世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

続・次世代エコカー・本命は?(120)

2016-09-30 00:00:00 | Weblog

トヨタとマツダ、深まる亀裂…トヨタ、傷付けられたプライド
2016.08.02  文=河村靖史/ジャーナリスト

いすず「D-max」(「Wikipedia」より/Mj-bird)

 マツダ1トン・ピックアップトラック自社開発・生産から撤退し、いすず自動車【編注:「ず」の正式表記は踊り字】からのOEM(相手先ブランドによる生産)供給車に切り替えることを決めた。経営資源をグローバルで需要拡大が見込まれるSUVに集約するためだ。

 一方で、2015年5月に業務提携することで合意したトヨタ自動車からではなく、あえていすずからの調達に決めたことで、「マツダとトヨタとの提携話が一向に進んでいない」実状が浮き彫りになった。さらに7月22日には、米ゼネラルモーターズ(GM)がいすずと次期ピックアップトラックの共同開発を取りやめることを決定。いすずとマツダの新たな提携は、自動車業界の提携に微妙な影を落としている。

 1トン・ピックアップトラックは、タイ、インドネシアなどのアジア新興国や、中近東などで根強い需要がある。日系自動車メーカーやGM、米フォードなどは、最大のピックアップトラック市場であるタイで集中生産して各市場に輸出している。

 そのタイマツダは、フォードと折半出資の合弁会社オートアライアンス・タイランド(AATでピックアップトラック「BT-50」や乗用車を生産している。AATのマツダ分の生産能力は14万台。タイの新車市場全体は景気の悪化などで低調に推移しているなか、「マツダ3」(アクセラ)や「CX-3」などの販売が好調に推移し、AATのマツダ車生産ラインはフル稼働状態にある。

 マツダの2016年上期(1-6月)のタイでの販売を見ると、ピックアップであるBT-50が前年同期比23.5%減の約3200台と不振だったが、「CX」シリーズのSUV系は同2.6倍の約4500台と急増、SUV系がピックアップの販売台数を上回った。こうした傾向は他市場でも同様で、先進国を含めて自動車市場はSUV系の人気が高まっている。

 マツダがタイで生産するピックアップトラックは年間4~5万台程度。マツダはピックアップトラック市場の今後の成長には限界があると判断、数年後に自社開発と生産から撤退して、その分、好調なSUVと乗用車に振り分けることにした。

 マツダは、自社ブランドのピックアップトラックの販売を継続するため、いすずがタイで生産する「D-MAX」の次世代モデルのOEM供給を受けて、タイや豪州、南アフリカなど、グローバルな市場で販売することで合意した。

 いすずのD-MAXは15年度の販売が約27万台と、1トン・ピックアップトラック市場で高いシェアを持つ。マツダといすずは日本国内で2004年からいすずの小型トラック「エルフ」を「マツダ・タイタン」としてマツダに供給している関係にあり、今回、ピックアップトラックに提携を拡大させることになる。


トヨタの「安売り」を懸念か

 一方で、マツダは15年5月トヨタと経営資源の活用や、商品・技術の補完などに向けて業務提携することで基本合意している。このため、マツダが開発・生産から撤退するピックアップトラックの調達先としては、当然ながらトヨタが最有力候補となるはずだ。しかし、マツダがいすずからの調達を決断したことに首を傾げる業界関係者は少なくない。

 マツダがトヨタからの調達を避けた理由は何か。大きな理由が、トヨタの「安売り」を懸念したためと見られる。タイの新車市場全体が低調ななか、ピックアップトラックを中心に自動車各社の値引き競争が激化している。トヨタは新型車を投入したばかりだが、需要を喚起するためすでに大幅値引きに踏み出しているという。

 ここ数年「利益ある成長」を最重視しているマツダは、こうした動向を懸念していた。実際、BT-50の販売が低迷しているのは、トヨタをはじめとする各社のピックアップトラックとの販売競争激化が原因とみられる。仮にトヨタからピックアップトラックを調達すると、値引き競争に巻き込まれ、せっかく築いてきたマツダ・ブランドが傷つきかねない。


いつまでも具体的内容が見えない締結

 ただ、マツダがトヨタからピックアップトラックを調達しないのは、相互に生じている不信感が表面化しただけとの見方もある。マツダとトヨタは業務提携で合意した際、「具体的な話はこれから」(トヨタ・豊田章男社長)とし、両社で組織する検討委員会が具体的に連携する項目を検討するとして、その内容については見通しも含めて一切触れていない。その後は「(昨年5月の)業務提携基本合意から1年後をメドに具体的な提携内容を発表できる」としていたが、提携発表から1年以上が経過した現在も目に見えるかたちでの提携は明らかになっていない。

 マツダ関係者は「内燃機関(ガソリン・ディーゼルエンジン)にこだわるマツダは、電動化を加速しているトヨタと、目指す方向が異なる」と話す。また、自動車メーカー開発担当者は「(トヨタが注力している)燃料電池車が普及するわけがない。あんなものは金持ちの道楽だ」と言い切る。

「マツダがブランド戦略で成功したこともあって、マツダのクルマづくりが優れており、トヨタがその技術を学ぶために提携したとの報道が多い。そのため、トヨタ側はプライドを傷つけられ、提携内容を詰める上で両社の大きな溝になっている」(全国紙の自動車担当記者)
 マツダの小飼雅道社長は「トヨタ(との)話は確実に進んでいる。どういうことをやるのか、両社の利益が得られるのか、どういうリソースをかけられるのかを検討している。心配していない」と、提携の中身についての検討は進んでいるとしている。今回のピックアップトラックのOEM供給を、トヨタでなくいすずとしたことについても、「モデルチェンジなどのタイミングが(トヨタとは)合わなかっただけ」と説明する。


「冷めた関係」

 マツダがいすずからピックアップトラックのOEM供給を受けることを発表してから11日後、今度はいすずとGMが14年9月に合意していた次世代ピックアップトラックの共同開発を取りやめると発表した。いすずによれば、開発の方向性が異なることなどから共同開発は取りやめ、いすずは単独で開発することになった。

 いすずがGMの頭を飛び越してマツダとピックアップトラック事業での提携で合意したことが、「共同開発から撤退を決断した原因では」と指摘する声がある。いすずは、「(GMは)長年にわたり、グローバル事業を展開する上で必要不可欠なパートナー」としているが、両者の関係に亀裂が入ったとの見方もある。

 いすずがGMと06年に資本提携を解消した後、トヨタはいすずと資本・業務提携を締結した。この時、トヨタグループの商用車メーカーである日野自動車を含めてシナジー効果を追求すると宣言した。しかし、トヨタグループといすずの提携は一向に進まず、現在、いすずにとってトヨタは単なる大株主にすぎない「冷めた関係」だ。このため、いすずは業績が回復したGMと資本提携こそ結んでいないものの、事業ごとで連携する業務提携で復縁してきた。

 新たな業界再編の軸になる可能性があるとして、華々しく業務提携を公表したトヨタとマツダ、そして関係を戻してきたいすずとGM。今回のピックアップトラックをめぐる動きは、業界勢力図に微妙な影を落とすことになった。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16127_3.html
(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・次世代エコカー・本命は?(119)

2016-09-29 00:00:00 | Weblog

彼女に関する確度の高い情報提供があり、それに基づいて捜査したところ、犯罪事実が確認された。・・・」と書かれているが、内部通報があったわけだ。「日本人のやっかみを懸念した・・・」とあるが、やっかみは日本人だけではなかったのではないのかな。

内部通報がどこからかはわからないが、米国税関からなのかなあ。だとすれば、日米の税関の間では緊密なやり取りが行われている、と言う事か。


ジュリー・ハンプ氏がドイツのニュルブルクリンクを走ったことがあることで、豊田章男社長はそれなりの親近感を持ったのであろう。ニュルブルクリンクを走ったことのある女性と言う事で、豊田章男社長の目にとまっただけで本社の役員に抜擢するにしても、しっかりとした身辺調査は必要だ。

だが車に対する情熱だけで、大企業の役員が務まる筈はないのである。正確な人物評価をすべきだったのである。人物調査をしても分からなかったかもしれないが、結局は抜かりがあったことになる。

周りの役員もそれに対するそれなりの対応を取っておくことが必要であるとは、考えなかったのかな。補佐業務がなっていないと言う事。豊田章男社長が言えば、なんでも「はい、はい」と従う事はないのである。


結局、ジュリー・ハンプは米国駐日大使のキャロライン・ケネディと米国大使館の関与により、起訴猶予となり、2015.7.8釈放されるとそのまま成田からアメリカへ飛び立っていった。


(3)マツダとの提携は、うまくいっているのか。

トヨタとマツダの提携話は、このブログのNO.50(2016.6.10~)以降で扱っているので、すでにご承知のことと思う。2015.5.13に発表されたこの提携には、具体的な提携テーマがない。単に環境技術などで協力関係を築くと言ったものであった。

トヨタとマツダは以前からそれなりの交流がある。

1990年    トヨタ社員によるマツダ防府工場見学。テストコースに案内される。  
2004年2月、トヨタのG-BOOKをマツダに提供することを決めている。また、
2010年3月には、トヨタのハイブリッドカーの技術を、マツダに供与することを決めており、
2012年11月には、マツダのメキシコ工場からデミオセダンをベースにしたモデルを、北米専売ブランドのサイオンに供給することを決めている。サイオン・iAと言う名称で2014年から年5万台ペースで供給される、と発表している。序に続けると、
2014年7月、豊田章男社長、マツダ防府工場見学。テストコースで接待される。
2015年5月、トヨタ・マツダの包括業務提携発表。

