世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

世界自動車大戦争(19)

2019-11-29 00:00:00 | Weblog

これによると、次の3車種が該当する様だ。

(1)ダイハツのICOICO

(2)トヨタのUltra Compact EV

(3)日産のIMK(Intlligent Mobility K)

この3車種の主要諸元を見てみよう。




日産のIMKは軽自動車規格から外れている。長さと幅が広すぎるのだ。こうなると軽ではなくて小型車となってしまう。軽の恩典が全く受けられなくなるから、市販版は全長と全幅を狭めて、軽規格として修正して来るのであろう。

もしこのまま何もしなければ、日産のIMKは見てくれだけのモノになりかねない。何故日産が、モーターショーとは言え、軽自動車規格を超える軽自動車もどきのEVを、東京モーターショーに出展したのであろうか。

考えられる理由の一つは、日産にはもともと軽自動車のEVを市販する計画がない、と言う事である。TMSには、日産はこんなことも出来るのだぞ、と言う事を単に見せるためだけに出展した、ということになる。

2つ目の理由は、軽自動車のEVとして出展したかったのであるが、たまたまそれに見合うクルマがなかった、又は出来なかったと言う状態であった、と言う事ではないのかな。

小生は多分後者の理由であろうと思っているが、もしそうであれば、日産の車両開発の現場は、相当混乱していると思われる。ゴーンやケリーは、本当に罪作りなことをしたものだ。それにしてもゴーンはまだ反省していない様だ。このレバノン人は、余程腹黒い人物とみられる。

3つ目の理由は、コンセプト車なので、余り軽規格には拘らずに、モーターショーに出展した、と言う事である。軽規格のEVはそれなりに進んでいる、と言う事か。それとも何らかのカムフラージュなのか。


と無い知恵を働かせて、日産のこのIntellegent Mobility K : の車両寸法の謎を紐解いたみたが、誠に寸足らずだある。一体なぜこんな寸法のコンセプト車を出展したのか、疑問は残る。

などと考えることは、素人の浅はかさと言うのであろうか。

月刊自家用車の12月臨時増刊号の「東京モーターショー2019完全ガイド」のIMKの項には、次のように記載されているので、デイズのバリエーションとして登場するかもしれない、と言ったような内容なのだ。


・・・日本国内専用の近未来シティコミューターEVのコンセプトを示すのが、コンパクトなIMK。広報文では「軽自動車クラス」と謳い、発表された車体寸法も軽自動車規格をわずかに上回るが、そのプロポーションは、ほぼ現行デイズそのもの。パワートレーンは新開発のEVプラットフォームと説明されており、デイズのバリエーションとして、EVが登場する日が遠くないことを思わせる。高速道路だけでなく、主要道緒でも使えるブロパイロット2.0の搭載も、リアルな商品企画だ。


まあコンセプト車なので、何でもありであり、そう詮索する必要も無いかも知れないが、いわくつきの寸法ではある。

大見出しには「軽自動車でもEV化を進める日産の決意を表明するコンセプトカー」と書かれているので、本当にデイズのバリエーションとして軽のEVを発売するのではないのかな。

但し後で話題とするが日産の本命としては、モーターを2基搭載した四駆のSUV「アリア」なのでしょう。


さて日産の軽EVに対して、トヨタは超小型EVをTMSには出展している。既に今年の6月の説明会で表明している。これは2020年の冬にでも発売する予定という。

そして単にEVを発売すると言うだけではなくて、EVに付き物のバッテリーの2次利用までを考えたビジネスモデルとして、EV事業を成り立たせようとしているものである。
(続く)
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世界自動車大戦争(18)

2019-11-28 00:00:00 | Weblog

ここで少し、セグメントについてまとめてみましょう。セグメントとは、例えばクルマの区分わけ、分類、英語で言えば、カテゴリ(同種・同質のものの範囲、区別)と言ったところでしょうか。

例えば、軽自動車、小型車、中型車、大型車などと言った区分分け、範囲などを、カテゴリ又はセグメントと言っても間違いないのでしょう。

主にハード的な硬いものに使われるようです。ソフト的な物、例えば音楽のジャンルと言ったものには、カテゴリではなくて、ジャンルと言う言葉が使われるようです。

では、クルマ(と言ったら乗用車かトラックかとなりそうですが)と言っても乗用車系の種類分けは、セグメントで言うと、次のようになっているようです。


Aセグメント 軽自動車を含む小排気量車(1L前後以下)、トヨタヴィッツ(ヤリス)、FIAT500

Bセグメント いわゆるコンパクトカー(1L前後~1.5L前後)、トヨタアクア、マツダデミオ、VWポロ

Cセグメント 小型車クラス(1.5L前後~2.0L前後)、プリウス、スバルインプレッサ、VWゴルフ

Dセグメント 中型車クラス(2.0L以上)、マークX、マツダアテンザ、BMW3シリーズ、Cクラス

Eセグメント 大型車クラス(3.0L~)、クラウン、日産フーガ、スカイライン、ベンツEクラス


トヨタのレクサスブランドで言うと、こんな具合になるのではないでしょうか。

A(無し)、B(CT200h)、C(IS)、D(GS)、E(LS)と言った具合でしょうか。これらはあくまでも大雑把な区分けで、排気量も便宜的なものですのでそのつもりで見て下さい。


トヨタの新型カローラは、1.8L・EGを積んでいるのでCセグメントとしてもよいでしょう。昔はBセグメントのコンパクトカーでしたが、少し大きくなりました。


従って共同開発すると言うSUVの電気自動車は、スバルで言うと、スバルXV、フォレスター、レガシークラスに該当するのではないのかな。いわゆるC,Dセグメントの車になるのではないでしょうか。

2020年代前半と言うが何時の販売となるのか、興味は尽きませんね。トヨタもそろそろEVに本気になってきた、と言う事か。と言うよりもこのようにEVばかりが流行り出してきたので、そろそろ焦りだした、と言うところが本当のところではないのかな。

トヨタはまだ、電気自動車が本格的な環境車だとは思っていない節がある、と小生は感じられるのである。何故か、と言われると返答に困るが、そんな感じがするのである。HVはすぐにでもEVになると、常日頃から言っている割には、EVの販売には乗り出していないからである。

事実EVが普及すると、EVに供給する電気を何から作るのか、と言ったことが大問題となる。いくらEVがCO2フリーだと言っても、EVに充電する電気を何から作るか、CO2フリーで作れるのかといった問題が生ずるのである。

CO2フリーと言えば、再生可能エネルギーを別にすれば、それは原子力発電に頼らざるを得なくなる。フランスの様に殆どすべての電気を原子力発電で賄っているのであれば、それはそれで解決策となるのであるが、石油や石炭を燃やす火力発電に頼るのであれば、EVと言えどもCO2フリーの環境車とは言えないのである。日本には発電していない原子力発電所がたくさんあるので、それらを動かさない手はないのである。いつまでも原子力アレルギーに掛かっていては、異常気象はなくならないと覚悟しておく必要があろう。

