡田武史監督へ」というスレッドが立ち、「期待出来ないなんて考えてました。すいませんでした!!!!」「真摯に反省します。土下座して誤りますけど、見かけたらその前に抱きつきたいです」(原文ママ)「土下座して血が出るまで額を地面にこすり付けてお詫びします」「誠に申し訳なかった あんたは本物の智将だったわ」など謝罪する人が続出した。

コラムニストの小田嶋隆氏は、日経ビジネスオンラインで5月21日、「次期代表チームの監督にはジローラモを」のタイトルでコラムを執筆。そこでは「逆に言えば、日本人監督は、どんなに有能であっても適任ではないということだ。その意味で、岡田さんはマズかったと思っている」と岡田監督が監督でいることに疑問符を投げかけたが、6月25日には「土下座マン」のイラストを掲載したうえで「三連敗などと失礼な予想を掲げたのは、私の不明のいたすところだった」とお詫びした。

また、大会開始前に自国メディアからメンバー選考・手腕を散々酷評されていた、アルゼンチン代表監督のマラドーナ氏が決勝T進出後の会見で「お前らは選手たちに謝るべきだ」と発言のパロディで、2ちゃんねるでは「『お前らは間違っていた!』岡田監督、報道陣に謝罪求める」というスレッドも立つなど、現在のネット界では「岡ちゃんごめんね」ムードが漂っている。

(R25編集部)

「岡ちゃんごめんね」は流行語大賞になるか?はコチラ
http://news.goo.ne.jp/article/r25/life/r25-20100629-00002767.html



その何かは、岡田監督は、「強国と本気の試合ができる環境があれば、まだまだ強くなる」と言っている。そして更にそれには、日本サッカー強化のための中長期戦略の策定と個の力の強化であるとする記事がある。個の力には、パスセンスの向上に他に、ドリブル突破力の向上であると思えるのであるが、まあ、いずれにせよ、パスもドリブルもシュートするためのものであるので、その両方の技の向上が必要なのであろう。どこかで、キラーパスよりもキラーシュートを大切にしたい、と言った記事を読んだこともあるが、シュートに結びつかなければキラーパスもドリブル突破も生きないからだ。得点するためのシュートこそ個の力が必要となる。

           

34直前の4連敗が功を奏した?サッカー日本代表に学ぶ「強い組織づくり」の極意
【第27回】 2010年7月12日
川原 慎也 [船井総合研究所 シニアコンサルタント戦略 コンサルティンググループ グループマネジャー]
1
 今回のサッカーワールドカップにおける日本代表の当初予想を覆す活躍は、企業経営や組織づくりにおいてもいくつかの示唆を与えてくれたように感じています。そこで今回は、サッカー日本代表に学ぶ強い企業や組織のつくり方について、考えていきましょう。

なぜサッカー日本代表は
戦略上のジレンマから脱却できたのか



 「決定力不足が大きな課題だ!」
 「戦略がブレる岡田監督に問題がある!」

 ワールドカップが始まる前の段階では、サポーターを中心としたサッカーファン、TV・新聞等のマスコミから、日本代表に対する様々な批判がありました。

 そういった批判はもっともだなと思う反面、日本代表の岡田監督には乗り越えなければならない戦略上のジレンマがあり、非常に大変な役割であると感じていました。

 アジア予選における日本代表は、韓国代表等と肩を並べる強豪国であり、そこにおける戦い方は当然「点をとりにいって勝つ戦略をとらなければなりません。ビジネスに置き換えると“強者の戦略”ということになるでしょうか。よって、弱い相手を攻めあぐねるような試合が続くと、「決定力不足」といった意見が噴出するのを記憶されている方も多いと思います。

 しかしながら、ひとたびアジア予選を勝ち抜いてしまえば、日本代表のポジションは下から数えた方がはやい“弱小国”です。アジア予選を勝ち抜いてきた「点をとりにいって勝つ」戦略がそのまま通用するとは到底考えられません。かと言って、予選突破という成功を果たしたチームを抜本的に変えるという決断も容易にできることではありません。

 2002年の日韓ワールドカップで、日本代表と韓国代表はグループリーグを突破し、特に韓国代表はアジア勢初のベスト4という快挙を成し遂げました。全ての試合がホームという地の利も当然ありますが、何よりも予選を免除され、世界の強豪国と戦うための明確な戦略を貫くことが可能だったことが大きな要因だったと思われます。

 以上のような視点から、今回はやはりグループリーグを勝ち抜くには厳しいだろうという予想を多くの方がしていました。しかし、ワールドカップ前の国際親善試合4連敗という事実が、結果としてジレンマからの脱却につながりました。岡田監督は、「点をとられない」戦略への変更を決断するとともに、その戦略を実行するための最適なメンバーへの入替を断行したのです。

(続く)
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岡田監督に物申す。(14)

2010-09-27 07:18:38 | Weblog

スポーツジャーナリストが
育ちにくい日本


 確かにファンは熱狂する。だが、メディア、とりわけサッカージャーナリズムの中の者は、そうした雰囲気の中でも敗因をみつけ、将来のチームのために、あえてそれを提示してきたという過去がある。サッカージャーナリズムが、あえてその憎まれ役を演じてきたからこそ、自国のサッカーが強くなってきたという背景があるのだ。ファンと一緒に感動している場合ではない。あなた方はそれでお金をもらっている。立場が違うのである。

 「カメルーンに一勝したときに巻き起こった陶酔状態について考えるべきだ。ゴールをした選手だけに注目の集まる日本のサッカーは、評論も含めてもっとレベルアップの必要がある」