しかしこのサイオンブランドも、寄る年波には抗えず、2016年で廃止されると言う。そして2017年からはトヨタブランドに順次変更されると言う。デミオセダンはどうなるのであろうか。



トヨタ、米サイオンブランドの廃止を発表…13年の歴史に幕
2016年2月4日(木) 07時00分


トヨタ自動車は2月3日、米国の若者向けブランド、「サイオン」を廃止すると発表した。

サイオンブランドは、2003年に米国に設立。販売のピークは2006年で、年間17万3034台を売り上げた。以後、販売は減少傾向。2015年は、5万6167台にとどまっていた。

サイオンブランドの顧客の平均年齢は、36歳。トヨタによると、米国の自動車ブランドの顧客の年齢層としては、最も若いブランドであり続けてきたという。ブランド立ち上げから13年間の累計販売台数は、109万2675台と、100万台を突破。全体の70%の顧客が、トヨタ車は初めてで、全体の50%の顧客が35歳以下など、若い顧客へのアピールに一定の効果があったと、トヨタは分析する。

現行のサイオンラインナップは、2016年8月に導入する2017年モデルから、順次トヨタブランド車に変更。既存のサイオン車の顧客については、トヨタの販売店でサービスなどが受けられるよう、対応していく。

北米トヨタのジム・レンツCEOは、「これはサイオンにとって、後退ではない。トヨタにとって、前進だ」と述べている。 《森脇稔》
http://response.jp/article/2016/02/04/269110.html


サイオン・iAは、トヨタブランドになった時2017年には「ヤリスiA」として売られることになると言う。
即ちヤリス(日本名・ヴィッツ)には、5ドア・ハッチバックのほかに、4ドア・セダンが追加されたとすればよい、と言う事である。

と言う事はデミオセダンをサイオンiAから、そのまま「ヤリスiA」として売るのか疑問のあるところであるが、マツダのメキシコ工場を作るときにトヨタはその資金の一部を負担していることから、そんな形となってゆくのではないのかな。

この件もマツダのメキシコ工場からブラジルに輸出する予定が、ブラジルの都合で輸出できなくなってしまったところへ、ある意味トヨタが手を差し伸べたものとも言えるものであった。

このサイオンiAの行く末がどんな形になるのかは知らないが、トヨタとマツダの関係はうまくいっているのか、疑問のあるところであると言った論調も見受けられる。

そもそもこの提携話は、トヨタとマツダの付き合いから生じたものではあるが、どちらから持ち掛けたかと言うと、どうも「マツダが持ち掛けた」と言う事らしい(週刊ダイヤモンド、2015.10/10)。

(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・次世代エコカー・本命は?(118)

2016-09-28 00:00:00 | Weblog

「大学生の時に、GMの工場のモーター組み立て部門で半年間のインターンを経験して入社を決めたと後に語っています。父は自動車販売会社に入り、郵便係から副社長まで上り詰めた人物。ミシガンの無名大学出身の彼女も同じ道を歩むのです」(ニューヨーク在住の日本人記者)

 ハンプ氏は、パーツ組立工場に配属され、工場見学ツアーのガイドや、企業PRビデオの制作などを担当する。六年後には工場のコミュニケーション部門の責任者に昇格し、広報の専門家として頭角を現していく。

「GMでは南米、中東、アフリカの最高広報責任者(CCO)を経て、GMヨーロッパの副社長になり、スイスのチューリッヒに赴任していたこともあります。語学はスペイン語が堪能。アメリカ国内も含め、十度以上引っ越しています。グローバル企業で評価される世界各地の経営の経験を積んだ上で、ペプシコに移籍した。CCOとして、人々が健康に生きていけるように、との目標を打ち出し、自社製品からナトリウム、脂肪分、砂糖の使用量を減らす自然派の経営方針を打ち出しました」(同前)

 二〇一二年CCOとして、北米トヨタに移籍する。そして、今年(2015年)四月、複数の候補の中から、本社役員に抜擢されたのだ。
「彼女は先輩や同僚に気をつかえて、周囲にいる人を鼓舞するのがうまい。彼女自身は非常にエネルギッシュで、仕事の結果に対する情熱と、あくなき勝利への意欲にあふれています」(トヨタ関係者)

アキオの心を奪ったみたい

 ハンプ氏の存在は、北米トヨタに入社した直後から、豊田氏の目にとまっていた。彼女が「アキオの心を奪ったみたいなの」と後に米誌で振り返る出来事が起きたのは、ワシントンでの朝食会議

 ドイツのニュルブルクリンクで開かれるカーレースが話題になったときだった。彼女は、キャデラックで、このコースを走ったことがあった。
「コーナーを曲がって、トップに立った時、見えたのは空だった。そのとき、左に曲がったか、右に曲がったかも分からない状態だったの」

 レースを振り返るハンプ氏に、豊田社長は一瞬息をのんで、こう聞き返した。
君、ニュルブルクリンクを走ったことがあるの?

 このコースは、レース好きなら、誰もが知る“聖地”だ。「モリゾウ」の名前でレースに参加するほどのクルマ好きで知られる豊田社長に、ハンプ氏は強い印象を残した。

 こうして叩き上げのハンプ氏はセレブの仲間入りを果たしたのだ。

「二〇一二年八月には、ロサンゼルスのマンハッタン・ビーチに三階建ての邸宅を約二億六千万円(三百二十三万ドル)で購入しました。敷地は約四百m?。この地域は、ロサンゼルスでも随一の高級住宅街として知られ、ハリウッド関係者やスポーツ選手が住んでいます。二年後に売却したときの価格は約四億六千万円でした。日本に赴任するまでは、テキサス州ダラスで勤務していましたが、ここの邸宅もダラスでは屈指の住宅街にあり約一億一千万円ほどの物件です」(同前)

 家族は二歳上で自動車業界で働く夫と、二人の娘がいる。ハンプ氏はツイッターに、娘の写真をしばしばアップしている。
「一三年八月には、娘のフロリダ州立大学の卒業祝いに、約八十万円のロレックスと高級シャンパンのクリスタルを贈っています」(同前)

 一方で、ツイッターのプロフィール欄には、女優キャサリーン・ヘップバーンの「全てのルールに従っていたら、全然楽しくない」という言葉を載せるなど意外な一面も見せる。
「彼女はジミ・ヘンドリックスのファン。また、ドラッグ文化の旗手であるハンター・トンプソンの名言をリツイートしている。彼女が住んでいたロスのマンハッタン・ビーチはサーファーにとっての憧れの海であり、西海岸のセレブには、ドラッグなどのヒッピー文化に理解がある人も多いのです」(同前)

 北米トヨタ時代には、当時世界中で流行していたALS(筋萎縮性側索硬化症)を支援する「アイス・バケツ・チャレンジ」に挑戦した。

 彼女は、トヨタの燃料電池自動車(FCV)をバックに、「エンジンから排出された水をこれから私がかぶるバケツに入れます」と語って、氷水をかぶって見せたのだ。

 日本に赴任した彼女の住まいは、六本木の超高級ホテルだった。
「安倍首相が年末年始を過ごすことで知られます。スタンダードルームでも一泊七万四千円。一カ月で、二百二十万円を超えます」(経済部記者)

 常務役員となったハンプ氏は、渉外・広報本部副本部長として、百四十名の広報部門を率いた。

「彼女は、日本語が話せないため、社内での会話は英語。帰国子女で英語を話せる若い男性部員が、通訳を兼ねて秘書についていました。『十分間ミーティング』と称し、できるだけ、部員と直接コミュニケーションをとろうと、ゆっくりとした英語で話していました。広報部の宴席では、食事に手を付ける余裕もないほど、各テーブルをまわっていましたね。服装はダーク系のスーツで地味。家族のことは気にかけていて、しょっちゅう電話していました。ご主人も秋に来日するはずでした」(トヨタ社員)

 突然の逮捕劇にトヨタ社内では、驚きとともに同情的な声が多いという。逮捕当日にトヨタが出したコメントからもそれは窺える。
〈今後の捜査を通じてハンプ氏に法を犯す意図はなかったということが、明らかにされると信じています〉

 翌十九日午後五時、トヨタ東京本社の地下一階の会見場で、豊田社長は約二百人の報道陣を前に、こう切り出した。
「ハンプ氏は私にとってもトヨタにとっても、かけがえのない大切な仲間でございます」

 そして、「従業員は私にとって、子どものような存在です。子どもが迷惑をかければ謝るのは親の責任」と続け、「ハンプ氏に法を犯す意図はなかったと信じています」との言葉を四回繰り返した。

 危機管理コンサルタントの田中辰巳氏は、豊田社長が迅速に会見を開いたこと自体は、評価しつつも、内容には疑問を呈す。

『仲間』と言ったことで、お友達経営との印象を与えてしまった。身内をかばう気持ちを乗り越え、公の場では、厳しくするのがプロの経営者です
 別のトヨタ関係者も語る。

「社長の会見については、広報部門の役員も含め、社内で反対意見もあったが、豊田社長が『自分の言葉で説明したい』と押し切った。今後、社長が会見するハードルが低くなりかねません。通常、社員の不祥事に対しては、『捜査には全面協力する』と書面で出して、捜査の行方を見守るのがセオリー。刑事事件にもかかわらず、『信じる』とのコメントには驚きました

