世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(45)

2023-04-28 00:00:00 | Weblog

先の「EU、土壇場のエンジン車容認 無理筋はEVか合成燃料か」の論考で、

「欧州連合(EU)は2035年に内燃機関(エンジン)車の新車販売を禁止する方針だったが、3月28日のエネルギー相理事会で合成燃料を利用するクルマに限り販売を認めることで合意した。

と言う記事では、2023年3月28日にICEでe-fuelに限り使用を認めることにすると発表されているが、この上記の「ゴルフ」のエンジン車は開発しないと言う発表は、4月3日であった。

と言うことは、何はともあれ発表日だけで考察すると、VWは合成燃料(e-fuel)の使用が認められた後に、ゴルフICE(内燃機関のクルマ)の開発はしないと宣言したことになる。e-fuelを使えば、ゴルフのエンジン車は販売できるのに、何を血迷ったのかとも小生は勘繰らざるを得なかった。まあ、VWとしては、ゴルフにはコストが合わない、と見ていたのであろう。

e-fuelはその製造過程でかなりの熱(電気)を使わざるを得ないので、火力発電であればCO2を排出していることになるが、Batt.の製造過程での電気の使用量程ではないのではないのか、だから、合成燃料(e-fuel)はBatt.よりも環境にやさしいと言うことになろう。

だが合成燃料を作るにはH2が必要となるわけだが、水素を直接燃やしてエンジンを動かす方法もあるのに、EUはなぜ水素に言及していないのか、はなはだ疑問である。

H2を燃やせばICEが使えるのに、VWは(ゴルフのエンジン車開発断念に)先走ってしまったと勘繰ったわけだが、それ相応の深謀遠慮(コスト的に許容出来ればゴルフを再販するなど)があるのであろう。とはいえ、EVシフトと言う世の流れには逆らえなかった、と言うことか。

何はともあれ、「e-fuelが認められてもEV戦略は変わりない」と言うことで、EV化が世の流れになってしまっているので、どうあがいても抗しようがない、と言うことか。

EUはそれでも良いのかもしれないが、世界(トヨタ)はそうはいかない。BEVに固執することなくH2も含めて「全方位」が必要なのだ、HEV、PHEV、FCV、 H2、ICE(e-fuel)も。

差し当たって(でなくても)合成燃料(e-fuelなど)は(高級車などには)必須となる。

VW(グループ)の80%がBEVで、残りの20%がICEと言うことでも、その20%での合成燃料の使用は重要な選択肢なのである。いくらカーボンゼロ社会であっても、ICEはカーボンフリーの燃料で生き残るし、生き残らなければならないのである。


新生VW、執念の合成燃料でエンジン延命も トヨタとの類似性
沸騰・欧州EV(41)
2023.4.6
14件のコメント
大西 孝弘 ロンドン支局長   


写真の奥に4本の煙突が印象的なフォルクスワーゲンの本社工場がある  

フォルクスワーゲン(VW)グループとトヨタ自動車というドイツと日本を代表する2つの巨大企業が、世界的な電動化という歴史の大きな転換点に立っている。EVシフトで先行するVWは、どのように事業構造改革を進めているのか。シリーズ「沸騰・欧州EV」では複数回にわたり、VWの改革に迫る。

 3月12日、日曜日。筆者はドイツ北部のウォルフスブルクにあるフォルクスワーゲン(VW)本社を訪れた。ハノーバー空港からクルマで向かうと、遠くに本社工場の象徴である4本の大きな煙突が見えてくる。

 5回目のVW本社訪問になるが、その中でも2015年10月に訪れた本社周辺の様子は異様だった。同年9月に米国でディーゼル車に排ガス性能を偽るための不正なソフトを搭載していたことが発覚し、VWブランドへの信頼は失墜。巨額の賠償金の支払いも予想されていたことから、城下町の雰囲気は陰鬱そのものだった。それでも本社敷地内の巨大な納車施設で顧客向けの納車が行われていたのは、印象的だった。


VW本社近くの巨大納車施設には充電設備が整備されている   

 何回訪れても、納車施設で繰り広げられるシーンに心を動かされる。多くの人々にとって自動車は高価な商品であり、購入は一大決心が必要になる。納車施設では待機のためのレストランや待合スペースまで、納車を盛り上げるための配慮がなされている。今回はその納車スペースが、新型コロナウイルス感染拡大前の19年の訪問時と大きく変わっており、充電設備が増えていた。もちろん、増加する電気自動車(EV)への対応だ。

 今回の訪問では、メディア向けにEVの試乗会があった。VWグループのVW、アウディ、ポルシェ、シュコダ、クプラの5ブランド合計22種類のEVがずらりと並ぶ。本社から片道10キロほどの場所を往復するルートで、途中に一般道を時速100キロで走れる場所もあり、性能を比較できる。VWのID.4とアウディのQ4 e-tron、ポルシェのタイカンを試乗した。特にタイカンの走りは圧倒的で、あっという間に時速100キロまで達する。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(44)

2023-04-27 00:00:00 | Weblog

まあ端的に言ってしまえば、BEV一辺倒を推し進めてしまうと、早い話ICE産業の盛んなドイツなどの国々では雇用問題が深刻化することになりかねないために(と言うこともあるが、まだまだすべての新車がBEVとするためには、社会の諸施設や制度を作り直す必要があるのでは?)、BEV一辺倒の方針が揺らぎ始めた訳で、その解決策として一部でも合成燃料の使用が容認されることになったと言うことで、EUが脱炭素をかたにして日本のハイブリッド車・HEVの排除を目指して取り掛かったBEVシフトに齟齬をきたしてきた、と言うのが本音ではないのかな。

日本のハイブリット車外しの策略のBEVシフトに少しだけほころびが見えてきた、と言った論調も見られるのでご参考に。



二転三転する可能性も
トヨタなど日本勢に追い風 欧州が「EV一辺倒」を転換、なぜ?

2023年03月28日 07時00分 公開[産経新聞]

 欧州連合(EU)は脱炭素に向けて2035年以降にエンジン車の新車販売を禁止するとしていた方針を転換した。ドイツ政府の意向を受けて、水素と二酸化炭素(CO2)を原料にした「e―fuel(イーフュエル)」と呼ばれる合成燃料を使用する新車に限り販売を認める。電気自動車(EV)一辺倒だった欧州の方針転換は、車の脱炭素化へ多様な選択肢を提供すべきだと訴えるトヨタ自動車など日本勢にとって追い風となりそうだ。

ドイツで雇用喪失懸念強まる

 欧州連合(EU)欧州委員会とドイツ政府は25日、35年以降も条件付きでエンジン車の新車販売を容認することで合意した。

 脱炭素に向けて、欧州委はエンジン車の新車販売を35年までに事実上禁止する法案の採択を目指していたが、ドイツの反対で方針転換を余儀なくされた。28日に修正した法案が採択される見通しだ

 方針転換の背景には、フォルクスワーゲン(VW)やBMWなど多くの自動車大手を抱えるドイツでエンジン関連の雇用損失を懸念する声が強まっていたことがある。

 EV普及を強く推進している欧州が条件付きで、エンジン車を容認したことについて、東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは「日本の自動車メーカーにとってはプラスに働く」と指摘する。

イーフュエルはガソリンより高価

 車の脱炭素化に関して、欧州は日本勢が得意とするハイブリッド車(HV)を排除する姿勢を鮮明にし、中国とともに世界のEVの潮流を作ってきた。これに対し、トヨタをはじめとする日本の自動車各社は地域のエネルギー事情に合わせて、EVやHV、燃料電池車(FCV)など多様な選択肢を展開する方向で事業戦略を進めている。