 オシム前監督が、このように健全な批判精神で日本のサッカー界のために語っている裏側(民放裏番組)で、サッカー解説者の一人はこう叫んでいた。

 「俺たちは誰ひとり代表選手を責めない。日本の誇りだ。胸を張って帰ってこい」

 このセリフを聴くに及んで、日本にはスポーツジャーナリストが育ちにくいことを改めて確信した。なぜ、日本のサッカー報道はいつもこうなのだろうか。

3
 ベスト8の出揃ったワールドカップは、まさしくこれから佳境に入る。世界最高レベルの選手たちが、世界最高の舞台で、最大の実力を出しきる真剣勝負の時がやっと始まるのだ。

 サッカーというスポーツを本当に愛し、日本チームのことを思う者であるならば、敗退した日本代表と、ベスト8に残った上位国の代表のプレーにどのような違いがあるのかを知りたいはずであろう。まさしくそれを知ることが今回の日本の敗因を分析する最大のチャンスにもなるのだ。

 少なくとも相手国であったパラグアイの個々の選手が、なぜ足元、身体の近いところで長くボールをキープすることができるのか程度は、研究してほしいものだ。

 すべてのサッカー評論家やサッカージャーナリストには、これからのワールドカップの最大の見どころである準々決勝以上の試合について、ぜひとも真の「感動」を私たちに伝えてくれることを期待する。

日本が負けた途端に
W杯観戦も終わってしまう


 にもかかわらず、残念ながら、日本のメディアでは、すでに今回の南ア大会は終わったかのような扱いになっている。

 いつものことではあるがが、大会から日本チームや日本人選手が消えれば、それで取材も事実上、終わってしまうのである。

 それは、ファンにもいえる。真のサッカーファンであるならば、今後、見られるであろうスーパープレーの数々に、期待で胸をときめかせるのが普通である。

 日本代表が敗れたからといってサッカー観戦をやめるのは、それは「サッカーファン」ではなく、単に「日本人ファン」に過ぎない。

 そして、そうしたファンに同調してしまうサッカー関係者の多いのが実際であり、それが日本のスポーツジャーナリズムの大方の現状であるのだ。

 「明日の日本のサッカーが、今日のサッカーよりも良いサッカーになることを期待している」

 オシム氏は自身へのインタビューをこう語って締めた。

 オシム氏が特別に厳しいわけなのではない。世界のサッカー界では、この程度の敗戦後の批評・分析は当然に行なわれている。日本だけにそれがないのである。

 残念ながら、サッカー評論家たち自らが、敗戦後に「感動したり」、「勇気をもらったり」しているようでは、何年経とうが、私たちが日本代表の「ベスト4」をみることはできないであろう。
http://diamond.jp/articles/-/8609




そして「岡ちゃん、ごめんね」なんぞが本年度の流行語大賞を受賞するようなら、日本の「ベスト4」はまだまだ先のことだと弁えるべし、としなければならないだろう。往々にして、日本人はその言葉の裏にある意味を飛ばしてしまいかねないからだ。その後に続くべき言葉は、先にも述べたが、「予選突破は見事だった。しかし、パラグアイ戦ではなぜ点が入らなかったのか。点を入れるためには、何が欠けていたのか。監督として、ベスト4に向けてやり残したことは何か。」なのである。もし受賞するとしたら、次のような言葉が妥当であろう。

「岡ちゃん、ごめんね」+「だけど何が足らなかったの」

その足らなかったことを簡潔に言い表した言葉であれば、「流行語大賞」に値する。そうでなければ日本チームの進歩は、ない事はないが、遅々たるものになるであろう。
(続く)
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岡田監督に物申す。(13)

2010-09-26 07:40:55 | Weblog

確かに「ベスト16」に進むことが出来たくらいで喜んでいる国では、「ベスト4」を望むべくもないのであろう。確かにサッカー評論家たち自らが、敗戦後に「感動したり」、「勇気をもらったり」しているようでは、何年経とうが、私たちが日本代表の「ベスト4」は見ることはないであろう。一寸長いが、次の記事を参照願う。




27週刊 上杉隆
【第132回】 2010年7月1日 上杉隆 [ジャーナリスト]
1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「宰相不在 崩壊する政治とメディアを読み解く」「世襲議員のからくり」「ジャーナリズム崩壊」「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」など著書多数。最新刊は「民主党政権は日本をどう変えるのか」(飛鳥新社)。

27ワールドカップ敗退で歓喜している国に、
ベスト4など永遠に無理な話だ

1
 日本が敗れた。南アでのワールドカップサッカーのベスト16での戦い、PKの末にパラグアイに惜敗した。

 翌日の新聞は一面トップでこの「悲劇」を伝えている。また、朝の情報番組を観れば、司会者やコメンテーターが口をそろえてこんな風に語っている。

 「感動をありがとう」

 「勇気をもらいました」

 「日本代表にお礼を言いたい」

 一般人ならまだしも、スポーツ報道を扱うメディアの人間にしては、またずいぶんと安上がりに感動するものである。

 どうも、この種の言葉に違和感がある。仮にも公共の電波を使って、「感動したり」、「お礼をしている」ヒマがあったら、日本の敗因、もしくはパラグアイの勝因について、解説の一つでもしてもらいたいものだ。