「麻薬だと分かって輸入」

 ハンプ氏が密輸したとされるオキシコドンは、セレブの間で中毒者が増えており、アメリカで社会問題化しているという。薬物依存更生施設「東京ダルク」の近藤恒夫氏が解説する。
「もともとは末期ガン患者に使用される鎮痛剤で、医療用麻薬です。モルヒネが効かない患者に使われるため、相当強く、乱用すると多幸感と陶酔感が得られ、抜け出せなくなります。医者の処方箋があれば手に入るので、医師にパイプのあるエリートやセレブを中心に、乱用が広がっています。〇九年に亡くなったマイケル・ジャクソンも、オキシコドンの依存症でした」

 近年は中年女性の中毒者が急増しているという。米国事情に詳しい小森榮弁護士が話す。
「女性の社会進出に伴い、家庭では良妻賢母、会社では有能なビジネスウーマンと、完璧を求めるあまりに慢性的なストレスや疲労を抱えてしまう。そのため、あっという間に依存してしまうのです。米国では医療用麻薬への取り締まりが緩く、末端の使用者は、警察から警告を受ける程度で、逮捕されるケースは少ない」

 ハンプ氏の抜擢から三カ月たらずで、思わぬ躓きを見せたトヨタのダイバーシティ経営。女性活用やガバナンスコードなどの安倍政権の方針を受けて、トヨタに限らず各社とも、外国人や女性を経営陣に加える動きが加速しているが、日経新聞の論説主幹を務めた作家の水木楊氏は、その難しさについて、こう指摘する。

「単に外国人や女性を役員にすればいいとの安易な考えは失敗を招く恐れもあります。企業が自らを世界にきちんと説明できるようになることが、本当の意味でのグローバル化です。特に広報は、自分たちの企業カルチャーを熟知していないと務まらない。

 日本には『李下に冠を正さず(★)』という言葉がある。今回の事件は、犯意の有無に関わらず、日本企業の役員としては失格です」
(★)実がなっている李スモモの木の下では実を取ると疑われないように、冠を直さない。疑わないようにすること。

 ハンプ氏は、現在は原宿署に勾留され、事情聴取を受けている。

 前出の捜査関係者は立件に自信をのぞかせる。

「薬物事案は、プライベートを知る人間でないとわからない。身近な人間に裏切られたと
いうことでしょう。彼女に関する確度の高い情報提供があり、それに基づいて捜査したところ、犯罪事実が確認された。ハンプ容疑者は、取調べに対して、麻薬だと分かって輸入したことをすでに認めている。強力なヤメ検弁護団を使って国外退去処分は避けたいと考えているようです」

 保釈後に、彼女は広報のプロとして、どう説明責任を果たすのだろうか。

「週刊文春」2015年7月2日号

http://9321.teacup.com/sinpo/bbs/1689
(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・次世代エコカー・本命は?(117)

2016-09-27 00:00:00 | Weblog

ジュリー・ハンプ氏はGMで活躍しペプシコへ引き抜かれた(?)逸材だったので、トヨタは安易に考え大した人物評価もせずに役員への登用を決めてしまった、と言った論評もある。


トヨタ役員逮捕、不可解な容疑者擁護から一転して辞任の謎 「いい加減人事」の代償
文=河村靖史/ジャーナリスト
2015.07.07

豊田章男トヨタ社長

 麻薬を密輸した疑いで逮捕された、トヨタ自動車初の女性役員ジュリー・ハンプ常務役員が、6月30日付で辞任し、トヨタ社内に衝撃が広がっている。

 ハンプ氏は麻薬であるオキシコドンの錠剤を入れた小包を米国から輸入したとして、6月18日麻薬取締法違反容疑で警視庁に逮捕された。日本を代表する大企業の現役役員が麻薬所持で逮捕されるという異例の事態を受け、逮捕翌日に東京本社で緊急記者会見した豊田章男社長は「ハンプ氏はトヨタにとってかけがえのない仲間」と、麻薬所持の容疑者を擁護したものの、水面下で捜査状況を探った結果、問題が長期化すると経営にも影響が及び、トヨタのブランドイメージ悪化は避けられないと判断。一転して辞任に追い込んだとみられる。

 ハンプ氏は米ゼネラルモーターズ(GM)などを経て2012年に北米トヨタの副社長に就任し、今年(2015年)4月トヨタ初の女性役員として広報を担当する常務役員に就任したばかり。外国人や女性の登用など人材のダイバーシティ(多様性)で遅れているとされるトヨタにとって、ハンプ氏の常務役員就任は「目玉人事」だった。特に、安倍晋三政権が「女性の活躍促進」を掲げる中で、日本を代表する企業であるトヨタが今春の役員人事で女性役員を登用することは至上命題だった。

「日本人の女性役員を登用した場合のやっかみを懸念した経営上層部が、外国人であるハンプ氏ならと安易に考え、たいして人物評価もせずに役員への起用を決めたようだ」(トヨタ関係者)
 
豊田氏はハンプ氏逮捕後の記者会見で「捜査を通じて法を犯す意図がなかったことが明らかにされることを信じている」と述べて容疑者を擁護。さらに「従業員は私にとって子供のような存在。子供を守るのは親の責任」とまで述べた。ハンプ容疑者を「トカゲの尻尾切り」のように辞任させると、今後の人材多様化に影響が及ぶためだ。


問題収束のために苦渋の決断

 しかし、6月23日には愛知県豊田市のトヨタ本社など3カ所に家宅捜索が入ったほか、新型車発表会見の中止が検討されるなど、事件をめぐる問題が経営にも影響を及び始めた。ハンプ氏は容疑を否認しており、問題の長期化による事態の深刻化を回避するため、トヨタはハンプ氏を「切る」ことで問題の収束を図る苦渋の決断を選択した。

 トヨタはハンプ氏の辞任届を受理した上で、「世界のどこでも社員が安心して働き、活躍することができるよう、改善すべき点はしっかりと改善した上で、『真のグローバル企業』を目指し、国籍、性別、年齢などにかかわらず、多様性を尊重し、適材適所の考え方に基づいた人材登用を今後も進める」とのステートメントを公表した。

 それでも今回の事件を受けて、外国人や女性の起用に慎重にならざるを得なくなるのは必至。グローバル展開を加速しているトヨタだが、人材の多様化に向けて大きな試練を抱えることになった。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10633.html


ここにも書いてあるように、「日本人の女性役員を登用した場合のやっかみを懸念した経営上層部が、外国人であるハンプ氏ならと安易に考え、たいして人物評価もせずに役員への起用を決めたようだ」と言う事なら、トヨタの真のグローバル化は道遠しと言った感じだ。

GMやペプシコの関係者に確認するなどの方法もあった筈なので、そこら辺のやり方は現地では十二分に弁えた事だったのではないのかな、きっとそんなこともやっていなかったのではないのかな。

次の文を読めば「さもありなん」と感じるものである。



〈新聞・テレビが報じない〉麻薬密輸で逮捕
トヨタ抜擢 米女性役員〈ジュリー・ハンプ55歳〉の素顔

投稿日:2015年 6月25日(木)08時20分20秒

女性役員誕生のニュースは珍しくなくなったが、二兆円超の最終利益をあげる日本のトップ企業・トヨタで初の、しかも外国人役員となれば注目度は高い。そのジュリー・ハンプ常務の逮捕劇。罪状は麻薬取締法違反。人もうらやむエリートに何が起こったのか――。

 愛知県内の一軒家。インターホンを押すと、スラックスにランニングというリラックスした格好で、老人が姿を現した。奥田碩(ひろし)トヨタ自動車相談役(82)。トヨタ社長、日本経団連会長を歴任した財界の大立者だ。
――ハンプさんの件について、率直な感想は?
「よくわからん。時代が変わったから、十年前と今と価値観が違う。世界も違うし、日本も違う。環境はどんどん変わってくるから」
――豊田章男社長の会見については?
「最近は社会の事情が変わったからね。僕たちの時代とは違うからさ。謝罪してよかったんじゃないの。社会がそういう状況だから」
――今回の事件は、外国人登用のリスクか?
「それは、どこの世界でも最近は外国人と女性を昇格させようという流れだから、それはしょうがない」
――相談を受けたりは?
「ないですよ。聞かないから。相談役ってそんなもんですよ、ハハハ(笑)」

叩き上げでプロ経営者に

 六月十八日午前、トヨタ自動車のジュリー・ハンプ常務役員(55)が麻薬取締法違反(輸入)の疑いで、警視庁組織犯罪対策五課の捜査員に逮捕された。
「“普通のオバサン”という印象だったので、逮捕の一報を聞いて驚きました。さまざまなイベントに顔を出していましたが、ふんぞりかえって歩いていて、上司の役員より偉く見えました」(ハンプ氏と面識のある記者)

 逮捕容疑は、麻薬であるオキシコドンを含む錠剤五十七錠を密輸したというもの。警視庁担当記者が話す。
「六月八日に、ミシガン州からハンプ氏宛てに航空小口急送貨物で小包が発送された。届け先は、滞在するホテルで、内容はネックレスと記載されていた。六月十一日に成田空港の税関に到着しました。錠剤は、複数の袋やケースに分けて、荷物の底に入っていた。薬物事案にしては、認知してから摘発まで時間が短い印象です。逮捕の二日前には、株主総会がありましたが、警視庁としては、そこに配慮した上で、自信を持って、逮捕に踏み切ったのでしょう」