例えば日本の8千万台の現有保有車の半分がEVとなったとしたら、原子力発電所が3~4基は必要となると言われている。そういう意味では、現状ではHV車が一番経済的ではないか、と言った意見もあるようだ。(「日本vs.アメリカvs.欧州 自動車世界戦争」東洋経済新報社41page)


さて「トヨタ86/スバルBRZ」の次期型の共同開発も進め(てい)ると言っているので、「スバル」の話はこれ位にしておいて、次の話に移ろう。


次の話は、ミニカーや軽自動車(クラス)のEVが登場したことである。
先に提示したTMSの次の一覧表を参照しよう。

「東京モーターショー2019における環境対策車一覧表」


(続く)
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世界自動車大戦争(17)

2019-11-26 00:00:00 | Weblog

これによると、現在のトヨタの持ち株比率は、16.83% と表現されており、これに3.17% の株式(約700億円ほど)を購入する、と記載(合計で20% となる)されているので、16.5%ではなくて16.83%が正確な数字であろう。まあ持ち株比率は株数で計算する筈なので、株数さえわかっていれば比率は狂わない筈なのだが、二段階で持ち株を増やしたのならいざ知らず、(16.5%→)16.83% + 3.17% = 20% と言う事である。

8.7% から16.83% (+8.13%)の時の株の購入金額は約300億円と先の論考には記載されているので、その間スバルの株価は急上昇したことになる。スバルが業務の選択と集中を貫いてアメリカに集中した結果、業績を盛り返して株価も上昇したと言う事であろう。

ここで、トヨタとスバル(富士重工業)との関係を、整理しておこう。


1999/12 富士重工(株)がGMとの資本・戦略提携に合意
2000/04 GMが富士重工の株式を20%取得する
2005/10 富士重工、GM との提携関係を解消し、トヨタとの資本業務提携を締結・8.7%取得。
2006/03 トヨタからの生産委託や共同開発の業務提携を発表
2007/04 SIA(Subaru of Indiana Automotive,Inc. )でトヨタカムリの受託生産開始
2008/04 トヨタが300億円を出資し富士重株8.2%を取得、16.83%保有となる。
2008/04 共同記者会見でトヨタ86・スバルBRZ(BoxerEG RearWD Zenith)の共同開発を発表
2008/10 ダイハツから小型車「クー」、軽自動車をOEM供給。富士重工は軽より撤退する。
2012/04 86・BRZ発売開始
2016/05 SIAでのトヨタカムリの受託生産終了
2017/04 株式会社SUBARUに社名を変更する。
2017/12 完成検査を含む車両検査工程での不正に関する最終報告書を国交省に提出
2018/12 トヨタPHV技術を活用した日本名XVのPHEVを米国で販売(ZEV対策か)
2019/04 トヨタ、HV関係の電動化技術の特許を無償開放すると発表
2019/06 EVのSUVの共同開発を発表、トヨタの電動化技術とスバルの四駆技術を融合
2019/09 トヨタ、スバル株を16.83%から20%に買い増し(+3.17%)、持ち分法適用会社とする。



SUVのEVモデルの共同開発のニュースは次を参照のこと。



トヨタとスバル、「EV専用プラットフォーム」「SUVモデルのEV」共同開発
トヨタの電動化技術とスバルのAWD技術を活用
2019年6月6日 14:07  編集部:佐久間 秀

2019年6月6日 発表
共同開発する「EV専用プラットフォーム」(イメージ)

 トヨタ自動車とスバルは6月6日、中・大型乗用車向けの「EV専用プラットフォーム」と、Cセグメントクラスの「SUVモデルのEV」を共同開発することで合意した。共同開発した車両は両社のブランドで販売する予定。

 共同開発されるEV専用プラットフォームはCセグメント~DセグメントクラスのセダンやSUVなど、複数車種に幅広く応用可能として、効率的な派生車開発に対応できるよう開発するという。また、共同開発となるEVのCセグメントクラスSUVもこのEV専用プラットフォームをベースとして、両社のブランドで販売される。

 なお、この合意を受けてスバルでは、これまで独自開発を中心に進めてきたEV(電気自動車)開発をトヨタとの共同開発にシフトして、技術・開発・調達などの面でさらなる効率化を図り、ユーザーにとって魅力あるEVの実現を目指すとしている。

 これらのプラットフォーム/車両の共同開発においては、トヨタの電動化技術スバルが培ってきたAWD(全輪駆動)技術を活用するなど、両社が持つ技術の強みを持ち寄ることで、EVならではの魅力ある商品作りにチャレンジしていくという。

 自動車業界は100年に1度と言われる大変革期にあり、両社はコネクティッド、自動化、シェアリング、電動化といった「CASE」と呼ばれる新しい領域への対応をはじめ、これまで以上に広い領域でスピード感を持った技術開発が求められているとしており、今回の合意はとくに対応が急がれるCASE領域の電動化に向けた新たな協業となっている。

スバルがトヨタの電動化技術を採用して開発したPHV「クロストレック」(国内未発売)

クロストレックに搭載されているスバル開発のトランスミッション「TH2A」。モーターはトヨタから供給を受け、基本方式としてTHSIIを採用

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1188722.html
(続く)
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世界自動車大戦争(16)

2019-11-25 00:00:00 | Weblog


提携会見で握手する田中富士重工業社長(左)とワゴナーGM社長

99年には米ゼネラル・モーターズ(GM)と資本提携した。日産の出資比率は5%未満だったがGMは約20%を出資。環境技術の共有など次世代を見据えた提携を模索した。ただ、効率を重視するGM流の経営と独自技術にこだわるスバルは相性が悪く「文化の違い」は埋まらなかった

課題の高コスト体質も改善できないままだった。GMの経営悪化で05年に提携を解消した時には本格的なリストラを迫られるまでに業績が悪化した。

GMに代わりスバルの株主となったのがトヨタだ。まずは株式の8.7%を取得して筆頭株主となった。

スバル支援の色も濃かったものの、スバルも「経営の独立性の保持が大前提」(当時の竹中恭二社長)と、一定の距離を置く姿勢だった。スバルの米工場でトヨタ車の生産を受託するなど生産面での協業から始まった。

転機になったのが08年だ。トヨタが約300億円を投じて出資比率を16.5%まで引き上げた。背景には米市場の低迷でスバルが苦境に立たされていたことがある。

提携を発表する富士重工業の竹中社長(右)とトヨタ自動車の木下副社長(2005年10月5日、東京都中央区)