歓喜に沸く日本の中で
冷静な批判は難しいのか

 そもそも、今回の日本代表の戦前の目標は、ベスト4であったはずではないか。それは岡田監督自らが設定したものである。

 にもかかわらず、結果はベスト16であった。善戦したとはいうものの、自ら目指した目標に到達しえなかったのは間違いない。それならば、なぜそうした結果に終わってしまったのか、という点をサッカージャーナリズムは分析しないのか。

 一般のファンならば仕方がない。しかし、まがりなりにもメディアの人間であるならば、そしてサッカーを取材している者であるのならば、ファンと一緒にお礼をしていないで、自らのやるべき仕事をきちんとこなすべきである。

 前日本代表監督のオシム氏は試合後、NHKの番組の中でこう語っている。

 「改善すべき点は多くあった。決勝に入ってパラグアイのように勝てる相手と当たったのに、この結果はきわめて残念です。本当に勝ちにいったのか、残念でならない。勝つために必要なことをしたのかというとそれはない。後半は個々人がチームを無視した動きをしてしまった。この教訓をどう引き出すか。次のワールドカップを考えるのならば、きょう、この負けた瞬間から考えなければならない」

2
 歓喜に沸く日本の中で、こうした冷静さを保つのは難しいことかもしれない。

 だが、サッカージャーナリズムはそれによって口を糊しているのだ。浮かれている場合ではない。自らの仕事を遂行すべきなのだ。

 民放のテレビ局だけではない。NHKの解説者までもが同様に応援団と化したことは、いつものことではあるが極めて残念である。

 「勇気をもらった」という素人のようなコメントをアナウンサーまでもが連発し、ひどいことにサッカー解説者まで同様に呼応する。

 はっきり言おう。パラグアイ戦の、とりわけ後半で、いったいどこに勇気があったというのか。ピッチで戦っているイレブンに文句を言っているわけではない。戦術をあずかる岡田監督に対して、そう思うのだ。もう一度、オシム氏の言葉を引こう。

 「FIFAにもう一度検討してほしい。ルーレットのようなPK戦に臨まなければならない選手の気持ちを考えてほしい。そして、日本チームはそれでも、ここまでしかこられなかったという結果を噛みしめるべきだ。もう少し勇気を持っていれば違った結果になったかもしれない。サムライのようにカミカゼのように勇気を持つべきだった。ピッチの上では命まで取られることはないのである」

 南米や欧州のサッカーが強いのは、こうした敗戦の中から教訓を探し、未来につなげてきたことにある。

(続く)
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岡田監督に物申す。(12)

2010-09-25 00:26:53 | Weblog

そしてイビチャ・オシム前日本代表監督は、更に冷静だった。もっと先に進むことを念頭においていた。オシム氏だけが、全うな解説をしている。オシムだけが(と思うのだが)、パラグアイ戦での引き分け・点を入れることが出来なかった「サムライJAPAN」を、(悔しそうに)叱責している、「もっと侍のように勇ましく戦うべきだった」と。そして「どこまで勝ち進むか」と、暗に「ベスト4」まで勝ち進むにはまだまだ実力不足ではないかと諭している。きっとオシムの頭の中には、その道筋が見えていたのであろう。岡田も今一度オシムにその戦略と戦術を聞き、日本サッカー協会にその要因と対策を残してゆくべきだったのではないかな。



26オシム節さく裂、成長太鼓判も「侍のように勇ましく戦うべき」
2010年6月30日(水)17:00 (夕刊フジ)

 「スカパー!」の解説を務めた前日本代表監督のイビチャ・オシム氏(69)が、8強を逃した日本代表について、「W杯で日本は自信を手にした」と評価。一方で、「もっと侍のように勇ましく戦うべきだった」と苦言を呈し、メディアやファンにも成長を求めた。

 オシム氏は、日本がPK戦の末に敗れたパラグアイ戦後に解説として登場。120分間の死闘を演じた日本代表について、「サッカーファンではない人の目を開かせる戦いだった。選手たちはこの戦いで自信を手にしたはずだ」と賞賛した。

 格上のカメルーンやデンマークを下し、強豪オランダと互角の戦いを演じた日本の戦いぶりを「どんな強豪ともかなり対等な試合をすることができるということが証明された」と評価した。

 一方、「自分の力だけでゴールを上げることができるという誤解に基づくプレーがあった」とワンマンプレーには苦言。「日本人は歴史を通じて勇敢さを保ってきた民族。侍の時代にしろ、戦争中の神風攻撃にしろ、勇気がなければできない。サッカーでは自分の命をピッチの上で失う危険はない。もっと侍のように勇ましく戦うべきだった」と代表の消極プレーに注文も出した

 また、PK決着に批判的なオシム氏は、「W杯の試合でこういう形で決着するのがふさわしいのかどうか」とFIFAにもチクリ。「『こぼれたミルクは戻らない』ということわざがある。今日の日本はミルクをこぼしてしまった」と、悔やんだ。

 「今後はW杯でどこまで勝ち進むかということを意識したトレーニングができる。そういう日本代表になることができる」と代表の成長に太鼓判を押したオシム氏。

 最後は「ゴールをあげた選手だけが注目される」とメディアを批判。「代表ばかりでなくJリーグの試合も見るべき」とファンへの注文も忘れなかった。
http://news.goo.ne.jp/article/fuji/sports/zak20100630009.html



「もっと侍らしく勇ましく戦うべきだった」その手立てのひとつが、素人ながら小生は、「中村俊輔’」+「本田圭佑’」だと感覚的に見立てているのである。だから目標とした「ベスト4」に到達するための方策が、岡田では見つけられなかったのではないかと、推測しているのである。岡田のとった手立ては、「ベスト16」までの手立てではなかったのか、と勘ぐっているのである。「国内では、今のところ賞賛の報道ばかりが目につくが、海外メディアはそうでもない」のである。これが本当のメディアなのであろう。日本のメディアはこんなところでも後進性を暴露してしまっている。



