世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

ドーハの歓喜(28)

2011-03-24 00:10:49 | Weblog

森本美幸氏によると、サウジアラビア戦が日本を目覚めさせたと言っている。

サウジアラビアはヨルダンやシリアのように、ゴール前にブロックを作らずにボールを回して、いわゆるフットボールで試合をしてくれたと言う。そのため世界の一流チーム並みの試合運びで、サッカーをやることができ、そのため日本代表は目覚めることができたと言う。

この試合の日本のボール支配率は、5対0で勝利したのであるが、49.1%とこの大会では最低であった。サウジが完全にボールを支配していたと言うことである。サウジは、得点を得るために積極的に攻めていたのである。そのためディフェンスラインが上がることになり、その裏にスペースが出来ていた。そのため日本はそのスペースを使う攻め方が出来た。そしてそれを得意とする選手を、ザッケローニ監督は起用した。岡崎慎司である。彼は今、ドイツのシュツットガルトで活躍している。

そしてそのため、敵陣30mラインに進入後 5プレイ以内でのシュートの割合が30.2%と1.5倍に増えている。3プレイ以内でのシュートは18.6%で、約2倍に増えている。その結果、5点も得点できたのである。

しかし、守備面では気がかりな点が見受けられた。ポジショニングを重視した結果ボールを放り込まれることは少なくなったが、相手ボールへのチェックが一歩遅れる。ポジションとボールチェック、そのカバーリングの連携がスムーズにいかなかった事である。この遅れのために自陣でのこぼれ球の獲得がうまく出来なかったのである。韓国戦の延長後半での同点も、このために奪われてしまったと言う。

これは、日本側のこぼれ球の奪取率に如実に現れている。韓国戦での割合は、それまでの50%~60%が39.5%までに下がっていたのだ。

課題はまだあるという。




依然課題として残る守備の高さ不足

 さらにこの大会でも、日本守備陣の課題として、高いボールへの対応が改めて浮き彫りになった。次の図は、どのように敵陣のゴール前に進入したかを示したデータだ。日本戦での韓国とオーストラリアの攻撃のイメージがつかめるだろう。両国とも、日本の守備の中央にロングボールを放り込んでシュートに結びつけようとしているのが見て取れるはずだ。

 「センターバックによる高さへの対応が日本代表のウイークポイントだ」と強豪国から分析され、それが実践されていることが示されている。日本代表の同じデータを見た場合、まるで逆の図となる。つまり敵の中央を避けてサイドから進入するのが日本代表の特徴だ。


 オーストラリア戦の前半は、ロングボールを使ったパワープレーで日本は劣勢に立たされた。そこでザッケローニ監督は後半11分にヘディングの強いセンターバックの岩政大樹(鹿島アントラーズ)を投入。それまでセンターバックの位置にいた今野泰章(FC東京)を左サイドバックにスライドさせ、左サイドバックだった長友をミッドフィールダーの位置に上げた。

 この選手交代とポジション変更でオーストラリアのパワープレーに対する守備が安定する。同時に長友が攻撃に参加しやすくなった。長友は左サイドからドリブルで攻撃を再三仕掛け、得点チャンスを演出。それが李の決勝ゴールを引き出した。

 ボールへの寄せの甘さはこれから練習で修正していけるだろうが、高さ不足は練習では補えない。高さもあって、相手のフォワードのスピードにも対応できる速さも兼ね備える。そんな新たな選手の台頭が望まれる。

日本のゴールキーパーは足技の向上を

 もう1つ課題を挙げておこう。それは、日本代表のゴールキーパーがパスを受ける回数が少ない点だ。サッカー先進国の欧州では、ゴールキーパーがディフェンダーからパスを受ける数が多い。

 例えば、W杯南アフリカ大会の1次リーグで日本と対戦したオランダ代表のゴールキーパー、マールテン・ステケレンブルフは、この試合で24本のパスを受けた。欧州のサッカーではかなり前から、ゴールキーパーはフィールドプレーヤーの1人としてディフェンスラインのパス回しに参加している。

 後方からのビルドアップの際に、ゴールキーパーへのパスもパスコースの1つに加えることによって両サイドバックが高い位置を取りやすくなる。敵のフォワードによる厳しいプレスに対して、ゴールキーパーへのバックパスとそこからの展開によってビルドアップが効果的に行われる。オランダのサイド攻撃にはこうした伏線があるのだ。

 日本も10年前くらいからゴールキーパーの足元のスキル向上を目指した育成を始めている。しかしアジアカップで好セーブを連発した川島が1試合当たりに受けたパスの本数は4.4本。川島が出場停止になったサウジ戦で代役を務めた西川周作(サンフレッチェ広島)は3.1本。W杯南アフリカ大会の日本代表のゴールキーパーの平均は2.5本で参加チーム中最下位だった。

 足元のスキルが高い攻撃的なゴールキーパーが現れれば、2014年のブラジルW杯に向けて攻撃と守備の双方を強化するうえで大きな役割を担うことになるだろう。


森本美行のスポーツ解剖学 データでひもとく試合の“真実”http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20100511/214345/
データによる試合や相手の分析が進んでいるスポーツの世界。集めた様々なデータを解読すると、観戦時の印象とは異なる試合や選手の「実像」が浮かび上がってくる。このコラムでは、スポーツファンの注目を集めた一戦を取り上げ、データ分析を基に勝敗の分かれ目を再現。データを深掘りしなければ分からないスポーツの奥深さを伝えていく。

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20100511/214345/

森本 美行(もりもと・みゆき)

スポーツデータの分析と配信を行う「データスタジアム」のエグゼクティブディレクター。1961年生まれ。90年米ボストン大学経営大学院に入学。92年に同大学院でMBA(経営学修士号)を取得。矢矧コンサルタント、マネージメントウエーブを経て、2000年米アジアコンテントドットコム(米ナスダック上場)の日本法人の社長兼CEO(最高経営責任者)。2003年データスタジアム社長に就任。2010年7月から現職。サッカー選手として読売クラブユース、三菱養和サッカークラブでプレー。Jリーグ横浜FC、ヴィッセル神戸でテクニカルスタッフを経験し、現在は慶応義塾大学体育会ソッカー部コーチを務める。BlogのURLはhttp://ameblo.jp/1500031/、Twitterのアドレスはmiyukun
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20101101/216900/

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東日本大震災で被災された皆様の目の輝きを信じております。東北の皆様の一日も速い復興を祈念すると共に、ザックジャパンの一層の活躍を期待します。
がんばれ、日本。がんばれ、東北。我々も頑張るぞ。
(終り)
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ドーハの歓喜(27)

2011-03-22 11:36:26 | Weblog

サウジアラビア戦は楽勝だったと言ったのは、その前のヨルダン戦、シリア戦の苦戦があったからである。だから尚更サウジアラビア戦は楽に勝てたと、素人的には見えたのである。しかしここでは、その苦戦の原因は日本側の攻撃の仕方にあったと述べている。

ヨルダンやシリアは自陣ゴール前にディフェンスのブロックをつくり、人手を掛けて守っていた。そこえボールを持って飛び込んでいっても、いくらボールさばきのうまい本田、松井、香川などでも突破することは難しい。そして挙句の果てにボールを奪われて、カウンターを食らう。そのため、実際には日本のボール支配率が6割を超えており「大人と子供」ほどの力の差があったにもかかわらず、得点が奪えずに苦戦を強いられた、と分析している。

そしてサウジアラビア戦はどうであったのか。森本美幸氏の解説を続けよう。



5-0で大勝したサウジアラビア戦の“成果”

