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さて、少し視点を変えて、ワールドカップで勝つチームに必要な要素を考えてみましょう。
・サッカーの世界においても国力を示そうという国家の意思と環境づくり
・国民(選手)の自国に対するロイヤリティ
・脈々とその国に培われてきたサッカーの歴史
・ワールドカップにかける国民(選手)の情熱
挙げていけばまだまだ出てくると思いますが、冷静に考えると、単にお金だけの話でどうこうということではないでしょう。オリンピック等でもよく言われることですが、「勝つ」ためにはそれなりの“国力”が必要なのだと思います。
そういう意味で、アフリカ勢の不振は、単純に「選手が巨額マネーに踊らされて云々」ということではなく、まだまだ「勝つ」チームをつくるだけの要素を国家として整えるに至っていないということなのではないでしょうか。
つまり、貧しい国で生まれ育ち、何とか自分の才能ひとつでトッププロの仲間入りをした選手に「サッカーはお金のためだけじゃない」という話をするのも筋が違うのかなということです。
そういう意味で比較すると、日本は自らの国力によって、もっとサッカーを強くすることが十分可能だと思います。
岡田監督が、帰国会見で「日本もワールドカップではないところで、サッカー列強国と呼ばれる国々と本気の試合ができる環境があれば、まだまだ強くなる」とコメントしていました。
「決定力不足の課題」についても短期的に解決できるものだとは思いませんが、中長期的視点で考えれば、個の力で局面を打開できる選手の育成も可能でしょう。その中長期的な戦略をいかに具体的に、例えば「指導者の育成はこうする」「ジュニアからの育て方はこうする」というように落とし込めるかがポイントだと思います。
ビジネスにおいて、持っている資源(ヒト・モノ・カネ)をどこに重点的にかけていくのかが戦略上重要なポイントであるように、日本サッカー界においても、国力を活かした適正な資源配分が将来の成長を決定する大きなカギになるでしょう。当然、まだまだ強くなれる可能性がありますので、大いに期待したいと思います。
http://diamond.jp/articles/-/8709
一応、W.カップサッカー南アフリカ大会でベスト16に運良く進出できたことで、岡田監督もほっとしたことであろう。だからまあ、一丁前のことを述べておられるが十分理解できることである。しかし岡田監督の契約期限は、8月31日までである。公認の代表監督が決まろうが、きまるまいが、彼には知ったことではないのである。8月29日の大阪のトークショーでは、「すぐに決まらなくても、たいした問題ではない。どういう人を持ってくるのか、それが大切になる。」とコメントしている。
どういう人が次期代表監督になるかは、大切なことである。しかし「すぐに決まらなくても、たいした問題ではない」と言うことには、少なからず疑問が沸く。フリーになってからはサッカーと無縁になるわけでもないのだから、もう少し言い方があるんではないかと思うのである。ここら辺が、ある意味岡田には、非難される余地があり限界なのであろう。
38【サッカー特集】岡ちゃん バチが当たるぞ
2010年08月31日17時00分 / 提供:ゲンダイネット
●パラグアイ戦の指揮執れ
南アW杯ベスト16で名将に祭り上げられた岡田武史前代表監督が、契約の満了する今月31日を前に29日、大阪でトークショーに参加。後任について「すぐに決まらなくても、たいした問題ではない。どういう人を持ってくるのか、それが大切になる」とコメントした。
お説ごもっとも。しかし、9月から“ただの人”になるとはいえ、来月4日のパラグアイ、7日のグアテマラ戦は原博実・強化担当技術委員長が監督代行を務め、サポーターやスポンサーから「不手際極まりない。せっかくの南アW杯フィーバーが冷める」とボロクソに言われている状況を知らないハズがない。
代表監督時代に1億円超の年俸を懐に入れ、望外のW杯16強監督の称号まで手に入れた。「日本サッカーの一大事。4日と7日は指揮を執らせていただきたい。もちろん無給でOK」と申し出てもバチは当たるまい。
岡田監督“復帰”にパラグアイ戦は格好の舞台となる。W杯PK戦敗退のリベンジの場となるからだ。大きな話題を集めて「3万枚売れたところで後任選び騒動から売れ行きが一気に鈍化した」(サッカー記者)チケットも売れるだろうし、テレビ局もスポンサーもウハウハこの上なし。
しかし、岡田前監督の今後は「WOWOWでサッカー解説者。年内に西洋思想と東洋思想を融合させたトレーニング理論を提唱する人物との共著本を出す。あとは《南アW杯16強までの道程》といったタイトルの講演会で荒稼ぎ」(放送関係者)。要するにサッカーの現場とは、完全に一線を画すということだ。
この日、岡田前監督は「全国の農業関係者から誘いがある」と話した。
W杯期間中に海外紙のインタビューに「W杯後はファーマーになる」と答え、そのこともあって「沖縄のバナナ園や北海道の町長さんから『ウチでどうでしょう?』と言われた。農業で食っていくのは大変。当面は予定にはない」と苦笑いだ。
「岡田さん自身、南アW杯は惨敗に終わると腹をくくっており、帰国後は北海道富良野で自然塾をやりながら隠遁(いんとん)生活を送るつもりだった。それがW杯ベスト16で“もうひと稼ぎできる”と思い立った。でも、ピッチに立ったらボロが出て“自身の商品価値が下がる”ので現場に戻ることは絶対にない」(前出の関係者)
ともあれ、今やるべきことは解説者でもファーマーでもない。何億円も稼がせてくれたサッカー界のために監督代行になって恩返ししたらどうなんだ、岡ちゃん! そういう声はサッカー界に少なくない。当人の耳には入ってないが――。
(日刊ゲンダイ2010年8月30日掲載)
http://news.livedoor.com/article/detail/4979418/
(続く)