28【風】健闘…けれど敗戦の現実
2010年7月1日(木)15:02 産経新聞

 ベスト8にほんのわずか届かなかった日本代表。筆者は敗戦のショックから抜け出せないが、本欄には、悲しみつつも代表に拍手を送るお便りがたくさん届いている。

 《負けたのは悔しいけれど、日本が一つになった。W杯のすごさを実感した》と、徳島市の会社員(32)。闘志あふれるプレーでピンチを乗り越えたディフェンス陣、PK戦前に全員で円陣を組む選手やスタッフたち、PKを外して泣きじゃくる駒野友一選手と、肩を抱くチームメート-。《感動で鳥肌が立ち、涙が出た。スポーツでここまで胸が熱くなったのは初めて》という。

 大阪市の男性(30)から届いたメールは、多くのファンの気持ちを代弁している。《ドイツ大会で(1勝もできずに)がっかりさせられたのに比べ、これだけワクワクさせてくれたのだから十分でしょう。選手たちには「よくやってくれた」と感謝したい》

 健闘した日本代表。ただ、結果としては敗戦だし、内容は必ずしも満足できるものではなかった

 国内では、今のところ称賛の報道ばかりが目につくが、海外メディアはそうでもない。組織的な守備は評価されるものの、パラグアイ戦について「今大会で最も退屈な試合の一つだった」(南アフリカの通信社)、「攻撃面で創造的になれなかった」(ブラジルのテレビ)、「極めて守備的。負けへの恐怖心が支配していた」(イギリスのテレビ)と、辛口な意見も目立つ。

 前出の大阪市の男性も、最後にこうつづっている。《日本戦の後に放送されたスペイン対ポルトガル戦を見て、残念ですが、段違いに強く、面白いサッカーだと感じた。日本の実力ではベスト16が妥当なのかもしれない。まだまだ、世界の強豪にはなれていないと実感させられました》

 「堅守速攻」で臨んだ岡田ジャパンは、大方の予想を超える成績を収めた。おそらく岡田武史監督は、勝ち残るための戦術として選択したのだろう。しかし長い目で見て、果たしてそれが日本の目指すスタイルでいいのだろうか

 優勝を狙える強豪になるための道のりは遠いが、長い目でじっくり応援していきたい。(一)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20100701066.html
(続く)
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岡田監督に物申す。(11)

2010-09-24 07:11:08 | Weblog

Yoree Kohという記者が書く「目上の人の命令に無条件に従うべしという日本の文化的規範」という日本人に対するステレオタイプが、ちょっと気になるところではありますが、まあ、日本人は外国からはそう見られているし、確かにそういう傾向が全体として強い国民ではあるだろうと私も言葉を濁しながらも思うし、これ以上、日本人論を展開するべき場でもないので、WSJの記者がそう書いていると指摘するだけにとどめておきます。

そしてやはり同紙も、岡田監督が思い切ってスタメンを入れ替えて、「人気者だが負傷している」中村俊輔選手を外したのが奏功したと指摘。ただし日本の場合は「選手たちの性格も、成功の大きな要素だ。フランスやイタリアといった強豪勢の敗退につながった、スーパースターたちのエゴがない日本代表は、内部対立を免れてきた。今大会でこれまで4得点を決めている本田選手は間違いなく、新しいヒーローとして台頭したが、先輩選手たちをきちんと立てている」のだと。

確かに、イングランド敗退(あああああ……)の後にも一部の英メディアは、「スーパースター軍団」のエゴがチームの団結を妨げていた、今こそ本当のチーム作りを始める時だなどと批判していました(いやはや、本当に……)。

一人一人が誇りや気概をもつことは大事だけれども、サッカーがチームスポーツである以上、その誇りや気概やチームのためでなくてはならない——ということでしょうか。FIFAサイトの「日本のサムライはブルーな気持ちをぬぐい去る」という記事が、日本の躍進について次のようにまとめています。

「南ア入りの時点では不安だらけだった日本代表は、大会の進行と共に、新しいアイデンティティーの構築に成功した。端的に言えば、サムライ・ブルーは戦士の魂は手放さずに、ブルーな気持ちだけをぬぐい去ったのだ。日本代表が武器庫に備える新しい刀は、戦術的な規律 (tactical discipline) だ。その資質は普段は欧州や南米のチームについて言われるものだが、日本は、これまであったかもしれない甘さ (naivety) を全て捨て去った。おかげで、バックは実に強固だし、それと同じくらいフォワードはエキサイティングだ。絶え間なく動き続ける日本のパス・サッカーに、中立的な第三者も夢中にさせられている」。

すごい賛辞です。規律あるバックが強靱にしてフォワードはエキサイティングな、動きまわる、戦うサッカー集団になったというのです。日本が。ダークホースの躍進にこの記者がワクワクしている様子が伝わってきます。

FIFAサイトが、ESPNが、『ニューヨーク・タイムズ』が、『ウォール・ストリート・ジャーナル』が……。実に世界的な 「岡ちゃん、ごめんね」です。パラグアイ戦に勝っても負けても、この偉業は消えるものではありません。