 昨年には米国のカリフォルニア州やニューヨーク州も35年までにHVの新車販売を禁止する方針を示すなど日本勢の旗色は悪かったが、「自動車大国のドイツがEV一択では脱炭素化の実現が難しいと判断したのは大きい」(国内の自動車メーカー幹部)。,

 もっとも、デロイトトーマツグループの後石原大治パートナーは「(EUの動きは)日本勢の考え方と近くなっている点で追い風だが、優位性を取れるかどうかは今後、注視が必要だ」と話す。エンジン車販売容認の条件としたイーフュエルは価格がガソリンよりも高く、高級車に利用が限定されるとの見方もあり、利用が広がるかは不透明だ。
 各国の環境規制は流動的で、二転三転する可能性もあり、日本勢は変化への対応力が問われる。(黄金崎元)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2303/28/news080_2.html


まあBEVシフトへの欧米における強い動きは変わらないものの、Batt.に使われる希少金属やレアアースの採掘に関する諸問題や電力需給に関する諸問題、Batt.の充電や短い航続距離など乗り越えなければならない諸問題が、山積している訳だが、しかしながらEV化の流れは最早止まらないものとなってしまっている。

だから日本もうかうかとはしていられない筈だ。VWは早々に(かどうかは知らないが)メイン車種の「ゴルフ」の次のエンジン車の開発を打ち切ってすべて電気自動車へ切り替えるつもりのようだ。但しゴルフEVの発売は5年後の2028年頃だという。



独VW、ゴルフの次世代エンジン車開発打ち切りへ=業界誌
ロイター編集 ビジネス2023年4月3日1:36 午後11日前更新

 4月2日、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は主力車種「ゴルフ」の次世代の内燃エンジン車を開発しない計画だ。写真はフォルクスワーゲンのロゴ。パリで昨年3月撮影(2023年 ロイター/Benoit Tessier

[ベルリン 2日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は主力車種「ゴルフ」の次世代の内燃エンジン車を開発しない計画だ。VWブランド責任者のトーマス・シェーファー氏が2日付の独自動車業界誌アウトモビルウォッヘに明らかにした。1974年から販売していた内燃エンジンを搭載したゴルフの時代が終わる

現在生産しているハッチバック「ゴルフ8」が最後のエンジン車となり、来年同モデルのアップデートを行う予定。シェーファー氏によると、将来のEV向けにゴルフの名前を維持する計画だが、発売は早くても2028年になる見通し。

VWブランドは2030年までに欧州北米で電気自動車(EV)の販売台数をそれぞれ全体の80%55%にする目標を打ち立てている。VWグループ全体では世界の販売台数の半分をEVにすることを目指している。

VWは2026年までにEV10車種を投入する予定で、これには価格2万5000ユーロ(2万7000ドル)未満の電池式EVが含まれている。

https://jp.reuters.com/article/volkswagen-golf-idJPKBN2W0064
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(43)

2023-04-26 00:00:00 | Weblog

EUでも電動車で最多のHVの追い風になるか

 トヨタ自動車などの日本勢はエンジンを用いるHVの開発と販売に力を入れている。EUにおいてもHVの販売台数は伸びており電動パワートレーンの中で最も販売シェアが高い。

 合成燃料の認可は一見するとHVの追い風になりそうだが、コスト構造を考えると利用拡大は簡単ではない。合成燃料は再生可能エネルギーを使って水素をつくり、CO2と化学的に合成する。生産過程で大量のエネルギーを使うため、必然的にコスト上昇は避けられない。日本の経済産業省の試算では、安価な再エネを利用できる海外で製造すると製造コストは1リットル当たり約300円、国内だと約700円であり、燃料税の設計にもよるがガソリン価格よりはるかに高い。

 ドイツの自動車アナリストのマティアス・シュミット氏は、「合成燃料は非常に高価なので、エンジン車を利用する99%のユーザーにとってほとんど関係ないだろう」と指摘する。合成燃料は主に、電動化が難しい航空機の利用拡大が見込まれている。

 HVはコストパフォーマンスの高さがウリで、米ウーバーテクノロジーズの運転手などによる業務用での利用も多い。高価な燃料を使うのは非常にハードルが高い。トヨタの関係者も「合成燃料は高級車用がメインになるだろう」と話す。

ポルシェとフェラーリの僥倖

 確かに高級車メーカーは合成燃料の開発や利用に積極的であり、今回のEUの決定は僥倖(ぎょうこう)をもたらした。独ポルシェはドイツ政府の補助を受け、合成燃料の開発と生産を進めている。同社は22年12月、独シーメンスエナジーとチリで合成燃料の生産を始めたと発表した。工場では風力発電機から水素製造の電解装置、合成燃料製造装置を備え、一気通貫で合成燃料を生産できる。

 最初の合成燃料はポルシェのレース用に利用し、26年には年間5500万リットルを生産する予定。28年には5億5000万リットルを生産する計画だ。筆者がポルシェのミヒャエル・シュタイナー研究開発担当取締役をインタビューした際には、「初めはコストはかなり高くなるが、生産規模を増やせば1リットル当たり2ドル前後になるだろう」と述べていた(参照:ポルシェ開発トップ「CO2排出、問題はエンジンではなく燃料だ」)。

2022年夏に日経ビジネスのインタビューに応じたフェラーリのベネデット・ビーニャCEO


 EUが合成燃料を認める前から、独フォルクスワーゲン(VW)CEO(最高経営責任者)兼ポルシェCEOのオリバー・ブルーメ氏は、合成燃料の利用に強い意欲を示していた。EUの決定の後には、フェラーリのベネデット・ビーニャCEOも歓迎の意向を示した。同社がEV開発に力を入れるものの、エンジン車に対して熱狂的なファンがいるからだ。筆者が22年にインタビューした際には水素エンジンの開発を進めていることを明らかにした(参照:フェラーリCEO「EVでソフト投資急増せず。水素エンジンの開発も」)。

 むしろ、今回のEUの決定は、「合成燃料という小さな例外を認める一方で、35年にエンジン車の販売禁止を最終的に承認したことの意味が大きい」(ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表アナリスト)。22年におけるEUの新車販売に占めるEVの比率は12%で、燃料電池車を含めてこの比率を100%に高めるのは至難の業だ。

 ただ、今回のEUの決定でEV販売比率が高まることがクリアになったため、各社はますますEV関連の開発や生産に投資を拡大していくだろう。ドイツの大手サプライヤー幹部は、「合成燃料が認められても非常にニッチな市場向けだろう。EVシフトの戦略は変わらない」と話した。

 EUは26年にエンジン車ゼロに向けた進捗を確認し、合意内容を見直す可能性がある。自動車メーカーにおいては、26年が最終的な戦略調整のタイミングになりそうだ。

 強烈な規制を導入するEUの中の企業として、欧州最大手のVWはどのように成長戦略を描いているのか。「沸騰・欧州EV」シリーズの次回は、VWの戦略に迫る(サプライヤーのEVシフトを取り上げる予定でしたが、順番を変更します)。


 欧州でEVの販売が急増しています。欧州で発売されたEVが時間差で日本に投入され、欧州の規制が日本の規制の参考にされるケースも少なくありません。そこで、日本の自動車産業の未来を考えるヒントになるように、欧州EVの虚実を伝えるシリーズを展開しています。

 インタビューを交えながら各社の戦略を探ると同時に、「EVは温暖化ガス削減に寄与するのか」などといった様々な問題を検証していきます。これからインタビューをする会社の幹部や識者に対しては、読者のみなさんからの質問もぶつけたいので、質問をコメント欄に書き込んでください。自動車産業の未来を一緒に考えていきたいと思います。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00122/033000166/



次に関連するコメントを載せておう。

・合成燃料の製造方法の革新によりコスト低減
・EV一辺倒ではCO2削減は出来ない
・e-fuelは自動車だけのものではないし、水素の活用も必要となる




ダメおやじ
痴呆公務員
>合成燃料の利用車を除き、35年までに内燃エンジン車の新規登録を禁止ゴールポストを動かすのがお好きな連中ですから、これもどうなることか。>製造コストは1リットル当たり約300円、国内だと約700円であり、>燃料税の設計にもよるがガソリン価格よりはるかに高い。
現状はね。
輸入に頼る石油と変わらないけど、輸入すれば300円/Lです。
>合成燃料は非常に高価
日本の技術者の出番です。
合成燃料製法のブレークスルーを期待します。
>合成燃料という小さな例外を認める一方で、
>35年にエンジン車の販売禁止を最終的に承認したことの意味が大きい
せっかくのチャンスだ。日本初の画期的な合成燃料で、軒先を借りて母屋を乗っ取ろう!
1日前4いいね!