スバルが事業の選択と集中を加速する動きの中で、両社の協業はもう一段踏み込んだ形になっていった。スバルはトヨタとの間で小型スポーツ車共同開発に乗り出したほか、軽自動車生産をトヨタグループのダイハツ工業へ委託した。

その後、小型車「インプレッサ」のヒットなどで業績が改善したこともあり、16年には米工場でトヨタ車の受託生産を終えた。世界の新車市場も頭打ちとなり、両社の協業は次世代車が台頭する新たな時代での生き残りへと焦点が移る。トヨタの豊田章男社長は「仲間づくり」と呼ぶ緩やかな連合で新技術の開発を急ぐ。スバルもトヨタのハイブリッド技術の採用や電気自動車(EV)の基盤技術の共同開発などトヨタの技術を積極的に取り入れる姿勢になっている。

スバルの「水平対向エンジン」は独自路線の象徴だ

スバルの独自路線は転換期を迎えている。同社の代名詞とも言える水平対向エンジンは欧州勢が相次ぎ撤退しても、採用し続けることで「スバリスト」と呼ばれる熱心なファンを生んだことは確かだ。しかし新技術の領域では苦戦が続く

13年に独自開発したハイブリッド(HV)は燃費が悪く後継車からトヨタの基盤技術を使う。99年には、いち早く車載カメラによる運転支援システムを実用化したが、自前での開発にこだわりすぎ、自動運転では外部の経営資源を生かした日産などに後れを取る。17年秋に発覚した一連の検査不正問題からの信頼回復も道半ばだ。

6月の株主総会で中村知美社長は「次世代技術の取り組みは自社で全てはできない。トヨタとの提携を生かしたい」と話しながら、「そこで独自性をどう生かすかは重要なテーマだ」と本音もにじませた。ユニークな存在であるがゆえに、他社との提携が壁にぶちあたってきたスバルの歴史を塗り替えることができるか。来年で15年の節目を迎えるトヨタとの関係構築がスバルの命運を握ることになりそうだ。(山本夏樹、浅山亮)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50288890X20C19A9000000/?n_cid=NMAIL006


いわゆる一連の検査不正問題は、2017/09/18に国交省が日産車体湘南工場に立ち入り、無資格検査が判明したのを皮切りに、翌日の09/19には日産自動車の各工場での検査不正が見つかり大騒ぎとなったことの始まる。この車両検査の不正は、日産系の工場での無資格検査や検査データの書き替え不正に発展し、その過程でスバル排ガスデータの改ざんを行っていたことが判明したのである。その後マツダ、スズキ、ヤマハの三社でも排ガス検査不正が判明し、大事になっている。スバルの吉永泰之社長が、汗タラタラで謝罪会見を行っている。詳しくは小生のブログ「Ghosn,Gone with the Money(11~)」(2018/12/25~)を参照願う。

こんな訳で、スバルとしてもCASEがらみの研究開発もさることながら、体質改善のためにもトヨタの資本を入れる必要を感じたのかも知れない。

トヨタとスバルの業務資本提携のプレスリリース(2019/9/27)によれば、次のようになっている。



トヨタとSUBARU、新たな業務資本提携に合意
2019年09月27日

トヨタ自動車株式会社
株式会社SUBARU

(略)
資本提携の内容
 
トヨタによるSUBARU株式の取得
取得株式数
議決権比率20%に達するまでの株式数
(2019年3月31日現在では
24,289,500株(議決権比率3.17%))
なお、本業務資本提携に基づく、トヨタによるSUBARU株式の取得により、トヨタの議決権比率は現状の16.83%から20%以上となり、SUBARUはトヨタの関連会社となる見込みです。

SUBARUによるトヨタ株式の取得
取得株式数
左記のトヨタによるSUBARU株式の取得に要した金額と同額(800億円を上限とする)に相当する株式数

取得方法
市場買付け及び/又は相対取引を通じた買付け

取得時期
競争当局の承認が得られ次第取得予定

(略)

https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/29916230.html

(続く)
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世界自動車大戦争(15)

2019-11-22 00:00:00 | Weblog

富士重工業(現SUBARU)は中島飛行機がルーツで、陸軍の戦闘機「はやぶさ・隼」などを造っていた会社である。戦後の1953年に会社を設立し1958年には軽自動車の傑作「スバル360」を世に出している。その後いすず、日産と提携している。日産とは、日本興業銀行(現みずほ)がともにメインバンクであったことから、日産車の「サニー」などの受託生産を行い社長も受け入れるほどの仲になったのであるが、協業はそれほど進化しなかった。

スバルが今でも水平対向エンジンと言う独特な技術で頑張っているように、独自性の強い会社であったためである。日産がこけたためにルノーより乗り込んできたカルロス・ゴーンに、1999年の「NRP・日産リバイバルプラン」で日産との関係も袖にされてしまった。

そのため1999年12月にGMと提携して(20%出資)本格的にGM系の会社(?)となったが、GMとも肌が合わずにこの提携もうまくいかなかった。そしてGMが経営破たんして、2005年10月に自動的に提携解消となった。そこでGMの富士重工業株を引き受けたのが、トヨタであった。但し取得株式は8.7%と僅かであったが、一応トヨタがスバルの筆頭株主となった。トヨタは、スバルの経営の独自性を尊重して口などは挟まなかった。ただ稼働率の落ちていたスバルの米イリノイ州のインディアナ工場(SIA)での2007年4月からのトヨタ車カムリの受託生産では、スバルは当時は相当助かったようだ。

今でこそインプレッサやレガシィやアウトバックがバカ売れしているが、当時のスバルはアメリカでも青息吐息の状態であった。そのため米市場でのスバルの低迷を助けるために、2008年4月にトヨタが300億円をスバルに出資して16.5%(と次の論考には記載されているが、正式には16.8%が正しい数字ではないのかな。)の持ち株比率となった。




スバル流転の50年 トヨタと生き残れるか
2019/9/27 15:30 (2019/9/27 17:54更新)
日本経済新聞 電子版

1958年に軽自動車「スバル360」(写真)を発売。乗用車事業に本格参入した

SUBARU(スバル)は9/27日トヨタ自動車の追加出資を受け入れると発表した。出資比率は20%以上で同社の持ち分法適用会社となる。2005年からスポーツ車の開発などで緩やかに提携してきたが、電動化など新技術の開発で後れを取っており、トヨタとの関係強化に動く。これまでの約50年で大型の提携はトヨタが4度目だ。過去の提携策は必ずしもうまく機能しなかった。トヨタは最後のパートナーとなるだろうか。

【関連記事】 トヨタ、スバルに追加出資 20%以上で持ち分法適用に



スバルは前身の富士重工業時代から提携に積極的だった。戦闘機「隼(はやぶさ)」などを製造した中島飛行機をルーツとしており、53年の会社創設時は主力事業としてスクーターやバスなど輸送機器の開発を手掛けていた。