◇筆者について…
加藤祐子 東京生まれ。シブがき隊や爆笑問題と同い年。実は奥田民生とも。8歳からニューヨーク英語を話すも、「ビートルズ」と「モンティ・パイソン」の洗礼でイギリス英語も体得。オックスフォード大学修士課程修了。全国紙社会部と経済部、国際機関本部を経て、CNN日本語版サイトで米大統領選の日本語報道を担当。2006年2月よりgooニュース編集者。フィナンシャル・タイムズ翻訳も担当。英語屋のニュース屋。
http://news.goo.ne.jp/article/newsengw/world/newsengw-20100629-01.html




しかし、本当に「岡ちゃん、ごめんね」だけでよいのか。「予選突破は見事だった。しかし、パラグアイ戦ではなぜ点が入らなかったのか。点を入れるためには、何が欠けていたのか。監督として、やり残したことは何か。」と、続けなければならないのではないか。このままま「岡ちゃん、ごめんね。」「すばらしいチームだった。」だけで終わってしまっては、「サムライJAPAN」は永久に「ベスト16」止まりで、それから上には進出は出来ないのではないか。その点本田は冷静だ



25本田「グループリーグ敗退も16強も一緒」
2010年6月30日(水)14:57 読売新聞
 日本のサッカーファンの多くが、南アフリカ大会を「本田のW杯」として記憶に刻み込むのではないか。

 4試合ともフル出場した金髪のレフティーは、豪快な30メートルFKを決めたデンマーク戦を含む3試合で、国際サッカー連盟から「マン・オブ・ザ・マッチ」の表彰を受けた。

 パラグアイ戦も、本田は黄金の左足でゴールに迫った。40分には松井のパスを1タッチで狙い、延長前半には得意と反対の左サイドからのFKで強烈なシュートを放った。最前線で120分間、攻守に体を張り続け、体力をすり減らした末のPK戦でも4人目で難なく決めた。

 従来のMFではなく、不慣れな1トップのFWとして起用されたが、その位置でも十分に世界に通用することを示した。

 だが、チームは初の8強入りに届かず。そのことを人一倍悔しがった。サポーターへの一礼を済ませ、うつむき加減で足早にピッチを去ってゆく。その肩は、小刻みにふるえているように見えた。数十分後、こう言った。

 「オレの中では、グループリーグ敗退も16強も一緒という感じ。きょうは何がなんでも勝ちたかった。もっと攻めに行く姿勢を世界に見せるべきだったとも思う。オレが日本人かパラグアイ人じゃなければ、この試合は見ていない」。向上心と本音を、悪ぶった言葉で巧みに隠した。

 アクの強い個性を備えたスターは、日本サッカー界にあって、2006年に引退した中田英寿氏以来と言っていいだろう。4年後のブラジル大会の頃には、28歳。果たしてどれほどの大物になっていることか。(込山駿)
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/sports/20100630-567-OYT1T00509.html
(続く)
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岡田監督に物申す。(10)

2010-09-23 01:17:26 | Weblog

そして大会開始。米スポーツ専門局「ESPN」のサイトは、「グループリーグで良かったこととひどかったこと」という6月25日付コラムの中で、
http://soccernet.espn.go.com/world-cup/columns/story/_/id/5327421/ce/us/best-worst-group-stage?cc=4716&ver=global
「最優秀選手=アルゼンチンのメッシ」とか「最優秀監督=アルゼンチンのディエゴ・マラドーナ」、「最悪監督=フランスのレイモン・ドメネク」、「最もつまらない試合=イングランド対アルジェリア」などに並んで、「最も意外だった選手=日本の本田圭佑」を選出。その選出理由は、「日本の岡田武史監督が目標を準決勝に定めた時、熱でもあるのかと思われたものだが、ブルー・サムライは本田の絹のような技術のおかげで実際にベスト4にたどりつくかもしれない」からだ、と。


MOST SURPRISING PLAYER: Keisuke Honda, Japan
It seemed Japan coach Takeshi Okada was delirious when he set his sights on the semifinals, but the Blue Samurai might just get there thanks to the silky skills of Honda. His turbo-charged performances in midfield propelled Japan ahead of all but Holland in Group E.


つまり、高熱にうかされてうわ言を口にした男と見なされていたわけです、岡田監督は。国内外で。この約1年間というもの。

それが大会の蓋を開けてみれば、誰もが驚く日本の躍進。そして、誰もが驚く欧州強豪の苦戦。その対比があるからでしょうか、FIFA公式サイトの26日付AFP記事では、日本が「against all expectations(あらゆる予想を覆して)二次リーグに進んだ」ことで、岡田監督が「regained credibility(信用を取り戻した)」と。

そしてさらに驚いたことに、米『ニューヨーク・タイムズ』が28日付で、岡田監督の名誉回復に関する詳しい記事を掲載しました(なぜ驚きかというと、サッカー不毛の地だったアメリカのメディアがワールドカップについて詳報するのを見るたびに、私は脊髄反射的に驚いてしまうからです。あまりに隔世の感があって)。

そのタイトルも「Japan’s Coach, Once a Punch Line, Is Having the Last Chuckle(かつて笑い話のオチ扱いだった日本の監督、最後に笑うのは彼だ)」と。「punch line=冗談のオチ」扱いされていたわけです、岡田監督は。いやはや。

(——と思ったら、その後、この記事の見出しが「Japan’s Coach Is Having the Last Chuckle(最後に笑うのは日本の監督)」となり、「punch line」という表現が記事本文からも削られていました。ネットの場合、記事掲載後の修正は誰でもやることですが、記者や編集の誰かがちょっと言い過ぎたかと思い直したのだとしたら、それもまた「岡ちゃん、ごめんね」現象の一環では、なんて)