ダメおやじ
痴呆公務員
>EUの新車販売に占めるEVの比率は12%で、
>燃料電池車を含めてこの比率を100%に高めるのは至難の業
札束の補助金付けてもEV12%。
西欧ですらコレですから、西欧より貧しい東欧・途上国はEV普及なんて夢のまた夢。
EUは温暖化を抑えることが目標。時間的余裕がないとも主張している。だったらあらゆる選択肢を残した方が良い
EV一辺倒とかありえませんでした。
1日前6いいね!


MAD_DEMON
機械器具設置工事業社長
e-fuelは当分の間あんまり安くならないよ。
プロセスだけで言えばメタン合成プラント+長鎖化プラントだから、価格支配は多分メタン合成。ここもプラントレベル純度のCO2をどう獲得するかってのと、水素は水から作るだろうからこれの調達が容易であることが必要だけど、これも前処理としてRO程度は必要でしょう。両方とも結構なカネがかかるよ。あんまり純度が低いと触媒毒だったり副生成物の所為で製品の品質が下がる。
だからその前段階として、水素の直接燃焼による内燃機関燃料電池があって、その次にe-fuelだよ
EVはコミューターだけなら大丈夫だけど、内燃機関全部排除すると高トルク・長距離運送つまりトラックに問題が出る。え?モーダルシフト?
今のEUの列車管制で上手く行くとおもう人いるの?
翻って日本なら何やっても大体逃げ道があるよ。
1日前5返信いいね!


偏屈オヤジ

既存ICEで使うことができるe-Fuelならば、生産量とコストを勘案しながら化石燃料と混合して今から少しずつでもCo2を直ぐに削減できる。
生産にグリーン水素が必要な点は判るが、直ぐに活用できるのであれば、生産量に弾みがついて、急激に伸びる事が期待できるんじゃないかな。
BEV用に充電設備の増設や、それを使用できる様にするための大規模なインフラ整備(送電網、その他)より、既存のガソリンスタンドを使用する方が、遥かにトータルコストは安くなると思うんだが。
大体、自動車限定の話とした争点に成っているが、そこら中に溢れている、化石燃料を使って動く農業機械(小は耕運機から大は大型トラクター等)、建設関係機械(小は振動して地面をならす機械、ランマーというそうな からブルドーザやユンボ、公道走れない超大型ダンプ等)や、はたまた軍事用車両、家庭や工事現場にある発電機類等々考えても電動化は無理。
戦闘機、ヘリコプター、大型旅客機も電動化なんてありえない。プレジャーボートや漁に使う小型船舶など、いくらでも身の回りに化石燃料が必要な設備がある。
つまり、インフラとしてのガソリンスタンドや類似設備は無くなる事は無いと思われる。そうであるならば、これを活用しない手は無いと思いますがね。そして、乗用車以外のこれらからのCo2排出量を一気に下げることができる。これらのCo2排出量がどんな程度なのかは調べた事は無いが、結構な量あるんじゃないかな。
そんなに期待できるなら石油大手がとっくにやっているとの意見もあるが、世界の流れとしての電動化が止まらなかった中では出来なかったというのが実際ではないかな。
今回、その流れにディーゼルゲートで無理にEV化に舵を切っていた欧州(戦犯のドイツ)が、自ら漸くちゃぶ台返しをしたことで、続々とe-Fuel参入企業が出てきそうと考えます。
そして、今回は「100%e-Fuel」と言っていたものが、数年後に「80%混合」「50%混合」「30%混合」の様になるのではないかな。
大体、自動車だけ「0」にしたって、大きな意義は無いよね。
コストにしたって、最終的には現在の価格の1.5倍から2倍程度なら需要はあると思うのだが。
1日前4返信いいね!

・・・・・・・

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00122/033000166/


まあ今の時代の趨勢として、

・CO2ゼロのためにはBEVシフトは変わらないが
・富裕層の高級車には合成燃料が使われることもある。
・水素の活用(水素エンジン車、FCV)も視野に入れる必要がある。
・生産・販売や諸インフラの整備にはそれ相応の注意と費用が必要となる。
・しかし、それらを並行して開発してゆくことが大事なことで、
・2026年の見直しには、どんな調整案が提示されるのであろうか。

といった「ありきたりのない」話で終わっているようにも感ずのではあるが、
そのいずれ(e-fuel、H2)に対しても、今後のブレークスルーを期待したいものである

(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(42)

2023-04-25 00:00:00 | Weblog

上記のコメントの一つにある「よほどバッテリーの技術革新が起きない限りEVはガソリン車に勝てない(バッテリーの軽量化、航続距離大幅向上など) ◎電力不足も懸念される中で電気自動車を進めようとか狂気の沙汰でしかない」と言うことは、至極真っ当な意見である。

BEVの電気をどのように確保するのか、また、電気をためるバッテリーの技術をどのように高め更にはコストを下げてゆくのか、と言った話は、電気自動車を進める上では、ついて回る懸案事項である。

EUがどのように電気自動車の時代を創り出そうとしているのかは知らないが、このような電気自動車のよって立つBatt.などの基盤の整備も重要事項なのであるが、かなり難しい。BEVの時代は、おいそれとはやっては来ないのではないのか。

だからCO2フリーのためには、合成燃料も必要となってくるのであるから、遅ればせながら、EUも合成燃料(f-fuelなど)の使用を認めざるを得なくなったものと思われる。

とは言うものの、合成燃料のコストはべらぼうに高すぎて、おいそれとは使えない代物なのであるから、安易には喜ばない方がよい。何度でもいうが、今は一部の大金持ちの高級車にしか使えないものであろう、ポルシェやフェラーリのような。

だから「合成燃料」の製造方法のブレークスルーが必須となってくる訳だが、これが相当難しい。だから、おいそれとは(合成燃料は)普及しないのではないのかな。

だから「合成燃料」とか「e-fuel」と騒がない方がよい、それよりも「水素エンジン」や「燃料電池・FC(V)」の方が可能性がある様にも思われるものであるが、どんなものであろうか。



EU、土壇場のエンジン車容認 無理筋はEVか合成燃料か
沸騰・欧州EV(40)

2023.3.31

大西 孝弘 ロンドン支局長   


欧州では依然としてエンジン車が多い(写真=picture alliance / Getty Images) 

 土壇場での修正だった。欧州連合(EU)は2035年に内燃機関(エンジン)車の新車販売を禁止する方針だったが、3月28日のエネルギー相理事会で合成燃料を利用するクルマに限り販売を認めることで合意した。合成燃料はe-Fuelとも呼ばれ、二酸化炭素(CO2)と水素でつくり、CO2排出量は実質ゼロと見なされる。