 若手主体のサウジアラビアを相手に5-0と大勝したからだけではない。それで勢いがつく以上の意義がこの試合にはあった。

 再び上の表をご覧いただきたい。この大会で日本が戦った6試合のうち、ボール支配率は49.1%と最低。一方で、アクチュアルタイムは66分47秒と最も長い。

 アクチュアルタイムとは、90分余りの試合時間のうち、セットプレーの間にボールをセットしたり、接触プレーで倒れた選手に応急措置を施したりする時間などを除いた、実際にフィールドでプレーが行われている時間を指す。この時間が長いほどプレーの中断が少なく、濃密な試合であることになる。当然のことながら、運動量も増すので、選手たちにとっては厳しいゲームになる。

 サウジは既に2敗を喫してグループリーグでの敗退が決まっていたが、ヨルダンやシリアとは異なり、自陣ゴール前を固めてカウンターアタックを狙うという戦術を取らず、自らボールを支配するフットボールで真っ向勝負を挑んできた。その結果、W杯南アフリカ大会、その後もパラグアイ代表、アルゼンチン代表、韓国代表という強豪チームと戦ってきた日本代表を目覚めさせるきっかけに、この試合はなった。

 この試合はアジアでの試合にしては非常に珍しく、日本のボールの支配率は相手を下回り、主導権を握るには至らなかった。このように本来は“苦しい”試合だったにもかかわらず、結果は5-0と大差がついた。なぜなのか。

 先に記したように、サウジは自陣ゴール前にブロックを作らず、ボールを回しながら攻撃も積極的に仕掛けてきた。ボールを保持している時はピッチの両サイドを広く使って攻撃を展開し、ディフェンダーもラインをしっかり押し上げていた。当然攻撃している時から守備に回る瞬間には、背後にスペースができる。日本はそのスペースをうまく活用して得点チャンスを作り、大量点を奪った。

 これには、伏線がもう1つあった。それまで先発出場していた本田と松井大輔(仏グルノーブル)が、負傷でこの試合に出られなかったことだ。

主力選手の欠場から生まれた得点パターン

 代わって先発したのは、岡崎と柏木陽介(浦和レッズ)。ボールを足元で受けて技術や強さで勝負できる本田や松井とはタイプが異なる。特に岡崎の出場はそれまでの2試合とは違うアクセントを攻撃に付けるという意味で大きかった。彼の持ち味は、ディフェンダーの背後への飛び出し。まさにサウジ戦では背後のスペースに走り込み、味方のパスのターゲットとなった。そして1人で3点を奪い、ハットトリックを達成する活躍を見せたのである。

 サウジがアクティブにボールを保持しながら真っ向勝負を挑んできたことに加えて、岡崎というスペースの使い方のうまいプレーヤーを得て、相手ディフェンダーの背後を突くという日本の攻撃パターンが機能するようになった。このことは、次のデータからも読み取れる。


 この表は、グループリーグの3試合について、敵陣のゴールラインから30メートル以内のエリアに進入した後の攻撃について分析したものだ。サウジ戦はこのエリアに進入してから5プレー以内にシュートに至った割合が30.2%、3プレー以内が18.6%と、ほかの2試合に比べて圧倒的に多い。ヨルダン戦とシリア戦では相手のブロックに手を焼いて攻撃に手数がかかっていたのに対し、サウジ戦ではシンプルかつスピーディーにシュートに持ち込めていたことが分かる。

サウジ戦が決勝トーナメントの予行演習になった

 過去2試合は引いた相手に対してなかなか得点が取れず、焦ってミスをしてカウンターを食らうという試合を続け、チームはストレスを感じていたと思う。その結果、チーム自体が、ボールは回るが流動性がない状況に陥っていた。しかし既に2敗したことで単に勝てばいいということではなく、未来につながるサッカーを展開したサウジ相手の試合で、ボールを回し、その間にスペースに走り込んだ選手を使うというモビリティーのあるサッカーを行うことができた。

 いわば、サウジ戦で日本らしいサッカーを思い出すことができ、その後に始まる決勝トーナメントの激戦の“予行演習”をいい形でできたわけだ。これが、その後の接戦をものにしていくことにつながったと思われる。

 実際、3-2で逆転勝ちした決勝トーナメント初戦のカタール戦での3ゴール、準決勝の韓国戦での1点目、そして決勝での李のウイニングゴールはいずれも、スルーパスやドリブルでディフェンダーの背後を突いたことから生まれた。相手のディフェンスラインの前でいたずらにパスを回さずに、シンプルに縦にボールを運んでゴールに迫る。サウジ戦を機に鮮明になった攻撃の型が、勝利を呼び込んだ。

 攻撃がサウジ戦を境に良くなっていった半面、守備の方は安定感を欠いた。これまで見たところ、ザッケローニ監督は守備ではポジショニングを重視し、守備の陣形を崩さないことを選手たちに求めているようだ。

 だから失点した場面でも、守備の陣形を崩されていることは少ない。それでもゴールを許してしまうのは、ポジショニングを意識するあまり、ボールに対する寄せが甘くなっていることが一因だと思われる。

 岡田ジャパンの時には、ボールを持つ相手の選手に対して、複数の選手がポジションを捨ててでも厳しくプレスに行き、ボールを奪うところがあった。一方、ザッケローニ監督はポジショニングを大事にするイタリアのサッカーを踏襲している。ポジショニングが良いと、ピッチの上に穴が少なくなり、無駄な走りが減少する。

 相手チームもその陣形を見て無駄にボールを放り込んでこなくなることが多い。しかしそれでも“一夜漬け”の日本では、欧州で小さいころからポジショニングのトレーニングを徹底的に行い、最初のディフェンダーが厳しくボールを奪いに行った後に、カバーの選手や残りのほかの選手が常に正しいポジションを取るというところまではできていないように感じる。

 そういう場合、正しいポジションにいるが、ボールを持つプレーヤーに対して厳しくチェックに行くタイミングが遅れてしまうことが多く見られる。つまりボールに対する反応が遅いから、自陣ゴール前でのこぼれ球を奪うことができない。次の表は、自陣ゴールから約30メートルまでのエリアで、日本の選手がこぼれ球を奪取した割合をまとめたもの。初戦のヨルダン戦こそ80%と高かったが、シリア戦以降は50%台に落ち込み、韓国戦に至っては39.5%まで下がっている。


 こうした寄せの甘さが象徴的に表れたのが、韓国戦の延長後半だ。ゴールを奪われる前までに韓国に6本のシュートを打たれたが、そのうち5本のクリアボールが相手に渡った。

 延長後半15分の失点につながったフリーキックも、クリアボールを拾った韓国選手に対するファウルがきっかけ。ゴール前に放り込まれたフリーキックをクリアしきれずに、韓国選手に押し込まれた。韓国のパワープレーに対応するためにディフェンスの枚数を1枚増やした結果、人数は足りていたが誰がプレスに行くのかがあいまいになり、寄せるプレーが遅れてしまった結果だと言えるだろう。

(続く)
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ドーハの歓喜(26)

2011-03-21 00:01:27 | Weblog

東北大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りもう上げると共に、被災されている方々の一刻も早い復活を心より祈っております。そしていまだ福島原発の安定のために命を賭して戦っている方々に感謝すると共にご健闘をお祈り申し上げております。


さてこの「ドーハの歓喜」の最終回、3月1日のNO.25で、「サウジアラビア戦はある意味拍子抜けの楽勝だった。」と書いた。素人目には確かに楽勝したように見えたのだが、これは大いなる間違いだったことがわかった。「ある意味拍子抜けの楽勝だった」のではなかったのだ。これこそが日本の攻撃パターンが機能した結果だったのだと、先のブログ「岡田監督の物申す。」で言及した森本美幸氏はデータでもってそのことを証明している。