 捜査関係者が、その経緯を明かす。

「税関と警視庁による共同捜査の成果です。通常、税関で無作為に荷物を薬物検査し、事件を摘発することはない。それだけで摘発されるなら、悪意を持った送り先が、受取人を逮捕させることも可能になる。今回はアメリカから、日本の税関への情報提供があり、CCDという捜査手法を用いて、ハンプ氏が荷物を受け取ったのを確認して、逮捕しました」

 元東京税関長の志賀櫻弁護士が解説する。

「CCDとは、クリーン・コントロールド・デリバリー。おとり捜査に似た手法で税関はよく使います。通関の段階で、情報があれば、麻薬犬もいるし、X線も通すので、麻薬が入っているかどうかはほぼ分る。認知しても、そこで摘発するのではなく、見張って(コントロールド)、受取人のところまでデリバリーさせる。その上で逮捕するのです」

 米国人のハンプ氏は、四月にトヨタ初の女性役員に抜擢されたばかり。日本を代表する企業での女性登用だけに、海外でもこの人事は報じられた。
〈トヨタが初めて女性を幹部に登用し、新たに自動車メーカーのガラスの天井が破られた〉(米紙「デトロイト・フリー・プレス」三月二十二日付)

 日刊自動車新聞の野元政宏氏の解説。

「四月の人事は、安倍政権が推進する女性活用方針もあり、女性の役員誕生は必須でした。日本人か、アジア人か、欧米人か、発表まで注目されていたのです」

 ハンプ氏は、米ゼネラルモーターズ(GM)から米ペプシコを経て、一二年六月に北米トヨタに入社した。

 昨年十月には、女性の社会進出を応援する米NPO「フェミニスト・プレス」で、「自動車業界における女性経営者の草分け」に選ばれた。企業の経営陣を渡り歩くエリート女性経営者だが、その経歴をたどると別の顔が見えてくる。

 一九五九年、ハンプ氏はニューヨーク州クイーンズ地区で生まれた。ミシガン州に移り、州立大学でコミュニケーションを専攻し、同州のデトロイトに本社があるGMに入社した。

(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・次世代エコカー・本命は?(116)

2016-09-26 00:00:00 | Weblog

まあ結局は自動車屋とIT屋との肌が合わなかったと言う事、ではなかったかな。但し、これからはAIに代表されるように、ITなどのソフトウェアの比重が想像以上に高くなってゆくものと思われるので、トヨタとしてもそれへの対応に乗り遅れないようにしなければならない。グーグルからの提携話を断ったのも、ハードウェアとしての自動車が、単なるソフトウェアのVersion upの対象となりかねない恐れがあったためだったと聞いたが、ここは敢えてAIなどのソフトウェアを従えるくらいの研究開発力を発揮して貰いたかった、と言うところが小生の本音であった。


(2)初めての女性役員、ジュリー・ハンプに関わる蹉跌

Julie Hamp氏は、昨年の3月4日付の役員人事で、4月1日付でトヨタの新任の常務役員となっている。トヨタで初めての女性役員であった。


役員体制の変更および役員人事について
平成27 年3 月4 日 トヨタ自動車(株)


当社は、平成27 年3 月4 日開催の取締役会において、役員体制の一部変更を決議し、役員人
事を内定しましたのでお知らせいたします。
本件に関する詳細につきましては、別紙プレスリリースをご参照ください。
以 上


▽4 月1 日付 役員の変更

1.新任専務役員(5 名)

氏 名    現役職
河合 満   技監
宮内 一公  常務役員
水島 寿之  アイシン精機㈱ 代表取締役副社長
永田 理   常務役員
友山 茂樹  常務役員

2.新任常務役員(10 名)

氏 名    現役職
高見 達朗  常務理事(ユニット生産技術領域 領域長)
中嶋 裕樹  常務理事(製品企画本部 エグゼクティブチーフエンジニア)
Julie Hamp * トヨタ モーター ノース アメリカ㈱ Group Vice President
磯谷 健   第1トヨタ企画部 主査
河本 二郎  ㈱トヨタマーケティングジャパン 取締役副社長
槇 祐治   経理部 主査
宮崎 洋一  第1トヨタ企画部長
小川 哲男  中国部長
奥地 弘章  ㈱デンソー 常務役員
Christopher P. Reynolds 米国トヨタ自動車販売㈱ Group Vice President
… 初の女性常務役員
(以下略)
http://app.fisco.jp/data/brand/7203/TDNET_PDF/140120150304403898.pdf


ジュリー・ハンプ氏は、ミシガン州立大学を卒業してGMに入社、主に広報を専門として頭角を現し南米・中東・アフリカの最高広報責任者COOとなり、一時GM欧州の副社長となる。その後ペプシコに移籍し、2012年には北米トタにCCO(Chief Content Officer)として移籍してきた。

CCOとはコンテンツに関する最高責任者で、比較的新しい役職のようだ。


A chief content officer (CCO) is a corporate executive responsible for the digital media creation and multi-channel publication of the organization's content (text, video, audio, animation, etc.)
ウィキペディアによると、「企業が持つコンテンツのデジタルメディア化とマルチチャンネルでの展開の責任者」です。
https://blog.sixapart.jp/2014-04/chief-content-officer.html

まあ平たく言うと、企業広報の総合編集責任者と言ったところ、と考えていればよいのかな。

https://innova-jp.com/ownedmedia-cco/によると、「
企業がマーケティング目的で情報を発信していく場合、これまでのような通り一遍のニュースリリースや広告コピーや商品説明文では情報の海に埋没し、消費者は相変わらず見向きもしないでしょう。ここでは、企業側ではなく、受け取る消費者の立場に立ったコンテンツの制作がカギとなってきます。そのためには、ジャーナリストの様に重要な出来事を伝えたり、エンタメ雑誌の編集部の様に、純粋に面白いネタを追及したりする、メディアの感性をもってコンテンツ制作を行う事が必要です。」と書かれているので、

如何に企業のことを消費者に広報していくか、と言うことの重要性が増してきている、と言う事なのか。

単に商品の説明・PRではなくて、企業そのものの活動やそのもととなる企業理念などを消費者にうまくつたてえて、商品だけでなく企業や企業を経営する役員はじめ社員達までもが信頼に足る存在だと思わせることが重要になってきていると言う事なのでしょう。

そのJulie Hamp(ジュリー・ハンプ)氏が、就任3ヵ月後の2015.6.18に「麻薬取締法違反容疑」で、警視庁に逮捕されてしまったのだ。



【トヨタ女性役員逮捕】目玉人事が一転…逮捕前日に本格デビューしたばかり 常勝トヨタに衝撃走る
2015.6.18 19:15

麻薬密輸容疑で逮捕された、トヨタ常務役員のジュリー・ハンプ容疑者=4月3日、名古屋市

 麻薬取締法違反容疑で18日、警視庁に逮捕されたトヨタ自動車常務役員のジュリー・ハンプ容疑者(55)は今年2015年4月女性初の役員に就いたばかりだった。女性や外国人の登用を進める“目玉人事”として抜擢(ばってき)されたハンプ容疑者の逮捕は、トヨタの企業イメージにも打撃を与えそうだ。

 ハンプ氏は米国出身でゼネラル・モーターズなどを経て平成24年6月にトヨタの北米子会社に入社し、副社長に就任。今年4月、女性初の役員として本社の常務役員に就き、広報部門のトップを務めていた。

 4月の就任会見では「身が引き締まる思いで、役割を託されたことにわくわくする」と述べ、「トヨタの女性活躍の一翼を担いたい」と意欲を示していた。

 逮捕前日の今月17日には、初の外国人副社長になったディディエ・ルロワ氏の就任会見に同席。冒頭でルロワ氏の人となりを紹介するなど、「広報担当役員としての本格デビュー」(トヨタ関係者)を果たしていた。

 トヨタの広報は産経新聞の取材に「現在、状況を確認中」としている。
http://www.sankei.com/economy/news/150618/ecn1506180039-n1.html
(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・次世代エコカー・本命は?(115)

2016-09-23 00:00:00 | Weblog

(1)テスラとの資本提携は、それほどメリットはなかった。

この件は小生のブログ「番外編・プリウス急加速問題」(NO.41~、2010.5.28~)や(2011.4.21、N.80)でも取り上げているので参照願いたいが、オバマに顔を立てたこの提携も、結局は2014年末に終わっている。2014年末と言えば、その12月15日に、トヨタは燃料電池車「ミライ」の発売を開始している。FCVをものにしたので、トヨタはテスラの電気自動車などに頼る必要もなくなったわけで、「燃料電池は馬鹿電池」などとイーロン・マスクに馬鹿にされてまで提携をしてゆく必要は更々無くなってしまったのである。

この辺の話も小生のブログ「次世代エコカー・本命は」(NO.10~、2014.12.8~)や(NO.58、2015.2.18~)を参照願いたい。

まあこの提携で、豊田章男社長はイーロン・マスクから電気自動車のテスラ「ロードスター」を贈られている。国際C級ライセンスを持っている豊田章男社長が喜んだことくらいが、メリットと言えばメリットであった。