 主役はEUの執行機関である欧州委員会とドイツ政府だ。エンジン車の新車販売を禁止することについては、欧州委員会が強力に推進してきた。EU理事会や欧州議会も暫定合意するなど法案成立に向けて進んできたが、最終段階でドイツ政府が強力に反対し、欧州委員会が押し切られた格好だ。環境担当として欧州の自動車規制も統括する欧州委員会のティメルマンス上級副委員長は25日にツイッターで「我々はe-Fuelの将来的な利用について、ドイツと合意を見いだした」と述べた。

 EUは世界の中でも厳しい環境規制を導入しており、その内容は世界各国の規制動向にも影響を及ぼす。今回の合成燃料の認可は世界の自動車関係者の大きな話題となっている。日本勢が得意なハイブリッド車(HV)について販売禁止になる可能性があったため、日本での関心も高い。

欧州委員会、ティメルマンス上級副委員長の翻意

 筆者は2月後半、欧州委員会のティメルマンス上級副委員長にインタビューしていた(参照:「35年エンジン車ゼロ」より強烈な未来 欧州環境政策トップが示す)。

 35年にエンジン車の新車販売を禁止する規制に関連し、合成燃料の扱いについては繰り返し聞いた。それに対し、「排出ガスフリーにできなければ、EUで生産することも、EUで市場に出すこともできない」と述べていた。それからティメルマンス氏は急転直下で合成燃料を認めたことになる。

 ドイツの反乱は今に始まったことではない。社会民主党と緑の党、自由民主党(FDP)の3党によるドイツの連立政権では、21年の発足当時から合成燃料の扱いについて意見が割れていた。環境政党である緑の党はエンジン車の新車販売を30年で全面禁止するよう求める一方、企業経営者などが支持基盤のFDPが合成燃料の推進を主張していた。

 21年11月に発表された合意書では、合成燃料に関する連立政権のスタンスは次のように明記されていた。「欧州委員会の新車のゼロエミッション化提案に対応し、合成燃料の利用車を除き、35年までに内燃エンジン車の新規登録を禁止する

 こうした中、22年6月には欧州議会とEU理事会が欧州委員会の提案を支持する方針を示す。10月には欧州議会とEU理事会が35年に全ての新車の排ガスゼロ化について暫定合意。その際に合成燃料を例外とすることは含まれておらず、欧州委員会のティメルマンス氏が上記のように述べていたので、規制案はそのまま承認されるかとみられていた。 (↓参考記載 EU理事会組織)
 


EUの政策には27の加盟国の思惑が絡み合う   

 最終的な合意に差しかかかって、ドイツ政府が反旗を翻した。FDPのウィッシング運輸相が規制案に反対の意向を示し、合成燃料の利用を認めるように圧力をかけたのだ。ウィッシング運輸相はドイツメディアに対し、「気候変動に左右されないモビリティを真剣に考えるのであれば、あらゆる技術的な選択肢をオープンにしておく必要がある。これには、e-Fuelで走るエンジン車も含まれる」 と述べた。

 ドイツ政府は1月に官邸主導の会議を開催し、自動車メーカーから合成燃料に対する考えをヒアリングしていた。3月初旬に連立協議を開き、35年以降も合成燃料を使えるように働きかけることを確認している。連立政権を維持していく上で、FDPの意向を無視するわけにはいかなかったのだ。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(41)

2023-04-24 00:00:00 | Weblog

BEV化は地球温暖化対策である一方で、環境対策に名を借りたEUのトヨタなどのHEV対策であるとした次の論考も一読の価値あり。



結局トヨタが正しかった? EUが35年までのエンジン車禁止を断念、電気料金の高騰も背景
2023.3/27 15:30


VWが今月発表したEVの新モデル(ロイター)  

あの鼻息の荒さはどこへ行ったのか。2035年までに内燃機関(エンジン)車の新車販売を事実上禁止するとしていた欧州連合(EU)が、条件付きで販売を容認すると方針転換した。電気自動車(EV)一辺倒に慎重だったトヨタ自動車の見解が的を射ていたことになる。

EU欧州委員会は21年7月、エンジン車禁止の法案を提案。欧州議会が今年2月に採択し、各国の正式承認を経て法制化される予定だった

ところがフォルクスワーゲン(VW)など自動車大手を抱えるドイツが土壇場で反対を表明すると、あっさり覆った。EV化で雇用が失われる懸念のほか、電気料金の高騰も背景にあるとみられる。



EUは水素と二酸化炭素(CO2)を原料にした合成燃料「e―fuel(イーフュエル)」を使う新車の販売を認める。日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ社長)は以前からイーフュエルに言及、「カーボンニュートラルへの道はひとつではない」と強調している。

そもそも欧州のEV化方針は温暖化対策の一方、ハイブリッド(HV)車に強いトヨタなど日本メーカー対策の側面もある。その尻馬に乗って日本のEV化の遅れを批判する論調も多かったが、ハシゴを外された形だ。

https://www.zakzak.co.jp/article/20230327-IXD2K76XSBN6NC33TYC3CWGHPY/

次にコメントを載せておく。

no nameID: 7f8c81
温暖化とやらがただの方便でしか無いのがよくわかる日本に技術で勝てないと悟るとルールを変えようとする毎度の姑息なやり口

no nameID: be1213通報
◎電気自動車はガソリン車より高価だが売る時はガソリン車より安く価値が下がりやすい ◎寒い地域では電圧が下がりやすく向いてない ◎バッテリーが高価 ◎渋滞に弱い ◎航続距離が短い ◎冷暖房を使うとバッテリーが減りやすい ◎充電時間が長い ◎充電インフラが整備されていない ◎よほどバッテリーの技術革新が起きない限りEVはガソリン車に勝てない(バッテリーの軽量化、航続距離大幅向上など) ◎電力不足も懸念される中で電気自動車を進めようとか狂気の沙汰でしかない

素浪人ID: a79a19
トヨタ潰しに失敗したようで残念だったね。所詮、無理な話だっただけのこと。
さて、EU諸国など他国での駐車場事情は知らないが、我が国では立派な車庫をお持ちの方以外、EV用充電設備設置で困ることになる。特に月極青空駐車場での設置は極めて困難。経費は月極料金上乗せだろうが、運用に困る。
電気泥棒防止のための一工夫はプロに考えてもらうしかないな。

no nameID: d4dc7b通報
EUでのEV嵐は当面去った模様だが、日本での嵐は吹き止まない。それは中国がEVでの世界制覇を狙っているからで、今やEV生産量は世界一。日本市場を安価なEVで取れば、日本で認められたEVとして世界中が欲しがるのだ。「あなたが欲しいその製品は、CO2出しまくりの中国製品ですか?」をキーワードに日本人の意識が変わる事を望む。

no nameID: 330aeb通報
安価な中国EV車が日本を席巻するってコメントはあまりにも非現実的、荒唐無稽なギャグ。欧米でも日本人に製品を認めさせるのはハードルが高いという認識なのに、ましてや命を預ける車に安さを追求した車『中国製』が日本や世界で覇権を取る?ウイグル問題を無視する国に?就業経験のない子供脳からくる妄想の産物ですよ。

SISUID: c4da72
EV推しの国沢って評論家がいますが、奴はこの先何と言い訳するのか楽しみです。きっとトヨタの先見の明を絶賛してお仕舞いでは?全く無責任な商売です。

no nameID: ffdf46
さて、マスコミの皆さん。トヨタに逃げられてましたが如何?多様性は?LGBTだ?SGDs? 考え方、報道の内容の多様性は?豊田章男社長の米国公聴会での報道の仕方からこのかた忘れません。

no nameID: 914b45通報
彼の地の民族は旗を振られると「それっ」ってんで後先考えずに突っ走るクセがありますねえ。EVもそうだけど原子力発電とかCO2ゼロとか、日本は歩みが鈍いけどその分十分考えて行動できるからいいと思いますよ。

no nameID: f9cd72通報
一番ひどいジャ-ナリストは高野猛だ!!こいつはトヨタがEVに反対してるかのような記事書きまくった。政府に泣きついただと?評価してるテスラ-見てみろ今どこで生産してる?中国だろ。トヨタ始め日本の自動車メーカが協力会社捨てて中国に生産拠点移したらどうなる?もう少しまともな記事書けよ ダラ!