○「ベスト4」発言は「狂気ではなかった」と

ジェレ・ロングマン記者は書き出しからいきなりこうです。「2カ月前、1カ月前、いや2週間前でさえ、この厳しい男の言葉に耳を傾けようという者はほとんどいなかった」と。さらに、「岡田武史の言うことをまともに受け止められるはずなどなかった。日本が準決勝に? 国外でW杯の試合に勝ったことのないチームが? 準決勝まで行くという岡田の予言は、戯言に聞こえた。岡田は笑い者になったのだ」とまで。


にもかかわらず、日本は「surprisingly(意外にも)」決勝トーナメントに進出。「日本のファンはチームにブーイングするのを止めた。岡田をクビにしろと言うのも止めた。代わりに、日本時間では真夜中に始まり明け方に終わる試合を、国民の40%が見つめているのだ」。

記事は「53歳でメガネをかけていて、コメントの端々に宗教や哲学や歴史についての講義を挟み込む」岡田監督が、倒れたオシム氏の後任に急きょ選ばれてからというもの、いかに日本国内で批判され続け、「悪い冗談」扱いされ、トルシエ元監督には「岡田の頭は混乱している」とまで言われ、サポーターからはクビにしろクビにしろクビにしろと言われ続けて来たかと、まあ、サッカー好きの日本人には周知のあれこれを列挙していきます。

そして記事は、大会開始と共に岡田監督が「日本で最も有名な選手、クリエーティブなMF中村俊輔をベンチ送りにして、脱色して金髪の本田圭佑をただ一人のストライカーとして配置した」ことを特筆。さらに「本田は、髪の色は偽物かもしれないが、その技術は本物だ」と、本田選手の金髪にこだわっています。日本人がなぜ金髪なのか、読者に説明しておかなくてはと思ったのかもしれません。

さらに「パラグアイを破った場合、日本は準々決勝でスペインかポルトガルと対戦する。なので、日本の準決勝到達は今でも難しそうだ。しかし岡田の予言は今では正しく評価されている。あれは狂気ではなく、動機づけだったのだ」と。「ベスト4」発言は決して戯言ではなく、選手に本気を出させるための計算づくの発言だったのだと。『ニューヨーク・タイムズ』紙上で、岡田監督の発言は戦術の一環と認められたわけです。

長いことサッカーに不熱心だったアメリカのメディアがW杯を詳報しているだけで驚く私は、『ニューヨーク・タイムズ』だけでなく、よりによって『ウォール・ストリート・ジャーナル』までもが岡田監督の復権について書いているのを見て、仰天しました。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703615104575328652571719466.html

○エゴのぶつからない戦う集団に

記事は、日本の16強進出は、ずっと疑われてきた岡田監督にとって「redemption」だったと。この言葉は直訳してしまうとイエス・キリストの「贖罪」なのですが、それでは意味が通りません。この場合は「復権」とか「名誉回復」というほどの意味でしょうか。

そしてこの記事が、Twitterで繰り広げられている「岡ちゃん、ごめんね」の「謝罪ハシュタグ」、「#okachan_sorry」を紹介。「okachan」は日本語で岡田監督の愛称だ、とまで説明しています。岡田監督へのこれまでの批判は今や、「in Okada we trust (我々は岡田を信じる)」的なスローガンにとって変わられている、と。少し解説しますと、「in God we trust (我々は神を信じる)」というのがアメリカ合衆国のモットーで、紙幣や硬貨にも印刷されている言葉です。そのもじりが、「in Okada we trust」なわけです。「God」を「Okada」に入れ替えたわけです。うわあ……。

さらに同紙は、岡田監督の成功をこう分析。「過去の外国人監督が伝えられなかったメッセージをようやく、選手たちに伝えられたことが、岡田氏の成功の要因だと言われている。つまり岡田氏は選手たちに、日本人らしさを減らせ (be less Japanese) と伝えたのだ。このため選手たちは、目上の人の命令に無条件に従うべしという日本の文化的規範を脇に置いて、もっと自由に個々の判断で行動するよう要求されたのだ」と。
(続く)
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岡田監督に物申す。(9)

2010-09-22 07:52:41 | Weblog

特に親日派でもない英大衆紙「サン」のこちらの記事でも、「鮮やかなフリーキックがまるで出ていなかった今大会だが、日出ずる国の連中がものすごい2本を決めてくれたおかげで、一気に明るくなった」と。「連中」と訳した言葉は「lads」。「lad」は直訳すれば「少年」とか「坊や」。南アフリカチームの愛称「bafanabafana」の「bafana」と一緒ですね。ぴたりとくる訳語が見つからないのですが、「あいつら」とか「奴ら」とか「連中」とか「あの子たち」とか、つまり親しみを込めた呼び方です。イギリス人は、イングランド代表でもビートルズでも、「the boys」とか「those lads」とか呼ぶのが好きなのです。

もうひとつイギリス・メディアから(なぜかというと私がデンマーク語がわからないからです)。やはり試合をサイト上で実況していたガーディアン紙は試合後の戦評で、サン紙と同様、「いかにもありがちだ。このワールドカップで凄まじいフリーキックが出るのを延々待たされたかと思うと、ほとんど同時に2本も決まるんだから」と、「フリーキック欠乏⇒お腹いっぱい」の喜びを、「Typical(ありがちだ)」というこれまたイギリス人お得意のシレッとした物言いで表しています。