トヨタ豊田社長、テスラ ロードスター をプレゼントされて予定外のパフォーマンス
2010年11月13日(土) 11時30分




トヨタ自動車の豊田章男社長は(2010年11月)12日、提携先の米電気自動車メーカー、テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOから、最新のスポーツタイプの電気自動車『ロードスター2.5』をプレゼントされた。

その贈呈式がテスラのアジア1号店(東京・南青山)で行われ、マスクCEOは「テスラとトヨタの今後一層の発展を象徴するもの」と挨拶。豊田社長は「ナンバーが最初に会った日と同じで、これもまたいいストーリーになる。右ハンドルになっているのも光栄で、色もいい。私のヘルメットと同じ色」と笑顔で応じた。

しかも、このプレゼントがよほど嬉しかったのか、早速試乗。会見が行われる道路反対側の「レクサス青山店」までマスクCEOを乗せて運転するというパフォーマンスを披露した。ただ、このパフォーマンスは当初予定に入っていなく、回りのスタッフを慌てさせる一幕もあったそうだ。

いずれにしても、この日の豊田社長は終始笑顔で、会見後の囲み取材も十分取るというサービスぶりだった。

http://response.jp/article/2010/11/13/147945.html



トヨタ、テスラと電撃提携、EV挽回に隠れた“真意”
次ページ »
2010年06月04日


電光石火の提携劇だった。米国時間の5月20日夕。トヨタ自動車と、電気自動車(EV)の開発で有名な米ベンチャー企業のテスラ・モーターズが、資本・業務提携を大々的に発表した。

カリフォルニア州パロアルト市のテスラ本社で会見に臨んだのは、豊田章男社長とテスラのイーロン・ムスク会長兼CEO、さらに同州のシュワルツェネッガー知事だ。「今後とも米国でのよき企業市民でありたい」。豊田社長は挨拶の中で、州や米国政府への気配りを忘れなかった。

提携の中身はこうだ。トヨタはテスラに対して、総額5000万ドル(約45億円)を投じ、2・5%程度の出資比率を獲得。事業面ではEVや関連部品の共同開発・生産も視野に協議を進める。うちテスラは、トヨタと米ゼネラル・モーターズとの合弁工場だったNUMMI(今年4月閉鎖)を一部買収し、生産拠点にするという。

2003年にテスラを設立したムスク会長は、ロケット打ち上げ会社・スペースXのCEOなども務める、まだ38歳の起業家である。かねて関心のあった豊田社長が4月に訪米し、2人はすぐに意気投合わずか1カ月で交渉がまとまったようだ

もっとも、華々しく話題が先行した提携の中身を見ると、単なる事業面での損得を超えた、企業間のさまざまな思惑もまた浮かび上がる。

「テスラは2世代前の古い技術。トヨタ側がもらう技術はあるのか」と冷ややかに分析するのは、アドバンスト・リサーチ・ジャパンの遠藤功治ディレクターだ。

テスラが08年に鳴り物入りで投入したのが「ロードスター」である。価格は日本円で1000万円以上。それでも俳優のジョージ・クルーニーらセレブの人気を集め、20カ国もの富裕層に1000台超を売り切った。4月には日本での受注も開始した。

しかし、EVの心臓部である電池については、テスラ自身が開発したわけではない。

テスラの技術は未知数

ロードスターに積まれているのは、パナソニックの社内分社・エナジーから調達したリチウムイオン電池だ。しかも車載用の大型電池でなく、ノートPCに使われる円筒型の民生用電池である。EVの弱点だった充電1回分の走行距離では、380キロメートルとガソリン車並みを確保。これはコストの安い小さな電池を6800個も並べたためで、開発思想が自動車メーカーのEVとは、根本的に違う。

「多くの電池をつなぐ技術にテスラ独自の発想や手法がある」とトヨタ幹部は評価する。ただトランク下に大量の電池を積めば、重量は重くなり空間も狭くなる。12年量産の「モデルS」は走行距離などで進化し、価格も500万円以下とされるが、普及レベルに達したとはいえず、テスラの技術力も未知数だ。

今年末にもEVを発売する日産自動車などに比べ、12年投入と出遅れていたのがトヨタ。「これですぐにキャッチアップできる」と礼賛するにはやや早計かもしれない。

「わざわざトヨタの社長が米国で会見したのは政治的な要素もある」。そう指摘するのは自動車情報誌『ニューモデルマガジンX』の神領貢・編集長だ。

年内、早ければ6月にも、テスラは米国での上場を控えた身。独ダイムラーに続き、「世界のTOYOTA」の後ろ盾を得たのは、株価形成にまたとない好条件だろう。

一方のトヨタにしても、EVの生産でNUMMIが活用されれば、雇用や納税で地元に貢献できる。閉鎖で一時解雇された4500人のうち、1000人近い元従業員を再雇用する構想もある。折しも提携発表当日は、トヨタのリコール問題で米議会下院の公聴会が開催された日。トヨタ・バッシングの再燃を緩和する効果として、今後も決して小さい材料とは言えない。

自動車業界の巨象とアリとが手を組んだ、今回の電撃的提携。生産や技術といった「本筋」の部分とは別に、その“副次的効果”にも目を向ける必要がありそうだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/4383?page=2
(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・次世代エコカー・本命は?(114)

2016-09-22 00:00:00 | Weblog

それともすでにそのような形に切り替わっているのかも知れない。

トヨタは2016.3.24月18日付での組織改正人事異動を発表している。

豊田章男社長は、新体制に向けて「組織改正は『ソリューション』ではなく、『オポチュニティ』である。皆で力をあわせ、この新しい体制を『もっといいクルマづくり』と『人材育成』を促進する『オポチュニティ』にしていきたい。この組織改正を将来の正解にするのも、間違いにするのも私たち自身である」と述べて、早速、相談や決済の役は、専務や副社長などの上級役員達に卸している。さすがやることが早い。

1,000万台の壁をこの組織改正で打破しようとしている、と思われる。即ち、商品・製品企画、開発・設計、生産技術、生産管理、製造などの縦割りだった機能管理を、カンパニー制として車種別にすべて割り振ってしまった。この車種別カンパニーに、これらのすべての機能を分割して割り振ったのである。だから車種別カンパニーでは、製品企画から製造まで一気通貫で仕事が出来るようになったのである。車種別に生産会社(カンパニー)が出来たようなものである。

当然その会社(カンパニー)には、社長が存在することになる。これを「プレジデント」と呼んでいる。
即ち、豊田章男社長は、各プレジデントに社長の権限を委譲したのである。

そして豊田章男社長の仕事と言えば、当然各プレジデントの統括とそこから見える将来への考察、となる訳である。その表れが、「決済」から「相談」への社長室の在り方が変わっていったことなのではないのかな。平たく言うと、こんな形で「もっといいクルマを作ろうよ」と言う事なのである。


このトヨタの2016.4.18付の組織改正の具体的な概略を述べると、次のようになろう。

(1)先に述べた機能には、販売・調達・人事などの機能が含まれていない。いわゆるモノづくりの機能を中心に話したが、販売機能は車種別に分けずに地域別に、第1トヨタ第2トヨタと2つに分けた組織が担当している。
       
1.第1トヨタ-(President)ディディエ・ルロワ副社長58才ルノーから1988年にトヨタMmanufacturing Franceに入社し、現在欧州トヨタの社長兼CEO、欧州トヨタの立て直しに貢献。2012年には、トヨタ本体の専務役員・欧州本部長に就任している。そして初の外国人副社長となる。    
    先進国・北米本部、欧州本部、アフリカ本部、国内販売事業本部

2.第2トヨタ-(President)小寺信也常務役員54才、常務ながらプレジデントに抜擢
    後進国・中国本部、アドア・中東・北アフリカ本部、東アジア・オセアニア本部、中南米本部

(2)モノづくりの各機能を車種別に割り振って、カンパニー制としたものは、以下の7つのユニットである。中短期のモノづくりを担当する。以上の(1)(2)がいわゆる9つのビジネスユニットである。

3.Toyota Compact Car Company -(President)宮内一公専務役員59才、北米での経験豊富
     小型車・200万台規模、アクア・ヴィッツ・カローラ、トヨタ自動車東日本(株)

4.Mid-size Vehicle Company -(President)吉田守孝専務役員58才、
     乗用車・500万台規模、クラウン・カムリ・プリウス

5.CV Company-(President)増井敬二専務役員61才、欧州担当が長い
商用車・250万台規模、ランドクルーザー・ノア/ボクシー、トヨタ車体(株)

6.Lexus International Co.-(President)福市得雄専務役員64才、転籍先から復帰、デザイン畑
      レクサス・60万台規模、高級車

7.先進技術開発カンパニー-(President)伊勢清貴専務役員61才、
      自動ブレーキ、自動運転、Chief Safety Technology Officer

8.パワートレーンカンパニー-(President)水島寿之専務役員57才、アイシン精機副社長よりトヨタへ      エンジン、トラスミッションなど

9.コネクティッドカンパニー-(President)友山茂樹専務役員57才、
      TOYOTA Gazoo Racing Factory(副本部長)、カーナビ、ネット対応

(3)ヘッドオフィッスとしては、中長期の商品企画や技術開発を担当する機能や人事、経理、調達などの機能が必要となる。これはいわゆる本社機能と言われるものであろう。以下の三つ。