o nameID: b62b04通報
ぷぷぷ、あれだけ大騒ぎしてネズミ1匹か?

no nameID: 6004ad通報
>>結局トヨタが正しかった?
この程度だからEVに騙されるんです。もともとEVは大したものではありません。利点は、使用場所で排気ガスを出さない事です。元の電気は発電所によります。効率上げはハイブリッド車と同じく回生ブレーキによります。
発電所は原発を除き大量のCO2を出しています。火力発電所は効率を上げやすく有害物質の回収がしやすい利点があります。(再エネは主電源にならないので省きます)送電、バッテリーの充放電ロスを考えると、EVは決して効率良くありません。これに限らず、電気の使用は便利ですが効率は決して良くないんです。
欧州がEVを進める理由は、自動車業界の主導権を握るためなのです。資源環境関連と同系列の世界戦略なのです。表立っては反対しにくい環境保護をうたい、裏では経済戦略を進めています。今回のウクライナ危機の影響で、修正を余儀なくされていると言う事です。発電コストの急騰で、EVはもたないと見ているのかもしれません。<EUは水素と二酸化炭素(CO2)を原料にした合成燃料「e―fuel(イーフュエル)」を使う新車の販売を認める。>というのは、そういう事でしょう。

結局直車から排出するか発電所で排出するかの違いID: 3072b6ゴミメディアや政府に洗脳され、EV車はCO2排出ゼロと誤解している方々が多いが結局のところ、EVを走らせる為に必要な電力を供給するため、発電所からCO2が排出され続けるのでゼロにはならない。
(世界的に未だに70%が火力発電で電力供給減の主力)
しかも消費電力は充電時に最も負担が掛るのも事実。
単純比較でもガソリン車に対してEV車の電力から発生するCO2排出量はたったの1/3!
電車の1/7、飛行機の1/5に対してメリットは少ない。ハイブリット車で直接車から排出する量を半減できればEVより効果大ということです。

no nameID: 914b45通報
どっかの国もEU離脱だあとか言って今になって後悔してるしねえ

no nameID: 616b56
猪瀬直樹、井上久男責任取れよ

no nameID: 29e336通報
トヨタの思惑方針だったというのは間違いだろう、あの主張は日本での機械産業創業家DNAを大事にする家柄としての豊田章男氏だったからこそで、他のトヨタのサラリーマン社長だったらコバンザメのようにEUの主張に靡いて媚を売り日本の産業基盤をとっくに自壊させていただろう。欧州はEU官僚とサラリーマン社長が社会にのさばって、無責任にやりたい放題だから、米国のように産業を枝葉を広げて茂り経済社会を大きくできずに枯れさせてしまう病に蝕まれるだけだ、このままでは産業が疲弊して惨めな社会主義経済社会へと腐る一方だ。

のとろくたID: 577186
貴族向けの車(下手すると燃料費が10倍以上?,それを気にしない人向け)のエンジン車が許容されたってニュースなのに、記事もコメントもまるで気にしていないって凄いこと。
車がCO2を出さない(排ガス分のCO2を燃料の原料に使う)ため、燃料生成(工場で)に従来(の車が出す?)以上のCO2(電力?)を出す(はずは無いと思うけど)らしい。

o nameID: 0db260通報
物理的には、自動車等のエネルギー最終消費地点の近くでエネルギーを発生させるのが効率的だから、この点でハイブリットやガソリン車等は非常に効率的なんだよね。EVは、発電所、送電、蓄電、自動車モーターてなことだから、原理的に効率的ではない。

no nameID: 5eb349
強引にEVシフトを推し進めたのは、岸田さんでしたっけ?

埼玉県在住のTOMID: 24da7d通報
ま、当然の成り行きですね。2035年にエンジン全面禁止?そんなもの、ハナから不可能でした。カラクリは簡単です。脱炭素に凝り固まり、かつ、つい最近までシナと仲良くしていたかったEU支配者共が、自分達(支配者達)のみのバラ色の未来を画策していたものの、ウクライナ戦争や主権侵害のシナ警察問題やスパイ気球問題などなどを目の当たりにして遅まきながら習近平シナの危険性に気付き始めたのと、ここに来てようやく技術的かつ経済的に不可能な事実を認識し始めただけです。自称リベラル左翼に支配されているEUならさもありなん、というところです。だからといって、未だにシナ大陸内に工場や研究施設を稼働させているトヨタなんぞを支持などしませんがね。

no nameID: 6d7443
まずこの手の問題って、「CO2による温暖化は起きているのか否か、それは地球の危機か」という最初の認識が違うと、評価はまるで違ってくる。「CO2増加で文明が滅ぶ」という立場からすると、「不便でも、先を完全に見通せずとも、脱CO2に“賭けた”」事は、やむを得なかったはずだ。一方「CO2による温暖化なんてウソだ」なる立場にとっては、「それ見た事か」となるのだろう。だがそれって、“たまたま”プーチンが戦争を起こしたからそう言えるだけで、よく言う「後知恵」ではないのか。
「ガソリン車維持が必要になった」という事実は、別に「温暖化なんてない」事の証明なんかじゃまったくないし、「今回ガソリン車維持が正しかった事が分って、めでたしめでたし」って話でもない。むしろ「ガソリン車維持が(止むを得ず)必要になって、地球の危機がより進む」って話だ。
e―fuelにも燃料電池にも期待している。だがそれだって「CO2増加は危機」って認識が前提だ。e―fuelの勝利は、ここで見られるような「温暖化はウソ」論の勝利じゃない。

https://www.zakzak.co.jp/article/20230327-IXD2K76XSBN6NC33TYC3CWGHPY/
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(40)

2023-04-21 00:00:00 | Weblog

3. e-FUELを使う内燃機関は欧州で作られることはない

 これも単純な話で、先ほど説明した通り、欧州委員会にそんなことを決定する権限はない。そしてそれが正に証明される形で、25日に内燃機関の生産継続が確定したのだ。

 仮に別の世界線の話として、仮に本当に決定権のあるEU理事会が欧州での内燃機関禁止を決定した前提で考えても、彼らにも、欧州の自動車メーカーが内燃機関を作って域外で売ることも規制する権限はない。

 仮に欧州員会やEU理事会が全地球規模で脱炭素に責任を持つのであれば、まず欧州は化石燃料の生産と輸出を止めるべきだ。環境優等生のノルウェーはエネルギー自給率600%。確かに自国で利用するエネルギーは限りなく100%が水力発電由来だが、それで澄ました顔をして暮らせるのは北海油田から産出される自国のエネルギー消費の5倍もの石油を海外に売って外貨を稼いでいるからだ。論旨に重大な矛盾があるというより、ティメルマンス氏は各組織の権限とその及ぶ範囲を全く理解していないと感じる部分である。

4. e-FUELは排出ガスフリーではないからダメ

 これは重大な齟齬(そご)をきたしている。e-FUELは、大気中の二酸化炭素と水素を使って生産する合成燃料である。そしてこれこそが25日に内燃機関の存続条件として認められた合成燃料そのものだ。e-FUELは、大気中にあったCO2を、燃焼時に元あった大気中に戻すだけなので、二酸化炭素の増加を招かない。地中に安定的に固定されているカーボンを大気中に放出してしまう化石燃料とはそこが違う。