英語うんちくに話がずれますが、英語では「it never rains but it pours (雨が降るときは決まって土砂降り)」「it's either feast or famine(大ごちそうか飢えるかどちらかしかない)」という慣用句がよく皮肉な感じで使われますし、特にイギリスでは「バスは来ない。来るとしたら3台一度にやってくる」という「経験則」のようなものもあります。なので「いいフリーキックがまったく出ないと思ったら、立て続けに2本も出たよ」とイギリス・メディアが口々に言うのは、こういうメンタリティーも背景にあるのかもしれません。

さて、次はパラグアイです! ですが私的にはその前に、イングランド対ドイツ! サッカー的にも歴史的にも因縁がありすぎるカードなので、私がドキドキしても仕方がないのですが、ドキドキドキドキ……。

ところで、いつまでも「サッカーわかりません、何それおいしい?」とか言い続けるのも情けないので、サッカーの見方の解説本とかサッカー論の本とかを少しずつ読んでいます。そのなかでも、フィナンシャル・タイムズのサイモン・クーパー記者の「サッカーの敵」をいま読んでいまして、これは面白い! サッカーにまつわる人たちの思い、そして世界の歴史や政治や経済や因縁がどうサッカーに絡まって「世界で最も愛されているスポーツ」を形作っているのかが、丁寧に描かれてます。おすすめです(近著の「『ジャパン』はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理」も入手済み。はやく読みたい!)。

(余談です。いまちょうどCNNを観ていたら、アメリカではアルジェリア戦のゴールの瞬間、大騒ぎだったようです。そしてそのゴールの瞬間のファン大騒ぎの様子が、次々とYouTubeに投稿されているとか。アメリカ人がワールドカップでこんなに大騒ぎするとは。これからアメリカはどんどん強くなりますね、確実に。どうしようその内にアメリカでさえ、「football」がサッカーを意味する言葉になったら)
http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/sports/gooeditor-20100625-01.html



まあ、サッカーの本場のイギリスでこれほどまでに日本の「サムライJAPAN」の戦いを賞賛してくれているのであるから、その日本人が大騒ぎするのもむべなかるべし、であろう。それが世界的な「岡ちゃん、ごめんね」現象だ。


23世界も認めた「岡ちゃん、ごめんね」 勝っても負けても偉業は消えない <ゆるふわサッカー+JAPANなニュース>
2010年6月29日(火)11:00 gooニュース JAPANなニュース

英語メディアが伝える「JAPAN」をご紹介するこのコラム、今週は何がどうしたって「岡田JAPAN」の話題です。日本人が「岡ちゃん、ごめんね」と国民的謝罪(?)に至る顛末を、米主要メディアまでもが大きく取り上げ、そしてFIFAサイト記事は「日本はブルーな気持ちを捨てたサムライ集団になった」と賞賛。つまり英語メディアさえもが事実上の「岡ちゃん、ごめんね」状態にあるわけです。これって夢かしら。(gooニュース 加藤祐子)

○世界が事実上の「岡ちゃん、ごめんね」

「JAPANなニュース」と「ゆるふわサッカー」が「岡田JAPAN」で交錯して、一人コラボみたいなことになっていますが、ご容赦下さい。グループリーグ突破を決めたデンマーク戦直後の英語メディアの反応はこちらでご紹介しました。賞賛の声は選手たちだけでなく、当然、岡田武史監督にも向けられています。

岡田、解任しろ」から一転「岡ちゃん、ごめんね」へと毀誉褒貶も甚だしい、今や日本一の「勝てば官軍」的な絶賛を浴びている岡田監督。今日29日の日付が変われば、日本がベスト8に残るかどうかが分かるわけですが、ここまで来たら勝っても負けても、岡田JAPANの偉業が消えるものではありません。

約1年前に岡田監督が「ベスト4」を目指すと発言した時、それは世界的に驚き(と一部の失笑)でもって迎えられました。約1年前にこちらでご紹介したようにhttp://news.goo.ne.jp/article/newsengw/life/newsengw-20090610-01.html
ロイター通信は「岡田監督は浮ついたお調子者なのか?」とバッサリ。これに類することは数多の外国メディアが書いていました。
(続く)
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岡田監督に物申す。(8)

2010-09-21 11:56:25 | Weblog

何はともあれ、日本の16強は、世界にとっても驚きであったようだ。



21イタリア国営放送 日本16強は「驚き」
[ 2010年06月25日] 09:50

 【W杯1次リーグE組 日本3―1デンマーク】日本がデンマークを下し、決勝トーナメントに進んだことについて、国営イタリア放送は「驚き」と伝えた。

 日本の入るE組の中でオランダの決勝トーナメント進出は「予想されていた」としたが、残り1チームについておおかたの予想はデンマークだったとした。 (共同)
【試合結果  E組順位表】http://www.sponichi.co.jp/soccer_worldcup/2010/schedule/group/e.html

http://www.sponichi.co.jp/soccer/flash/KFullFlash20100625050.html?feature=related




22世界がこんなに日本を賞賛したことが最近あったか <ゆるふわサッカー☆感戦記>
2010年6月25日(金)20:30 gooニュース

ドのつくサッカー素人がお送りする「ゆるふわ」なコラム、4回目はもちろん昨夜というか今朝の、日本勝利についてです。日本のサッカーが新次元に進化したあの勝利。サッカーにとどまらず、日本人の活躍を世界の色々な人たちが手放しで賞賛してくれるのが、そうめったにあることではないだけに、なんだかもう嬉しくて仕方がありません。(gooニュース 加藤祐子)