乗用車事業への本格参入は58年と後発だった。軌道に乗せるのに苦労したこともあり、66年にいすゞ自動車と業務提携した。今から半世紀ほど前のことだ。いすゞと合わせ三菱重工業(現三菱自動車)とも組んでトヨタ自動車、日産自動車に次ぐ「国内の第3陣営」を目指したこともあったが、三菱グループの影響力が強くなりすぎるとの懸念があり破談になった。68年には3社提携に積極的だったいすゞとも提携を解消した。

提携の調印後、握手をかわす川又克二日産自動車社長(左)と横田信夫富士重工社長=1968年10月

同年に2度目の大型提携に踏み切った。相手は日産自動車だ。お互いのメインバンクだった日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)が仲介した。当初から企業の自主性を保つため提携の明確な枠組みを定めず、生産や購買など問題ごとに協議することにして関係は00年まで続いた。スバルにとって「サニー」など日産車の受託生産が収益源となり、一時は日産グループから社長を受け入れたが協業は深まらなかった

協業が行き詰まった一因はスバルが独自性の強い技術を持ってることだった。軽く低振動ながら形状が独特な水平対向エンジンの採用など独特の手法が制約となった。提携の末期には日産首脳が「ビジネス面でのつながりはほぼ無い」と話すほど形骸化していた。日産の経営が傾くと、カルロス・ゴーン元会長が99年に掲げた「日産リバイバルプラン」では、スバルとの提携関係は真っ先に整理の対象となった。
(続く)
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世界自動車大戦争(14)

2019-11-21 00:00:00 | Weblog

東京モーターショー2019における環境対策車一覧表


と言ったところだと思われるが、SUBARUからは電動車の展示がなかったようで、ネットで探したがどこからでも引っかかってこなかった。SUBARUのTMSのホームページを見てもEVのイの字も見当たらなかったので、今回は簡単に済ませたようだ。

トヨタは今年2019年の9月スバルへの出資比率を、16.8%から20%に引き上げて持ち分法適用会社とすることをお互いに決めているので、スバルは実質的にトヨタグループ入りすることになる。そして既にSUVのEVを共同で開発することを始めているので、スバルに電動化に関するものが何もないと言うことは無い筈である。このクルマは来年2020年前半には発売される予定のようなので、今はとても忙しい時なのでしょう。だからTMSくんだりにそれほど力を注ぐ余裕はない、と言う事か。



トヨタ、スバルに追加出資 20%以上で持ち分法適用に
2019/9/27 10:00
日本経済新聞 電子版

トヨタ自動車はSUBARU(スバル)に追加出資する方針を固めた。出資比率を現状の約17%から20%以上に引き上げて、経営への影響力がより強い持ち分法適用会社にする。新たにスバルもトヨタ株を取得し相互に出資する。資本関係をより強固にして自動運転技術などを共同開発し、次世代車を巡る世界規模の競争に対応する。

【関連記事】
・トヨタ、スズキに5%出資 スズキもトヨタに480億円
・元GAFAも積極採用 トヨタ、先端分野で脱自前急ぐ

トヨタは8月末にスズキとの資本提携も発表。今後もトヨタを中心に業界再編が進む可能性がある。スバルを持ち分法適用会社にすることで、同社の損益は出資比率に応じてトヨタの連結決算に反映されるようになり、実質的にトヨタグループ入りする。

27日に両社で取締役会を開いて決める見通しだ。スバルの時価総額から単純計算すると、
トヨタによる追加出資は700億円以上になるとみられる。スバルも同程度をトヨタに出資し、出資比率は1%未満となる。

自動運転など「CASE」と呼ばれる次世代技術が急速に普及する中、自動車各社は莫大な投資を迫られている。

新たな事業提携では自動運転技術やコネクテッドカー(つながる車)のほか、スバルが強みを持つ四輪駆動(4WD)車、新型スポーツ車の共同開発などを検討している。4WD車は高度な制御が必要で、自動運転技術開発の基盤となる。

電動化分野ではすでに電気自動車(EV)の多目的スポーツ車(SUV)をトヨタとスバルで共同開発し、2020年代前半に両社のブランドで発売する計画を発表している。相互出資も含めて資本関係を一段と深めることで事業パートナーとしての位置付けを明確にする。より機動的な投資や研究開発につなげる狙いだ。

トヨタとスバルの提携関係は10年以上に及ぶ。05年に米ゼネラル・モーターズ(GM)が保有する富士重工業(現・スバル)株を放出。その株の一部をトヨタが引き受けて資本業務提携した。さらに08年にはトヨタが追加出資して比率を約16%まで引き上げた。

トヨタはコスト削減や生産効率を上げる「カイゼン」のノウハウをスバルに提供。スポーツ車「86(ハチロク)」の製造をスバルに委託している。また、スバルはトヨタからシステムの提供を受けてプラグインハイブリッド車(PHV)の開発も進めてきた。

スバルの業績は堅調だが、17年秋に発覚した一連の検査不正問題からの信頼回復は道半ばだ。投資がかさむEVなどの開発では出遅れ感もある。今後の生き残りに向けてトヨタとの関係強化を選択したようだ。トヨタもスバルとの関係を強め、投資リスクを分散しながら技術開発のスピードも上げられるとみている。

トヨタはスズキとの資本提携も発表したほか、マツダとも資本提携済みだ。トヨタは他社との連携を「仲間づくり」と称し、資本関係は必ずしも重視しない姿勢だったが、自動車産業にはCASEの大波が押し寄せている。相互出資することで対等なパートナーであることを示しながらも、トヨタグループの結束を強める方向で動きが加速している。

約5%を出資するスズキや、今回持ち分法適用会社となるスバルなどを含めたトヨタグループ(少額出資を含めて資本関係のある企業)の自動車販売台数は年約1600万台となる。CASE時代は、自動運転に力を入れる米アルファベット(グーグルの持ち株会社)など米IT大手とも競合関係にある。トヨタはグループ力を強めて、新技術を巡る主導権争いも優位に進めていく考えだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50277980X20C19A9MM0000/?n_cid=SPTMG002
(続く)
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世界自動車大戦争(13)

2019-11-20 00:00:00 | Weblog

2020年東京五輪のマラソンと競歩の会場が、2019.11.01に、札幌に変えられてしまったことも、この地球温暖化のせいである。まあ北海道と札幌市はてんやわんやの状態なのであろう。必ずしもマラソンなどに適した環境ではなさそうなので、札幌も大変ではないのかな。お察しいたします。

と言う事はさておき、このために常にCO2を排出しているクルマは、誠に肩身が狭いのである。そのため各国は、CO2を排出しない電気自動車・EVとEVと親和性のある自動運転の開発にシャカリキとなっている。