 この総量で増えなければOKという概念がカーボンニュートラルで、ティメルマンス氏のような欧州全体の環境政策を決める立場にある人物が、カーボンニュートラルを理解していないのは重大な問題である。もし、カーボンニュートラルすら認めないということになれば、例外なく一切の二酸化炭素排出を全部止めなくてはならない。そしてそれには人間の呼吸も含まれることになる。もはやめちゃくちゃである。

 だからこそ、欧州委員会の決定はティメルマンス氏のインタビュー内容と真っ向対立する形になった。現実的な話として欧州(委)員会の決定プロセスとティメルマンス氏の理解や解釈には齟齬がありすぎる。どう考えてもスポークスマンとしては相応しくないし、本質的に言えば明確な異分子である。

ハイブリッドに関する「デマ」も

5. ハイブリッドの2035年以降販売禁止はEU全体の決定事項

 これはもはやデマだと言っても良い。決定権を持たない立場の人が決定事項だなどと言っても意味がない。フランスのルノー新型ハイブリッドを開発して売り始めたばかりだが、もしそんな決定がなされているなら、彼らの行動はまもなく禁止されるものをわざわざ開発したことになる。確定している規制を理解できずに投資をするほど愚かな会社だとでもいうつもりだろうか? 少なくともEU理事会はそんな決定をしていない。

6. タイヤやブレーキパッドから出る公害についての規制を行いたい

 これはまた新たな分断を生むことになるだろう。ティメルマンス氏の発言を引用すれば「ご存じのように、EVは内燃エンジン車よりも重いからです。そのため、より強力なブレーキが必要で、より多くのタイヤを使用することになります。ブレーキパッドやタイヤから出る公害を減らすようにしなければなりません」とのこと。

 これについては欧州委員会の内部で取り組んでいるところでまだ提案はしていないとのことだが、ブレーキとタイヤのダストについては解決のめども立っていない。となれば、ついにBEVも禁止することになりかねない。

 理想主義も極まれりと言うべきか。世間が望んでいる「これまでよりちょっと余分にコストを払えば、むしろキラキラして便利で環境コンシャスな生活が手に入る」という幻想を明らかに侵食し始めている。

 世界の多くの人は、環境問題に対して貢献することはやぶさかではないと思っているが、そのために無限に犠牲を払えるかと言えば、その許容限度はそれぞれに違う。

 分かりやすい話で言えば「昆虫食」みたいなもので、世界から飢餓をなくすために、肉食を減らしましょうとか、牛より豚、豚より鶏のほうが、単位重量あたりの餌の量が少ないから、豚や鶏を選択しましょうというくらいならたぶん多くの人が許容できる。そんなに多くはないかもしれないが、コオロギを食べることを許容できる人もいるだろう。できる人ができる範囲で、世界の問題に貢献するのは原則的には良いことだ。

 ただ、そういう状態で肉食を禁止して、現実的な選択肢をコオロギだけにするなどと言い出したら、おそらく多くの人は反発する。理想はともかく、あまりにも急進的な、しかも強制力を伴う規制で現状を変えようとすると支持が得られなくなる。

 内燃機関だって同じだ。減らせる範囲で減らしていきましょうという話は同意できるし、それで楽しいEVライフが送れる人は存分に楽しめば良い。ただそこに内燃機関に対する極端な規制や、内燃機関ユーザーに対する極端な批判が入ると、反発を招くのは当然だろう。


今後の環境政策をどう進めていくか(画像はイメージ、出典:ゲッティイメージズ)

 欧州委員会はそのラインを踏み越えてしまった。EUの中で反乱が起きたのは、過度な無理強いを進めすぎたからであり、むしろ今後の環境政策を破綻なく進めていくためには、もう少し穏便なやり方があるのではないだろうか。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)      

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミュニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
 以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う他、YouTubeチャンネル「全部クルマのハナシ」を運営。コメント欄やSNSなどで見かけた気に入った質問には、noteで回答も行っている。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2303/27/news032_5.html
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(39)

2023-04-20 00:00:00 | Weblog

 では、それは誰なのか? 薄々は分かっていたことだが、日経ビジネス電子版に載ったインタビュー記事(3月7日付)がようやくその裏書きをしてくれた。

 犯人は想像通り、欧州委員会である。記事でインタビューに答えていたのは「自動車の経営に大きな影響を及ぼす。環境担当として欧州の自動車規制も統括する欧州委員会のティメルマンス上級副委員長」(原文ママ)。

 同紙でのティメルマンス氏の発言を簡単に要約すれば、以下のようになる。

1. 多くの自動車メーカーは2035年より前に排出ガスフリーになる
2. e-FUELには経済的観点からあまり意味がない
3. e-FUELを使う内燃機関は欧州で作られることはない
4. e-FUELは排出ガスフリーではないからダメ
5. ハイブリッドの2035年以降販売禁止はEU全体の決定事項
6. タイヤやブレーキパッドから出る公害についての規制を行いたい

 面白いのはティメルマンス氏はこれらの提案を自動車に対する敵対的な規制だとは全く思っていないことだ。むしろ「私たち欧州の人々にとって、自動車産業は必要不可欠な産業です。欧州の自動車産業の競争力を高めるために、あらゆる手段を講じるつもりです」と発言しており、こうした規制が自動車産業の発展に資すると思っているようだ。

多くの「おかしい」ポイント

 ではどこがどうおかしいかを解説していこう。

1. 多くの自動車メーカーは2035年より前に排出ガスフリーになる

 まずはこれから。ティメルマンス氏は35年以降の動力はBEVとFCV(燃料電池車)だけになるという主張なのだが、現実的な話としてそのタイミングではまだFCVの大幅な普及は難しい。インフラも全国区にはならないし、水素のコストが下がるにはもっと時間がかかる。FCVの心臓部であるFCスタックのコストダウンはそれなりに進むだろうが、主流になれるほどではないだろう。つまり8~9割はBEVにならざるを得ない。
トヨタ自動車のFCV「新型MIRAI」(出典:トヨタ自動車)

 しかし本連載で繰り返し述べてきた通り、バッテリーの原材料となるレアアースの採掘量増産はそのタイミングで間に合うとは到底思えない。兵站(へいたん)が確立されていない作戦は絵に描いた餅にすぎない。

 実は、ここが「内燃機関禁止派」の特徴で、先日もとある専門家と話していて、どうも意見が合わなかったので、真意を理解するために聞き役に徹していたら、彼の趣旨が分かった。どうやら「バッテリー原材料は確かに足りないが、今足りないことをベースに判断しても仕方がない。掘ればいいんですよ」ということだった。

 掘れば解決すると思っているからそういう話になる。しかし、レアアースの採掘に限らず鉱山開発は10~15年を要し、その間どうするのかが全く見えない。今からBEVやバッテリー生産工場を建設して、原材料が届くのを待つのか? しかももっと言えば、10~15年というのは平時の話であり、従来の数十倍レベルの参入が相次ぐと、当然のごとく掘削機も、技師も大幅に足りなくなる。

 確かに需要好調が長期間続けばいつかは解決する話だが、来年再来年に解決することは100%あり得ない。筆者は専門家ではないから何年掛かるとは言えないが、普通に考えて人材の育成から始めて、彼らが実際に鉱山開発事業に従事し、開発事業を終えて、本生産に入るまでのスケジュールが2035年までの12年の間に収まるとは到底思えない。それは「来年飛行機のパイロットを10倍にしたい」と言っても不可能なのと概ね同じだ。

 というわけで、2035年はいったん置いたとしても、本当に大幅なBEV化を目指すのであれば、今すぐ鉱山技師の大量育成と、彼らが十分な収入が得られるスキームを作らなければ始まらない。

 また鉱山投資は多額の先行費用がかかる案件である。荒れ相場かつ需要逼迫(ひっぱく)で、世界中で多くの参入者がいることを考えると、営業開始後の原材料相場を読むのはとても難しい。場合によっては参入過多で暴落局面もあるかもしれず、そうなれば投資の回収は不可能になる。これをなんとかしようとすれば鉱山投資に多額の公的資金を投入する以外にないだろう。そういう政策は進んでいるのだろうか?