10.コーポレート戦略部-(統括)寺師茂樹副社長61才、戦略副社長会事務局長
    TNGA企画部、商品・事業企画部、総合企画部

11.未来創生センター-(統括)加藤光久副社長63才、開発子会社より復帰、長期的研究開発
    豊田中央研究所を中心にグループの将来分野の研究を集約

12.全社機能-(統括)伊地知隆彦副社長63才、東和不動産社長より復帰
    購買、経理、情報、人事、生産管理 、Chief Financial Officer

(4)AI人工知能研究センター

13.Toyota Reserch Institute(TRI)-CEO(最高経営責任者)Gill Pratt氏
これについては、2016.8.15のNO.86~の当ブログを参照のこと。


以上今回の組織改正の主だった組織の体系を羅列してみた。一瞥してみると、なんとなく事業部制のような感じもするが、豊田章男社長の頭の中は、中長期の先を見据えているのであろう。

週間東洋経済」の2016.4/9号には、創業家出身であるがゆえに30年先を見越して経営をしている、と記述されている。これで「ライバルの嫌だと思うことをやればいい。数年先のことは他人に任せ、自分は30年先を見据えた経営をすればいい。」と考えているに違いないと記述されている。

燃料電池車「MIRAI」を発売したことや、米シリコンバレーにTRIを設立したことなどがその表れで、短期的な成果を求めていない。

この組織を眺めると、7.先進技術開発カンパニー9.コネクティッドカンパニーとの関係が少し気に掛かる。今はやりの「自動運転」などは将来の技術ではなくて、今の技術として扱っている、と思われるが、社会構造の変貌などを考えると明らかに未来の技術と言う性格も持ち合わせている。TRIがどのようにこれらの組織に絡んでゆくのか、見ものである。

それと同じことが、ヘッドオフィッスとビジネスユニットとの関係にも当てはまる。

各ビジネスユニットが自分最適で経営をしてゆくと、全体最適にそぐわない事態を招くこともあり得るのではないのかな。そこで、ヘッドオフィッスビジネスユニットとの調整問題が発生してくる。社長を含む上級役員の腕の見せ所となろう。

同じことはビジネスユニット間でも起こり得ます。即ち第1、第2トヨタ車両カンパニーパワートレーンカンパニーとの間の関係だ。この3カンパニーは後工程と前工程の関係となる。車両カンパニーはユニットカンパニーからエンジンや、トランミッションを買い、全社機能が決めた人材や部品を調達して車両を生産して、第1、第2トヨタに完成車両を売ることになる訳だ。第1、第2トヨタは、各カンパニーから買った車両を、お客さんに売ることになり、当然競争社会ですから、その車両が他社の車両との競争にさらされることになる。当然各カンパニー間やヘッドオフィッスとの関係はドライにならざるを得ない。

如何にその間のコミュニケーションをうまくやるかが、今まで以上に問題となるでしょう。ある意味責任の所在がよりはっきりして、その点、やりやすくなることもあるかもしれないが、まあこれは永遠の課題なのでしょう。

これは偉大な実験なのである。その調整にいちいち社長が引っ張り出されていては、本末転倒となる。プレジデントの腕の見せ所となるでしょう。その結果次の社長候補が決まってくるものと思われる。

まあこれまでは各車両と各機能との掛け算で、調整作業が(理論上)あったことになるのであるが、これからはそれは車両カンパニーやパワートレーンカンパニーのプレジデントが行うことになる。今までの社長の役割だったものが、各プレジデントに卸されたことになる。

この組織改正の目的の三つ目に、次期社長候補の育成があると記述されている。まさにその通りなのでしょう。これも豊田章男社長発案なのではないのかな。

目的の一つめが一千万台に対応した体制作り二つ目が機能別組織の再編による活性化となっている。


この組織改正は豊田章男社長のアイデアを、社内のしかるべき部署・組織でしっかり煮詰めて具現化している筈なので、社長が常に調整役のようなことはないであろう。

得てして豊田章男社長の発案した事案に関しては、衝動的なもので実を結んでいないものもあった。

2010年にテスラと(衝動的に)提携した事業は、トヨタの大企業病を治すために仕事のやり方をベンチャーのテスラに学ぶためのものであったようだが、その後提携を解消して日の目は見ていない。
(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・次世代エコカー・本命は?(113)

2016-09-21 00:00:00 | Weblog


ピストンの横にあるのがピストンとコンロッドをつなぐピストンピン。この内部に入っている部品が「ナチュラル・サウンド・スムーザー」。イメージとしては、ピストンピン内部で鳥の羽のように両サイドが上下に揺れて、ピストンの振動をダンパーの振動で打ち消す制振装置の役割を果たす。これにより共振レベルが最も高い3.5kHz付近の振動が、約半分の数値に下がったという。今回のマイナーチェンジで2.2リッターのディーゼルにもこの機構が搭載されている

F:一方の周波数コントロールとはどういうものなんでしょうか

森:ノック音が出ている要因を分析していく中で、例えばピストンやコンロッドが共振しているときに、この力の発生源をコントロールできないかと思ったわけです。ディーゼルエンジンというのは3~4回にわけて燃焼しているので、その1つ目の燃焼と2つ目の燃焼の間隔を広げると、周波数の山とか谷の出方が変化することがわかったんです。この燃焼の特性を1つ1つ紐解いていってちょうどいい場所を探しだしたというわけなんです。


F:なんとも気の遠くなるような…。欧州のディーゼル車も最近は静かになってきましたけど、彼らは制振材とか防音材とかでなんとかしている気がします。こういう技術って初めて聞いた気がします

森:どちらの技術もマツダが特許を申請しています。

F:さすがです。スカイアクティブ以降、マツダってエンジンしかり、Gベクタリングコントロールしかり、既存技術を革新するメーカーって感じですね。ところで、ここで少しディーゼルに関する一般的な話を聞かせてください。いまやマツダは日本を代表するディーゼル乗用車メーカーです。一方でディーゼルに対してネガなイメージを抱いている方も多いと思うので、あらためてその良さを教えていただけると。

森:現行のユーロ6やポスト新長期規制というのは、いまやガソリンと同等かそれ以上の厳しい規制になっています。ひと昔まえはたしかに煤の問題などもありましたが、いまやDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)を通り抜けることはありません。それこそガソリンターボ車には、ごくわずかですがまだ煤が出ているものもあります。一方でディーゼル車でマフラーに白いハンカチをかぶせてまったく煤がつかないというデモンストレーションをやりますが、いまのディーゼル車ではそのレベルが当たり前なんです。

F:そうなんだ。最新のものはそこまできれいだと。一方でCO2排出の面ではどうなんでしょうか

森:CO2は燃焼効率の問題なので、ガソリンと比べてディーゼルのほうが明らかに少ないです。燃費だっていい。日本車では軽油が安いですから経済的なメリットもあります

F:例えばDPFの耐用年数はどうなんですか? 10年10万kmくらいは保証されるのでしょうか

森:その程度では壊れるようなことはありません。いま細かな数字は手元にありませんが、その倍の20万km以上の走行テストをして性能確認をしています。ちなみに先ほどのナチュラルサウンドスムーザーも、永年保証です

F:いま欧州車が尿素SCRやNOx吸蔵還元触媒などを使って、排ガスをクリーンにしている中でマツダだけがデバイスに頼らず圧縮比をさげて規制をクリアしていますが、
今後はどうなっていくのでしょうか

森:そうですね、PMには触媒(DPF)を使っていますが、世界一の低圧縮エンジンができたことでデバイスに頼ることなくNOxをクリアすることができました。例えばSCRなどを使うと、それだけで数十万円というコストがかかります。お客様の手元にわたるときにはそれなりの額になってしまう。それでは皆さんに買っていただけないので意味がない。この低圧縮の技術があれば、例えばもっと大排気量でハイパワーなものを作りたいとなっても役に立ちます。そのときにはそういった先の後処置技術の組み合わせも含めて考えていこうと思っています。

F:今後はどんどんEV化が進むから、内燃機関の未来は明るくないんじゃないかという声もありますが、それについてはどう思われますか?