先ずは東京モーターショー・TMSの概略を俯瞰してみよう。外車はベンツとルノーのみなので、国産車中心となっていることには、致し方ないことである。



東京モーターショー2019 「ハコ型」車に感じた新しい未来
ピーター ライオン , OFFICIAL COLUMNIST 国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」
ビジネス 2019/10/24 19:30 OC記事鈴木 奈央

東京モーターショー2019で発表されたトヨタ「e-RACER」


東京モーターショーが大変身しようとしている。10年ほど前までは、ほとんどのカーメーカーは、スポーツカー、環境に優しいコンセプト、または海外メディアが興奮する折り紙やアニメにインスパイアされたぶっ飛んだ小型コンセプトカーを展示していた。

しかし、今や多くのメーカーは自動運転、電気自動車、人工知能を取り入れたクルマ、いやモビリティと言った方が正しく、それらを実際に体験できるアトラクション形式で表現するようになった。


プレスデイ初日に、トヨタの豊田章男社長が語った言葉は、まさに今回のショーの象徴的な意味を持っている。

「今回トヨタのブースには、来年販売するクルマは1台もありません。社会と街と繋がり、人に移動やサービスを提供するモビリティばかりです。こんな未来、ワクワクしませんか?」

こう言って、このモーターショーの新定義をしたような気がした。とはいうのも、ほとんどどのメーカーのブースに行くと、電気自動車(EV)、自動運転などの展示はされていた。

やはり、こんな大胆なコメントは豊田社長ならではの発言かと感じたのは僕だけではなく、英国の同僚も同様だった。実は英国の有力誌「カー」では先月、豊田社長に「全世界の自動車業界で最も影響力のある人物」を進呈している。

トヨタのブースは、その言葉通りの空間だった。社会と人をつなげる自動運転のEVの箱型コンセプトカーが数台あって、近未来の社会はこうなるのかと予測しているように見えた。でも、その箱型EVバスの隣に、ドライバーが実際に運転を楽しめるよう「e-RACER」のコンセプトを置いていたのが嬉しかった。トヨタはドライバーを忘れていないということだ。まるで映画「バットマン」の中から出てきたかのようなエッジーなスタイリングには近未来の匂いがあった。

別の会場に展示したトヨタの新型燃料電池車「ミライ」新型ヤリス(元「ヴィッツ」)だけは販売計画がある。ロングノーズの普通っぽい高級車のように格好良く生まれ変わり、後輪駆動に変身したミライは来年の後半に登場するそうだし、世界の戦略車ヤリスは年内に発売される。



2011年に世界初の市販EV「リーフ」と発表した日産のブースは、「アリア」というスタイリッシュなSUVっぽいEVと、軽自動車サイズのEVIMk」を披露。どちらも日産が得意とする準自動運転技術「プロパイロット」の次期バージョンを搭載していた。つまり、手放しの運転ができるということで、業界を驚かせている。





ホンダは、フランクフルトで発表した小型EV「ホンダe」の市販バージョンを発表したと同時に、世界初公開の新型フィットも展示した。ホンダのF1参戦60周年記念の展示も見応えがあった。

マツダもついに電気自動車に挑戦することを見せた。MX-30という新しいデザインランゲージを取り入れたSUVは近い将来販売するそうだ。




スバルは、よりアグレッシブな外観で登場した新型レヴォーグを発表し、それと同時に、WRXSTIのファイナル・エディションも披露。でも、これはスバルが30年前から同じエンジンを使ってきて、このEJ20型をリタイアさせる意味を持っている車種であり、WRXSTI自体はまだまだ続く。



三菱は、お得意のPHEVの技術を使って、小型ガスタービンのエンジンと組み合わせたMI-TECHのSUVコンセプトを披露した。ガスタービンを使うことによって、車のサイズをかなり軽量化・縮小できるということで、この新しい試みをしたそうだ。




ダイハツは、日本の折り紙とアニメ文化にインスパイアされた3台の小型コンセプトカーを展示。英国人の同僚が「この手の可愛い日本らしいクルマがなければ、東京モーターショーは寂しい」と言うのには全く同感する。




「ダイハツの『IcoIco』(行こう行こう)のパブリック・トランスポーターには「二ポテ」と言う小型ロボットがついており、そのロボットに「買い物に行きたい」とか「駅まで行きたい」とか言えば、同氏は車にその意思を伝えて連れて行ってくれる。孫という意味の二ポテを名付けて、孫の手を借りるという発想か?




僕にとっての今年のハイライトは、パナソニックが2030年を想定し、自動運転時代の車内空間をイメージしたデモカー「スペース・エル」だった。多くのカーメーカーは自動運転・電動化・AIをフィーチャーしたコンセプトを出したけど、そのほとんどが、ただ車輪のついた大きな箱だった。

でも、「スペース・エル」は究極の自動運転車ということで、ハンドルもなければ運転席もない。その代わりに、シックな家具のある茶の間で、座っていながらにして、窓や天井に搭載した巨大なディスプレーに映る音楽のコンサート、水族館、花火大会などを楽しめる。4K画像と22個のスピーカーから流れる極めて本物っぽい音響に驚いた。




ディスプレイの奥に現れたジンベイザメが自分に向かって泳いで来て、そのまま真上を通った時のスリルは忘れらない。その次に映ったベルリン交響楽団のコンサートはまるで会場にいるような感覚で、不思議なほどリラックスできた。冷房・暖房、またアロマセラピーのような香りも席から直接出るという快適さだ。これが近未来の自動運転車だとしたら、納得できる。

僕は正直に言って、自動運転にはそれほど関心がないけど、近未来にスペース・エルのような究極の移動手段があると、自分が運転するのとはまた違う行為として、かなり期待できると感じた。

今回の東京モーターショーをどう思うかとイタリア人の同僚に聞いてみたところ、「そうね、セクシーさをどこにも感じないね」と答えた。それは僕も否定できない。

でも、確かにセクシーさはないかもしれないけど、業界が急ピッチで開発を進めるEVや自動運転のクルマが支流になっているような気がする。今の東京モーターショーがiPhone 11だとしたら、次回はiPhone 13に進化していると思うと、どの程度の技術の進歩かを想像するだけで気絶しそうだ。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>
(https://forbesjapan.com/author/detail/520)

https://forbesjapan.com/articles/detail/30377/2/1/1


今回の東京モーターショー2019で紹介されているEVやPHEV、FCVなどを次の列挙してみよう。
ネット上での記事からそれら(しきもの)を抜き出しているので、間違ったものもあるかもしれないので、その節はジャンジャン訂正追加願いたい。

(続く)
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世界自動車大戦争(12)

2019-11-19 00:00:00 | Weblog

来年も繰り返されるだろう台風による被害や台風の発生そのものの全てが、クルマから排出されたCO2の影響でもあるまいにと思われるのであるが、CO2が地球温暖化の一因であることは確かな事であるらしいので、計画的にクルマメーカーは企業のLCAの見地からクルマもその製造工程も、CO2フリーとしなければ生きていけない、と覚悟することである。