 さらにもっと面倒な問題がある。鉱山開発は環境負荷が高い。もっとストレートに言うと、従事者の健康に与える影響も大きい。だから一般論として人権意識や環境意識の高い先進各国では、ほぼ鉱山事業は廃れてしまったのだ。

 掘る原材料と鉱山の質にもよるが、25メートルプール一杯の土を掘って、得られるのはせいぜい手の平一杯かもっと少ない場合もある。しかも金やダイヤモンドのようにそのものが結晶として埋まっているわけではなく、掘り出した土を水に溶かして加熱したり薬品を加えたりして必要な資源を分離するわけで、大量の水資源を要する

 そしてレアアースが豊富に含まれている地質に一緒に含まれている他の物質、例えば水銀やカドミウム、鉛などが排水に溶け出すことなる。これを浄化するのにもエネルギーが必要だし、手間も時間も大変だ。「掘れば良い」という言葉を口にするのは簡単だが実現は難しい。

 そういう現実的かつ重大な問題を無視して、2035年には排出ガスフリーになると言われても、とても「はいそうですか」とは言えない。

「e-FUEL」に関する間違い

2. e-FUELには経済的観点からあまり意味がない

 これは現時点ではその通りだが、そんなことを言うなら内燃機関とBEVの比較も全く同じで、文中のe-FUELをBEVに差し替えても成立してしまう。気候変動という重大な問題に対して、技術革新をして解決していこうと決めたのであれば、聖域を作らず、技術革新をしていくしかないだけの話である。トライの結果が勝率10割になることはない以上、幅広くさまざまな可能性にトライするしかないし、その結果、淘汰される技術があるという簡単な話だと思う。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(38)

2023-04-19 00:00:00 | Weblog

と言うように、ヨーロッパではBEV化が進んでゆくようだが、そんな情勢の中での合成燃料であるe-fuelの認知である。

と言うことは、スポーツカーなどを含む高級車ではe-fuelを使ったエンジン車が流通するということになる。

敢えて「高級」とした訳は、この合成燃料バカ高い燃料なのであり、大金持ちしか使えない代物なのであるが、そのうち技術革新が進行して合成燃料も今のガソリン並みの価格となることでしょう。そうなれば、すべからくICEには合成燃料(e-fuel)が使われることとなり、CO2フリーのエンジン車も、BEVと共に闊歩していることになるのでしょう。

それだけ欧州のBEV一辺倒からの転換は刺激的なことなのであるが、何もBEVしか売れなくなることが確定したと言う訳ではないのであり、提案されたということだけなのである。うまくまとめた解説があるので、少々長いが、ご一読願う。読めば、疑問が晴れることでしょう。



池田直渡「週刊モータージャーナル」
ようやく議論は本質へ 揺らぐエンジン禁止規制
2023年03月27日 08時00分 公開        [池田直渡,ITmedia]
 「あれ? なんか話が変わってきていないですか?

 ここ数カ月の「脱内燃機関」に関する報道を見ていて、そう感じた人はおそらく多いはずだ。

内燃機関は世界的に禁止が確定し、世界のクルマは全部BEVになるという話だったはず。しかし日本だけが内燃機関時代の技術アドバンテージにしがみついて、世界で確定済みのルールに対して無駄な抵抗を続けている。
世界で自動車を販売していくのに、日本だけ違うルールにしたところで、グローバルな競争で大敗し、世界から取り残されていくだけ。

──という話だったはず。

 この話は、そもそもの前提理解が間違っていて、内燃機関禁止のルールは確かに世界中で議論されているが、別にそれで確定したわけではない。「世界は脱内燃機関に舵(かじ)を切った」という言葉の受け止め方の問題である。そういう流れがあるという意味では正しい。しかし確定済で変えられない未来という理解は間違っていた。それはここ数カ月の報道を見ても分かるはずだ。

 3月2日には、ドイツイタリアに加えてポーランドブルガリアが内燃機関の完全廃止に反対。欧州自動車工業会も反対。厳密に言えば反対の内容はそれぞれに少しずつ違うのだが、少なくとも、日本を除く世界が「もうきれいさっぱり内燃機関は全部やめましょう」で合意形成済にはなっていないことだけは確かだ。25日には欧州委員会は合成燃料の使用を前提として35年以降も内燃機関の販売を容認することで、ドイツ政府と合意した。

 これについてはEU独自のガバナンスメカニズムを説明するところから始めたい。図は外務省が制作したものだが、見て分かる通り、欧州委員会はEU理事会に対して法案や予算案を提案することしかできない。決定権があるのはEU理事会であり、今回先に挙げた国々が反対に回り、可決に要する欧州人口の65%を下回った結果、内燃機関の禁止についてはEU理事会で否決の見通しになったわけだ。

EU独自のガバナンス(出典:外務省) 

 つまり欧州委員会が何と言おうが、それは提案であって確定ではない。EU理事会の構成メンバーであるドイツ政府が欧州委員会のサジェスチョンに疑義を呈し、欧州委員会はそれを汲んで、内燃機関の販売禁止を取り下げた形である。これを見ても分かるように、法案にすぎないものを確定したかのように報道するから話がゆがんでしまう

 要するに議論が乱暴すぎたのだ。決定のプロセスにしても、脱炭素そのものの議論にしても、現実はもっと複雑で面倒くさい。「世界の危機」だと言いながら、その複雑で面倒くさいことを、分かりやすく乱暴に整理してしまうから話がおかしくなる。

「敵は炭素であって内燃機関ではない」

 伝える側の問題は大きいが、受け取る側の問題もある。内燃機関の全面禁止の弊害などいくらでも書き出せるのだが、そういう真面目な問題提起に対して「なんだか医者から食生活改善を指示されているのに、何もしようとしない糖尿病患者みたいだな」という見方がある。筆者が書いた記事のコメント欄でリアルに見かけた言葉である。

 しかしよく考えてみよう。例えば「糖質を制限しましょう」と医者が言ったからと言って、それは糖質の完全禁止を意味しているわけではないし、ましてや絶食を勧めているわけでもない。そんなことをしたら別のリスクが発生する。「ちゃんと計算しながら必要量は取りましょうね」という発言を「何もしようとしない」と受け取るのは恣意的すぎる。筆者からすれば面倒な計算やそのたびに判断や行動変容を求められるのを忌避するばかりに、「もう絶食でいいや」と思考停止しているように思える。

 絶食ダイエットなんてもってのほか、というのは普通に考えれば分かるはずなのだが、そこでより厳しい方法を取ったほうがエラいと、求道的みたいな妙な思考が入り込むと極論に走りがちになる。ましてやそのリスクを引き受けるのが自分自身の我慢でなく、誰かを責め立てればいいのであれば、極論に走るのは簡単だ。

 だからこそ、日本自動車工業会の豊田章男会長は、「敵は炭素であって内燃機関ではない」と言い続けてきた。それは「糖質制限の話を絶食の話と取り違えないように気をつけましょうね」という言葉だったが、大手メディアはそれを、既得権益者のポジショントークであるかのように報じ続けた。

豊田章男会長(出典:日本自動車工業会 記者会見の動画より)   

 こういう構造の中で、問題をややこしくしてきたのはマスメディアのミスリードと、深く調べもしないで極論を信じ、それをリツイートして拡大再生産を続ける人たちなのだが、そもそも火のないところに煙は立たない。そこに火をつけて回る人たちがいるからこういうことになるのだ。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(37)