○眠くなんかない

いかに嬉しかったか、いかに眠くなんかないやいだったか、ことさらに書く必要もありますまい。私個人の事情を申し上げれば、前日にイングランドが何とか次に進めてヤレヤレと安堵したと思いきや、24日夜には「えええアズーリがああああ」とイタリア敗退に呆然。つまり仮眠をとる間もなく25日未明の試合観戦になだれこんだわけです。おなじみTwitterとBBCの実況ブログを眺めながらの観戦でした。

英語メディアに岡田監督の「ベスト4」発言を失笑されてから約1年。「日本はアジアの外でW杯本大会に勝ったことがない。おやまあ」と呆れられ、「岡田監督は『ベスト4まで行ける』などと言うが、私としては日本語の漢字を使って丁寧に『まあねえ』と答えたい」などと皮肉を浴びせられていたのが、14日のカメルーン戦の直前。それから比べると、情勢は全く嘘のように変わっています。フランスとイタリアがすでに敗退しているという、これまでのサッカー世界地図からは考えられない状態で始まったデンマーク戦。それだけに、Twitter上でも色々な国の人の見る目はおなじみの「日本? どうせ負けるよ」ではなく、「日本? もしかするんじゃない?」でした。そしてサッカー素人の私でも(直前までイタリアの敗戦ぶりを観ていただけに)、「この日本ならあの試合前半のイタリアに勝てる」と思ったほど、岡田ジャパンは開始直後から動きが良かった

前半17分で本田圭佑がフリーキックを決めるや、BBCの実況ブログは「クリスティアーノ・ロナウド、どうだ見たか! 素晴らしい!」「日本はスロースタートだったかもしれないが、完全にこの試合の主導権を握っているし、一次リーグ突破に向けても完全に主導権を握ってる。ちなみに日本、本田圭佑が得点した5試合は全て勝ってる」と早くも日本勝利を予想。大会前はまるで考えられなかったことです。開始30分に、また本田で来ると予想していたデンマークの裏をかいて、遠藤保仁がフリーキックを決めると、「(本田のとは違い)今度はもっと伝統的なストライクだ。右足からカーブして壁を回ってコーナーに入った。シンプルだ」と。

続く日本の猛攻には「日本が敵陣に入るたび、何かやらかしそうに見える。デンマークはぼろぼろだ。デンマークにとって何かが、しかもすぐに変わらないとダメだが、この様子では日本はベスト16に向かって邁進している」と。

そしてハーフタイム前にこのBBC実況ブログに寄せられた(日本人ではない)Twitterユーザからのツイートは、「日本は、新しいブラジルだ!」と。すごい……。

さらに後半が始まると「ジブラルタルのバーにいる」という匿名読者が「日本は、アルゼンチンを除くどのチームより上手に見えるじゃないか! ワールドカップで何ていう目立ち方だ。このチームの大勢を、来年の欧州で観ることになるんだろう」と、日本選手が次々と欧州のクラブチームに移籍するだろうと予測しています。

○なんて嬉しい、誇らしい

そして後半42分。BBC実況担当のサム・シェリンガム記者は「デンマーク・ファンの皆さんには警告しておいた通りだ。この試合を動かしているのは、MF本田圭佑だ。本田はデンマークのペナルティ・エリアまで踊るように入りこんでから、利己的なところはまるでなく、交代出場の岡崎慎司にボールを譲った」と。本田は「ゲームメーカー」で、かつ「unselfish(利己的でない、自己中心的でない)」だと。思うのですがこれって、イギリス人がサッカー選手に(さらにはチーム・プレイヤー全般に、あるいは社会で生きる人間全てに)与えうる最大級の賛辞のひとつなのではないかと思います。

シェリンガム記者は試合終了と共に「見事だ、日本は実に見事だった。ステキな戦いぶりの勢いに乗って、第二ラウンドへ進む。パラグアイは、この調子の日本を迎えるのはイヤだと思ってるはずだ」と締め。さらに試合後の戦評記事で、「どこからともなくいきなり現れた日本は、自信たっぷりに堂々と戦った。岡田武史率いるチームは過去6試合中5試合を落とし、ワールドカップでの12試合で9得点しかしていないのに」と、驚きをこめて日本代表を評価しています

本田のフリーキックは「クリスティアーノ・ロナウドを彷彿とさせるスタイルで」と形容し、続く遠藤のフリーキックには「exquisite(絶妙な、卓越した、魅惑的な、洗練された、美しい)」という素晴らしい形容詞がつきました。さらに、「日本のストライクは正確かつ精緻で、なにかと評判の悪いジャブラニ・ボールの扱いに苦しんできたほかの選手たちはまるで立場がない」とまで(Jリーグの公式球なので日本代表は慣れているんだと、後述の英ガーディアン紙は指摘。やはり後述の英サン紙は「日本はジャブラニが大好きだ」とまで)。

BBCラジオのキャスターも、「日本代表は経験豊かなチームだ。チームとしてたくさんの試合を共にしているし、自分たちが何をすべきか分かってる。タフな対戦相手だ」と。うわー。これって本当に、日本代表に与えられている評価なのか、自分のどこかをつねりたくなります。大会開始前まではこんな賞賛、考えられなかったです

日本人が(これまでそんなに得意と思われていなかった分野で)世界注視の前でこれだけ活躍し、特に親日派でもない世界各地の人からこれだけ高く評価される。なんて嬉しい、誇らしいことでしょうか。
(続く)
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