そのために「パリ協定」が存在している。

2015.11.30から12.13の間、パリで、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)、京都議定書第11回締約国会合(CMP11)が開かれた。

ここで、地球温暖化対策の新しい法的な枠組み「パリ協定」が、2015.12.12に採択された。この協定は、2020年以降の温暖化対策を律するものである。そして諸定数の各国の批准が済み、2016.11.4にパリ協定は法的拘束力を持つものとなった。

地球温暖化対策の長期目標として、

地球の気温上昇を産業革命前に比べ2度未満とし、1.5度に抑える努力もするというものである。
このためには、2050年以降には、CO2排出量を実質ゼロにする必要がある。

しかしながら、各組の削減目標を合計しても、それは達成できるものではない数字となっている。

詳しくは小生のブログ「続続・次世代エコカー・本命は?(49~)」(2017.6.8~)などを参照願いたいが、そこから一寸古いが、そのときの新聞記事を次に示す。



パリ協定発効で開く温暖化対策の新時代
2016/11/5 3:30
ニュースソース
日本経済新聞 朝刊

 地球温暖化対策に関する「パリ協定」が4日、発効した。日米欧のほか中国、インドなどの新興国や発展途上国を含む初の「全員参加型」の国際的な枠組みだ。温暖化ガスの「ゼロ排出」へ向けた新時代の幕開けとなる。

 7日にはモロッコで第22回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)が始まる。日本はパリ協定の批准が遅れたため(TPPの審議に対して民主党などが妨害したため)、ルールづくりを担う公式な会議ではオブザーバーにとどまる。ただ、他の関連会合には参加できるので緊張感をもって臨んでほしい。

 パリ協定は2020年以降の温暖化対策を決めたが、すぐにやらなければならないことは多い。

 地球の気温上昇を産業革命前に比べ2度未満とし、1.5度に抑える努力もするという目標を達成するには、今世紀後半に温暖化ガス排出量を実質ゼロにしなければならない。各国が提出済みの削減目標を合計しても達成できない。

 協定は5年ごとに、より野心的な削減目標に改めるとし、18年に準備作業を本格化させる。各国政府は今からデータを整え、産業界との連携を密にして新たな目標の検討を始める必要がある。

 どれだけ目標を引き上げればよいか判断するには排出量の正確な測定、報告、検証が欠かせない。日本には計測技術や温暖化予測のノウハウがあり、新興・途上国の支援に生かせる。

 各国は20年までに、今世紀半ばにかけての長期的な排出削減戦略も示すことになっている。5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では時期の前倒しで合意しており、時間的な余裕はない。

 政府は5月に閣議決定した地球温暖化対策計画で、50年までに排出量を現在に比べ80%減らす目標を明記した。絵に描いた餅に終わらぬよう、しっかり肉付けし行動に結びつけることが大切だ。

 温暖化ガスの削減技術はこれまで以上に、企業の国際競争力を左右するようになる。革新的な技術の開発やそのための投資を促す仕組みの工夫が必要だ。温暖化ガスの排出枠を売買する市場メカニズムの導入も検討を急ぐべきだ。

 国の長期的なエネルギー戦略をめぐる議論も深めなければならない。今世紀後半にかけて原子力発電にどこまで依存し、再生可能エネルギーをどれだけ増やしていくかは温暖化ガスの排出量に直結する。あいまいな状態は、企業の投資計画などの足かせになる。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO09189960V01C16A1EA1000/


今年の日本の様に、毎年、地球温暖化の影響をもろに受けるようでは、堪(たま)ったものではない。CO2削減には日本は早くから手を打っていたが。隣には無制限にCO2を排出している大国が存在している。今年などは、その影響をもろに受けた結果ではないかと、想定される。

その国は中国であるが、その中国では日本以上に地球温暖化の影響を受けて、年々国土が砂漠化していると言う。しかも空気汚染は極限状態で、呼吸器系等の障害での死亡者は毎年かなりの数に上ると言う。そのため中国もやむを得ず温暖化対策に舵を切らざるを得なくなり、この協定に賛成せざるを得なかった。このことで、漸くこの「パリ協定」が採択されることになったのである。

それまでは、全てのCO2は先進国だけの責任だとして、中国は温暖化対策を拒んでいたのである。中国全土で(かどうかは解らないが)、石炭をジャンジャン燃やして暖房や煮炊きをしていると言う。CO2とPM2.5(Particulate matter粒子状物質)の垂れ流しである。

今年の台風15,19,21号はすべて、中国に起因していると断言しても間違いないであろう。近々否今でも黄砂(PM2.5の一種)も日本に襲っていると言うではないか。台風のお陰でラグビーの3試合が中止されてしまったことは記憶に新しいであろう。

今年はパリなども、40℃を超える熱波に見舞われており、EUとしても安閑とはしておられない状況なのだ。



パリ熱波で42.6度に 70年ぶり最高気温の記録を更新
2019年7月26日
パリ熱波で42.6度に 70年ぶり最高気温の記録を更新

昨日のブログ「パリに再び熱波到来中 予想気温42度で70年ぶり記録更新か」(https://tokuhain.arukikata.co.jp/paris/2019/07/_4270.html) で今週フランスを襲っている熱波により、フランス気象局 の予報で7月25日(木)は42度まで上がるかもしれないとお伝えしました。70年ぶりにパリの最高気温が更新される可能性にも触れました。

結果は......予報を上回る最高気温42.6度同日16時32分に記録。1947年7月28日の記録を塗り替えました!

ここまで大規模な熱波がフランスを襲ったのは、今年は6月末に続いて2度目です。天気予報によれば、気温上昇のピークは7月23日から同25日の3日間で、最終日の25日がもっとも気温が高いと予想されていました。

いざ当日を迎えてみると、予報通り気温はぐんぐん上がっていきます。25日13時36分にパリで40.6度を記録。1947年7月28日に記録したパリの最高気温40.4度を70年ぶりに破りました。15時の時点で41.7度へ上昇。そして16時32分に、この日の最高気温の42.6度を記録しました。パリに限らず、フランス各地でも次々と以前の最高気温の記録が更新されました。

現在フランスはバカンス期間に入っており、多くの人が仕事を休んで休暇に出ています。そのためパリ市内も、パリ市民がいない分、他の時期と比べて空いています。さらに今週の酷暑が重なり、日中は外を出歩く人も、パリ市民の普段の生活圏ではまばらの印象を受けました。


ここまで気温が高くなると、やはり各所にいろいろと不具合が出る可能性が高くなるようです。例えば、ロイター通信 が報じたノートルダム大聖堂再建の責任者フィリップ・ビルヌーブさんの言葉によると、熱波の影響で大聖堂の天井が崩壊する恐れはあるとの見方もあるそうです。

ノートルダム大聖堂は4月に起きた火災以後(「ノートルダム大聖堂で火災、呆然と立ちすくむパリ市民の前で尖塔焼け落ちる」(https://tokuhain.arukikata.co.jp/paris/2019/04/post_559.html) を参照)、天井部には上からも下からも近づくことができていないといい、接合部やレンガ細工が乾いて結合性が失われるなどすると、天井部が突然崩壊する可能性があるとのことでした。

とにかく、天気予報によれば熱波による酷暑は7月25日までとのこと。少しでも酷暑を前向きに捉えようと、空調のあるラオス料理レストランで東南アジア風のランチをしてみたりしたのですが、やはり暑いものは暑いです......。早くパリの涼しい過ごしやすい夏が戻ってきてほしいですね。

https://tokuhain.arukikata.co.jp/paris/2019/07/post_583.html
(続く)
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世界自動車大戦争(11)

2019-11-18 00:00:00 | Weblog

各県は土砂災害警戒地域を指定して、それなりの対策を実施する必要がある。土砂災害警戒区域は、国交省が定めた「土砂災害危険個所」の中から、都道府県が定めることになっている。これは「土砂災害防止法」に基づくもので、指定されれば、各自治体は避難場所や避難経路を定めたハザードマップを作成しなければならないことになっている。当然避難訓練も行わなければならない。また、より危険だと判断される地域は「特別警戒区域」として、宅地分譲や学校・病院などの諸施設の建築などの開発行為が許可制となり、各種の対策工事が義務付けられている。

このハザードマップ作成と特別警戒区域指定については、

全国の自治体での実施率は、83.96% となっているが、
  
千葉県でのこの実施率は、33.07% と極端に低くなっている。(10/29のTV放送より)

土砂災害などの対策が、千葉県では、相当怠っていたと言う事を示すものであろう。千葉県全体で土砂災害などのために対策工事をしなければならない箇所が、3割しか指定されていないことになる。他県では8割の地域が危険個所として指定され、対策がされていたと言う事であろう、それが千葉県では3割しか危険個所として指定されていなかった、と言う事ではないのかな。

だから、台風15号での千葉県での被害が、予想以上にひどかった訳である。

しかも、台風15号9/9に上陸しているが、翌日の9月10日に、森田健作千葉県知事は芝山町の自宅に帰っていたことが、11月7日の定例記者会見で明らかになっている。

公用車で自宅に帰り、そこで自家用車に乗り換え近隣の市町村(富里市、酒々井町しすいまち)を視察したと言う。森田知事は、いろいろと言い訳を言っている様だが、結局のところは豪華な自宅や丹精込めて作られたと言う庭などの(被害)状況の確認のためであったようだ。



森田健作知事 “言い訳の嵐”9月台風対応で疑惑噴出…公用車で「別荘ではなく自宅」
[ 2019年11月8日 05:30 ]

定例会見で疑惑について釈明した千葉県の森田健作知事
Photo By スポニチ

 千葉県の森田健作知事(69)が7日、県庁で定例会見を行い、9月の台風15号で県の災害対策本部が設置された当日に同県芝山町にある「別荘」を公用車で訪れていた疑惑があるとする「週刊文春」の報道について釈明した。

 森田氏は「別荘ではなく自宅だ」とし、公用車で到着した後に私用車に乗り換えたと説明。「私は公私がはっきりしている」と強調した上で「プライベートで(被害状況を)視察しようと考えた」と主張した。

 驚くべきは、森田氏が説明した「プライベート視察」の内容。降車することはなく「車の中から見て回った」とし、メモや写真などの記録も取らず「頭に残した」と話した。被害状況の調査や住民の声を聞くこともしなかった。「パーッとスルーしていこうかなという感じ」と述べた。

 2011年の東日本大震災の際、液状化現象が起きた浦安市を“私的視察”したといい「その後の政策に役立った」と強調。「これは私の政治スタイル」と開き直った。

 森田氏によると今回の“私的視察”は運転手とSPの3人で実施。芝山町に隣接する「富里市から酒々井町」を「30~40分ほど回った」という。この一帯を訪れた理由を、甚大な被害が出た県南部は各市町村が対応に追われていたため、比較的被害が少なく県庁から近い場所を選んだとした。だが詳しい場所については「特定の場所はなかった」とはぐらかした。

 7日発売の週刊文春は、公用車の運行記録や地元住民らの話から「公用車で別荘を見に行った可能性が極めて高い」などと報じ、富里市の全市議が森田氏の視察を知らなかったとしている。

 台風15号は9月9日未明に千葉県を直撃。県などによると、翌10日午前、県は災害対策本部を設置したが、森田氏は午後“視察”に向かった。会見では「県庁で陣頭指揮を執るべきでは」との質問も飛び、森田氏は「県庁で対策会議をやり、副知事もいる」と自身が不在でも問題ないとした。

 度重なる災害に苦しむ県民にとって森田氏の説明は疑惑を晴らしたとは言いがたい。今後、不満や非難の声が広がっていきそうだ。

 《これまでは「自宅行かず」》県秘書課は、これまでスポニチ本紙などの取材に「知事は東関東自動車道・酒々井インターチェンジを降りた後、車を乗り換えた。その後、視察をした。自宅には行っていない」としていたが、この日になって訂正。芝山町の自宅で車を乗り換えたとした。担当者は「普段はコンビニで乗り換えると聞いていて、今回もそうだと勝手に推察して答えた」と話した。また9月10日の公用車の日報で、目的地が芝山町でなく千葉市内と記載されていたことが公文書偽造ではないかとの指摘について「確認不足だった」と謝罪した。

 ▼「週刊文春」の報道 台風15号が千葉県を直撃した翌日の9月10日午後、森田知事が県庁を出て、公用車やETCの記録から不可解な動きがあったと指摘。走行距離から、芝山町の「別荘」に向かった疑惑があるとした。県の秘書課は、森田知事は富里市方面を視察したと説明。ただ、富里市議全員が視察を知らなかった。芝山町では「知事が来ていたという話になっていた」と町議が話した。
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2019/11/08/kiji/20191107s00042000559000c.html


まあ、森田健作のような人物を県知事に選んだと言う、千葉県民のミーハー的な感覚が問題なのかもしれないが、地球環境の悪化に対して、どのように対処すべきかと言った感覚が、地方行政府の長にも必要な事例の一つかもしれない。

台風15号の被害から2ヵ月が経とうとしているが、被災された皆さんはまだまだ悪戦苦闘されていることと思う。1日も早い安寧を祈念しております。

(続く)
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世界自動車大戦争(10)