2023-04-18 00:00:00 | Weblog

VWのID.3と言うBEVは、3種類のバッテリーを搭載するようだ。

1.45kWh(330km)
2.58kWh(420km)
3.77kWh(550km)

の3種類で、夫々()内の航続距離だという。

と言うことで、BEVのBatt.は平均60kWhとすると、240GWhは、400万台のBEVに該当することになる。(間違っていたら訂正願う。)

240GWh=240×10^9Wh
60KWh= 60×10^3Wh なので、4×10^6 となり、400万台と言う計算となる。

VWはヨーロッパで400万台分のバッテリーを生産する計画だということのようで、これに北米でどれだけのBEVを造って売るつもりなのかは知らないが、それ相応の数のBatt.を生産して電気自動車を売るつもりなのではないのかな。

VWブランドでは、BEVを2030年までに欧州では80%、北米では55%にすると目標を立てているので、ヨーロッパでおよそ400万台分のBEVの販売計画はあながち誇大なものとは言えないものである。

ただし事ヨーロッパにおいてはBEVが主流なので、2030年までにこれだけのBatt.を生産すると言うことは、相当な規模だと思われがちだが妥当なものであろう。それほどビックリするほどのものではないと言うもの。トヨタの2035年までに350万台も見劣りするものである。




【VW新型ID.3】「新世代EV!」2022年内日本発売!最新情報、充電時間や航続距離、サイズ、価格は?
2022-01-27

フォルクスワーゲンが、電気自動車の新モデル「ID3」の日本発売を予定しています。


(略)
▼フォルクスワーゲン新型ID.3のボディサイズと比較
全長×全幅×全高:4261×1809×1552mm
ホイールベース:2765mm
車重:1719kg

※参考
・フォルクスワーゲン ゴルフ
 全長×全幅×全高:4265×1800×1480mm
 ホイールベース:2635mm 
フォルクスワーゲン新型ID.3のボディサイズは、ブランドの主力ハッチバックとしてラインナップされている「ゴルフ」と同等のサイズとされました。
 
しかし、電動パワートレインと電気自動車専用のプラットフォームを採用することでタイヤを車体の前後端にそれぞれ配置し、ホイールベースは130mmと大きく延長。

(略)

新世代!フォルクスワーゲン新型ID.3のパワートレインとスペックは?


▼フォルクスワーゲン新型ID.3のパワートレインとスペック   
パワートレイン:電気モーター
最高出力(2種)149ps(45kWhモデル) or 204ps(58kWh&77kWhモデル
最大トルク:31.6kgm(全車共通)
最高速度:160km/h
駆動方式:後輪駆動
フォルクスワーゲン新型ID.3のパワートレインには、高出力の電気モーターが搭載されています。
 
モーターは専用の1速ギヤボックスとあわせて車体の後方に配置され、3Lガソリンエンジンなみとなる31.6kgmのトルクを瞬時に発生し、EVならではの鋭い加速を実現。
 
最高出力はエントリーモデルで149ps、その他のモデルで204psとされています。
(略)
▼フォルクスワーゲン新型ID.3の航続距離と充電時間
バッテリー容量(3種)
・45kWh or 58kWh or 77kWh
航続距離
45kWhバッテリー:330km
58kWhバッテリー:420km
77kWhバッテリー:550km

充電時間:30分(80%まで/急速充電使用時)
フォルクスワーゲン新型ID.3には、高効率の最新バッテリーが3種類用意されています。
 
45kWhバッテリーはエントリーバージョンとされ、 最大330kmの走行に対応。
 
航続距離を重視したモデルとなる77kWhモデルは、550kmの走行が可能とされました。
 
これらのバッテリーは、最新の急速充電器に対応することで充電時間を80%まで30分に短縮。
 
搭載されるバッテリーや充電システムは、今後フォルクスワーゲングループの他モデルにも広く採用される予定です。
(略)
https://carislife.hatenablog.com/entry/2019/05/11/190000
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(36)

2023-04-17 00:00:00 | Weblog

小生なりの理解は次の通りだ。

トヨタのHEVを、事EUでは、のさばらせたくない。だから、電気自動車・EV一辺倒を推し進めるのだ。ICEを禁止すれば、トヨタの得意のHEVは使えなくなる。CO2削減を口実にした環境対策を掲げたトヨタのハイブリット車外しだ。直接的に言えば、こうなる。

だから「欧州グリーンディール政策」とは、特定の目的を持ったEUの政治主導の自動車産業保護策なのである。しかしながらこの政策は、自国のカーメーカーの首も絞めることになってしまった、と言うこと。

(トヨタの)HEVはCO2の排出に対しても、BEVに引けはとっていない。並みのBEVよりも環境性能(CO2排出量)はよい(少ない)のである。だからBEV政策を推し進めるためには、バッテリーの製造方法や充電のための電源構成までも変えてゆかなければならないのである。即ち、火力発電から、原子力発電か再生可能エネルギーによる発電の特化しなければならないのである。

内燃機関を維持するということであれば、CO2フリーの燃料を使わなければならないのであり、自動車産業維持の観点からは、合成燃料の導入と技術革新(コスト削減など)が必須となってくるものである。

しかしながら合成燃料を認めれば、EUが毛嫌いしているトヨタのHEVでも使用されることになり、EUとしてはBEVの優位がなくなってしまうことになる。そのため分ってはいたものの、合成燃料の使用からは距離を置いていたわけである。これでEUの意図したBEVの優位は薄れてしまったことになる。

と小生は理解したが、ご意見あればどんどんご指摘願う。


ちなみに、「合成燃料」と「e-fuel」とはその違いを理解しておく必要があるので、この論考ではそのことに言及している。

合成燃料(CnH2n)とは、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)でつくられるものであるが、この水素が、CO2を全く排出しない再生可能エネルギーによる電気での水の電気分解によって取り出されたH2が使われるものをいう、と理解している。

さて問題は、ドイツが自国の自動車産業を保護するために、合成燃料の使用を強引に認めさせたのであるが、早速フォルクスワーゲン・VWが動き出している。

それは、欧州でのバッテリーの生産工場の建設に待ったをかけたのである。変わり身が速いというか、はたまた様子見かは知らないが、その動きが速いことと言ったらありゃあしない。


VW、欧州バッテリー工場建設を停止 EUの対応見極め
Reuters  • 2023年3月9日1:27 午後UPDATED 22日前

[ハンブルク 8日 ロイター] - ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は8日、欧州に複数のバッテリー工場を建設する計画を進める前に、米インフレ抑制法に対する欧州連合(EU)の対応を見極めると表明した。

FILE PHOTO: Trucks at the IAA Transportation fair in Hanover© Thomson Reuters

関係筋は匿名を条件にロイターに「事実上、北米をはるかに優先しているということだ」と述べた。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は以前、VWが東欧のバッテリー工場建設計画を停止し、90億─100億ユーロ(105億4000万ドル)の補助金が得られる北米での工場建設を優先すると報じていた。

VWの広報担当は、この報道について「東欧と北米の次のバッテリー工場の適切な候補地を現在も検討している。まだ決定はしていない」と述べた。

同社は2021年3月、欧州に6つのギガファクトリーを建設すると表明。生産能力は合計240ギガワット時になるとの見通しを示していた。

VWは8日発表した声明で「30年までに欧州に約240ギガワット時のバッテリー工場を建設する計画を堅持しているが、そのためには適切な構成条件が必要だ。このため、EUのグリーンディールがどのようなものになるかを見極める」と述べた。

https://jp.reuters.com/article/volkswagen-batteries-idJPKBN2VB089



VWが計画している6つのBatt.ギガファクトリーは、合計240GWhの生産能力だというが、これでBEVの何台に相当するものであろうか。
(続く)
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