もうひとつ「ドーハの歓喜」2月8日のNO.7では、韓国戦の延長後半戦で同点にされてしまったフリーキックを与えたファウルについて述べている。そしてこんなところでファウルしないようにしなければならない、とえらそうなことも書いたのであるが、このファウルに付いても森本美幸氏はデータで分析している。それを読むと、なるほどなあ、と感心出来るものである。これは自陣前で奪ったボールのクリア方法に関する分析である。

実はこの二つのことは、小生の頭の片隅にいつもあった。何でだろう、こんなことでは世界レベルの相手とはまともに戦えないではないか、2014年W杯には確実に出場できるのか、出場してもうまく戦えないのではないか、決勝リーグへ是非進出してもらいたい、出来れば「ベスト4」にも進出してもらいたいのだが、と言う思いとの関連である。

それが森本美幸氏の次の解説で、氷解とはゆかないものの、日本チームに対するそのもやもやは少しは飛んで言ったのである。

一寸長いが、先ずはその論文を見てもらいたい。




日経ビジネス オンライン
森本美行のスポーツ解剖学 データでひもとく試合の“真実”
日本代表がアジア杯で優勝できた“真因”
栄冠への過程で明らかになったザックジャパンの成長と課題2011年2月22日 火曜日森本 美行

 中東のカタールで開催されたサッカーのアジアカップ。決勝に進出した日本代表の前に立ちはだかったのはオーストラリア代表。2006年のワールドカップ(W杯)ドイツ大会の1次リーグ初戦で、1-3の大逆転負けを喫した因縁の相手だった。

 両者無得点のまま、日本代表にとっては韓国代表をPK戦の末に下した準決勝に続く延長戦に突入する。延長前半の15分間も0-0のまま折り返し、またもや重苦しい雰囲気が広がり始めた延長後半の4分。その時は訪れた。

 左サイドをドリブルで突破した長友佑都(当時は伊チェゼーナ)がゴール前へクロスを上げる。そのボールは、相手のマークを外してフリーになっていた李忠成(サンフレッチェ広島)の元へ。

 李がノートラップで迷わず振り抜いた左足のボレーシュートは、相手ゴールの左隅に吸い込まれていった──。これが決勝点となり、アルベルト・ザッケローニ監督率いる新生日本代表は2大会ぶり4度目のアジア王者に輝いた。


2大会ぶりにサッカーのアジア王者に返り咲いたザッケローニ監督率いる日本代表

グループリーグで日本代表が苦しんだ理由

 ようやく果たすことができたリベンジ。栄冠の奪回に歓喜するとともに、溜飲を下げたサポートも少なくなかっただろう。あれから約3週間。本田圭佑(ロシア・CSKAモスクワ)や長谷部誠(独ウォルフスブルク)、内田篤人(独シャルケ04)、川島永嗣(ベルギー・リールス)といった主力選手たちは欧州に戻り、今度は所属チームでの戦いに身を投じている。

 アジアカップでの活躍が認められた長友は、昨季のクラブ世界王者であるイタリアの名門インテルへ電撃移籍。今月16日のフィオレンティーナ戦と19日のカリャリ戦と2戦連続で先発出場した。一方、大会後に独シュツットガルトに移籍したものの、手続きの問題から出場できずにいた岡崎慎司も、17日に欧州リーグの舞台で先発デビュー。20日のドイツ国内リーグのレバークーゼン戦でも先発でプレーした。

 サポーターたちの関心は、彼らの欧州でのプレーぶりに移り、アジアカップ優勝の余韻も徐々に冷めてきていることだろう。しかし昨年のW杯南アフリカ大会でベスト16に進出した時の盛り上がりがあの場限りで終わることなく、熱戦の連続だったアジアカップで一段と盛り上がったのは、日本のサッカー界にとって本当にうれしいことだ。日本代表の健闘に改めて心から敬意を表す。諸事情で日が開いてしまったが、それでもここで、データに基づいてアジアカップでの日本代表の戦いぶりを検証しておきたい。

 まず知っておいていただきたいことがある。アジアカップという大会は、W杯に出場したことのない国も多く参加し、FIFAランキングではオーストラリア以外はすべて日本より下位で、中にはランキング100位に入っていないチームもある。それでも日本とは環境が大きく異なり、真剣勝負の場であるこの大会で勝ち抜くのは決して簡単ではない。また大会自体、FIFAランキングで下位のチームとも戦うグループリーグと、主にW杯出場経験のある国と対戦する決勝トーナメントとは別物であることも認識しておく必要がある。

 「アジアのバルセロナ」と対戦相手の監督から称された日本にとって、W杯未出場のヨルダン、シリアと戦ったグループリーグの2試合は、点差を考えれば「接戦」だったが、それでも誤解を恐れずに言えば、「大人と子供の試合」だった。そう呼べるだけの力の差があったと思う。それはボール支配率のデータに端的に表れている。

 日本のボール支配率はヨルダン戦で64.8%、シリア戦で60.5%と相手を圧倒した。にもかかわらず、日本は2試合とも苦戦する。



 ヨルダン戦は1-1の引き分け。終了間際の後半ロスタイム(47分)にディフェンダーの吉田麻也(オランダ・VVVフェンロ)のヘディングシュートが決まらなければ、負けていただろう。

 続くシリア戦も、前半35分に長谷部のシュートで先制するも、後半31分にシリアにPKを決められ同点に。その6分後に本田がPKを決め返し、2-1で辛勝した。

 苦戦の原因は攻撃にあった。ヨルダンとシリアに限らずアジアのチームの多くが日本と試合をする時は、まず失点を防ぐために自陣ゴール前にブロックを作り、そこで奪ったボールを素早いカウンター攻撃に結びつける戦術を使うことが多い。

 攻撃的ミッドフィルダーの本田、松井、そして香川真司(独ドルトムント)の3人は技術が高く、ボールにかかわることを好むプレーヤーたちだ。相手ゴールに近い位置では守備が強固なのでどうしても引いて受けることが多くなってしまう。中盤でいくらボールを回しても相手ゴール前に近づくとそこから相手のブロックに阻まれて、得点の機会をうまく作れない。そのため、実際は「大人と子供」ほどの力の差があったにもかかわらず、得点が奪えずに苦戦を強いられたのである。

 このような戦いぶりが続いていたとしたら、もしかすると栄冠を手にすることはできなかったかもしれない。ところが、次のグループリーグ最終戦、サウジアラビアとの試合を境にザックジャパンは変貌する。

(続く)
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岡田監督に物申す。(24)

2011-03-18 00:10:12 | Weblog

1つは、ピンチをチャンスに代えようとする強い意志だ。

2つは、ピンチをチャンス代え得る技術力の高さだ。

先ずは、クリア回数と危険エリアに侵入された回数をおさらいしてみよう。



          クリア数 被進入回数 クリア/回数
日本W杯        3 6    40    90%
10/8アルゼンチン    40    46    87%
10/12韓国戦       18    34    53%
北朝鮮W杯       28    68    41%
パラグアイW杯     27    34     79%
ウルグアイW杯     37    48    77%



アルゼンチン戦では、クリア数、進入回数ともども南アW杯のデータよりも悪化している。W杯で戦った相手よりアルゼンチンの方が、レベルが相当上だったと言うこと。だからアルゼンチン戦に1対0で勝ったということは、まあマグレだったということでしょう。それに対して、日本がW杯で苦杯を喫したパラグアイのデータは、日本よりかなりよい。だからパラグアイが勝って当たり前だったのである。まあ本戦で引き分けることが出来ただけでも、日本は良ししなければならないのであろう。

北朝鮮は侵入された回数が68とこの表の中では飛びぬけて多いが、クリア回数は極めて少ない。これはクリアも出来ないほど攻められていたか、一旦自分のボールにしたからには何とかして敵陣に攻め込もうとする意欲の現われではないか。