2019-11-15 00:00:00 | Weblog

さらに、10/25(金)には、台風21号が関東沿岸を通過したため、折からの低気圧に湿った空気が流れ込み、記録的な大雨となってしまった。このため各地で河川の氾濫や土砂崩れが発生し、更なる浸水被害が広い地域で発生したてしまった。千葉県や福島県では、半日で10月1カ月間の平年降水量を上回ってしまった。



5県27河川で浸水 25日の大雨で千葉・福島など
2019/10/26 18:28 (2019/10/26 23:56更新)
日本経済新聞 電子版

土砂崩れで住宅が倒壊した現場(26日、千葉市緑区板倉町)

台風21号と低気圧の影響による記録的大雨で、河川氾濫や土砂崩れが相次いだ千葉県や福島県では26日午後も広い地域で浸水が続き、消防などが排水作業に当たった。26日午後9時時点で死者は10人、1人が行方不明となっている。国土交通省によると、千葉県や福島県など5県の計27河川で浸水被害が確認された。

気象庁によると、千葉県や福島県の複数の地点で、25日の12時間の最大降水量が10月1カ月間の平年の降水量を上回った。地盤が緩んだ地域もあり、同庁は土砂災害などへの警戒を呼びかける。

大雨の影響で信号機が故障し、渋滞する千葉県茂原市の道路(26日)

国土交通省によると、26日午後3時時点で、千葉、福島、茨城など5県の計27河川で堤防の越水などの発生が確認された。


浸水した住宅にたまった泥を流す女性(26日、千葉県茂原市

台風19号で堤防が決壊した福島県いわき市の夏井川、同県相馬市の小泉川など4河川も含まれる。土砂災害は千葉、福島、岐阜の3県で計13件が確認されている。

土砂崩れや河川の氾濫に巻き込まれ、千葉県で9人、福島県で1人が死亡。同県相馬市で1人が行方不明となっている。

千葉県の26日午後6時の発表によると、県内では41戸が床上浸水、137戸が床下浸水した。同日午後5時時点で同県鴨川市内の約4600戸が断水しているという。

JR東日本など鉄道では、一部路線が26日午後も運転を見合わせた。同社によると、総武本線は全面復旧まで4日程度かかる見込みという。

【関連記事】
・千葉などの大雨、重なった3つの要因
・子ども1200人足止め 千葉、校舎などに宿泊
・「いつまで持つか」 再び大雨、広範囲で被害
・JDI茂原工場、大雨被害で生産一時停止
・菅氏、台風被害の埼玉視察 河川決壊現場や孤立特養

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51454480W9A021C1MM8000/?n_cid=NMAIL006



これでは往復ビンタどころか、三方又は四方ビンタを食らったようなものである。たまったものではない。

これこそ将に、異常気象そのものである。地球規模で気象が狂ったとしか言いようがない。

しかし福島県から宮城県に流れて太平洋にそそぐ阿武隈川は、国が重点的に整備を進めていたために、本流部分では堤防の決壊や越水は起こっていなかったと言うが、その3つの支流では18箇所も堤防が決壊していると言う。支流の管理は都道府県の担当となる。だから中小河川では、備えが間に合っていなかったと言う事情もあったと言う事であろう。



災害続発、弱る地方河川 予算・人手不足で整備遅れ
2019/11/11 11:26
日本経済新聞 電子版
(VTR)

3日、宮城県丸森町を流れる阿武隈川支流の河川敷から1台のドローン(小型無人機)が飛び立った。川の流れを遮るように横たわる大木、両側から決壊した堤防……。台風19号の被害調査で現地に入った東北大大学院の田中仁教授はドローンのカメラがとらえた被害の様相に目を見張った。「本流に比べ、支流の被害が大きすぎる

10月12日に東日本を縦断した台風19号は各地に「100年に1度」の記録的大雨をもたらし、1日で421ミリの雨が降った丸森町では大規模な浸水被害が発生した。1カ月がたっても、泥水につかった住宅の片付けはまだ途上だ。

同町に災厄をもたらした阿武隈川は過去に氾濫を繰り返し、国が重点的に整備を続けてきた河川の一つだ。町内では国が管理する阿武隈川の本流部分で破堤や越水は確認されなかったものの、県が管理する新川など3つの支流の計18カ所で堤防が決壊した。

国内の河川は河川法に基づき、防災上重要とされる部分を国が、それ以外を都道府県や市町村が管理する。国土交通省によると、台風19号で決壊した国や都道府県管理の河川堤防は71河川の140カ所。そのうち国管理は7河川の12カ所にすぎず、被害は都道府県管理の河川に集中していた。

3日、東北大大学院工学研究科の田中仁教授は宮城県丸森町で、台風19号で決壊した阿武隈川支流をドローンで撮影した(同教授提供)

国は2020年度までの3カ年で河川も含めたインフラ補強を重点的に進めるが、国が管理する河川でさえ、堤防整備率は約7割にとどまる。

河川の氾濫に備え、被害想定をもとに住民の避難場所などを明示した「ハザードマップ」の作製も、国は各自治体に促している。台風19号の被害を受けて対象を広げる方針だが、これまで多くの中小河川は対象外だった。都道府県や市町村が管理する中小河川は備えが間に合わず、今回の甚大な被害につながった。

背景に自治体の置かれた厳しい状況がある。宮城県は15年12月に「災害に強い川づくり緊急対策事業」を策定。堤防補強などに着手したが、河川課の担当者は「東日本大震災の復旧も終わっておらず、災害が起こるペースに追いつかない。いつ整備できるか分からない川もある」と打ち明ける。

判断のもとになるデータの把握も十分とはいえない。阿武隈川流域の福島県郡山市では管理する104河川のうち、水位計を設置しているのは2河川のみ。原因は予算や人手不足で「今回の台風で、どの川がいつあふれたか正確には分からない」(河川課)という。

地球温暖化などを背景に水害のリスクは年々高まっている。国交省の統計によると、18年に氾濫危険水位を超えた国や都道府県管理の河川は475河川で、14年(83河川)から4年で5倍以上に増えた。日本の南の海水温が上昇し、強い勢力のまま列島を直撃する台風も多くなっている。

「気象災害のリスクは高まりつつある」。気候変動に詳しい木本昌秀東京大教授(気象学)は警鐘を鳴らす。「極端な気象現象が起こりやすくなるなど、もはや過去の経験は当てにならない。命を守るためにどう行動すべきか、一人ひとりが考えるときに来ている」



東日本を中心に甚大な被害をもたらした台風19号の上陸から12日で1カ月。地方と都市で、水害に対する備えは万全なのかを検証する。


https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52013500R11C19A1SHB000/?n_cid=NMAIL006_20191111_Y



凶暴な台風の発生はCO2の影響によるとは言え、各自治体はそれなりに万全な備えはしていた筈だと思いたいが、この対策に対して手抜きしていた自治体が、千葉県だ。だから台風15号での千葉県の被害が甚大となった訳だ。
(続く)
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