森:うちは会社の偉い人たちがよくそう言ってますけど(笑)、電池を作ることにだって燃料は必要なわけです。そこからちゃんと効率を比べて見るべきですよねと。もちろん将来的にEVは増えるとは思いますが、でも数年でガラッと変わるものでもなく、内燃機関の効率を高めていくことにだってまだまだ可能性があります。

F:確かに人見さん(現常務執行役員、スカイアクティブエンジンの父)もそうおっしゃってました。コロンブスの卵というか、いまのマツダの技術開発には驚かされることが多い。

森:いや、ほんといまは、フルモデルチェンジのタイミングで入れるような技術を出し惜しみしないで、できたものはその都度どんどん市場投入しています。正直に言うと、ほんとどこまでやるのって…。

F:既存技術の革命児として、今後も大いに期待してます(笑)


このコラムについて

フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

 この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつかりました。どうぞよろしくお願いします。
 なに、“考える”と言ってもそれほど大袈裟なことではありません。クルマはこれからどうなって行くのか。現在売り出されているクルマは何を考え、何を目指して開発されたのか。実際にクルマに乗り、開発者に会ってお話を伺い、販売現場からの声にも耳を傾ける……。ビジネスはビジネスとして事実をしっかりと捉まえた上で、もうちょっとこう明るく楽しくクルマを味わって行こう、というのがこの「走りながら考える」の企画意図です。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/194452/090100076/?P=5


このフェルディナント・ヤマグチ氏なる人物は自分の顔が写る場合には、必ずこのように変なお面を被っている。余程のイケメンとみえる。数多の女性に言い寄られて困った経験でもあるようで、それ以来このような面を被って出てくるようになったのではないかと、小生は推測しているが、豊田章男社長とのツーショットを撮る場合、どのような理由を章男社長に講釈したのであろうか。聞いてみたいものである。

豊田章男氏が目の前に座っている。
 連結売上高28兆4000億円の巨大企業の社長が。
 経常利益が3兆円に迫らんとする“あの”トヨタのトップが。
 年間1000万台以上も販売する、名実ともに“世界一”の自動車会社の総帥が。
 静かに微笑み、私の目の前に座っている。・・・・・などと感激している振りをしているが、実態は本当に感激しているのかと、勘ぐってしまう。


先に、「トヨタは本気で変わろうとしているのであろう」と書いたが、これでは正確な表現ではないと思われる。変わろうとしているのではなくて、「すでに変わっている」のである。「トヨタは変わった」これが正しい表現なのだ。

ご承知の通り「豊田章男社長」は、2009年6月23日の株主総会で代表取締役社長に就任している。既に7年が立っている。その間、豊田章男社長は数多くのトライアンドエラーを繰り返しながら、トヨタを変えていったものと思われる。

写真では仮面は被っているがF.ヤマグチ氏のインタビューはわかりやすい。豊田章男社長のそのままをうまく引き出している。トヨタが変わっていったのは、豊田章男社長のパーソナリティーによるところが大きいように見える。豊田章男社長の企業経営に対する真面目さが、役員をはじめ社員たちに自然と伝播していった様だ。豊田章男社長のところへは、専務や副社長などの上級役員達ではなくて、その下の(上級)管理職クラスの実務部隊が主に訪れるようになったことで、これで社長との意思疎通がすこぶるうまくゆくようになったことに起因するのではないのかな。

これは喜ぶべきことなのか、それともおかしいことなのか疑問の残ることではあるが、取り敢えずはうまくいっていると言う事で様子見と言ったところなのでしょう。

まあこれでは上級役員の役目は何か、と言った疑問もわいてくる。

豊田章男社長は「誰も決められないことを決める。そしてその決めたことの責任を取る。」と言っておられるので、ちゃんと何事も弁えておられるので心配はなかろうが、何事も社長に相談に来られても困るのではないのかな。多忙過ぎてしまう。少しづつでもその相談や決済の役は、専務や副社長などの上級役員達に卸してゆくことになろう。

(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・次世代エコカー・本命は?(112)

2016-09-20 00:00:00 | Weblog

社長室が「決裁」の場から「相談」の場に

「決裁ではなく相談だよと言い始めた瞬間に、この辺の人たちが直接社長室に来るようになった」(写真右はプリウス開発責任者の豊島さん)

豊:それで何が変わったかというと、今まではそれぞれの部署の肩書の高い人が私に了解を取りに来ていたんですね。例えば私にだったら、副社長とか専務とか、そういう人です。書類を持って、「社長。これお願いします」と。

F:どうしても仕組み上そうなりますよね。

豊:そう。「決裁」ならば仕組み上そうならざるを得ない。でも「相談」ならどうでしょう。相談だよと言い始めた瞬間に、この辺の人が直接社長室に来るようになった。

豊田社長は傍らに座るプリウスの豊島さんの肩をポンポンと叩いて、「なあ」と言った。
豊島さんは至極当然という風に元気よく「ハイ」と答える。

F:それで良いんですか。何というか、職位とか序列とか、会社にはそういうものが有るじゃないですか。特にトヨタのような大きな組織には。

豊:良いんじゃないですか。どんどんやって良いですよ。さっきの労使懇談会にしたって、実際に挨拶文を書いている人間が来るんですよ。書いている人が直接来る。そのほうがずっと良いじゃないですか。

F:確かに効率は良いのですが、その間の部長さんとか本部長さんとか、自分をすっ飛ばされて不快に思う人も出てくるのではないでしょうか。

豊:その辺が面白く無い人は居るでしょう。そうした方がスピーディーで上手くいく場合も有るし、そうで無い場合もある。多少時間は掛かりましたが、それでもやはり社長室が「決裁」の場から「相談」の場に変わったことは大きかった。

F:決裁から相談の場へ。なるほど。


「止めるのが私の仕事」

豊:公聴会の事を覚えていますか。

F:公聴会……あの、米国議会での公聴会ですか……?

豊:そうです。あの公聴会。

これまたセンシティブな話になって来た。
豊田社長はインタビューの途中で、突然2010年2月24日米下院監視・政府改革委員会に於けるリコール問題に関する公聴会のことを話題に出した。「全てのトヨタ車には、私の名前が付いている」と述べ、居並ぶ下院議員諸侯の前で腹を括って見せた、あの公聴会だ。
(注)この公聴会については2010.3.17~の当ブログ「番外編・プリウス急加速問題」を参照の事。

豊:あの時にはっきりさせたことが有ります。私の役割は何なのか。社長にはどんな役割があるのか。たったの二つです。ひとつ目は「最終的に誰も決められないことを決めること」。そしてもう一つが、「その責任をとること」です。

F:誰も決められないことを決める。そしてその決めたことの責任を取る。

豊:そう。それがリーダーの役割です。そして「誰も決められないこと」とは、得てして「やめる」ことです。何かをやろうとすること、何かを始めることは、放っておいても誰かが決めて行くものなのです。

 しかし長年やってきたこと、続けてきた何かをやめる決断をする事は誰にも決められません。自分の決定によって、誰かが困ったり傷付いたりする。そういうことを考えると、人は決断できなくなってしまうものなのです。

F:確かにそうですね。人から恨まれたくないですし、止めるのはできれば先延ばしにしたい。

豊:ええ。それでも止めるのが私の役割です。NUMMI(トヨタとGMが合弁で設立した自動車製造会社)もやめたし、F1もやめた。全て私が社長になってからの決断です。

F:レース好きの社長からすると、F1撤退は正しく断腸の思いだったでしょうね。

豊:NUMMIだってそうです。何しろ自分のいた会社ですから。ですが会社を生き抜かせるためには止むを得ない決断でした。自分自身が恨まれるとか、自分自身の立場がどうだとかいうことに構っている余裕もなかったのだと思いますね。当時は。

F:そういうことを積み重ねてこられて、「トヨタが変わり始めた」と社長ご自身が実感されたのはいつ頃からですか。ああ、何となくトヨタは自分がイメージする会社になってきたな、と思うようになったのはいつ頃からですか。

豊:いや、それは今でも別に実感はしていないですけどね(笑)

F:そうですか(笑)

 と、ここまで来てボチボチ会社に行く時間……という言い訳は今回通用しませんね(笑)

 これからロスに移動しますので、そろそろ切り上げないと飛行機の時間に間に合わないのです。何しろアメリカの荷物検査はやたらと時間が掛かりますからね。早めに空港に行かないと。

 今週は速いペースで連続でお届けしようと思います。
 それではみなさまごきげんよう。

「正直に言うと、ほんとどこまでやるのって…。」

こんにちは、ADフジノです

ついに念願かなって、豊田社長のインタビューが実現できました。このような怪しげなコラムが正面きって取材の場を得られるはずもなく、いろいろとあれこれ手をつくし、尽力くださったトヨタ広報部の皆様にこの場を借りて御礼もうしあげます。

ところで、数週間前のあとがきで、日本市場にディーゼル車が増え始めている現状について書いたところ、「欧州ではディーゼルによる大気汚染が問題になっているのに、ディーゼル車を勧めて良いのか?」というご意見をいただきました(詳細はこちらからhttp://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/194452/072900070/?P=5#articleReview)。

たしかにディーゼル車の割合が5割を超えるというロンドンやパリなどでは、一部車両の通行制限やロードプライシングなどを実施しています。都市部の渋滞緩和や大気汚染の減少が狙いですが、その理由の1つにはディーゼル車を普及させていくなかで、ガソリン車に比べて排ガスの規制が遅れていたという事実がありました。しかし、2000年以降、欧州の排ガス規制は以下のように変遷しています。

(単位:mg/km)

近年欧州では、ディーゼルの規制が一気に進み、例えばNOx(窒素酸化物)の排出量は15年前のおよそ6分の1にまで規制され、ガソリン車とほぼ同等にまでなっています。日本でも石原都知事時代のディーゼル車の黒鉛、煤に関する問題提起を機に、ディーゼルエンジンはもとより、硫黄分を除去するなど軽油そのもののクリーン化も進み、“クリーンディーゼル”という言葉も生み出されました。

いまや日本のポスト新長期規制は、ある部分ではユーロ6以上に厳しい排ガス規制といいます。したがって、ユーロ4や5までにしか対応していない車両がまだ多く走っている欧州と、現在はポスト新長期をクリアしたディーゼル車のみが販売されている日本とを一緒くたにしてしまうのは、少し事情が異なると思います。

このタイミングでちょうどマツダがアクセラをマイナーチェンジし1.5リッターのディーゼルエンジンを搭載したモデルを設定したというので取材に行ってきました。試乗インプレッションは1.5リッターディーゼルのデミオオーナーであるY田さんの先週のコラムを参考にしていただくとして、マツダのディーゼルエンジン開発のエンジニアにインタビューすることができたので、その模様を少しお届けします。

マイナーチェンジしたアクセラ。フロントやリアバンパーの形状が変更され、モデルチェンジ前よりも洗練された印象に。目力も強くなった

エンジン性能開発部主幹の森恒寛さん

ADフジノ(以下、F) 今度のマツダのディーゼルエンジンには「ナチュラル・サウンド・スムーザー」とか「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」とか、あまり聞いたことない技術が取り込まれているようなのですが、そもそもこれは何なのですか?