だから、意欲と技術力が必要なのである。北朝鮮は、負ければ強制労働を課せられるという強迫観念があるから、自分のボールにしたからには必死に攻めようとしたのではないか、などと勘ぐるのである。だから、攻めようとする意志を強く持つことも必要なのである。

そしてベスト4のウルグアイであるが、データはやはり悪い。ウルグアイの戦いを見ていて、何でこんな弱いチームがベスト4なんだ、と思ったものだ。なぜこんなに弱かったのであろうか。分析してみれば、我々のような素人にはわからないが、それなりの理由があったのであろう。

ただこのようにデータにしてみると、弱かったと言う理由がよくわかる。しかしこれは後付の理由である。監督と言うものは、こうならないように何かしなければならないのである。特にW杯では、クリアせずに出来るだけつないでカウンターを仕掛ける、と言う教育をする必要があった。たまたまその前に連敗ばっかしていたので、監督の岡田も切羽詰って守備固め的な布陣を敷いたため、それがたまたまつぼにはまったのである。

それもこの記事で、言及されている。このアルゼンチン戦では「守備」が最も改善したと言っている。

アルゼンチン戦では、常に守備の陣形を崩さずに選手間の距離も一定で、チーム全体がコンパクトに守備を実行していた、と言っている。だからリオネル・メッシにも決定的な働きをさせなかったのですね。

この強い意志とそれを可能にさせる技術力の双方を高めることこそ、監督の仕事なのではないかな、と思うのである。ここら辺りで岡田監督は何をやったのかは、疑問の残るところである。なんと言っても岡田は、「ベスト4」を目指して頑張る、と言ったのではないか。そして全員がそのテーマに向かって協働して行かないと、サッカーと言う団体競技ではゲームが機能しない。

この2つのことがうまく実行できるには、当然守備が機能していなければならない、とも言っている。攻撃力の向上は、すべからく守備を基とすべきことなのである。まあその反対も言えることではあるが、相手から当然攻撃されるわけなので、攻撃も守備も夫々バランスが取れて機能していなければサッカーは負けてしまうのであろう。

このアルゼンチン戦では守備が相当に改善していたために、自陣への進入された回数が増えたにもかかわらず、失点しなかったのであろう。だから、あのリオネル・メッシ選手でも決定的な働きが出来なかったのである。

そして守備が良かったため、攻撃陣はすばやくボールをシュートまで持ってゆくことが出来たのだ。



                南アW杯日本 10/8アルゼンチン 10/12韓国
自陣~中盤での縦パス成功率    '55.5%   '50.0%   '51.9%
Ballゲインから16秒未満のシュート数 1.62     4     1.95

10/12韓国戦の数字は概略のものであるので、念のため。

アルゼンチン戦の数字を見ると、縦パスの成功率は幾分下がっているが、それでもシュート数はかなり上回っている。数字上は、W杯の2.5倍に増えている。しかも世界の一流チームのアルゼンチンに対してだ。だから守備が安定したために、攻撃陣は本来の仕事が出来たのだ。だから16秒未満で相手ゴールに向かってシュートが打てた本数が2.5倍にも増えたのであろう。

要は、ボールを持った時に如何にすばやく攻撃に突き進めるか、と言ったところにポイントがある。守備が安定すれば攻撃陣はそれほど守備に回らなくても良くなり、より攻撃しやすい場所に身をおくことが出来る。そしてすばやくボールを受けてゴールに向かうことが出来る。サッカーの試合を見ると、常に守備と攻撃の繰り返しである。だから守備をうまくやって、ボールを速く奪い攻撃陣へパスして、相手側が防御体制にかっちりと入る前に敵陣に攻め込む、と言うことが必要となる。だから守備から攻撃への切り替えがスムーズにゆけば、得点できる確立は大いに増えるのである。

そしてそれらのことを確実に行えるようにするためには、先ずは個々の技術力の向上が必要であることは言うまでもないが、その上にチームとしてのその時その時にマッチした試合の進め方を、全員で共有することが更に必要となるのである。

これは岡田監督も言っているように、このことは、世界レベルのチームとの試合の経験の積み上げで、習得することが出来ると言うものである。しかし、そのシミュレーションが出来るような訓練を考えることも、監督の仕事なのである。と言うよりもそれこそが、監督の最もやらなければならないことなのであろう。

果たして岡田は、それがどれだけ出来たのであろうか。このように森本美行氏のように考察すれば、自分としてはどれだけそれが出来たのであろうか、何が不足していたのであろうか、何が補えなかったのか、などは自ずと判ろうと言う物である。

アルベルト・ザッケローニ監督の今後を期待したいものである。

(終り)
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岡田監督に物申す。(23)

2011-03-17 10:46:00 | Weblog


日本代表の指揮官としての初陣を白星で飾ったアルベルト・ザッケローニ監督

 こうした守備から攻撃への切り替えをスムーズに行えるようにしていくことが得点力を高めるうえで重要だ。
 本コラムで繰り返し主張してきたことだが、今後の世界のサッカーは攻守の切り替えがどんどん速くなり、いつの日か「切り替え」という考え方がなくなると私は考えている。日本が世界に先駆けてそういうサッカーができるかどうかが、世界で戦うカギになるはずだ。
 ザックジャパンが次に世界レベルの相手と戦うのは、来年1月に行われるAFCアジアカップの後の国際親善試合になるだろう。来年の7月には、招待国として、南米一の代表チームを決める「コパ・アメリカ」への参加も予定されている。
 これらの世界レベルの試合で、ザックジャパンがどのような進化の跡を見せるか。データを基にまた分析したい。
(文中敬称略)

■変更履歴本文中の「ショートの井口資仁の悪送球」は、正しくは「セカンドの井口資仁の悪送球」でした。お詫びして訂正いたします。すでに修正済みです [2010/11/02 13:55]

森本美行のスポーツ解剖学 データでひもとく試合の“真実”http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20100511/214345/

データによる試合や相手の分析が進んでいるスポーツの世界。集めた様々なデータを解読すると、観戦時の印象とは異なる試合や選手の「実像」が浮かび上がってくる。このコラムでは、スポーツファンの注目を集めた一戦を取り上げ、データ分析を基に勝敗の分かれ目を再現。データを深掘りしなければ分からないスポーツの奥深さを伝えていく。
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森本 美行(もりもと・みゆき)

スポーツデータの分析と配信を行う「データスタジアム」のエグゼクティブディレクター。1961年生まれ。90年米ボストン大学経営大学院に入学。92年に同大学院でMBA(経営学修士号)を取得。矢矧コンサルタント、マネージメントウエーブを経て、2000年米アジアコンテントドットコム(米ナスダック上場)の日本法人の社長兼CEO(最高経営責任者)。2003年データスタジアム社長に就任。2010年7月から現職。サッカー選手として読売クラブユース、三菱養和サッカークラブでプレー。Jリーグ横浜FC、ヴィッセル神戸でテクニカルスタッフを経験し、現在は慶応義塾大学体育会ソッカー部コーチを務める。BlogのURLはhttp://ameblo.jp/1500031/、Twitterのアドレスはmiyukun
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昨年の2010年10月8日のアルゼンチンとの国際親善試合は、1対0で日本が何とか辛勝した。小生のような素人は、拍手喝采で大いに喜んだものだが、これを読むと日本の実力が上がったと言うよりも、多分に何らかの運が日本に作用したもの、と考えられるのだ。

この記事の作者・森本美行氏は、データで分析している。物事をデータで分析すると言うことは、1960~1970年代に一世を風靡した「品質管理」の基礎の基礎であった。

そのデータの第1は、「ボールの支配率」だ。アルゼンチン戦での日本のボール支配率はわずかの39.9%と、非常に低い値であった。そして、これが現在の日本の実力だと言う。世界レベルのチームと対戦すると、日本のボール支配率は40%を下回ると言う。この4割が、世界の一流チームと対戦する時の壁だと言う。

ちなみに2010年10月12日にアウェイで対戦した韓国戦での、日本のボール支配率は59%で、まずまずの数字であった。小生などは、負けなくて良かった、位にしか感想はなかったが、このデータで見る限り日本が押していたのである。だからアジアレベルなのであろう。

データの第2は、「クリア回数」だと言う。自陣の危険エリア(自陣のゴールから30m以内)に進入された場合、自陣のディフェンスは寄って集(たか)ってボールを奪いとろうとする。この危険エリアは自陣のためディフェンスの人数は、相手の攻撃の人数よりも通常は多くなる。そのためボールは奪うことが出来る。そして奪ったボールは遠くへ蹴りだしてしまう。折角奪ったのにあわててクリアしてしまうと、そのボールは大半が相手のボールとなってしまう。そのためまた防御に走り回らなければならなくなってしまう。あわててクリアして相手ボールにしてしまうことは、最も忌むべきことなのであろう。そこでその「クリア回数」がデータとして浮上してくる。あわててクリアなどせずに、自分のボールとして、ドリブルでもロングパスでもショートパスでもつなげて、カウンターアタックを繰り出す。いわゆるピンチの後にはチャンスあり、と言う奴である。ピンチを攻撃の起点に代えて、チャンスとするのである。それには次の2つのことが必要であると述べている。

(続く)
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岡田監督に物申す。(22)

2011-03-16 10:38:10 | Weblog

W杯の時から増加したクリアの数


 縦軸はクリアの回数を、横軸は自陣のゴール前から30メートル以内の危険なエリアに進入された回数を示す。W杯の時に比べて、アルゼンチン戦の日本の数字は悪化。逆に韓国戦では著しく改善しているのが分かるだろう。
 アルゼンチン戦では、危険なエリアに進入された回数がW杯の時の40回から46回に増え、クリアの数も36回から40回に増加した。



 世界とアジアの迫力の差なのか。それとも、いわゆる内弁慶なのか。世界ランクで上位のチームとの試合となると、どうしてもピンチを攻撃の起点に変えようとするプレーができていない。
 もとより、就任して間もない監督の初陣である。W杯南ア大会が閉幕してから約3カ月しか経ってもいない。チームが劇的に変わるはずがない。アルゼンチン相手に初勝利を挙げたという結果に目を奪われることなく、この試合で改めて明らかになった日本の“実力”を直視し、チーム力を高める方策を考えていくべきである。
 もっとも、W杯南ア大会からの進化が全く見られなかったわけではない。例えばクリアだけでなく危険なエリアに進入された回数も増えてはいたが、これは守備が“改善”した結果でもあった。
 この試合で、ザックは4人のディフェンダー、2人の守備的ミッドフィールダー、3人の攻撃的ミッドフィールダー、そしてワントップのフォワードからなる「4-2-3-1」という陣形を採用した。


アルゼンチン代表のエース、メッシ選手

 試合の映像を基に、5分間ごとの選手たちの位置を分析すると、試合が進んでもこの陣形が大きく乱れず、一定の距離が保たれていた。
 これまでの日本代表はボールにハエが群がるような守備をしていたため、中盤より前の選手がボールの周りに集まり、ポジショニングのバランスが悪くなっていた。それがアルゼンチン戦では常に陣形を崩さず、選手間の距離も一定で、チーム全体が実にコンパクトに保たれていた。
 そうできたのは、ボールを保持している相手に対して複数の選手がやみくもに奪いにいくのではなく、いったんスターティングポジションに戻ってから、ボールを持った相手のプレーヤーに近い選手がまず奪いにいく。それに伴って2番目、3番目の選手が続くという規律のある守備が徹底できていたからだ。
 そのため、アルゼンチンに縦パスでゴール前まで迫られても、リオネル・メッシ(スペイン・バルセロナ)やカルロス・テベス(英マンチェスター・シティー)といった世界に名立たるフォワードたちもできることが限定されてしまい、決定的な仕事ができなかった。
 この点から日本の守備は、W杯南ア大会の時に比べて再現性の高い組織的な守備ができていたと言える。

攻撃でも見られた改善の兆し


 攻撃の面でもわずかながら改善の兆しが見られた。次の図は、自陣ゴール前と中盤の位置から前方へ出したパスの成功率と、相手からボールを奪取して16秒未満でシュートに持ち込んだ回数の相関関係を分析したものだ。
 日本のパスの成功率は、アルゼンチン戦では50%と、W杯南ア大会の平均である55.5%から一段と低下していた。同大会で優勝したスペイン(71.4%)をはじめとする世界の強豪とは大きな差がある。このデータも、残念ながら世界を相手にした時の日本の現在の“実力”をよく示している。
 他方、ボールを奪ってから16秒未満でシュートに至った回数は、W杯南ア大会の1.62本からアルゼンチン戦では4本に増えた。このデータにもあるように、シュートに持ち込むまでの時間が短縮されていた。
 これは攻撃面でのデータだが、この部分の改善は実は守備の安定性が増したことが影響していると思われる。
 いくべき時にボールを奪いにいくというタイミングをチーム全員が共有することによって奪いどころが明確になる。その結果、ボールを奪ったと同時に前に行ける選手の数、ポジションなどが改善され、効率よくボールを前方へ運ぶことができたのである。
(続く)
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岡田監督に物申す。(21)

2011-03-15 00:07:04 | Weblog

まあ「ベスト4に向かって頑張る」が「ベスト4に入る」となって報道されてしまったようだが、小生はそれくらいの気概は必要だと思っている。だから尚更その目標を達成するための方策を考える必要があったのである。まあ、岡田監督には、その「ベスト4に向かって頑張る」ための方策を、是非とも示してもらいたかったものである。2010/9/28のNO.28では、「強国と本気の試合ができる環境があれば、まだまだ強くなる」と言っていると紹介したのであるが、強国と本気の試合をすることも、その一つの方策であることは確かである。それならそれでそのことを岡田としても、日本サッカー協会にしっかりと申し入れなければならないのであるが、このことを岡田はどのように処理しているのであろうか。しかしこんなことでお茶を濁してもらっては困るのであるが、岡田からは、W杯南ア大会の反省は(ほとんど)聞かれなかったと思われる。しいて言うならこの環境づくりくらいがその方策なのであろうか。先の「ドーハの歓喜」(2010/2/24,NO.21)では、「ベスト4」への戦略はなかったのではないか、と結論付けたが、日本国民もまた日本のマスメディアも、またサッカー関係者もなぜ「ベスト4」にゆけなかったのかとか、なぜ「ベスト16」で満足してしまっているのか、などともっともっとW杯を話題にしなければならなかったのではないか、と思うよ。そうすれば、何らかの方策が議論されたのではないかと、その機会を失ってしまったことを、非常に残念に思うのである。

ここにひとつその方策に言及していると思われる2010/10/8アルゼンチン戦の記事がある。それを次に載せるので、よく読んでいただきたい。





ザックジャパン初戦、“金星”で明らかになった世界との差
一筋の光明も見えたアルゼンチン戦

2010年11月2日 火曜日
森本 美行

(Photo)
10月8日のアルゼンチン戦で両軍唯一のゴールを決めた日本代表の岡崎慎司選手(左)

 前半19分。日本代表のミッドフィールダー、長谷部誠(独ウォルフスブルク)が放ったミドルシュートをアルゼンチン代表のゴールキーパー、セルヒオ・ロメロが手で弾く。前にこぼれた球にいち早く駆け寄ったフォワードの岡崎慎司(清水エスパルス)が右足で押し込み、先制点を挙げた──。
 10月8日に埼玉スタジアムで行われたサッカー日本代表とアルゼンチン代表の国際親善試合。イタリア人監督のアルベルト・ザッケローニが初采配を振るった南米の強豪との一戦は、日本が先制点を守りきり、1-0で勝利した。

1-0でアルゼンチンに勝ったが…

 諸事情で日が経ってしまったが、今回はこのザックジャパンの初戦を、データを基に検証したい。
 その前に、10月30日から始まった日本プロ野球・日本シリーズのこれまでの結果についても少しだけ触れておこう。
 レギュラーシーズンでセリーグを制した中日ドラゴンズと、パリーグを3位で通過した千葉ロッテマリーンズという対照的な顔ぶれとなった今年の日本シリーズ。本コラムの前回(日本シリーズ開幕、勝つのはセの王者かパの雑兵集団か)では、クライマックスシリーズのファイナルステージでの両者の戦いぶりをデータから振り返り、日本シリーズの勝敗を分けるポイントを探った。
 その結果、ロッテの方は、「先発→中継ぎ→抑え」の継投という勝利の方程式に綻びが生じ始めた中日の投手陣を打ち崩せるか。一方、中日の方は、エラーがらみで失点を許すことの多いロッテの緩慢な守備を突いて得点を挙げられるかが、それぞれ焦点になりそうだと指摘した。
 30日の第1戦、31日の第2戦は、まさにこれらのポイントが勝敗を左右する結果になった。第1戦は、中日の先発投手の吉見一起が不調。制球が定まらず、3回3失点で降板する。さらに、6回と7回にも中日の3番手、平井正史が追加点を奪われる。このように中日の投手陣を打ち崩したロッテが5-2のスコアで先勝した。
 先発の吉見から2回表に先制の適時打を放ったのは、8番打者の大松尚逸。いったんは中日に2-1と逆転を許した直後の3回表には2番打者の清田育宏がソロホームランを打って同点とし、再逆転の口火を切った。大松や清田といった伏兵が活躍した点も、福岡ソフトバンクホークスを相手に1勝3敗から3連勝の大逆転劇で勝ち上がったファイナルステージの再現となった。
 続く第2戦は打って変わり、中日が12-1のスコアで大勝。ロッテにとっては、特に1回裏に4失点と序盤に大量リードを奪われたのが響いた。先発投手のビル・マーフィーは1死1、2塁から中日の4番、和田一浩にセンター前のタイムリーを打たれて先制点を許す。その後、セカンドの井口資仁の悪送球などでピンチを広げ、2死満塁から押し出し四球を与えるなどして4点を献上した。
 ロッテはソフトバンクとのファイナルステージの第2戦、第3戦もエラーがらみの失点で負けている。伏兵の活躍などで快勝した第1戦とは違った意味で、第2戦もファイナルステージの再現になったと言えよう。
 今晩に行われる第3戦以降も、前回に指摘したポイントが勝敗を左右していくのか。勝負が決着した後に、データを基に詳しく振り返ることにする。

データから浮き彫りになる日本代表の“実力”

 さて、本題に戻ろう。ワールドカップ(W杯)で2回の優勝を誇るアルゼンチンに1-0で勝利したザックジャパンの初戦。これまで6戦して全敗だった南米の強豪に対して勝利を挙げたのはこれが初めて。メディアは「歴史的な勝利」などと報じた。その中には、監督がザックに代わり、日本代表が早くも大きく変わり始めたとする論評も見られた。
 だが、データを基に冷静に試合を分析してみると、日本代表の現在の“実力”が改めて浮き彫りになる。
 それを端的に示すデータが、ボールの支配率だ。
 アルゼンチン戦における日本のボールの支配率は39.9%。本コラムではこれまで、日本が世界レベルのチームと対戦した時には相手のボール支配率が6割以上に上り、劣勢に立たされると指摘してきた。今回のアルゼンチン戦でも、世界の強豪相手に6割の壁に突き当たってしまった。



 アルゼンチン戦の4日後の10月12日に行われた韓国代表との親善試合では、アウェーにもかかわらず日本のボール支配率は59.0%をマークした。アジアレベルでは自らが主導権を握れるが、世界レベルでは相手に主導権を奪われてしまう。こうした図式に変わりはなかったわけだ。
 ポゼッション率の高低が勝敗に直結するわけではないが、一方で、主導権を握った方が有利なのも事実。実際、マイボールで走る時よりも、相手ボールで走らされる時の方が疲労度は大きい。
 アルゼンチン戦の直前のコラム(ザックジャパン始動、初戦の成否は)では、ザックジャパンのパフォーマンスを評価する指標の1つとして、クリアの回数に注目していきたいと書いた。(http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20101004/216494/?ST=print)
 今年6月から7月にかけて開催されたW杯南アフリカ大会では、ベスト8以上に進出した代表チームは総じてクリアの回数が少なかった。自陣ゴール前の危険なエリアに進入されても、そこで奪ったボールをピンチの回避を目的として大きく蹴り出すのではなく、味方にボールをつないでピンチを攻撃の起点に変えようとする。その意識とそれができる技術が高いから、クリアが少なくて済む。
 一方、南ア大会での日本は、危険なエリアに進入された回数は、ベスト4に進出したドイツやベスト8のアルゼンチンなどと変わらなかった。だが、クリアの数は、ドイツやアルゼンチンの2倍近くに上った。日本はピンチをチャンスに変えようとする意識と技術がまだ世界の強豪レベルに達していないことがうかがわれる。
 攻撃を受けて奪ったボールを再び相手に渡して、二次攻撃を許すのか。それとも、奪ったボールを自らのチャンスに変えるのか。どちらを選択するかによって戦況は大きく変わる。攻める姿勢を強めなければ、ベスト8の壁を破ることはできない。そこで守備から攻撃への切り替えを意図的に行っているかどうかを見る指標の1つとしてクリアの回数に注目しようと考えたわけだ。
 では、アルゼンチン戦はどうだったか。
 次の図をご覧いただきたい。W杯南ア大会に出場した32カ国の代表チームの1試合当たりのクリアの回数と、10月8日のアルゼンチン戦、10月12日の韓国戦での日本のクリアの回数を分析したものだ。

(続く)
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岡田監督に物申す。(20)

2011-03-14 00:36:39 | Weblog

2011年3月11日の14時46分に発生した東日本巨大地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。と同時にいまだ行方不明の方々の一刻も早い救出をお祈り申し上げます。そして被災された方々のいち早くの復興を祈念致しております。
そして、
福島第1、第2原発の安定に邁進されている方々のご検討をお祈り申し上げます。

さて、本ブログは、2010年10月2日に終了した「岡田監督に物申す。(19)」の続きとして、綴ったものであることをご承知願う。

さてザッケローニ監督は、2011年1月29日からのAFCアジア杯カタール大会を制覇して、彼なりの日本チームのマネジメントをやり始めている。まあザッケローニは日本代表チームのサッカーの歯車をよい方向へ回転させ始めたことは確かである。この話については、2011年2月1日からの「ドーハの歓喜」を参照願いたい。ここでは今一度「岡田監督に物申す」に戻ってみたい。先ずは岡田(前)監督の「ベスト4」発言から。外国の事情通からは、この「ベスト4」発言は「調子に乗りすぎている」と思われていたのである。
次の記事は、2010/9/22のNO.9で言及したものであり、一寸どころかかなり古いが、先ずはその記事を参照願う。




-10岡田監督はバブリー?「ベスト4」発言に対する英語な皮肉――JAPANなニュース 
GOOニュース  2009年6月10日(水)10:30

■本日の言葉「bubbly」(泡だらけ、浮き足立って、お調子者)■

英語メディアが伝える日本をご紹介するこの水曜コラム、今回は6日夜の大興奮「岡田ジャパン、ワールドカップ出場決定」について英語メディアが発した皮肉タラタラな慣用句のもろもろについてです。(gooニュース 加藤祐子)

○バブリーはバブリーでも

自分がサッカーについて書くのを一番驚いているのは自分、というくらいサッカーについても詳しくないのですが、イングランドにはそこそこご縁があるといういきさつの視点からすると、「まあ確かに、欧州の人は日本サッカーをこう見ているんだよね……」というそのものズバリな記事を見つけてしまいました。

ロイター通信のこちらは、1992年から東京在住のスポーツ特派員によるもの。見出しからしていきなり「日本の岡田監督はバブリーすぎるのか?」ですから。
http://blogs.reuters.com/japan/2009/06/08/japan-coach-okada-too-bubbly/

わざと「バブリー」とカタカナにして誤解を誘ってみましたが、ロイターのアラステア・ヒマー特派員は別に、岡田武史監督がキンキラ成金趣味で六本木アマンド前の交差点で一万円札ふりかざしてタクシー拾っているジュリアナ常連だ——と言いたくて「バブリー」と書いたわけではありません。

そもそも和製英語の「バブリー」は「バブル経済」からきていて、この「バブル経済」は「bubble(泡)」のようなバカ景気という意味。そしてロイター特派員が使った「bubbly」は「泡だらけの」という形容詞。それでもなお、岡田監督が泡を吹いているとかそういう意味ではなく、泡がぶくぶくピチパチ浮き立つように軽いというか浮き足立っているというか、日本全国1億2000万人のサッカーファンを敵に回すようなことを言いますが、「お調子者」とか「調子にのってる」とかそういうことを言われてしまったわけです。

英語でシャンペンのことを俗語で「bubbly(バブリー)」と呼んだりしますし、いつもキャッキャキャッキャと箸が転んでもおかしい年頃の娘さんのことを「she's a bubbly girl(バブリーな娘さんだね)」と言ったりします。泡風呂のことは「bubble bath」です。まあつまり、そういうような関連語がたくさんある言葉で、わが日本代表の監督は評されてしまったわけです。

なぜかというと、ワールドカップ出場決定後の記者会見で岡田監督が「ベスト4に入ることに向かって闘志を出していきたい」と発言したから。ベスト4に「向かって闘志を出していきたい」という前向き姿勢は戦うからには当然と、私個人は思いますが、これが「ベスト4に入ると公言」となって伝言ゲーム的に伝わってしまったからでしょうか、ロイター記者に「おいおい、そこまで言うか」的な記事を書かせてしまったのは。

記事は、そんなことを言った岡田監督は実はタシケントからの帰国フライトの中でお祝いしすぎたのかもしれない(celebrated too much)、つまりは酒を飲み過ぎたんじゃないか?——と、皮肉たらたら(お祝いで飲む酒と言えばシャンペン=bubbly、にもひっかけているのかもしれません。上手いな)。考え過ぎかもしれませんが、ああまたここにも例の「酒に飲まれる日本人」ステレオタイプが……。http://news.goo.ne.jp/article/newsengw/entertainment/newsengw-20090424-01.html

○欧州は眠れているか

ではこれがことさらに不愉快な記事かというとそうでもなく、英語比喩や慣用句をたくさん使っていて面白いので、こうしてご紹介するわけです。たとえば、「岡田はベスト4入りすると発言したが、スペイン代表やイングランド代表の監督が心配で眠れずにいるとは、とても思えないけどね」というくだりは「losing much sleep」で、これは「lose sleep」の変形。直訳すれば「睡眠を失う」で、意訳すれば「眠れない、不眠」。「何かが気になって眠れない」という状態を「I'm losing my sleep because I'm so worried about なにそれ」と言います。

また日本がなぜワールドカップのベスト4にこだわるかという解説で、それは2002年の日韓共催大会で韓国が日本をさしおいてアジア初のベスト4入りを果たしてしまったからだと。以来、「日本人はずっとこのことを気にしていた(The Japanese have had a bit of a bee in their bonnet)」のだと。この「have a bee in 誰それのbonnet」という慣用句は、けっこうよく使われるもので、直訳すれば「かぶっている帽子の中にハチが入ってしまった」状態。つまりは「とっても気がかり」という意味。日本語で「五月蠅」と書いて「うるさい」と読ませるのと発想が少し似ています。

「韓国がアジア初のベスト4を果たしてしまって日本のお株を奪った」というくだりの「お株を奪った」という意味の慣用句は「stole their thunder」。直訳は「誰それの雷を盗んだ」で、これもよく使います。

○眉が上がったり目を回してみたり

そしてさらに、岡田監督は(2002年韓国代表の監督だった)ヒディンク監督とは器が違うのだし(Okada is no Guus Hiddink)、そもそもアジアから4~5カ国も本戦出場できるいまの仕組みで日本が出場できないわけもないのだから、岡田監督のベスト4発言に「人々は眉をあげたし、日本選手たちには不要なプレッシャーを与えたかもしれない」と結んでいます。この「眉をあげた」と訳してみたここは「raised a few eyebrows(何人かの眉がつりあがった)」で、「raise eyebrows」という表現がもとになっています。

そしてこれは英語では本当によく使う表現で、欧米人は本当によくやる表情なのですが、日本人はどうでしょう。単なる驚きではなく、ちょっといぶかしげな感じで「ええ?」という風に目を見開きそれに伴って眉(eyebrow)が上にあがる(raise)表情。日本人もしますか?

自分も日本人なのになぜこんなことを聞くかというと、かつて「そういう表情は日本人はしないものだ」と断定されたことがあったからで(しかも日本人の私が現にそういう表情をしていたのに)。それはやはり英語表現ではよく使い、欧米人は本当によくやる表情で「roll 誰それの eyes」 。何かに呆れて辟易したとき、目をぐるりと回して(主に上向きに左右ぐるりと)「やれやれ」と表現したいときに使うのですが……。これがそのままでは日本語に訳せないということは、やはり日本人のする表情ではないのですね。やれやれ(目をぐるり)。

ちなみにサッカーに詳しくない私がこういうことを書くのもあれなのですが、サッカー好きのイングランド人と「なぜ日本は得点力がないのか」について酒を飲みながら話をしたところ、その人は私がこういうコラムを書いているのを知っているのでこんなことを言っていました。

「日本人が英会話が苦手だと言われるのと同じじゃないかな。全員がそうだというわけじゃないけど、文法的に正確できちんとした構文が整った文章をまず頭の中で組み立ててからでないと口にできない、そういう日本人が多い気がする。意味が伝わればいいんだからともかくしゃべろう、とは思わないというか。ネイティブはそんなこといちいち気にしないし、みんなけっこう間違いながらでもどんどんしゃべるよね。それと似ていて、欧州や南米のプレイヤーはここぞという時はともかくひたすらゴールに向かって打っていくけど、日本のプレイヤーはきちんとしたフォーメーションからきちんとしたパスコースが見えないとゴールに打たないような気がするよ。印象だけどね」

That's just my impression.

◇本日の言葉いろいろ
・bubbly=ぶくぶく、ピチパチ、キャッキャキャッキャ、お調子者
・loose sleep=心配で眠れない
・celebrate=お祝いする
・bee in the bonnet=とっても気がかり
・steal their thunder=お株を奪う
・raise one's eyebrows=びっくり怪訝そうに眉を上げる
・roll one's eyes=やれやれと辟易して目をぐるりと回す (「目をぎょろぎょろさせる」という訳はちょっと違うんじゃないかなあ…とずっと思ってます)

◇goo辞書でも読める「ニュースな英語」はこちら

◇最近の「ニュースな英語」コラム聖なる土地に共通の地は見つかるか、オバマ氏最新の歴史的演説(2009年6月8日)
月面着陸にも英語の誤り? 人類にとっての一歩が実は…(2009年6月5日)
GM的価値観の対極、日産キューブはキティちゃん的だというアメリカ人視点(2009年6月3日)
天安門事件から20年、中国の若者が語ること(2009年6月1日)
死んだ人にも定額給付金、死んでいたって経済効果?——ひまだね英語(2009年5月29日)
トイレのホラー小説より怖いもの、それは核武装した独裁国家——JAPANなニュース(2009年5月27日)
韓国前大統領の死去報道にふと見えた日本人像——ニュースな英語(2009年5月25日)
偶然の億万長者で逃亡犯という危険な生き方——ひまだね英語(2009年5月22日)
インフルきっかけで日本人高校生の行状が世界配信され——JAPANなニュース(2009年5月20日)

◇筆者について…加藤祐子 東京生まれ。シブがき隊と同い年。8歳からニューヨーク英語を話すも、「ビートルズ」と「モンティ・パイソン」の洗礼を受け、イギリス英語も体得。怪しい関西弁も少しできる。オックスフォード大学、全国紙社会部と経済部、国際機関本部を経て、CNN日本語版サイトで米大統領選の日本語報道を担当。2006年2月よりgooニュース編集者。米大統領選コラム、「オバマのアメリカ」コラム、フィナンシャル・タイムズ翻訳も担当。英語屋のニュース屋。

http://news.goo.ne.jp/article/newsengw/life/newsengw-20090610-01.html


http://news.goo.ne.jp/search/article/?MT=%A5%B3%A5%E9%A5%E0%A1%D6%C5%EC%B5%FE%A4%AB%A4%E9%B8%AB%A4%EB%A5%AA%A5%D0%A5%DE%A4%CE%A5%A2%A5%E1%A5%EA%A5%AB%A1%D7&IE=EUC-JP&OE=EUC-JP&day=all&ihost=news.goo.ne.jp →オバマのアメリカ

http://news.goo.ne.jp/publisher/ft/ →フィナンシャルタイムス

(続く)
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ドーハの歓喜(25)

2011-03-01 00:13:32 | Weblog

AFC ASIAN CUP QATAR 2011 サッカーアジアカップカタール大会の話から、いつの間にか欧州リーグの話に飛んでしまったが、しかしそれにしても今回のアジア杯はまことに危なっかしい試合の連続だった。

最後に初戦のヨルダン戦について述べてみる。

初戦のヨルダン戦では、ディフェンスの吉田麻也のひとり芝居だった。この試合があったから、日本チームはまとまったと言われている。結果として吉田の独り舞台となってしまったが、チームとしての準備期間の短かったと言うハンディがあったが、それでも世界で頭角を現すためには、この体たらくでは困るのである。技術、体力、根性の向上はもちろんのこと、特にトーナメント戦になると勝ち抜き戦となるから、どうしても勝たなければならないのだ、言い訳を言っている暇はない。ではどうするか。準備期間が短かったと言うことが原因のひとつなら、それを直さなければならない。これには、日本サッカー協会のマネジメント能力が試されることになる。単なるチームや個人の技術、体力、気力だけではなく、日本サッカー協会の長期的な戦略の構築とそれに基づいた内政・外交能力が問われることになろう。対外試合を行うためのあらゆる面での緒準備が必要なのである。

ヨルダン戦については、このURLを参照されるとよい。

アジアカップ・ヨルダン戦で、誰だかよくわからない吉田麻也さんが大活躍の巻。
2011年01月10日11時39分
http://news.livedoor.com/article/detail/5258906/
ヨルダン戦 2011/1/9(土),16:15(日本時間22:15) 1×1の引き分け


シリア戦は何とか勝利して、サウジアラビア戦はある意味拍子抜けの楽勝だった。

シリア戦 1/13(木),19:15(1/14 1:15) 1×2で勝つ。岡崎が倒されPK、これは一寸危なかったが、本田が真ん中で決める。
サウジアラビア戦 1/17(Mon),16:15(22:15) 0×5で勝つ。


それにしても今の日本チームの実力はたいしたものだ。日替わりで主役が代わっている。
次の準々決勝カタール戦だが、まず次のニュースを読んでいただきたい。



後半44分V弾!伊野波だ~!/アジア杯
2011年1月22日(土)08:00
(Photo)
(サンケイスポーツ)

 サッカー・アジア杯準々決勝(日本3-2カタール、21日、カタール・ドーハ)殊勲のゴールは「イノハ」だ! 日本は準々決勝で開催国のカタールに3-2の劇的勝利。決勝点は後半44分、A代表初先発のDF伊野波雅彦(25)=鹿島=が決めた。完全アウェーのうえ、後半途中から退場で1人少なくなる苦闘を制し、アルベルト・ザッケローニ監督(57)も絶叫。就任からの不敗記録を8試合に伸ばし、25日の準決勝(相手は韓国かイラン)へ駒を進めた。

 勝利を告げる笛にDF伊野波は、泣き出しそうな顔でピッチに崩れ落ちた。決勝点を決めたヒーローの表情が、試合の苦しさを物語っていた。

 「前半から攻撃で迷惑をかけてきた。最後に仕事ができてよかった」

 2-2の後半44分。ゴール前で粘ったMF香川からのボールを、左足で押し込んだ。右サイドバック(SB)なのにゴール近くで待っていた伊野波の姿に、MF長谷部は「何であんなところにいたのか」と苦笑い。ベンチからも「上がるな!」との指示があったが、夢中で得点を求めていた。

 出場停止のDF内田に代わって先発。「もともとセンターバックだから守備から入ろうと意識していた」。慣れないSBで攻めのタイミングやクロスに苦しんだ。守備でも、FWセバスティアンに裏を取られた先制点など2点を許した。

 後半16分にはDF吉田が退場の大ピンチ。そんな苦闘こそ、伊野波が真骨頂を発揮する場だった。代表出場2試合目、先発は初と経験は浅いが、小さいころに体操で鍛えたフィジカルは強靭(きょうじん)で、スタミナも日本選手有数の存在。攻守に走り回った。

 因縁の相手に借りを返した。同じドーハで開催の、07年10月17日の北京五輪予選・カタール戦。ロスタイムにペナルティーエリア内でハンドを犯し、そのPKを決められて逆転負け。「リベンジも兼ねてしっかりやりたい」と意気込んでいた。

 「最後に何とか恩返しできて、仲間に感謝している。チーム一丸となって、だれが出ても勝てるチームになりたい」

 鹿島では中心も、代表では出番のなかった25歳。だがこの劇弾で「イノハ」の名は、人々の記憶に刻まれたはずだ。
http://news.goo.ne.jp/article/sanspo/sports/ssp20110122002.html



長谷部に「何であんなところに居るんだ」と言わしめた右サイドバックの伊野波だった。誰かがあそこには居て香川をフォローしなければならない状況だったが、FWでもない、MFでもない右SBの伊野波だったのだ。彼がそこに居たので、勝ち越すことが出来たのだ。「結果良し」とするが、夫々のポジションや状況で誰かがフォローしなければならなかったのだと思うが、他のポジションの日本選手の動きに改善の余地がなかったかは、今一度全員で見直してみる必要があろう。

そして準決勝韓国戦だ。1月25日(火),16:25(22:25)キックオフ。韓国戦については、既に2月7日以降より述べているので、そちらも参照願いたいが、AFCアジアカップカタール大会優勝に驕(おご)れることなく、2014年ワールドカップブラジル大会目指して頑張ってもらいたいものだ。

(終り)
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