森さん(以下、森) ディーゼルエンジンはノック音をはじめ音がうるさいという課題がありました。この問題を解消すればディーゼルエンジンの魅力はもっと高まる。でも、1分間に何千回転もまわっているエンジン内部で、何が要因で音が起きているか当初はわかりませんでした

F:そりゃエンジン内部は見えませんよね。でも最近はセンサー類が発達しているから簡単に測定できると思いきや

森:いえいえ、そうはいきません。たしかにいろいろと計測していく中で要因は、シリンダー内部ではなく、クランクシャフトでもないとか、おおよその想像はついていたんです。でも決定的な証拠が見つけられない

F:それがどうして答えに辿りつけたのですか

森:われわれの開発チームに、偶然にも計測技術のプロがやってきたんです。どうにかして、音の原因を見つけられないかと唸っていたら「それなら測れると思いますよ」って、本当にできてしまった(笑)。なんとエンジンが稼働状態でパーツの振動や伸縮を計測できる測定装置を作ってしまった。そして、音の原因がピストン付近の共振にあることを突き止めたんです。
(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・次世代エコカー・本命は?(111)

2016-09-19 00:00:00 | Weblog

このように外部のジャーナリスト達も、トヨタが変わったと言う印象を持っているようだ。ここでジャーナリスト達と複数で表現したが、次のインタビュー記事も読むとよい。ここでもトヨタは変わった、と言ったことを言っている。


豊田章男社長「命を賭けてクルマに乗っている」
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

第347回 トヨタ・豊田章男社長スーパーインタビュー (その1)
2016年9月5日(月)

フェルディナント・ヤマグチ

 みなさまごきげんよう。
 フェルディナント・ヤマグチでございます。
 先週の記事で既報の通り、トヨタ・豊田章男社長スーパーインタビューが遂に実現いたしました。

 ご尽力、またご協力頂いた関係各位に深く感謝いたします。ありがとうございました。

 いつもであればここからヨタに入るところなのですが、頭の固い編集担当者から「読者の皆さんが心待ちにしていたトヨタの社長インタビューです。今回はヨタは勘弁してくださいよ」と泣きつかれ…。ということで、全国1億2000万人のヨタファンの皆さんには大変申し訳ありませんが、早速インタビュー記事に突入いたします。

 豊田章男氏が目の前に座っている。
 連結売上高28兆4000億円の巨大企業の社長が。
 経常利益が3兆円に迫らんとする“あの”トヨタのトップが。
 年間1000万台以上も販売する、名実ともに“世界一”の自動車会社の総帥が。
 静かに微笑み、私の目の前に座っている。

 プリウスPHEVの試乗会に予告なし登板で突然現れた豊田社長。偶然近くにいた人間に声がかかり、緊急の囲み取材が行われた。

 ここで逢うたが百年目。この機を逃したら次はいつお目に掛かれるかも分からない。短い囲み取材の後、私はシツコク広報担当者に食い下がり、単独インタビューに成功したのである。

 広報部メディアリレーション室長の藤井英樹さんから、「社長。こちらが“あの”フェルディナントさんです」と紹介される。
 
“あの”って何スか藤井さん。

 一瞬の間が有り、「ああ、あなたが“あの”フェルディナントさん(笑)」と豊田社長が返す。

 何で“あの”で通るんスか豊田社長。

 とはいえ「フェルディナント・ヤマグチ」の名前は天下の大社長にも認識して頂いているようだ。ありがたや。早速お話を伺おう。

 先にも述べたが、単独インタビューは囲み取材の後に、やや強行突破気味に行われた。

 本来であれば時系列に沿って囲みの話から書くべきなのだろうが、質問者が複数であったため、どうしても話の内容は薄くなってしまう。

 貴重な豊田章男社長のインタビューだ。読者諸兄にはコッテリ濃い部分からご堪能頂こう。ショートケーキのイチゴは最初から食べたほうが美味しいのだ。


「『あいつはいったい何をやってるんだ』って」

「レースへの参加に対しては、はじめは批判の声ばかりでした。社内からも社外からも」

F:お忙しいところ本当に申し訳ございません。時間が限られているので、単刀直入に伺います。

 取材を通して感じているのですが、ここ数年でトヨタは大きく変わったという印象を受けています。86の多田さんもそうですし、MIRAIの田中さんも、こちらにいらっしゃるプリウスの豊島さんもそう。みなさん良い意味でハジケていらっしゃるし、全体的に風通しが良い。広報の方も以前よりずっと自由にやっている感じがします。

 これがいつ頃からかと振り返ってみると、豊田さんが社長に就任されてからのことなのです。大型タンカーの様に巨大なトヨタが方向転換を図るのは容易なことでは無いと思います。どのようにして変えてこられたのでしょうか。どのように舵を切られたのか、具体的に教えて下さい。

豊田社長(以下、豊):この短い時間で、厳しい質問ですね(笑)。ひとつはまず、私自身が「命を賭けてクルマに乗っている」ということでしょうね。

F:それは、レース活動に積極的に参加されている、という意味で。

豊:ええ。レースに参加しているという意味で。私はもともと文系の学部を卒業しているので、エンジニアではありません。エンジニアと話すためには、何らかの“ツール”が必要であると考えました。ツールが欲しかったから、徹底的にドライビングスキルを磨いて、ニュルブルクリンク24時間レースなどへも挑戦しました。

 そうした活動も、はじめは批判の声ばかりでした。「あいつはいったい何をやってるんだ」って。

F:それは社内からの声ですか。

豊:両方です。会社の中からも外からも批判されました。しかしこれだけ大きな会社を短期間で、しかも確実にシフトチェンジするには、社員全員がクルマに興味を持って仕事をしてもらうようにするにはどうしたら良いか……。ただ利益を上げるためだけの会社ではなく、本当に良いクルマ作る会社にドンと変えるために私自身ができる方法は、これしか無かったと思います。

 私自身がハンドルを握って身体を張って積極的に走っていく。自分自身が鋭敏なセンサーになる。そのセンサーを武器に、商品会議を進めてきた、ということがまず1つです。

F:社長自身がセンサーになる。なるほど。


“卓袱台返し”が始まった

「私の場合、『これは面白くないんじゃない?』と言って最後の段階でひっくり返してしまう」

豊:それともうひとつ。これは前に彼(同席しているプリウス開発責任者の豊島さん)とも話していたのですが、社長室の意味が変わってきた。これも大きいと思います。

F:社長室の意味。それは部署としての社長室ですか。

豊:部署としてではなく、本当の部屋としての意味。私がいる部屋の社長室です。その意味を変えてきました。

 今までの社長室は、最終決裁の場だったんです。社長室に来るときには、もう既に物事が殆ど決まっていた。例えば何かの書類があるとします。上の方にはもういろんな人の印が押してある。そして最終の一番左に「豊田社長」と書いてある。そこに私が最後のハンコをポンと押したらゴーだったんです。

F:そこまで来て、社長のご判断で「俺は押さんぞ」なんてことは、もう殆どあり得ない状態だった。

豊:そうですね。そう思います。以前は「この人がハンコを押してるから大丈夫だな」、なんて感じで決裁していたとか、そんな話も聞いていました(笑)。

F:官僚化ですね。組織が大きくなると、どうしてもそのように官僚化してしまう。

豊:そう。ところが私の場合は、「これは面白くないんじゃない?」と言って最後の段階でひっくり返してしまう。それこそ商品化決定会議でもひっくり返してしまう。私が社長に就任してから、社長室での「ひっくり返し」が始まったんです。もちろんそれにより、社内で多少の混乱があったとは思いますが。

F:そりゃ大混乱でしょう。社長印を頂くためだけの最終会議の筈が、まさかの卓袱台返し。星一徹じゃあるまいし(笑)

豊:それはそうなんですが、社長室は最終決裁の場ではないだろうと。ただ決裁をもらいに来る場所ではなくて、社長と相談するための場所だろうと。

F:社長、ハンコをお願いしますではなく、社長、どうしましょうと。

豊:そう。どうしましょうと。例えばトヨタには労使懇談会というのがあります。今までは社長として話す内容の挨拶文という物が既に書かれていて、「はい、これでお願いします」という風に上がってきていた。自分の文章ではなく、人が書いた文章です。その了解を社長に取るという流れです。

 ところが私が、「労使懇談会でそういうことを言いたいんじゃないよ」、とグズグズ言い出すようになった(笑)

F:グズグズ……(笑)

出た!労使懇談会。MIRAIのチーフエンジニア田中さんの組合時代の話もそうだったが、この会社の偉い人は、平気でこうしたセンシティブな話に踏み込んで行く。お話を伺う方がドキドキしてしまう。
(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする